1.ヤモリ、イモリ、トカゲはどんな生き物?
1-1.ヤモリ
1-2.イモリ
1-3.トカゲ
3.ヤモリ、イモリ、トカゲの相違点
3-1.分類
3-2.瞼
3-3.皮膚
3-4.卵
4.ペットとして飼育できるヤモリ
4-1.ヒョウモントカゲモドキ
4-2.クレステッド・ゲッコー(オウカンミカドヤモリ)
5.ペットとして飼育できるイモリ
5-1.アカハライモリ
5-2.シリケンイモリ
ヤモリ、イモリ、トカゲはどんな生き物?
ヤモリ、イモリ、トカゲはどんな生き物でしょうか?
本項では、それぞれの分類、分布、生息地、特徴について説明します。
◆ヤモリ
・分類
ヤモリは爬虫類であり、トカゲの一種です。
海外ではGecko(ゲッコー)と呼ばれています。
・分布
南極大陸を除く全ての大陸に分布。
・生息地
森林や砂漠など様々な場所をすみかにしています。
・特徴
ヤモリの仲間は小型のものが多く、そのほとんどが夜行性です。
そのため、ヤモリの瞳は猫のように縦長の形をしており、暗闇でも餌となる昆虫を探すことができます。
また、ヤモリの足の裏には趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる器官があります。
これにより、何のとっかかりのない垂直な壁でもピタッと張り付くことができます。
窓ガラスなどに張り付いているヤモリを見たことがある方もいるかもしれませんね。
◆イモリ
・分類
イモリは両生類です。
ヤモリと見た目や名前は似ていますが、イモリはカエルに近い生き物です。
・分布
ヨーロッパやアジア、アフリカ北部やアメリカの一部などに広く分布。
・生息地
水が綺麗で流れの弱い川や池に住んでいます。
・特徴
イモリは夜行性です。
肉食性でオタマジャクシやイトミミズ、魚卵など様々なものを食べます。
また、イモリの体表はヌルヌルしており、乾燥から身を守る役割があります。
イモリを水から出して直接手で触ることは、彼らにとってストレスになるのでやめましょう。
加えて、イモリの仲間には毒を持つものも多いので注意が必要です。
もし触った場合は必ず手を洗いましょう。
◆トカゲ
・分類
トカゲは爬虫類です。
トカゲの種類は4000種以上にのぼり、爬虫類の中で最も種類の多い生き物です。
先ほどご紹介したヤモリもトカゲの仲間です。
・分布
南極大陸を除く全ての大陸に分布。
・生息地
乾燥した場所、湿った場所、樹上など様々な環境に生息しています。
・特徴
トカゲは種類が豊富で、「トカゲの特徴はこれ!」と一概には言えないほど、姿や大きさ、生活スタイルが多様です。
餌も種類によって大きく異なり、花や果実を食べる草食性のトカゲもいれば、昆虫や小動物を食べる肉食性のトカゲもいます。
また、トカゲの仲間のほとんどは瞼を持っています。
人間とは異なり、鳥のように下から上へ瞼を閉じることができるのです。
ヤモリ、イモリ、トカゲの共通点
ヤモリ、イモリ、トカゲの共通点は三つあります。
一つ目は、外温動物であること。
外温動物とは体温が外の環境によって左右される生き物のことです。
自分で体温調節ができないので、飼育の際にはヒーターやクーラーなどで温度調節する必要があります。
二つ目は、肺呼吸ができること。
陸上で生活するヤモリやトカゲはもちろん、イモリも成体になると肺呼吸ができるようになります。
三つ目は、脱皮をすること。
成長には欠かせない脱皮ですが、飼育下では健康を示すバロメーターになります。
脱皮が上手くいかないとケガや病気につながることもあるので、注意しましょう。
ヤモリ、イモリ、トカゲの相違点
ヤモリ、イモリ、トカゲの相違点は四つあります。
分かりやすく示したものが以下の表です。
一つずつ説明していきます。
◆分類
ヤモリとトカゲは爬虫類ですが、イモリは両生類です。
爬虫類は主に陸上で生活し、両生類は水辺や水中で生活します。
◆瞼
イモリとトカゲに瞼はありますが、ヤモリに瞼はありません。
しかし、ヤモリの中でもトカゲモドキと呼ばれる種類に限っては瞼があり、まばたきをすることができます。
◆皮膚
ヤモリとトカゲの皮膚は鱗に覆われていますが、イモリの皮膚は粘膜によって保護されています。
ヤモリとトカゲは陸上生活にイモリは水中や水辺に適した皮膚を持っています。
◆卵
ヤモリとトカゲの卵は鳥のように固い殻に覆われています。
一方、イモリの卵は寒天質と呼ばれるプルプルした膜に覆われています。
ペットとして飼育できるヤモリ
それぞれに魅力的な特徴を持つ、ヤモリ、イモリ、トカゲですが、中には飼育が可能な種類もいます。
彼らは、鳴かない、犬や猫ほど手がかからないなどのメリットがあり、現代の生活にマッチしたペットといえるでしょう。
本項では、ペットショップで手に入れやすい初心者向けの、ヤモリ、イモリ、トカゲをご紹介します。
