インコのケージに卵を発見!突然の出来事、どうしたらよいの?

2024.09.03

インコのケージに卵を発見!突然の出来事、どうしたらよいの?

この記事では ・インコが突然卵を産んだのだけど、どうしたらよいかわからない! ・有精卵と無精卵、どう違う? ・卵を食べちゃった! ・産卵は、インコの負担になると聞いたけど、どうやって止めてあげたらよいの? などの、インコの飼い主さんの不安や疑問を解消します!(読了時間約10分)

【掲載:2020.12.24  更新:2024.09.03】


インコの産卵について

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インコは通常、1年に2回、春と秋の暖かい季節に繁殖期を迎えて、産卵します。
そして、一回の繁殖期には、5個前後の卵を産みます(1日おきに1個ずつの卵を産みます)。
しかし、家庭で飼育されているインコは、常に暖かい環境下にいるために、発情期が不定期で、年中発情しているといっても過言ではありません。
ですから、通常なら、1回の繁殖期で5個前後の卵を産むところを、10個も産んでしまうインコもいますし、毎日1個ずつ産んでしまうインコもいます(過剰産卵や、慢性産卵と言います)。
インコの産卵自体は自然なことなのですが、問題なのは、その回数と卵の個数になります。
通常よりも回数や個数が多い場合は、病気や異常が起こっている可能性がありますので、早めにかかりつけの獣医師に相談して下さい。産卵は、インコにとってかなりの負担をかけてしまいますので、注意が必要です。

◆単独飼育でも卵を産むの??

単独飼育(メスだけで飼育する)でも、卵を産みます。メスだけで産卵した卵は当然、無精卵となります。
単独飼育で卵を産むのは、発情している証拠です。インコは、異性のインコだけではなく、鏡に映った自分の姿や、止まり木やおもちゃ、飼い主にも発情してしまうことがあります。
最初はオスだと思って飼っていたら、突然卵を産み落としたことで、実はメスだということがわかった!ということも、インコ界にはあるようです。
メスだけの単独飼育ではなく、パートナーのオスを一緒に飼育している場合は、産卵した卵は、有精卵である可能性が高くなります。


インコが無精卵を産んだ時の対応

単独飼育のインコ

まず、単独飼育の場合は、当然無精卵ですので、産んだ卵は、放置しているとそのうち腐ってしまいます。
しかし、腐ってしまうからとすぐに取り上げてはいけません。インコは、産んだ卵が目の前からなくなると、また産まなくっちゃ!と思ってしまい、さらに無精卵を産んでしまいます。インコの卵が孵化するのは、だいたい20日前後ですので、20日経っても孵化しない場合は、インコが卵から興味を失ってしまいます。ですから、その頃に、そっと無精卵を回収するのがよいでしょう。
また、卵が足りないからどんどん産まなくっちゃ!という気持ちを安心させてあげるために、プラスチックの偽卵を置いてあげて、卵がちゃんとあるんだと安心させてあげるのも方法の一つでしょう。

ただし偽卵は、あくまでも、卵を産まなくっちゃ!というインコの気持ちを安心させて落ち着かせてあげるためのものですので、発情を抑えるものではありません。発情を抑える方法は、後ほど説明します。

パートナーのオスを一緒に飼育している場合、産むのは有精卵だけかというとそうではなく、無精卵も産みます。オスが一緒の場合は、産んだ卵が有精卵であるか無精卵であるかを確認する「検卵」が必要になります。

◆検卵の方法

懐中電灯などを使い、卵に光を当てて中身を透かして、卵の状態を確認します。
卵の中に血管が見えた場合は、有精卵です。血管も何も見えない場合は、無精卵です。


インコが有精卵を産んだ時の対応

多頭飼育のインコ

インコが有精卵を産んだ場合は、まずは、孵化するのを見守ってあげて下さい。インコの有精卵は、だいたい20日前後で孵化しますので、その間は、インコにストレスを与えないようにしてあげましょう。また、有精卵だとわかった卵は、極力人の手で触らないようにして下さい(後ほど説明する、抱卵放棄の問題があります)。
無事に卵が孵化したら、親鳥、ヒナともに、お世話してあげましょう。
ヒナの周りの温度は、30℃前後になるように設定してあげて下さい。小鳥用のヒーターを設置してあげるとよいでしょう。
気をつけなければいけないのは、ストレスや危険を察知したことなどによって、親鳥がヒナを食べてしまう行為です。これについても後述しますが、孵化する前の卵を食べてしまうこともあります。

