1.ヒョウモントカゲモドキとはどんな動物?
1-1.ヒョウモントカゲモドキの原産国・生息地
1-2.ヒョウモントカゲモドキの生態
1-3.ヒョウモントカゲモドキの大きさ
1-4.ヒョウモントカゲモドキの寿命
3.ヒョウモントカゲモドキの飼い方
3-1.ご飯について
3-2.トイレについて
3-3.お手入れについて
4.ヒョウモントカゲモドキの飼育に必要なグッズ
4-1.ケージ
4-2.床材
4-3.シェルター
4-4.パネルヒーター
4-5.水入れ
4-6.照明器具
5.ヒョウモントカゲモドキのかかりやすい病気
5-1.脱皮不全
5-2.尾の自切
5-3.誤飲によるトラブル
5-4.代謝性骨疾患
ヒョウモントカゲモドキとはどんな動物?
◆ヒョウモントカゲモドキの原産国・生息地
ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)は、通称レオパと呼ばれ親しまれている爬虫類の一種です。野生下ではパキスタンを中心として、インド北西部やアフガニスタンにも分布しています。日本ではあまり観光として馴染みのない土地なので、イメージが湧きにくいですが、岩やまばらに草が広がる、乾燥した荒野に生息しています。
トカゲ「モドキ」と名付けられいてるその理由は、トカゲの仲間ではありますが、日本で身近にいるヤモリのイメージの方が近いと言えるからでしょう。英名では「レオパードゲッコー」と呼ばれている為、通称レオパとも言われています。飼い方も比較的簡単なので、世界的にとても多くの色や模様の個体が流通しています。
◆ヒョウモントカゲモドキの生態
野生で生息しているヒョウモントカゲモドキは、昼間は乾燥した荒野の岩陰や、他の動物が掘った穴などを住処にしています。乾燥した地域でも、岩陰や穴は比較的湿度が高くなっている状態です。夜になると住処から出てきて徘徊し、虫などを食します。飼育する場合でもそれに近いように、体を隠せるシェルターを設置した飼い方にしましょう。
◆ヒョウモントカゲモドキの大きさ
全長:20㎝~25㎝ オスはメスより少し大きい傾向です。オスとメスを見分けるのは、個体が幼い時期には困難です。成体になるとオスは尾の付け根にすこしふくらみが見えます。メスにはふくらみは、見られません。繁殖などを考える場合は、オスメスの把握が必要ですが、単体で飼育する場合は、飼い方に特に違いはありません。
◆ヒョウモントカゲモドキの寿命
飼育下では平均的に10年前後の寿命。飼い方によっては10年よりも長生きするとも言われています。
ヒョウモントカゲモドキの価格
相場は3,000円~5,000円ほどです。
ただし、珍しい色や模様の個体は何倍もの値段で販売されています。
ヒョウモントカゲモドキの飼い方
◆ご飯について
えさやりに必要な道具
ヒョウモントカゲモドキには、生き餌をピンセットで与えるのが、主な飼い方です。また、代謝性骨疾患という爬虫類に多く見られる骨が曲がってしまう病気にならないために、カルシウムを生き餌に付着させて与えます。そのカルシウムの吸収を良くするために、ビタミンDも準備しましょう。ピンセットやカルシウムやビタミンDは、ペットショップや爬虫類専門店で購入しておきましょう。
与える頻度と量
ヒョウモントカゲモドキが本来生息していた土地は、乾燥が続き、毎日えさを捕獲できる状況ではありません。そのため、飼育下でも毎日えさを与える飼い方は必要は無いといえます。ヒョウモントカゲモドキの成体の飼い方としては、1日または2日おきにえさを与えます。ただし、生後半年ぐらいまでのヒョウモントカゲモドキは、代謝がとてもよく成長期です。生後半年ぐらいまでの幼体の飼い方は、食べるようなら1日おきにしっかりと与え、食いつきが悪くなったら少し感覚を空けるというペースを繰り返しましょう。
えさの内容
ヒョウモントカゲモドキは、主にコオロギなどの昆虫を食べる生き物です。野菜などの植物で飼育はできません。えさには大きく分けて2種類あります。生きている「生き餌」と「人工えさ」です。
「生き餌」はもともと自然界で食べている、コオロギやミルクワームなどの生きたえさです。そのため、飼育下でも自然界と同様で動きのあるえさを与えることが、理想的な飼い方だといえるでしょう。ヒョウモントカゲモドキの食いつきも良くなります。ヒョウモントカゲモドキは顎が丈夫なため、比較的大きめのえさも捕食できますが、ヒョウモントカゲモドキの頭の大きさよりも、ひと回り程小さいものを与えると良いでしょう。また、えさ用の虫は、野外で採取したものは農薬や寄生虫の付着が考えられるので、必ずえさ用に養殖されたものを使用します。
