1.アンティングとはどういう意味?
2.ハリネズミがアンティングをする理由
2-1.自己防衛力を高めるため
2-2.免疫力の向上
2-3.身体を清潔にする
アンティングとはどういう意味?
ハリネズミのアンティングとは、日本では泡付け、唾液塗り、香料塗りなどと呼ばれています。
鳥類もアンティング(蟻浴)と呼ばれる行動をするのですが、鳥類はアリを羽に擦り付けることにより寄生虫などを予防するのに対して、ハリネズミは刺激的な臭いを嗅ぐと、木や岩に体を擦り付けたり、口で噛んで自ら出した唾液の泡を体に擦り付けることを意味します。
思わぬ角度と表情でアンティングする姿は野性味があり、普段の可愛らしいハリネズミとの印象の違いからびっくりされる飼い主さんもいるかもしれません。
このアンティングは、ハリネズミにとっては本能的なことであり、「自己宣言」と略されることもあります。
アンティングする理由としては、自己治癒や寄生虫の駆除、コミュニケーションなど様々な意味合いを持っています。
アンティングの理由に関しては諸説あるのですが、主な理由について紹介していきます。
理由を知っていれば、アンティングをもし、お家のハリネズミがしていてもびっくりすることはなくなりますよね。
ハリネズミがアンティングをする理由
ハリネズミがアンティングしている場合の主な理由を紹介します。
アンティングに対して疑問を感じている方の参考になれば幸いです。
◆自己防衛力を高めるため
アンティングは新しい臭いや刺激的な臭いを感じた時にする行動です。外皮に臭いを擦り付けることにより、その環境に適応するようにするためと言われています。
また、自分の臭いを周りの臭いに同化させることでカモフラージュして敵から身を守るためにするという意味合いもあります。
野生下では鷹やたぬきなど天敵がたくさんいるため、常に命の危険を感じています。
ハリネズミは、そんな外敵から身を守るための手段としてアンティングをします。
アンティングは他の動物にも見られる行動であり、熊などもこのアンティングを行うことがわかっています。
安全な飼育下では、外敵により命の危険にあうことはほとんどありませんが、本能的にその環境に馴染もうと行動するようです。
◆免疫力の向上
アンティングは毒素を口に含み塗り付けることにより、耐性をつけて免疫力を高める効果もあると言われています。
実際に野生のハリネズミが毒素のある植物を口に含み、アンティングすることにより耐性がついたというケースもあります。
身体の中に毒や刺激に対する耐性を作るためにもアンティングを行うことがあるようですね。
◆身体を清潔にする
唾液を体に擦り付けてアンティングすることは身体を綺麗にして、外皮など手入れをする意味合いもあります。
汚れを落として自らの臭いを身体に纏うことにより、グルーミングして寄生虫などをよぼうしているとも言われています。
実際にアンティングして唾液や砂を体に擦り付けると身体が汚れてしまい、飼い主さんは拭き取って綺麗にしたくなるものですが自ら免疫力を高めてお手入れしているため、多少の汚れには目をつぶるようにしましょう。
ハリネズミのアンティングをやめさせることはできる?
