1.ヨウムについて
1-1.ヨウムの生息地・習性
1-2.ヨウムの性格
1-3.ヨウムの寿命
3.ヨウムの飼い方と飼育の注意点
3-1.基本的なお世話
3-2.鳴き声の大きさ
4.ヨウムの飼育に必要なグッズ
4-1.ケージ
4-2.ケージカバー
4-3.給餌セット
4-4.餌
4-5.保温用品
4-6.止まり木
4-7.水浴び用品
4-8.おもちゃ
ヨウムについて
ヨウム(学名:Psittacus erithacus 英名:Gray Parrot)はオウム目インコ科の鳥類に分類され、漢字では洋鵡と書かれる中型~大型のインコです。亜種はノーマル、コンゴヨウム、コイネズミヨウムの3種類が存在し、オウムに似た名前ですがインコの仲間です。
アフリカの中部や西部の熱帯地方に分布し、木々が生い茂る森林地帯や周辺地域に生息しています。体長は約33cm、体重は400g位の大きさで体色はグレーで尾羽だけが鮮やかな赤色です。目の周りは白く、首まわりの羽には縁取りがあり美しいです。
人と交流が出来るコンパニオンバードと呼ばれる鳥の中でもヨウムは特に知能が高いことで知られています。アメリカのアレックスというヨウムは非常に能力が高く世界的に有名です。最近ではリンカンシャーの動物園に寄贈されたばかりの5羽のヨウムが悪い言葉を覚えてしまい、一般公開が不可になった事が報道されました。日本でも人気テレビ番組でしゃべる鳥として紹介されるほど人気があります。
温和な性格で人に良く懐き、鳴き声はそれほど大きくないので飼いやすいといえます。寿命は長く約50年といわれているので先の事まで考えてお迎えを決断することが大切です。
◆ヨウムの生息地・習性
ヨウムはアフリカのケニア、アンゴラ、コンゴ、タンザニアなどが原産でアフリカ西海岸の森林地帯に生息しています。ヨーロッパやイギリスでは貴族の間で古くから飼われておりポピュラーなペットとして知られています。性格は臆病ですが落ち着きがあって愛情深いので、パートナーと決めた相手には尽くす習性があるといわれています。
◆ヨウムの性格
ヨウムの性格は繊細で神経質ですがとても愛情深く温和ですが自己主張は強いです。メスはオスに比べるとややおっとりしているといわれています。全ての個体に当てはまる訳ではないですが、購入する時に参考にするとよいでしょう。知能が高いので嫌な事も良く覚えています。怖い思いをするとストレスになるので考慮しながら接しましょう。
◆ヨウムの寿命
ヨウムの寿命は長く、およそ50年と言われています。お迎えを考える時には最後まで世話が出来るのか、もし途中で飼えなくなった場合はだれに頼むのかを考えてからにしましょう。最初の飼育者の子供や孫がヨウムの世話を続けているケースも珍しくありません。
ヨウムの平均価格
ヨウムの平均価格は数年前までは20万~30万位といわれていましたが、現在は40万円くらいで販売されていることが多いです。2016年に絶滅危惧種の保護を目的とするワシントン条約の内容に変更があり、ヨウムも輸入規制の対象になりました。現在は主に日本で繁殖した個体が販売されています。
ヨウムの飼い方と飼育の注意点
ヨウムは基本的な世話をしっかり行えば良い健康状態が保てます。出来るだけ同じ環境を保つ為に購入した店で今までの過ごし方について説明を受けましょう。ケージを準備して、止まり木、エサ入れ、水入れを設置し、おもちゃも吊るします。餌やりと清掃は毎日行い、日光浴もビタミンD欠乏症予防の為に毎日行います。難しい場合は日光浴用のライトがあるので利用すると良いでしょう。
ヨウムは飼い主に遊んでもらうことを常に期待しています。毎日1時間以上は部屋の中に出して話しかけ、遊んであげましょう。壊しても良い段ボールなどを与えると運動になり、ストレスの解消にもなります。
幼鳥の時は特に体調を崩しやすいので少しでもおかしいと思ったらすぐに病院に連れて行きましょう。ヨウムなどの鳥類は体の不調を隠す習性があるので、注意深く観察し少しでも異変があったら病院に連れて行きましょう。
◆基本的なお世話
ケージを置く場所は日当たりが良く、飼い主と共に過ごすのに都合の良い場所が良いでしょう。ケージの位置や環境が変わると緊張しストレスになるのでお迎えの前に置く場所を決めておきましょう。
野生時の環境は気温が20度~30度、湿度は60%~80%です。真夏、真冬は温度管理を特に注意し湿度も高めに設定しましょう。食事は朝と夕方の2回、主食には市販のペレットを、副食としてシード類、野菜、果物、ボレー粉などを与えます。毎日ケージ内を掃除し、よく遊んであげると快適に過ごせるでしょう。