インコは、たくさん卵を産みます。有精卵をたくさん産んで、それらが孵化した時には、ご家庭によっては、お世話しきれないなどの問題が出てくると思います。
その場合には、インコの里親さんを事前に探しておくなど、準備をしておくとよいでしょう。

◆インコが卵を食べてしまうことについて

これは動物に共通することですが、インコも、人に対して弱いところを見せないようにする習性があります。特に、産卵や抱卵の時期には、インコはより神経質になっています。インコが、ここは落ち着いて産卵や抱卵ができない環境だと思ってしまった場合は、この環境は危険であると判定し、卵をその危険から守るために、食べてしまうことがあります。
また、産卵した卵が無精卵だった場合も、20日経っても孵化しないことで飽きてしまい、抱卵放棄をして、卵をたべてしまうことがあります。
インコにとってのストレスも、卵を食べてしまう原因となりますので、ストレスはできるだけ与えないように、インコが快適に暮らせる環境作りを心がけましょう。


インコの産卵は体に負担がかかる?

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インコの産卵は命がけです。メスの体にとって実は、産卵はとても危険な行為でもあるのです。卵をインコの体内で作ることも、実際に産卵することも、ものすごくエネルギーを使います。産卵後は、ぐったりして、疲れ切っていることが多いです。

◆卵詰まり(卵塞)について

インコが、体の中に卵を作っているはずなのに、産卵(排出)できていない状態のことを言います。
通常インコは、排卵してから、だいたい24時間以内に産卵をします。
しかし、24時間以上経っても産卵しない場合は、卵詰まりの可能性があります。卵詰まりを起こしてしまうと、インコも大変苦しいですし、命の危険もあります。
インコの様子が、床にうずくまっている、羽根が膨らんでいる、呼吸が荒い、など、明らかに様子がおかしい場合は、早急にかかりつけの獣医師に受診して下さい(卵詰まりを起こしていても、いつも通り元気な場合もあるので、細やかな観察と注意が必要となります)。
卵詰まりの原因の一つとして、カルシウム不足があります。カルシウムが不足していると、卵を作る際にカルシウムを補充できずに、ぷよぷよの柔らかい卵ができてしまいます。卵が柔らかいと、産卵の際に、正常に外に排出できなくなってしまい、卵詰まりの状態となってしまいます。
また、カルシウムが不足することで、インコ自身の産卵時の力も弱くなり、卵を外に排出することができなくなってしまいます。

インコにとって、カルシウムは非常に大事なので、カルシウムを与えてあげましょう。
カルシウムの補給には、ボレー粉を与えるとよいでしょう。

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また、日光浴も同時に重要です。インコに日光浴をさせてあげることで、インコの体内でビタミンDが作られます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける役割をもっています。
そのため、体内のカルシウムを強化させるために、日常的に日光浴をさせてあげましょう。


インコに産卵させないようにすることってできるの?

インコの産卵は、発情することがきっかけとなっています。そのため、発情することをいかに少なくしてあげるかが、産卵をさせないようにするポイントとなります。

こちらの動画がとても参考になります(セキセイインコは発情すると、くちばしの上の「ろう膜」といわれる鼻の部分が、白色から茶色になるそうです)。

発情させないようにするポイントは

  • 鈴などのおもちゃをおかない(おもちゃに対して発情する)
  • インコが映る鏡を置かない(鏡に映った自分の姿に発情する)
  • 飼い主がインコの背中をなでなでしたり、スキンシップすることを控える(背中をなでなでされると発情する)
  • 日照時間を短くする(日照時間が長いと発情しやすいので、夜もずっと明るいような環境を作らない)
  • 巣箱など、巣作りしようとすることで発情するものを撤去する、インコが隠れやすいものを撤去する
  • 1日の食事量を決めてきちんと管理し、太らせ過ぎない(太ると発情しやすくなる)低脂肪低カロリーの食事にする
  • 粟玉を与えるのをやめて、剥き粟にしてあげる(粟玉には卵黄が添加されており、発情しやすくなる)
  • 飼い主に対して発情してしまっている場合は、別人を装ってみる

など、発情を抑える方法はたくさんあります。

人間である飼い主ができる限り工夫することで、インコを発情させないようにして、不用意な産卵をさせることのないようにしましょう。


まとめ

インコにとって、産卵は命がけの行為です。人間の出産と同じように、最悪の場合は、母体に危険が及びます。インコは、とても小さい身体で、その危険と戦っています。
まずは、発情することを抑えることから始めてあげて下さい。
飼い主が十分に気をつけてあげることで、インコの大切な命を守ってあげて下さいね。



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