アンティングすることにより、ハリネズミの臭いがキツくなったり、身体に砂や唾液の泡がつくのを見るとアンティングをやめさせたいと感じる飼い主さんもいるかと思います。
しかし、残念ながらハリネズミのアンティングは本能的に行う行動ですのでやめさせることは難しいです。
仮にハリネズミがアンティングしている時に無理やりやめさせようとすれば、ハリネズミに大きなストレスを与えることにもなります。
さらには、飼い主さんに不信感を抱いて信頼関係が崩壊してしまいお世話する際に飼い主さんに攻撃的になったりと問題行動の原因にもなります。
ハリネズミがアンティングするのは、仕方がないことと承諾して、アンティングしているのはハリネズミがリラックスして健康に過ごしている証拠だと認識するのが大切です。
どうしてもアンティング後の汚れや臭いが気になる場合には、お風呂に入れてあげるのが有効ですがせっかく臭いつけをしたものが、お風呂にはいることにより落ちてしまうので再度アンティングをする可能性もあります。
アンティングに対しては寛容な気持ちでハリネズミをお迎えすることが必要です。
ハリネズミの体のお手入れ方法
上記で紹介したようにアンティングで唾液などの泡をつけると、外皮がベトベトになり臭いが気になる場合があります。
さらには、ハリネズミは排泄の回数が多く、お尻周りも汚れやすいペットです。
そのまま身体の汚れを放置しておくと、皮膚炎や悪臭の原因にもなるため定期的なお手入れが大切になります。
基本的にはハリネズミの身体のお手入れとして、上記で紹介したお風呂に入れてあげることが有効です。
また、日々のブラッシングもポイントになります。
お風呂は健康なハリネズミであれば、月に一度〜二ヶ月に一度ほどの頻度がベストです。
ハリネズミのお風呂の入れ方とブラッシング方法を簡単に紹介しますね。
◆ハリネズミのお風呂
浴槽にいれたり、シャワーで身体を流すことはハリネズミがびっくりしてしまうため避けましょう。
洗面器などに人肌ぐらいのお湯をハリネズミのお腹がつかるぐらい張り、手のひらでハリネズミのお腹を支えてゆっくりといれてあげます。
ハリネズミは野生化では、お風呂に入る習慣がないため最初は徐々に水に鳴らしてあげましょう。
ハリネズミの様子をみながら慎重にお風呂に入れてあげます。
洗面器に浸かったら、ぬるま湯で優しく洗っていきます。
基本的にハリネズミのお風呂は掛け湯にするようにして、顔に水がかからないように優しく洗い流します。
汚れを落としたらバスタオルでよく水気を拭きます。
生乾きだと逆に菌が繁殖してしまい皮膚炎の原因になりますのでしっかりと水気を切りましょう。
一つ注意したいのは、針状の外皮は刺さる危険があるため怪我に注意して押して水分を拭き取るようにします。
ガシガシとタオルで越すってしまうとハリネズミの皮膚を傷つける可能性があるため優しく拭いてあげましょう。
タオルドライができたら、顔に風がかからないように弱風でドライヤーで乾かします。
ハリネズミは大きな音に敏感ですので、ドライヤーにびっくりしないように消音設計のドライヤーを使用するのがオススメです。
この時に完全に乾かさないと皮膚炎の原因になりますので、完全に乾かすように徹底しましょう。
汚れを落としたいだけであれば、部分的に掛け湯をして洗い流してあげるとハリネズミの負担が少なくなりますよ。
◆ハリネズミのブラッシング
ハリネズミのブラッシングはペット用のブラシや歯ブラシを使用して二日に一回ぐらいのペースで行いましょう。
その際にハリネズミが体を痒がっていないか、発疹はないか皮膚の状態を確認します。
アンティング後にブラッシングで唾液を落としたい場合には、拭き取りたい気持ちになりますが外皮の中まで入っているとなかなか拭き取れません。
しばらくして乾いてからブラッシングするのが、おすすめになります。
ハリネズミの針状の外皮はとても繊細で傷つきやすい面があります。
優しく毛並みに沿ってブラッシングしてあげましょう。
また、お腹側は柔らかく毛も薄いためさらに優しくブラッシングしてあげるのが良いです。
日々のブラッシングはコミュニケーションにもなり、絆を深めることができます。
ハリネズミの基本的なお手入れとして、取り入れてみてくださいね。
また、ハリネズミは砂浴びが大好きです。
砂を用意しておくと自分から綺麗にするために砂浴びをしてくれるため、身体を清潔に保つことができます。
砂浴びをさせる時は、部屋にビニールシートなどを設置して汚れとも良いように工夫してからしましょう。
まとめ
ハリネズミの行動、アンティングについて紹介しました。
アンティングは本能的なものであり、自己免疫力や防衛のためにする自然な行動です。
外皮が泡泡になってハリネズミが変な角度でグリグリしていると、心配になる飼い主さんもいるかもしれませんが、安心してくださいね。
行動の理由や飼育のポイントを理解していれば、ユーモラスな姿が可愛らしく健康のバロメーターにもなるため、安心して見守ることができますよ。
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