もう一方の「人工えさ」は、乾燥飼料や冷凍のえさです。ペットショップでは、冷凍コオロギや冷凍ピンクマウスなどが多く販売されています。生き餌はヒョウモントカゲモドキの食いつきも良く、自然に近い状態で栄養を取らせることが出来ますが、保存するにはスペースも必要ですし、コストもかかります。「人工えさ」は保存のスペースもとらず、長期保存も可能です。飼い主にとって人口えさは、手軽な飼い方ができるため大変便利です。ヒョウモントカゲモドキが幼いころから、ピンセットでの給餌に慣れさせることで。生き餌と同様に食べるようになります。人工えさの場合は、冷凍されたものはそのまま使用せず自然解凍や湯煎してから与えたり、その商品に書いてある給餌方法を、よく読んでから与えましょう。
◆トイレについて
ヒョウントカゲモドキは、液体ではなく、白い塊の尿をします。糞は固形なので、尿と合わせてできるだけこまめに取り除きましょう。床材の素材にもよりますが、週に1回は床材のすべてを取り換える飼い方が理想的な飼い方です。1週間が経過していなくても、ケージの中に糞や尿があることに気づいたら、ピンセットなどですみやかに取り除きましょう。
◆お手入れについて
成体になるとえさの回数が2~3日に一度になりますが、ケージの中は毎日確認しましょう。水入れに入れている水も、毎日交換するのが理想的な飼い方です。床板の交換は1週間に1度程度で良いですが、清潔を保つ飼い方として、尿や糞、食べ残しを見つけた場合はすぐに取り除きましょう。
ヒョウモントカゲモドキは、爬虫類のため、人に触られて喜ぶ動物ではありません。飼い主としては、触りたい気持ちもあるでしょうし、なにか体の異変に気付いたときは触れざるを得ない状況になることもあるかと思います。そんなときは、ヒョウモントカゲモドキの腹側に人差し指を入れ、手のひらに乗せそっと持ち上げます。自切の心配もあるので、決して驚かせないようにしましょう。個体にストレスを与えないのが、爬虫類の飼い方の基本になります。
ヒョウモントカゲモドキの飼育に必要なグッズ
◆ケージ
ヒョウモントカゲモドキは、ヤモリの仲間ですが、垂直面を移動することができません。そのため、平面での移動ができるように、少し大きめのケージを用意しましょう。また、個体同士、特にオス同士の同居は、トラブルが多いため、単独での飼い方がおすすめです。20㎝×30㎝以上の底面があるケージが理想的な飼い方です。
材質は、アクリルやプラスチックケース、ガラス水槽など幅広いものが使用できます。
◆床材
床材には、たくさんの種類が販売されていると思います。ヒョウモントカゲモドキの飼い方の本などで、床材としてよく使用されているものは、砂やパームマット(ヤシの繊維を砕いた物)、キッチンペーパーやペットシーツなどが代表的です。砂やパームマットなどは、見た目はおしゃれになりますが、ヒョウモントカゲモドキが、砂や細かい繊維などを誤飲する恐れがあるので注意が必要です。
キッチンペーパーやペットシーツは、尿や糞がある場合目立つため、掃除のタイミングが分かりやすく、おすすめの飼い方です。とくにペットシーツは、水入れから水がこぼれた時にも、吸収が速いため、ケージ内の湿度が急激に上がることを防ぐことも出来る便利な飼い方です。
◆シェルター
野生のヒョウモントカゲモドキは、昼間は岩陰などに隠れ、夜になると活動する動物です。かならず昼間隠れ家になるシェルターを設置した飼い方にしてください。大きさは、頭から尾までの長さは必要ありませんが、体を丸めてシェルターの中に入ることのできるサイズを準備しましょう。
◆パネルヒーター
ケージの下に設置する板のようなヒーターです。ケージの底面全体をパネルヒーターで温めてしまうと、暑くなりすぎたときにヒョウモントカゲモドキが逃げる場所がなくなるため、ケージの底の1/2~1/3にパネルヒーターがある状態が理想的な飼い方です。可能であれば、ケージの中の気温が、何度あるのか分かるように、温度計の設置もおすすめします。
◆水入れ
ヒョウモントカゲモドキが水を飲むだけでなく、ケージ内の湿度を保つためにも必要です。野生のヒョウモントカゲモドキは岩陰や穴の中など、ある程度湿度のあるところに生息している為、飼育下でも乾燥のし過ぎには注意が必要です。水入れだけでは乾燥してしまう場合は、霧吹きなどで湿らせるという飼い方も良いでしょう。
◆照明器具
飼育に必ず必要なものではありませんが、ヒョウモントカゲモドキの特徴的な模様や、その表情を鑑賞する際に必要なアイテムです。ヒョウモントカゲモドキにストレスにならないように、あまりワット数の強いものは使用しない飼い方がおすすめです。
