1.オカメインコとはどんな動物?
1-1.野生のオカメインコの生態
1-2.オカメインコのカラー
1-3.オカメインコの大きさ
1-4.オカメインコの性格
1-5.オカメインコの寿命
2.オカメインコの飼い方
2-1.ご飯はシードやペレットを中心にバランスよく
2-2.トイレは覚えない
2-3.ケージを清潔に保ってあげる
3.オカメインコの飼育に必要なグッズ
3-1.ケージ
3-2.キャリー
3-3.止まり木
3-4.餌入れ・水入れ
3-5.ボレー粉入れ
3-6.青葉差し
3-7.バード・トイ(おもちゃ)
3-8.黒い色の布(ケージの覆い)
4.オカメインコの飼育の注意点
4-1.オカメインコに人間用の食品を与えない
4-2.「オカメパニック」について
5.オカメインコのかかりやすい病気
5-1.オカメパニックで引き起こす怪我
5-2.オカメインコの生活習慣病
【掲載:2020.09.28 更新:2022.11.08】
オカメインコとはどんな動物?
インコは小さな動物ですが、とても知性が高く、感情豊かな動物です。
「小さいから飼いやすい」「散歩に行かなくていいからラク」などと思って、安易に飼うことはやめましょう。
繊細な動物なので、こまやかなケアが大切になります。
オカメインコは、名前はインコですが、オウムの仲間です。
英語では「Cockatiel(コッカテイル)」と呼ばれており、これはポルトガル語の「Cacatilho」(小さなオウム)が元になっていると言われています。
オウム科の中でももっとも小柄なオカメインコは人に慣れやすく、飼い方によっては優しくて甘えん坊に育つこともあるでしょう。
オカメインコは愛らしいチークと冠羽、スマートな見た目にも人気があります。
📌【おすすめ記事】人気のインコ・オウムの種類7選!性格や特徴、寿命、飼い方の注意点は?
◆野生のオカメインコの生態
野生のオカメインコはオーストラリア大陸で暮らしています。
オーストラリア大陸は世界大陸の中でも平均標高が低く、土地が平坦で乾燥した地帯です。また、降雨量の少ない大陸でもあります。
オーストラリアの中でもオカメインコが観察しやすい地域の一つは、エアーズ・ロック周辺です。エアーズ・ロック周辺では冬の夜間は氷点下になるほど冷え込み、夏場は約36℃まで気温が上昇します。
◆オカメインコのカラー
オカメインコは、体のカラーの違いで種類が分かれます。
オカメインコのノーマル種以外のすべての品種は、突然変異による色変わりを血統的に固定することで作出された品種改良種です。
様々な体の色を持つオカメインコが掛け合わされるので、オカメインコは種類がたくさんあります。
オカメインコの名前の由来にもなっている顔のチークですが、オカメインコの種類によっては顔のチークが無い種類のオカメインコもいます。
- ノーマル:白い翼帯と顔、チーク以外は濃いグレー色です。メスとオスで模様が変わります。
- ルチノー:一般的にショップでもよく見かけます。体はクリーム色で、チークはオレンジ色です。
- シナモン:ノーマルと違いが分かりにくいですが、ノーマルよりも色が薄く、茶色味がかっています。
- ファロー:シナモンオカメインコをさらに薄くした色がファローです。
- パイド:パイドの意味は「まだら」です。ノーマルのメラニン色素が部分的に抜けて、白色のまだら模様が現れます。
- アルビノ:アルビノは頭から尾まで、真っ白なオカメインコです。アルビノでは目の色が赤いオカメインコもいます。
- パール:背中に水玉模様のあるオカメインコです。オスは大人になると水玉模様は消えますが、メスは大人になっても水玉模様が消えません。
- エメラルド:ノーマルオカメインコのグレー色に緑色がかったように見える種類です。緑色に見えることから「オリーブオカメインコ」とも呼ばれています。
◆オカメインコの大きさ
オカメインコの体長は成鳥の場合で、30~35cmです。
体長の測り方は、クチバシの先から尾羽の先までの長さを測ります。
翼開長(羽を広げた時の羽の端から端までの長さ)は約40cm以上あるので、広いケージが必要です。
体や骨格の大きさにも個体差がありますが、成鳥の場合、体重は80~120gになります。
◆オカメインコの性格
オカメインコは穏やかで優しく、寂しがりやな性格です。
オカメインコ単体で飼育すると、何をするにも飼い主さんと一緒がいい、ベタ慣れの子になりやすいです。
セキセイインコなど活発な性格のインコと同居させると、割と控えめで、遊んでいても他の子が来たら譲ってしまうような一面もあります。
鳥さんと一緒にゆったりした時間を過ごしたい方にはとてもおすすめしたい種類です。
◆オカメインコの寿命
