1.金魚の卵には有精卵と無精卵がある
1-1.有精卵と無精卵の見分け方
2.金魚の繁殖行動と産卵時期
2-1.繁殖に必要な環境
2-2.金魚の繁殖行動
2-3.金魚の産卵時期
2-4.どのくらいでふ化する?
3.金魚が卵を産んだ時の対応
3-1.卵を別の水槽にうつす
3-2.卵の水槽の水温・水質は
3-3.親の金魚も別々に
金魚の卵には有精卵と無精卵がある
ふと金魚の水槽を見てみると水草に白い点々がついており、卵を見つけることがあります。
メスの金魚を飼っている場合には、卵を産むことがあり、卵が有精卵の場合には、4日〜5日の間に孵化します。
無精卵であれば、卵が孵化することはありませんが、放置すると卵が腐敗して水質悪化の原因になります。
有精卵の場合でも親魚が卵を食べてしまうことがありますので、卵は金魚と別々にするのが良いでしょう。
◆有精卵と無精卵の見分け方
有精卵と無精卵の見分け方は、有精卵ならば1~2日ほどで稚魚の目となる黒い点が確認できます。
無精卵は白く濁り、ふわふわとしたカビなどが付着するためそのまま取り除いて破棄するのが良いです。
水槽内に仕切りを入れて金魚が卵を食べられないようにすると良いでしょう。
金魚の繁殖行動と産卵時期
自宅で金魚の繁殖を考えている方は、金魚の繁殖行動や産卵時期について気になる方が多いでしょう。
また、突然卵を見つけて戸惑わないためにも金魚の繁殖行動や産卵時期について知っておくことは有効です。
金魚の繁殖行動などを詳しく紹介します。
◆繁殖に必要な環境
まずは、金魚が繁殖しやすい環境づくりが大切になります。
当然オスとメスの金魚を水槽内に入れなければ、繁殖しないため、オスとメスのペアの金魚を用意します。
水槽内の水温は20℃前後を保つようにすると繁殖しやすくなります。
また、金魚は水草に卵を生みつけることが多いためアナカリスやカボンバなどの水草を水槽に入れてあげることにより金魚が繁殖を行いやすくなります。
また、水温が20℃で安定している時に水換えをすると水質や水温の変化に刺激を感じてメスが産卵行動するケースもあります。
◆金魚の繁殖行動
金魚は条件が揃うとお腹の膨らんだメスをオスが追いかけ回すようになります。
これは金魚の求愛行動であり、追いかけられたメスは刺激を受けて卵を放卵します。
放卵された卵にオスが放精することにより繁殖が成立します。
これが金魚の交尾になります。
金魚が繁殖行動しているのか判断する目安として、追いかけられている金魚の腹部を確認してみましょう。
金魚の腹部が膨らんでいるようならば、卵をお腹に持っている可能性があります。
◆金魚の産卵時期
金魚の産卵時期は3月〜5月、9月〜11月の水温が上がる時期に産卵時期を迎えます。
冬場の水温が低温になる時期には卵は産みませんが、ヒーターを使用している水槽では、一年中産卵することができます。
金魚は一度に500個以上、5000個近い卵を産卵することもあります。
金魚が卵を産む周期は約10日おきに数回産卵します。
◆どのくらいで孵化する?
