チンチラにとって最適な室内の温度とは?

チンチラが快適に生活するために、最適な室内の温度を知っておくことが必要です。
チンチラは高温多湿が苦手な生き物なので、夏場はエアコンでの温度管理が必須になってきます。
では、具体的にどのぐらいの温度が適温なのかご紹介します。
◆基本的な適温
ペットとして飼育しているチンチラは25℃以下の環境に適応しています。
ですが「適応して暮らせる」のであって、適温は15℃〜22℃前後が理想的です。
人間の室温の適温が20〜25℃前後と言われていますので、チンチラの適温は想像より低かった!という方も多いのではないでしょうか。
また、25℃を超えるとチンチラの元気がなくなり、熱中症のような症状を見せることもあります。
そして多湿が苦手なので、湿度が高いとさらに危険な状況になってきます。
◆チンチラは特に高温に弱い
チンチラの原産はアンデス山脈の標高3000〜5000m、岩だらけの寒く乾燥した地帯だとされています。
1日のうちの気温の変化が大きく、標高が高いため空気も薄く、日中は紫外線が強い過酷な環境です。
紫外線の強い日中はなるべく岩陰で過ごし、気温が下がる夜間に外に出てきて餌を探します。
そんな低い気温に耐えられるように体を覆う被毛は密度が高く、ひとつの毛穴から80〜100本ぐらいの毛が生えています。
そのため、低い温度には適応していますが、高温に適した体の作りではありません。
ただし、いくら寒さに強いチンチラといえど低すぎる温度はNG。
野生の個体は、寒い日は100頭前後の群れで寒さをしのいだり、風がしのげる場所に避難したりしています。
隙間風があたり、冷たい風から避難できないような場所にケージを置いたり、温度が10℃以下になると体調を崩したり無理に冬眠しはじめてしまうので、チンチラにとっての適温や、心地の良い棲家作りを心がけるようにしましょう。
季節ごとの温度管理

日本には四季があり、季節ごとに温度の幅があります。
季節ごとの温度管理が大切になってきますので、それぞれご紹介します。
◆夏の温度管理
チンチラにとって日本の夏の高温多湿な気候は命に関わる危険があります。
飼い主が外出して家を空けているときでも、エアコンで室内の温度管理をするようにしましょう。
とはいえ、低すぎると飼い主の方が体調を崩してしまう恐れもあるので、20〜25℃の範囲で一定の温度を保つようにしましょう。
また、チンチラにとって日本の高い湿度も大敵です。
湿度は30〜40%ぐらいに保ち、梅雨時期の最も多湿になる時期は除湿機などを使用して調節するといいでしょう。
寒さに強いチンチラといえど、エアコンの冷風が直接体に当たるのはNG。
ケージはエアコンの風が直接当たらない場所に設置し、チンチラの意思で中に入れるような巣箱を設置するのもおすすめです。
◆冬の温度管理
チンチラは寒さに強いので冬は特に気にすることがないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかしそれは間違いで、北海道から沖縄まで、冬と言っても日本は温度が様々ですから、きちんと温度管理をしてあげなければなりません。
特に、10℃以下になると疑似冬眠を始めてしまう個体も。
チンチラはもともと冬眠をする動物ではありませんので、そのまま冬眠させてしまうと、失敗してやがて死に至ります。
そのため、冬場でも温度が低くなりすぎないようにエアコンやペットヒーターなどで工夫して温度管理をする必要があります。
前述した通り、チンチラの適温は15〜22℃前後と言われていますので、エアコンで部屋全体の温度管理をしつつ、ペットヒーターでケージや巣箱を温められるようにするのがおすすめです。
特に朝晩の気温の急激な変化で体調を崩すチンチラもいますので、冬場の温度管理も注意したいですね。
◆春と秋の温度管理
春と秋はチンチラにとって気温も湿度もちょうどいい季節になってきます。
しかし、春先は朝晩の気温差が激しかったり、秋の残暑で突然の夏日になったりと、急な温度の変化があるのも春と秋の特徴です。
そのため、春と秋もエアコンでの温度管理を怠らずに、適温をキープしてあげられるようにしましょう。
また同じチンチラでも暑がりの個体や、その逆に寒がりな個体がいますので、自分の飼育しているチンチラはどちらなのかを観察して、エアコンやヒーターで温度管理を気をつけてあげましょう。