鳥は思っているよりも長生きする動物で、小型のセキセイインコで約15年、中型のオカメインコで約20年、ヨウムになると約35年です。
オカメインコの中には30年以上生きたオカメインコの記録も残っています。
今後の人生設計を見据え、最後までお世話できる覚悟があるか考えてから飼いましょう。
オカメインコの飼い方
オカメインコは愛嬌のあるしぐさや表情に加え、日本の気候にも順応し、飼いやすくて丈夫な種類だといわれています。
オカメインコは私達が手塩にかけて可愛がれば可愛がるほど、愛情いっぱいでそれ以上に応えてくれる小鳥です。オカメインコとの生活は、毎日の暮らしに彩を添えてくれるでしょう。
オカメインコは、大好きな人と触れあう喜びを全身で表してくれます。しかし、それだけではありません。
オカメインコも怒りや不安、悲しみといった感情を持ちあわせています。時には、その感情をぶつけてくることもあります。
ケガや病気になれば、人と同様に痛みや苦しみも感じる存在であることを忘れてはなりません。
◆ご飯はシードやペレットを中心にバランスよく
オカメインコの主食は穀物の種子を主食にしています。
ペットショップには小鳥の餌用に種子を配合した混合飼料が市販されていますので、小鳥用の餌を与えると良いでしょう。
オカメインコの餌にはさまざまな種類がありますので、新鮮なものをバランス良く与えるようにして下さい。
シード
オカメインコの主食です。アワ、ヒエ、キビ、カナリアシードの4種類の種子が主に配合されています。
配合の割合は商品により、多少異なるので、パッケージの内容表示を確認しましょう。
混合飼料には「皮付き」「むき餌」がありますが、オカメインコのためを思うなら「皮付き」を選びましょう。
自分で皮をむいて食べるので、クチバシの運動や遊びになります。
ペレット
小鳥用のペレットは小鳥の栄養素をすべて、バランス良く配合したエサです。
ペレットの食いつきはあまりよくありませんが、ペレットはバランスの良い食事なので、肥満防止になります。
病気になった時に動物病院から処方される処方食はペレットが多いので、普段から食べ慣れさせておきましょう。
麻の実、ヒマワリの種など
1日1回ひとつまみほど、おやつとして与えて下さい。
オカメインコは喜んで食べますが、脂肪分が多いため、与えすぎると肥満の原因になります。
シード(混合飼料)を与えていれば、全く与えなくても問題ありません。
青菜
青菜のおすすめは、小松菜・白菜・チンゲン菜などです。
ほうれん草などアクの強い青菜は与えない方がいいでしょう。
残留農薬は危険なので、青菜を与える時は、しっかり水洗いしてから与えて下さい。自分で栽培した青菜を与えると安心です。
ボレー粉、イカの甲、塩土
どれも摂りすぎは良くありませんので、週に1~2日だけ新しいものを与えるようにして下さい。
イカの甲と塩土は、あらかじめ割って保存し、少しずつ与えると良いでしょう。
◆トイレは覚えない
オカメインコはトイレを覚えません。ケージの底に新聞紙を敷いておき、いつでもトイレができるようにしておきます。
1羽で飼っている場合は、2~3日に1度取り換えるようにしましょう。
また、オカメインコは水遊びが好きな鳥です。
ケージの中で思いっきり水浴びするときは、新聞紙の代わりに犬・猫用のペットシートを敷いておくと、ケージの底が水でグチャグチャになりません。掃除も楽になるので、便利です。
ペットシートの中には食べると中毒を起こす成分が入っている場合があります。
使用する場合は必ずケージの一番底に敷いて、底の網からクチバシが届かないようにしましょう。
◆ケージを清潔に保ってあげる
天気の良い日を選んで、月に1度はケージを分解して丸洗いしましょう。掃除中はオカメインコを別のケージかますかごに入れておきます。オカメインコから目を離すことは危険ですので、部屋の中に放しておくことはやめましょう。
エサ入れ、水入れ、止まり木などの付属物は全て外して洗います。
底の新聞紙も捨てて、底の引き出しもしっかり水洗いしましょう。金属の部分の汚れもフン掻きでこすった後、歯ブラシで磨くとよく落ちます。
一通り汚れを落としたら、金属部分には熱湯をかけて熱湯消毒して下さい。プラスチック部分と止まり木も一緒に陽に当てて、日光消毒しましょう。
エサ入れ
エサは毎日取り換えますが、エサ入れ容器もきれいに洗う必要があります。
こびりついたフンは、ぬるま湯でふやかしてから使い古した歯ブラシでこするとよく取れます。
仕上げは脱脂綿で拭くとプラスチックに傷が付かずにピカピカになります。
水入れ・水浴び容器・青葉差し
水を使うプラスチック製の容器はヌルヌルになり、しばらく放っておくと雑菌が繁殖して不衛生です。
水替えのついでに給水器をを洗ってあげましょう。指の入らないようなところはピンセットに脱脂綿を巻いて汚れを取りましょう。