ヒョウモントカゲモドキのかかりやすい病気
どれだけ理想的な飼い方をしていても、生き物である以上、人と同じように病気やトラブルは避けられません。まず、病気やトラブルを発見できるよう、毎日の様子の観察を忘れないようにしましょう。毎日観察することによって、「あれ?少し変だな。」という点に気づくことが出来ます。ここでは代表的な4つのトラブルについて解説します。
◆脱皮不全
ヒョウモントカゲモドキは、脱皮をしますが、その回数は飼い方や年齢、栄養状態などの個体差によって違います。一般的には、栄養状態もよく若い個体ほど、脱皮の回数は多いとされています。脱皮不全は、局所的にも体全体にも起こることがある症状です。極度の乾燥、加湿状態が原因とされています。(飼い方として理想的な湿度は、40%~60%と言われていますが、ヒョウモントカゲモドキの肌の状態を観察し、その個体にあった湿度をみつけましょう。)脱皮の際に殻が向けきれず残ってしまった状態を、脱皮不全といいます。殻の残った状態を放置すると、そのまま体に癒着し、固まってしまいます。特に指先に残った状態で放置すると、殻のついた部分が壊死し、欠損する恐れがあるため、早めに対処しましょう。対処方法は、殻をピンセットで取り除く方法です。すでに固くなって取りにくい場合は、ぬるま湯に付けて殻をふやかしてから取り除きましょう。
◆尾の自切
ヒョウモントカゲモドキは、トカゲやヤモリのように過度なストレスや身の危険を感じると、自ら尻尾を切り離す「自切」という行為をします。ケージの周りに物や人が当たらないように、どれだけ気を付けた飼い方をしていても、生き餌がぶつかって驚いたりすると自切してしまうことがあります。尻尾は切れても再生しますが、全く元の形と同じにはなりません。
◆誤飲によるトラブル
主に床材が原因で誤飲が起こります。砂やパームチップ、ウッドチップなどを床材として使用している場合、どうしても小さなかけらが発生します。それらを使用しない飼い方がおすすめではありますが、小さなかけらをえさや水などと一緒に誤飲して、消化器官に詰まらせてしまう場合があります。誤飲したものが、少量の小さなものであれば、そのまま消化されることもありますが、かけらが出るような床材を使用する際には注意しましょう。心配な方は、キッチンペーパーやペットシーツなどを床材に使用する飼い方をおすすめします。
◆代謝性骨疾患
ヒョウモントカゲモドキだけでなく、爬虫類に多く見られる病気です。清潔なケージを保てた飼い方をしていても、栄養の不足で起こる症状です。カルシウムやビタミンDの不足で、骨が柔らかくなってしまい、手足や背骨、顎がまがってしまいます。一度そのような症状が出ると、なかなか元にはもどりません。予防のために、日常的にカルシウムやビタミンDを与える必要がありますが、過剰に与えてしまうと、ヒョウモントカゲモドキの内臓に負担を与えてしまうこともあります。給餌の際にカルシウムやビタミンDを付着させて与える飼い方が主流ですが、その際には容量などをきちんと守り、与えるようにしましょう。
ヒョウモントカゲモドキの飼育の注意点
◆飼育に適した温度
人の生活環境内で飼育する場合は、冬の室内の温度低下だけでなく、夏の冷房の効きすぎにも気を付けましょう。気温が18℃以上あれば、多くのヒョウモントカゲモドキはえさを食べることが出来ますが、個体によっては代謝が鈍くなり、えさを捕らなくなる個体もあります。人が外出したり、就寝のためにエアコンを消した後、ヒョウモントカゲモドキがいる部屋の気温がどれ位になるのか、きちんと把握した飼い方にしましょう。
◆冬眠について
単独での飼い方をおすすめする、ヒョウモントカゲモドキですが、メスオス性成熟した個体がそろえば、交配も可能です。交配を考える場合には冬眠が必要になりますが、そうでない場合はヒーターで保温した飼い方を続けても何も問題ありません。
ヒョウモントカゲモドキの飼い方に関するまとめ
ヒョウモントカゲモドキは、爬虫類の中でも比較的飼い方が簡単な動物です。飼育のために買いそろえるグッズも多くなく、初心者の方にもおすすめできる爬虫類といえるでしょう。そして何より、ヒョウモントカゲモドキの魅力はその個体それぞれにある、色や模様です。ぜひ飼い方を把握して、あなただけのお気に入りの一匹に出会ってみてください。
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