◆ヒョウモントカゲモドキ
飼育・繁殖が容易なため、爬虫類飼育の入門種として人気のあるヤモリの仲間。
ヤモリの仲間ではありますが、瞼があり、まばたきをするため表情があります。
体色や模様のバリエーションが豊富。
レオパードゲッコーやレオパとも呼ばれています。
・分布
アフガニスタン、インド、イラン、パキスタン
・大きさ
20~25cm
・寿命
10~15年
・生活スタイル
夜行性
・餌
コオロギ、ヒョウモントカゲモドキ専用の人工フード
・値段
5000~15000円
値段は販売場所や品種によって大きく異なります。
珍しいモルフはさらに高額になることもあります。
・性格
物怖じせず、おとなしい個体が多い
・ハンドリング
可能
◆クレステッド・ゲッコー(オウカンミカドヤモリ)
樹上で生活するヤモリの仲間。
眼の上から背面にかけて並ぶ棘状の鱗が王冠(クレスト)に見えることから、クレスの愛称で親しまれています。
飼育は容易ですが、止まり木が必要なので、高さのあるケージを用意しましょう。
また、しっぽは自切しますが、二度と再生しないのでハンドリングには注意が必要です。
・分布
ニューカレドニア南部
・大きさ
約20cm
・寿命
7~10年
・生活スタイル
夜行性
・餌
クレステッド・ゲッコー専用の人工フード、昆虫、果物、昆虫ゼリーなど
・値段
幼体:約15000円
成体:約30000円
流通しているクレステッド・ゲッコーはオスがほとんどです。
メスはさらに高額になります。
・性格
おとなしい個体が多い
・ハンドリング
可能
ペットとして飼育できるイモリ
◆アカハライモリ
その名の通り、赤いお腹が鮮やかで人気のあるイモリの仲間。
小型の水槽で飼育することができ、人工フードを食べるため飼いやすい種類です。
上手に飼うと20年以上生きることもあります。
・分布
日本
・大きさ
8~13cm
・寿命
15~20年
・生活スタイル
夜行性
・餌
イモリ専用の人工フード、冷凍アカムシ、オタマジャクシ、メダカ
・値段
500~1000円
・性格
温厚
・ハンドリング
必要以上に触ると体温調節が上手くいかずに弱ってしまうので、ハンドリングは最小限に
◆シリケンイモリ
アカハライモリよりもやや大きめのイモリの仲間。
お腹はオレンジ色で、中には背に金箔模様の入る美しい個体もいます。
アカハライモリよりも陸上を好むので、水槽は水場よりも陸地面積を広くとるようにしましょう。
・分布
日本
・大きさ
10~18cm
・寿命
15~20年
・生活スタイル
夜行性
・餌
イモリ専用の人工フード、冷凍アカムシ、オタマジャクシ、メダカ
・値段
約1000円
・性格
温厚
・ハンドリング
必要以上に触ると体温調節が上手くいかずに弱ってしまうので、ハンドリングは最小限に
ペットとして飼育できるトカゲ
◆フトアゴヒゲトカゲ
喉を真っ黒にして膨らませる姿が顎ヒゲのようなことから名前がつけられた、トカゲの仲間。
恐竜を思わせるいかつい見た目でありながら、性格は温厚。
丈夫で人に馴れやすく、ハンドリングもしやすい種類です。
・分布
オーストラリア
・大きさ
40cm前後
・寿命
7~10年
・生活スタイル
昼行性
・餌
フトアゴヒゲトカゲ専用の人工フード、葉野菜、果物、コオロギ、ピンクマウス
・値段
10000~30000円
・性格
温厚
・ハンドリング
可能
◆オニプレートトカゲ
ニホントカゲのような風貌とがっしりとした体格を持つトカゲの仲間。
中型のトカゲで最大50cmまで成長することがあります。
流通しているのは野生個体がほとんどですが、性格はおとなしく、人によく馴れます。
・分布
エチオピア、ガーナ、カメルーン、トーゴなど
・大きさ
40~50cm
・寿命
約10年
・生活スタイル
昼行性
・餌
トカゲ専用の人工フード、昆虫、野菜、果物
・値段
5000~8000円
・性格
物怖じせず、おとなしい個体が多い
・ハンドリング
可能
ヤモリ・イモリ・トカゲの違いに関するまとめ
ヤモリ、イモリ、トカゲの違いについて以下にまとめます。
- ヤモリとトカゲは爬虫類、イモリは両生類。
- ヤモリ(トカゲモドキを除く)に瞼は無く、イモリとトカゲには瞼があります。
- ヤモリとトカゲの皮膚は鱗に、イモリの皮膚は粘膜に覆われています。
- ヤモリとトカゲの卵は殻に、イモリの卵は寒天質に覆われています。
近年、ペットとして人気の高まっているヤモリ、イモリ、トカゲですが、その種類ごとに適した環境や好む餌は異なります。
それぞれの違いをよく理解して、適切な環境で飼育できるようにしましょう。
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