止まり木
止まり木にフンがこびりついているような場合は、専用のフン掻きを使うと便利です。
オカメインコの飼育に必要なグッズ
◆ケージ
よく慣れた手乗りのオカメインコでも放し飼いは出来ません。部屋の中には意外に危険な物がたくさんあり、思わぬケガや事故を招きます。
うっかり戸や窓を開けてしまい、逃がしてしまうこともありますので、基本的にはケージ飼いをして、時間を決めて部屋に放すようにしましょう。
オカメインコが丈夫なクチバシでかじっても良いように丈夫なケージを選んで下さい。
鳥が脚や指をはさんだりしないか、掃除しやすい造りになっているか確認しましょう。
大きさの目安としては、オカメインコが両翼を広げてもぶつからない程度が理想です。
色々と悩まれるかとは思いますが、ペットショップの店員さんにオカメインコにおすすめのケージを聞いてみるとよいでしょう。
◆キャリー
お出かけや通院に使います。キャリーがあると、移動が楽になります。
◆止まり木
ケージに付いているものを使うと便利です。上下2カ所に水平に取り付けるようにしましょう。
◆餌入れ・水入れ
ケージに付いているプラスチック製のものを使うと便利です。
◆ボレー粉入れ
プラスチック製の小さな餌入れを使います。止まり木の近くなど、食べやすいところに取り付けましょう。
◆青葉差し
青菜を与える時に使います。
◆バード・トイ(おもちゃ)
ブランコなどは、オカメインコが好んで遊びます。ひとり遊び用のおもちゃなので、安全なものを選んで取り付けるようにしましょう。
◆黒い色の布(ケージの覆い)
オカメインコは、夜は明るい場所では眠りにくいです。
夜9時には眠れるように黒い(濃い)色の布をかけて、ケージの中を暗くしてあげて下さい。
オカメインコの飼育の注意点
◆オカメインコに人間用の食品を与えない
パン、クッキー、ご飯、ラーメン、ビールなど、オカメインコは与えれば何でも食べてしまいますが、絶対に与えないで下さい。人間用の食品は全て病気の原因になります。
ケージの外に出して遊んでいる時に、テーブルの上に出ているものなどを誤って食べてしまうことのないように注意しましょう。
◆「オカメパニック」について
オカメインコはカーテンをひく音や、机からペンが転がり落ちる音など、ちょっとした生活音にも敏感に反応して、パニックを引き起こします。
他にも雷の音や地震など、自然災害による音が起因することもあります。
オカメインコが暴れまわることは「オカメパニック」と呼ばれ、注意が必要な行動です。
オカメパニックは、鳥の中でも臆病な種類のオカメインコによく見られる行動です。
オカメパニックを起こすと、ケージの中で暴れまわるので、爪が折れたり羽が抜けて流血したり、ひどいときには骨折の大けがをしてしまうことも。
今までそのような行動が見られなくても「いつかオカメパニックを起こすかもしれない」と覚悟して、オカメインコのケージは羽を広げても余裕があるくらいに大きめものを選びましょう。
オカメインコのかかりやすい病気
オカメパニックを引き起こしたオカメインコは暴れまわるため、ケガをしやすいです。
飼っているオカメインコがオカメパニックになったら、そばで声かけをして、オカメインコを落ち着かせてあげましょう。
パニックが落ち着いたら、ケージの中に血が飛び散っていないか、オカメインコがケガをしていないかをしっかり確認しましょう。
◆オカメパニックで引き起こす怪我
- 流血
- 骨折
- 打撲
オカメインコにも生活習慣病が当てはまる病気が昨今ではいくつか存在します。
食生活、運動習慣、休養、ストレスなどの生活習慣が、オカメインコの生命にかかわる重い病気を招いてしまうでしょう。
オカメインコが肥満気味であれば、適度な運動や食事制限によって肥満を解消することが大切です。
◆オカメインコの生活習慣病
- 高脂血症
- 肥満
- 肝不全
- 脂肪肝
ひまわりの種やナッツ類など脂肪分の多いおやつを食べすぎると肥満になってしまいます。肥満は様々な病気を引き起こすきっかけになります。
オカメインコを健康で長生きさせるために、適正体重を維持してあげましょう。
オカメインコの飼い方に関するまとめ
オカメインコのケージは、どんなケージを選んでも掃除しないと不衛生になり、悪臭の原因です。オカメインコは快適な環境を整えてあげることで、寿命が延びます。
飼い主の側から愛情を一方的に押し付けられている飼育方法では、オカメインコも幸せになれません。
情報を正しく取捨選択できるようになるためにもまず、オカメインコに関する基本的な知識を身に着け、オカメインコの飼育に役立てましょう。
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