ハムスターに寝床が必要な理由
ハムスターにとって寝床は、名前のとおり、ベッドやお布団、寝室にあたります。
また、それだけでなく、ハムスターが安心して過ごせる「隠れ家」の役割も担っています。
ハムスターには、決まった部屋で寝る習性や狭くて隠れることのできる空間を好む習性がありますので、ハムスター専用の巣箱やハウス、クッション、床材などです。
ハムスターをお迎えする際は、基本的な飼育用品として必ず用意しておきましょう。
野生のハムスターは、地下にトンネルを掘って自分の巣穴を作って暮らしています。
ハムスターは、出入り口から通じるトンネル状の細い通路と複数の部屋を作り、奥の部屋を寝床にします。
奥の部屋を寝床にするのは、最も外敵から襲われにくく安全に隠れられるからです。
ハムスターにとって理想的な寝床の条件
ペットのハムスターにストレスなく快適に暮らしてもらうためには、野生のハムスターが作る地下型の巣穴に近い環境を用意することが好ましいといえます。
ただし、地下型の巣穴を家庭で再現することは難しいので、ケージの中に床材をたっぷり敷き、市販の巣箱やハウスを設置して快適な環境を提供してあげることが必要となります。
ペットショップではさまざまな種類の寝床が販売されているので、おうちのハムちゃんに合ったものを選んでいくとよいでしょう。
◆寝床の材料
寝床になるのは、ペット用品として販売されている巣箱やハウス、または小動物用の床材です。
市販されている寝床は、主に天然木で作られたもの、プラスチック製、陶器製、布製、わらや木の実など植物を材料にしたものが一般的です。
また、野生のハムスターは地面の土を掘って部屋を作るので、ペットのハムスターもケージの中に入れた床材を掘って巣穴のような寝床を作ることがあります。
◆寝床の形状と大きさ
ハムスターが自分で作る寝床は、出入り口に自分が通れるくらいの穴があり、大きさはそれほど広くはありません。
狭い所を好むので、寝床を購入する際は、ハムスター1匹が入れて体の周りに少し余裕がある程度のサイズで寝床を用意しましょう。
市販の寝床は、箱型、ドーム型、きんちゃく型やテント型など、形状にはさまざまなタイプがあるので、インテリア性を考慮して飼い主さんの好みで選んでもよいでしょう。
できれば、中が丸見えになっておらず、ハムスターが通れるくらいのサイズの出入り口があるものを選ぶと、ハムスターは視線や外の気配が気にならず、安心して過ごせます。
なお、寝床が広すぎると、ハムスターがその一角をトイレにして排泄してしまうことがあります。ハムスターの用品は、ゴールデンハムスターとドワーフハムスターでサイズが異なります。ハムスターの種類に合ったサイズの寝床を選ぶようにしましょう。
◆温度と湿度の管理
寝床は気候や環境に合わせて適したものを使い分けることがのぞましいです。
ハムスターは体温調節機能があまり発達しておらず、暑さや寒さに弱いです。また、本来は乾燥した地域に生息する動物で、湿度が高い環境も苦手です。
野生のハムスターが暮らす地下の巣穴は一年中温度と湿度が一定に保たれているので、体温調節が苦手でも快適に過ごすことができています。
ですから、ハムスターを飼育する場合も、ケージを置く部屋やケージ内はなるべく一年を通して快適な温度に保つ必要があるのです。(温度20~26℃、湿度40~60%くらいとされています。)
さらに、寝床は夏に熱や湿気がこもらないよう、通気性が良いもの、涼感が得られるものを使い、冬は保温性が高いものを選んであげると、ハムスターが快適に過ごせます。
ハムスターの寝床作りのポイント
ハムスターが寝床を用意する際には、どのような工夫をすればよいのでしょうか。
◆適切な素材の選び方
寝床選びで重要なのは素材です。
寝床の素材はそれぞれにメリット、デメリットがあります。
プラスチックや陶器は、丈夫で汚れても水洗いできるのがメリットです。
木製は触り心地と通気性が良く、一年中快適に使えます。布や植物で作られたものは柔らかくてハムスターが喜びます。
また、木やわらなどはハムスターがかじっても安心できます。
一方、プラスチックは通気性が良くない、陶器、植物、布は水分がしみ込みやすく不衛生になりやすい、といったデメリットもあります。
また、布は誤食や爪がひっかかってけがをするトラブルが心配です。
どの素材が一番良いとは一概にいえないので、飼い主さんのお手入れのしやすさ、季節やハムスターの好みを考慮して合ったタイプを選ぶことをおすすめします。
◆レイアウトの工夫
寝床は、ケージの扉の近くや前面ではなく、ケージの奥の隅などに置くのがよいでしょう。人の視線が気にならないよう、出入り口は人から見えにくい向きに設置するのがおすすめです。
寝床をケージ内のどこに設置するかは、とても重要なポイントとなります。というのも、寝床が落ち着けない場所にあると、ハムスターが中に全く入らないことがあるからです。
野生のハムスターは巣穴の位置口から一番遠い場所に寝室を作ります。つまり、ハムスターが隠れて過ごせるような場所が寝床に適しているということです。ですから、ケージ内に寝床を設置する場合も、入口から遠く人から見えにくい場所を選んだほうがよいのです。
◆床材の敷き方と深さ
ハムスターを飼育する際に欠かせないのが床材です。床材はふかふかして柔らかく、ハムスターがもぐったり巣作りに作ったりでき、野生のハムスターが暮らす巣穴に近い環境を再現してくれます。
ハムスターのけがを防ぐためのクッションの役割、冬の寒さからハムスターを守る布団の役割もあるので、ケージ内は、ハムスターがもぐれる程度にたっぷりと床材を敷いてあげましょう。
ハムスターは寒い時には、巣箱の中に床材を持ち込んだり入口をふさいだり、床材で作った穴の中で寝るなど、暖かくして眠るための工夫をこらします。また、夏の暑い時は寝床から出てきて床材の上で寝ることもあります。
このようにハムスターは床材を上手に使って自分でも環境を調整するので、常に床材が不足しないように敷いておく必要があるのです。
◆定期的な掃除
ケージ内は定期的に掃除をして清潔に保ちましょう。
ただし、ケージはハムスターの縄張りなので、自分のにおいを消されたりレイアウトを変えられたりするとストレスを感じます。そのため、ひんぱんに大掃除をする必要はありません。
トイレの砂、食器、給水器などは汚れやすいので毎日きれいにする必要がありますが、寝床は汚れやにおいが気になった時に洗いましょう。
また、巣箱やハウスは汚れたり傷んだりしやすいので、消耗品と考え、必要に応じて買い替えることをおすすめします。
まとめ
今回はハムスターの寝床について説明しました。
ハムスターにとって、寝床は寝室になるだけでなく、隠れ家、リラックスして過ごせる場所として重要な役割を持っています。1日の大半をここで過ごすので、理想的な寝床を提供することが大切です。
どのような寝床がよいかは、ハムスターの好みや体調、環境によっても変わってきます。ハムスターが気持ち良く利用できるよう、こまめにケージ内を観察して寝床をレイアウトしてあげてくださいね。
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