早ければ4日〜5日で卵が孵化するため卵を見つけたら早めに卵を別の場所に移す必要があります。
特に夏場の水温が高い時期には早ければ、2日前後で孵化してしまうためスピード勝負になります。
金魚が卵を産んだ時の対応
金魚が卵を産んでいるのを見つけた際には、金魚を別の場所に移すことがポイントです。
稚魚が産まれてから育てやすいように飼育環境を整えていくことも大切です。
金魚が卵を産んだ時の対応について、ポイントを紹介します。
◆卵を別の水槽に移す
卵を別の場所に移す目的として、卵をそのままにしておくとすぐに金魚に食べられてしまう可能性があるからです。
加えて、金魚の卵は腐りやすく水質悪化の原因にもなります。
水槽の水質変化は金魚にとっては生命線になるため、悪化しないように安定した水質を心がけます。
スポイトを使用して、優しく卵を別の水槽に移すようにしましょう。
無精卵は白く濁り腐ってくるため、取り除いて有精卵のみ残すようにします。
◆卵の水槽の水温・水質は
卵が孵化しやすい水温と水質は、20℃〜25℃前後を維持するようにします。
また、水質は弱酸性〜中性前後が適切です。
卵は腐敗しやすく、水が白く濁りやすくなります。
孵化率を上げたい時には、カビが生えないように稚魚や卵用のコンディショナーを導入することもおすすめですよ。
エアレーションは弱めにかけるようにして、卵に直接気泡が当たらないようにしましょう。
また、稚魚が産まれてから隠れて休めるように水草を水槽に入れてあげると良いでしょう。
◆親の金魚も別々に
卵と金魚を別々にした方が良いと紹介しましたが、親の金魚、特にメスの金魚も他の金魚と隔離して飼育するのがおすすめです。
産卵した直後のメスは体力が極端に落ちており、そのまま混泳させていると他の金魚に襲われてしまい、弱ってしまう危険もあります。
少なくても2週間〜1ヶ月程度は親の金魚の体力が回復するまで別々に飼育するのがおすすめです。
金魚の稚魚の育て方
金魚の稚魚が産まれた場合には、最初の一ヶ月は弱いエアレーションのみで飼育するようにしましょう。
稚魚が無事にたくさん産まれれば、必然と数が多くなりますが、途中でうまく育たない稚魚も出てきます。
少しかわいそうに感じるかもしれませんが、奇形の稚魚や弱った稚魚は取り除くようにします。
死んでしまった稚魚は水質悪化の原因にもなるため、見つけ次第その都度取り除くことが大切です。
稚魚の頃は繊細であり、抵抗力も弱いため、ある程度の大きさに成長するまでは刺激しないように間接的に飼育することが大切です。
◆水換え
最初の1ヶ月はろ過装置をつけずに、エアレーションのみで飼育すると紹介しましたが、大掛かりな水換えはせず、そこに沈んだエサの残りやフンをスポイトでこまめに取り除きましょう。
水替えをする際は匹数にもよりますが、1~2週間に一度水槽の6分の1ほどを換えましょう。
稚魚はとてもデリケートなので水換えは慎重に行いましょう。
もう一つ注意したいのは、水換えの際に排水ホースで稚魚を吸ってしまい、排水と一緒に流れてしまうことです。
稚魚は小さいためなかなか見づらいですが、稚魚を守るように気をつけましょう。
◆ろ過装置
稚魚が泳ぎ回れるようになったら、ろ過装置を設置するようにします。
稚魚が吸い込まれないようにエアーポンプに繋いで使用できるスポンジフィルターがおすすめです。
水槽にかけられるタイプのフィルターを使用するようにして、水流は微弱流と最小限に抑えるようにします。
あまりにも、水流が強過ぎてしまうと稚魚の体力が奪われてしまい、ストレスからうまく育たない可能性もあります。
稚魚用の目が細かいフィルターを選ぶようにするのが、ポイントです。
◆稚魚のエサ
稚魚をうまく育てるためにはえさやりを計画的にすることが大切です。
稚魚用の栄養価の高いエサを用意して、数分で食べ切れる量を1日5回程度与えます。
一つ注意したいのは、稚魚にすぐエサを与えることは避けましょう。
産まれたばかりの稚魚は卵のうという栄養の袋を持って産まれます。
この卵のうがあるうちは栄養補給できるため、エサは必要ありません。
卵のうがなくなるのがちょうど産まれてから、3日目以降になるためその頃を目安にエサを与えるようにしましょう。
稚魚の死因は色々とありますが、餓死も一つの要因です。
こまめにエサを与える必要があります。
水の汚れを気にするあまり、餌の量が減ってしまうと致死率を高めることにもなるため、数分で食べ切れる十分な量を与えます。
また、稚魚はまだエサを食べるのが下手なので稚魚の目の前にエサを落として与えるようにしましょう。
まとめ
金魚の繁殖行動と産卵時期、稚魚の飼育の仕方について紹介しました。
金魚は産卵時期や繁殖行動などを注意深く観察していれば、自宅でも繁殖に挑戦しやすい生き物です。
しかし、メダカなどよりも稚魚がきちんと成長するためには飼育環境を正しく作ってあげる必要があります。
また、産卵したメスの金魚が他のオスにまた追われて衰弱死しないためにも、産卵したら早めに別の水槽に避難させるようにします。
ヒーターを使用して温度管理を行えば、1年中繁殖をすることも可能ですので、是非チャレンジしてみて下さいね。
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