デグーとはどんな動物?
デグーは「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれ、鳴き声がキレイなことで有名です。
家族単位で構成された群れを作るデグーは、仲間同士が鳴き声でコミュニケーションを取り合う愛くるしい姿を見せてくれます。
最近ではカラーバリエーションが増え、人気が高い動物の一つです。
大きくなり過ぎず、人慣れするという良さも相まってペットショップでも取り扱うお店が増えました。
デグーはげっ歯目科の動物ですが、ネズミ・リス・ハムスターとは違う完全草食の動物です。
人慣れすると言われているデグーですが、元は野生動物なので、家畜やペット化された動物ではないことを念頭においておきましょう。
◆デグーの生態
デグーは人と同じように昼に活発に活動する昼行性です。
陽が明るくなったら起き、暗くなると巣穴に戻ります。
デグーの個体差にもよりますが、基本的には飼い主の生活リズムに合わせるので、夜行性になるデグーもいます。
デグーは人と同じリズムで活動するため、飼い方が簡単な動物だと言われています。
野生のデグーは南米の耕地の岩場などで暮らしているため、ハムスターやモルモットと比べて格段に優れたジャンプ力をもちます。
デグーを飼育する時は、高さも広さもある大きめのケージが必要です。
◆デグーの大きさ
デグーの胴体の大きさは12~20cm、しっぽの長さは10~17cmとなっています。
デグーの長いしっぽは移動の時にバランスをとるなど便利です。
仲間とのコミュニケーションをとる際にもデグーはしっぽを使用しています。
容姿は典型的なネズミの形をしているが耳はやや大きく、そして器用に者を掴むことができる手や直立する姿、さまざまな鳴き声でコミュニケーションを取るなど個性的な魅力を数多く持っているのがデグーの特徴です。
◆デグーの寿命
個体によって差はありますが、デグーの寿命は5~8年です。
デグーを飼うにあたって今後、就職・転職・引っ越し・結婚・出産などの変化があっても世話ができるのか、ちゃんと考えながら飼育しましょう。
一人暮らしの場合は、自分の体長調が悪くなった時や家を離れなくてはいけなくなった場合に家族や友人に頼むなど、どうするべきか事前に考えておく必要があります。
小さなお子さんがいる家庭は、デグーの世話をお子さんに任せっきりにするのではなく、しっかり大人が監視しましょう。
デグーが嫌なことをされて本気で噛むとお子さんが大ケガをする時もあります。
お子さんが無理に追いかけて尻尾を掴むことが無いように指導しましょう。
家の中に犬や猫がいる場合も注意が必要です。
デグーの種類
◆アグーチ
デグーのアグーチは「ノーマル」と呼ばれることもあります。
デグーの野生色で、もっとも一般的な毛色です。
ウサギやネズミなど他の動物の一般的な毛色もアグーチと総称されています。
◆ブルー
青味がかった薄いグレーで、1990年代後半に新しいカラーバリエーションとしてドイツで誕生しました。
アグーチよりも毛が柔らかく、美しい毛色をしています。
◆パイド
パイドは毛色の名前ではなく、柄の出方のことで、パッチ状にぶち模様が出ることをいいます。
◆サンド
サンドは砂漠の砂のような薄い茶色のデグーで、明るい黄色とも呼ばれています。
日本ではあまり流通していません。
◆ブラック
真っ黒なデグーです。
大変珍しいデグーで、日本では見かけません。
濃いアグーチが「ブラック」として売られることもあるので、気をつけましょう。
◆ホワイト
真っ白なデグーです。
ブラックデグー同様に希少価値が高いですが、日本でも流通しています。
デグーの飼い方
デグーを迎えたら、良く慣らすことを1つの目標にして下さい。
デグーと仲良くなるのは飼い主にとっても楽しいことですが、人のためばかりではありません。
人に慣れることは、人の暮らしのなかで生きていくデグーにとっても大切なことなのです。
環境にも人にも慣れず、怖がってばかりいる暮らしはデグーにとって大きなストレスになりますし、ストレスは病気の引き金にもなります。
デグーは賢い動物ですから、怖がらせるようなことはせずに、愛情をもって接していれば信頼関係を作れるでしょう。
諦めず、根気強くコミュニケーションをとって下さい。
◆ご飯について
牧草
デグーは、野生化ではイネ科など栄養価のあまり高くない植物を主に食べています。
そのような食性の動物に飼育下で与える主食として最適なのは「牧草(チモシー)」です。
チモシーは保存方法が悪くて古いものは、カビやダニが発生します。
チモシーは、よい香りがし、埃っぽくなくものを選びましょう。
ペレット
デグーが食べるペレットは細かくした原材料を固めて作るドライタイプのペットフードで、固形飼料のことを言います。
現在ではデグー用のペレットの種類が増えてきました。
チモシーはデグーの主食としてとても優れていますが、チモシーだけでは栄養に偏りが出来てしまいます。
チモシーだけでは摂取できない栄養素を摂取させるために、補助的にペレットを与えるようにしましょう。
野菜
野菜はビタミンやミネラルが豊富で、種類も多く、手に入りやすい食材です。
季節によって旬のものを与える楽しみもあります。
生野菜は水分量が多いので、乾燥野菜を好むデグーも多いです。