ヨウムには反抗期があり、ある日突然、攻撃的になることがあります。一生に2回あるといわれていますがもっと多い場合もあるようです。いきなり怒ったり噛みつくなど狂暴になったり、飼い主の言うことも聞かなるので驚くかもしれませんが反抗期が終わるまで続くので根気よく相手をしましょう。
◆鳴き声の大きさ
他の大型インコに比べると声は小さく雄叫びも少ないといわれていますが飼い主を呼ぶ時の声や感情が高ぶった時の声はやはり大きいです。集合住宅で飼う場合は防音対策が必要です。
ヨウムの飼育に必要なグッズ
ヨウムの飼育に必要なグッズを順番に見ていきましょう。
◆ケージ
ケージは大型鳥専用のものを使用しましょう。(市販品はタテ46.5、ヨコ46.5、高さ66㎝)ケージの中で羽が広げられて動き回れる位の広さが選ぶ際の目安です。
◆ケージカバー
リビングにケージを置いた場合に人もヨウムも快適に過ごす為に遮光のケージカバーを使うと良いでしょう。飼い主が起きている間は部屋が明るく、ヨウムがいつまでも起きていることになります。カバーをかける事でケージ内が暗くなり保温の効果もあるのでヨウムが快適に過ごせます。
◆給餌セット
餌入れや水入れは丈夫なステンレス製で固定できるものにしましょう。菜さしと呼ばれる野菜を立てるための容器も準備しましょう。
◆餌
主食はペレット、副食は種などのシード類や野菜、果物などを与えます。ペレットにはインコに必要な栄養がバランスよく配合されていますが、ペレットだけではなく、他の栄養分を補うための副色も与える必要があります。ビタミンを摂取の為に野菜や果物を、カルシウムやミネラル摂取の為にボレー粉や塩土も与えましょう。
◆保温用品
ヨウムが生息する国々の気候は日本とは全く違います。最初に迎える冬は特に注意が必要です。ペット用のヒーターを吊るすなど必ず保温をします。ケージの周りを囲めるパネル型のヒーターだとケージ内全体を暖かく保てるので安心です。
◆止まり木
天然木でできているものを選びましょう。太さが均一の人工のものより場所によって太さが違う天然木の方が足に負担がかからないと言われています。天然木製で、木を掴んだ時に1/3位余るくらいの太さのものを選びましょう。
◆水浴び用品
お湯は使わず、必ず水を使用して水浴びをさせましょう。専用の水浴び用品を準備するか、手に入らない場合は洗面器で代用しても良いです。霧吹きで直接水をかけても良いですが見たことのない道具は警戒するので見える場所にしばらく置いておき、慣らしてから使うなど工夫が必要です。どうしても嫌がる場合は中止し、後日改めて行います。
◆おもちゃ
ヨウムが遊ぶためのおもちゃも用意します。市販のものはカラフルで鏡がついているなど興味を引くように工夫されています。飽きさせない為に数種類用意して時々取り替えると良いでしょう。割りばしや段ボールなどを使用して作った手づくりのおもちゃも良いですね。
ヨウムをお迎えする前にすること
ヨウムをお迎えする前にすることは、ヨウムに快適な環境を整えることです。早くお迎えして楽しい時間を過ごしたいところですが次にあげる2点もお迎えの前にやっておきましょう。
◆止まり木の消毒
止まり木は市販のものではなく天然の木を使用する事もできます。天然の木は太さに強弱があるのでヨウムの足の為に適しています。シラカバや柳、ケヤキなど適当な大きさの天然の木が手に入ったら30分ほど煮沸消毒し、日光消毒を兼ねて天日干しで乾燥してから使用します。
◆ケージに敷物を引く
ケージの下に落ちたフンを受ける為に敷物を引きましょう。バードマット、バードシートという専用のものを準備するか、新聞紙やチラシ、キッチンペーパーを使っても良いです。交換や掃除のしやすい物を選ぶと良いでしょう。
ヨウムの飼い方に関するまとめ
ヨウムは知能が高く、おしゃべりも上手です。言葉の意味まで理解しているような受け答えをするので他のペットとは違う楽しさがあります。知能が高くコンパニオンバードの中でも絶大な人気があり、実際のショーや動画でヨウムの素晴らしい能力を見て飼いたくなった方も多いのではないでしょうか。
飼い始める年齢はある程度制限されますが、長い期間一緒に過ごせる喜びや楽しみは大きいです。条件さえ整えば可愛くて賢いヨウムと共に暮らすことは可能です。一度お迎えを考えてみませんか?
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