温度管理における注意点
チンチラを日本で飼養するためには温度管理が重要なことをお伝えしました。
ここでは、そんな温度管理に関する注意点をご紹介します。
◆必ず温湿度計を設置する
チンチラを飼育する際、必ず必要になるのが温度計です。
チンチラは高い湿度も苦手ですので、湿度対策のために温度と一緒に湿度も確認できるタイプの温度計がおすすめです。
チンチラのケージは上下に高低差があるものになりますので、できればケージの上下、そしてお部屋全体の温度がわかる位置の三か所ほど温度計を設置するのが望ましいでしょう。
ケージに引っ掛けられるタイプの温度計が販売されていますので上下に設置し、夏は気温が高くなる日中、冬や春秋は気温が低くなる日没後や朝方など、こまめに確認するようにしましょう。
温度計を参考に、エアコンの設定温度を調節してチンチラに過ごしやすい環境を作っていきたいですね。
◆エアコンを使う時の注意点
チンチラの温度管理にエアコンを使用する際に注意しなければならないことがあります。
それは、エアコンの風が直接当たらないようにすることです。
最近のエアコンでは風が当たらないように設定できるものもありますが、そのような設定がない場合は、エアコンの風の吹き出し口の対角線上にはケージを置かないようにしましょう。
部屋の作り的にそれが難しい場合は、風が当たる向きはアクリル板でケージを覆うなどして、風をブロックするようにしてください。
また、ケージのなかに巣箱を置いて、チンチラが自分の意思で風を避けたりすることができるように、ケージ内のレイアウトも工夫するようにすると、さらに快適に過ごすことができるようになるでしょう。
また、エアコンの設定温度がそのまま室温になるわけではないので、温度計をこまめにチェックして、エアコンの設定温度を変更するようにしましょう。
◆ケージの置き場所に気を付ける
前述したエアコンの風が直接当たらない場所もそうです。
そして、窓側などは夏場は直射日光があたったり、熱気で温度が上がってしまいます。
逆に冬場は外の冷気でケージの温度が下がってしまうので、窓側はおすすめできません。
また、出入りが多い入口付近も、人が出入りするたびに急激な温度変化がおきてしまう場合があるのでおすすめできません。
チンチラのケージは、エアコンの風が直接当たらない、窓や出入り口から離れた壁際などに置けると理想的ですね。
チンチラの熱中症
チンチラは室温が25℃を超えると熱中症の危険が高まってきます。
普段からの温度管理で熱中症にならないことがとても重要ですが、チンチラの熱中症の症状を把握しておくことで、万が一熱中症になってしまった場合もすぐに対処することができます。
◆症状
チンチラの熱中症の症状は
などになります。
◆対処
人間同様、チンチラの熱中症も軽度であれば自宅で対処することができます。
まずは、部屋の温度を20℃前後まで下げて、風通しがよく涼しい環境を作ってあげましょう。
体にこもってしまった熱を下げるために、冷水で濡らしたタオルを絞り、体に巻きつけてあげるのも効果的です。
この時、氷などを直接体に当てるなどしてしまうと逆効果になります。
体に当てるのではなく、周りに保冷剤を置いて涼しくしてあげるのも効果的です。
意識が混濁しているなどの重い症状の場合はすぐにチンチラを診察できる獣医師にかかりましょう。
点滴などの処置をしてもらい様子を見ます。
通院の際も、なるべく車内を涼しくしたり、キャリーのまわりに保冷剤を置いて涼しい環境を作り病院に連れて行くようにしてください
まとめ
今回はチンチラの適正温度についてご紹介してきました。
アンデス山脈の高地原産のチンチラは、寒いところに対応した被毛に覆われています。
そのため暑さに弱く、チンチラが快適に過ごせる温度は15℃〜22℃前後。
「意外と低い温度だ!」と思われた方も多いのではないでしょうか。
また、温度が高すぎると熱中症の危険もでてきますので、一年を通してエアコンなどを使用した温度管理が大切になってきます。
日本の夏はチンチラにとっては厳しい季節となりますので、快適に過ごせるようにしていきたいですね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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