乾燥野菜は、家庭用の一夜干しネット、ドライネットなどを使って自宅で作っておけます。
◆トイレについて
デグーはトイレを覚えません。
ケージ内のどこでもトイレをしてもいいようにしておきましょう。
デグーのウンチは固形なので、比較的掃除は楽です。
砂遊び用の容器をケージの中に入れっぱなしにしてしまうと、高確率でトイレになってしまいます。
砂遊びの容器は使う時だけ、ケージの中に入れるようにしましょう。
◆お手入れについて
毎日の掃除
不衛生な環境で過ごすと、デグーが病気になる危険性が高くなります。
健康のために、ケージ内のステージ、受け皿を水やお湯で絞った布で毎日簡単に拭きましょう。
大切な点としては、食器の中に前日の食べ残しや巣箱の中の野菜など食べ残しがあれば捨て、ケージ内にある排泄物や汚れを取り除きます。
飼い主がその作業に慣れてしまえば、毎日5分程度で掃除を終わらせることができるようになるでしょう。
チモシーの補充
掃除をする際に、デグーの主食であるチモシーを補充します。
デグーがいつでも食べられるように牧草ホルダーなどを使用し、たくさん入れてあげましょう。
砂浴び容器の掃除
1週間に1回新しい砂と交換しましょう。
砂浴び容器も同じタイミングで洗浄して下さい。
デグーの飼育に必要なグッズ
◆ケージ
自由に動き回ることのできる、高さのあるケージを購入しましょう。
ケージの網の目は細かい方がおすすめです。
あまりに粗いものだとデグーが中から飛び出て、飼い主が知らないうちに危険な目に遭遇するかもしれません。
金網かじりが激しい場合は、デグーがかじれない透明なアクリル製のケージもおすすめです。
アクリル製のケージは、金網を噛まないので不正咬合になりにくく、金網をかじる際に出る騒音を防げるメリットもあります。
アクリル製ケージは、保温性も高いです。
◆巣箱
デグーの家の代わりになるものですが、かじられても良いように木製のものがほとんどです。
間違いなくかじってボロボロにしてしまいますので、巣箱は消耗品になるでしょう。
◆ハンモック・回し車
デグーが好きなだけ運動できる環境を作りましょう。
布地のハンモックやテントタイプもありますが、こちらもかじってボロボロにしますので、ボロボロになったら新しいものに交換してください。
壊れたまま使用していると、事故の元になります。
◆食器・給水ボトル
かじってしまうことを考慮して、食器は陶器製の物を使用しましょう。
水入れはケージの外からウォーターボトルを取り付けて下さい。
◆砂浴び容器と砂
デグーは砂浴びが大好きです。
砂浴び場を常設してしまうと砂場をトイレ代わりにしてしまう場合もあるので、1日1回ゲージの中に入れて砂浴びをさせてあげて下さい。
砂はチンチラ用の細かいものより粗目のものを使用しましょう。
デグーの飼育の注意点
デグーの基本的な抱き上げ方は、デグーの左右から両手ですくうように抱き上げます。
持ち上げたらすぐに片手を背中に添えて、両手で包み込むようにして抱き上げましょう。
手から抜け出さないように、多少は抑えこむ形になりますが、決して力を入れすぎないでください。
◆しっぽをつかまない
尻尾をつかむと、途中から切れてしまう危険があります。
切れたしっぽが再び生えることはありません。
ちょうど手袋や靴下を脱ぐように、しっぽの皮膚が剥けてしまうこともあります。
◆背中側からつかまない
抱っこに慣れていないデグーにとって頭上や背後から近づいて掴まれるのは、捕獲される状況と同じです。
デグーを怖がらせないように配慮しましょう。
◆立ったままでつかまない
抱っこになれていないデグーは手から逃げ出そうとして落ちます。
落下防止のため、デグーを手に持つときは座ってから抱くようにしましょう。
デグーのかかりやすい病気
◆熱中症・低体温症
デグーに適した温度の目安は24℃前後といわれています。
夏場は28℃以上、冬は10℃以下にならないように注意しましょう。
デグーは汗をかかない動物なので、体温調整が苦手な動物です。
エアコンや小動物用のヒーターを利用して温度を調整しましょう。
◆不正咬合
ケージの金網を噛む、柔らかいペレットのみの食事だとデグーは不正咬合を引き起こします。
不正咬合は食欲不振の原因です。
ケージ内にかじり木などを設置したり、普段から牧草をたくさん食べさせて不正咬合を防ぎましょう。
◆切り傷・骨折・脱臼
ケージのすき間に足をはさむと、切り傷や骨折・脱臼の原因になります。
切り傷に気付かずにいると、血は止まっても傷口が化膿することがあるでしょう。
デグーが骨折・脱臼をすると、足を引きずり、地面に着けずに持ち上げたまま歩くようになります。
デグーの飼い方のまとめ
デグーと仲良くなると名前を呼んだら、返事をしてくれるようになります。
好奇心旺盛なデグーにとって退屈はストレスになることもなるので、デグーは飼い主と一緒に安全に遊べる環境を作りましょう。
デグーがストレスなく、安心して過ごせる環境作りを目指して下さい。
– おすすめ記事 –
・メダカを飼いたい!メダカの特徴や飼育のポイントを紹介 |
・長毛ハムスターの飼い方徹底解説!フワフワの毛のお手入れ方法も教えます |
・ハリネズミはどんな生き物?飼育方法や性格などハリネズミの魅力を紹介 |
・【初心者必見】ネザーランドドワーフの飼い方と必要なグッズを紹介 |