ハムスターの床材はどれがいい?木・紙・土・草など素材別のメリットデメリット、選び方

2021.10.20

ハムスターの床材はどれがいい?木・紙・土・草など素材別のメリットデメリット、選び方

ハムスター飼育の必須アイテムに「床材」がありますね。床材にはハムスターの生活を快適にするメリットがいっぱい。さまざまな種類があり、床材の選び方によって、ハムスターの快適さ、飼い主さんの管理のしやすさも変わってきます。床材の役割、種類、使用するときの注意点をチェックしてみましょう。

【掲載:2021.04.15  更新:2021.10.20】


床材とは何?何のために使う?

ハムスター

床材はハムスターの飼育に欠かせない用品です。ケージの底に床材を敷くのは、以下の理由があるためです。

  • 隠れ場を作るため
  • 保温するため
  • クッションの役割をするため
  • ストレス解消

◆隠れ場を作るため

床材はもぐれるのでハムスターの隠れ場になります。

野性のハムスターは土の中に巣穴を作って、その中で生活しています。穴の中に隠れようとする習性があり、ケージの中に隠れ場がないとハムスターは落ち着けません。

そこで、ハムスターが隠れられるようケージ内に床材を敷くのです。

◆保温するため

保温のために床材を敷きます。ハムスターは寒さに弱い動物なので、飼育環境を保温しないと体調が崩れやすくなってしまうのです。

床材は空気を含んで温かく、カーペット、布団のような役割をしてくれます。床材を敷けば、ハムスターがもぐって寝床にしたり巣箱に持ち帰って敷いたりと、自分で体温調節をする様子が見られますよ。

◆クッションの役割をするため

床材はふかふかしていて、クッションの役割もしてくれます。

ケージの素材は硬くて滑りやすいので、何も敷いていないとハムスターが歩きにくく、高い所から転落したときにはケガする危険性もあります。ハムスターが安全で快適に行動するためにも床材は欠かせません。

◆ストレス解消

床材はハムスターのストレス解消にも役立ちます。

ハムスターはデリケートな動物で、外部から受ける騒音や衝撃にストレスを感じることがあります。床材を入れると音や衝撃が多少やわらぐので、落ち着いて過ごせるようになるのです。

また穴掘りが好きなので、床材を掘ることがストレス解消にもつながりますね。


ハムスターの床材の種類

床材は、ペットショップやホームセンターのペット用品売り場で販売されていて、素材によって特徴が異なります。どんな種類があるのかチェックし、おうちのハムスターに合ったものを選びましょう。

◆木材系

木材系の床材は、原木を裁断してフレーク状に加工したもの。「ウッドチップ」とも呼ばれています。薄くふわふわして木の香りがする、いわゆる「おがくず」のようなものです。

市販のウッドチップは種類が豊富で、ハムスター用の床材として最も普及しています。軽くて扱いやすいところ、吸水性に優れているところがメリットです。ただし、人によってはほこりが気になりやすいようです。

ウッドチップの種類は、主に「針葉樹」と「広葉樹」の2つがあり、それぞれ特徴が異なります。

針葉樹は細い葉を持つ樹木のことで、スギ、マツなどのチップが販売されています。やわらかく、安価で使いやすいところがメリットです。

広葉樹は幅広い葉を持つ樹木のことで、ポプラ、ユーカリなどがチップに使われています。繊維状に裁断されていて、ハムスターが歩きやすいというメリットがあります。

ペット用ウッドチップは針葉樹のチップが大半を占めています。ただし針葉樹はアレルゲンを含むもの多いため、アレルギー体質のハムスターは結膜炎や鼻炎などのアレルギー症状を起こす可能性があります。

一方、広葉樹のチップはアレルギーのリスクが高くありません。価格が高めで種類が少ないというデメリットもありますが、アレルギー対策をするならば広葉樹のチップを使用するのがおすすめです。

なお、針葉樹のチップの中にも、アレルゲンが少ない製品、アレルギー反応を抑えるため加熱処理を施した製品があります。

Zero コニファーチップ クラシック 900g

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アレルゲンが少ないモミ・トウヒを使った針葉樹のチップです。ドイツの厳しい基準をクリアしているので安心して使用できます。

ZERO ビーチウッドフレーク 10L

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針葉樹に比べ、アレルギーや刺激性が少ない、小動物用の広葉樹フレークです。
吸水性、吸収性に優れており、100%天然素材のため、安心・安全です。
衛生的でホコリが立ちにくいです。

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アレルギーの心配が少ない広葉樹のチップです。ホコリが出にくく快適に使用できます。

ウッドチップは天然の木で作られているので、ハムスターがかじっても問題ありません。使用前にチェックしてとがったもの、異物があったら取り除くようにすると、より安全に使えます。

◆紙系

紙系の床材は、紙製の素材を小さく裁断したものです。小動物用に販売されている床材は「ペーパーチップ」とも呼ばれています。

紙系の床材のメリットは、軽く、掃除がしやすく、吸水性に優れているところです。やわらかいのでハムスターの体も傷つけません。アレルギーが気になる場合も安心して使えます

また紙はおしっこや汚れが付くと色ですぐわかるので、こまめに掃除できる、尿の色の変化、出血にすぐ気付ける、というメリットもあります。ただ、軽いのですぐ舞い上がる、ほかの床材より高価といったデメリットを感じる飼い主さんもいるようです。

紙系の床材では、新聞紙、キッチンペーパーを利用する飼い主さんもいます。これらは身近にあるので安上がりで便利ですよね。吸水性が高い、掃除しやすいというメリットもあります。

ただし、新聞紙のインクで体が汚れたり誤食が起きたりしやすいので、メインでの使用、常用は避けたいところです。使う場合は、一番下に敷く、ほかの床材の補助として少量を混ぜるなど使い方を工夫するとよいでしょう。

クリーンモフ 小動物用の紙製の床材 KAMIYUKA ~紙床~ ホワイトタイプ 500g

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白いので汚れや尿の色がひと目でわかります。ふんわりしてハムスターがもぐりやすい床材です。

◆土

本来、ハムスターは土に穴を掘ってそこで暮らす動物です。つまりケージに土(マット)を敷けば、ハムスターにとって最も自然な環境が再現されるのです。ハムスターが土を掘り、いきいきと活動する様子が見られるでしょう。

水分や有機物を含み、状態が変化しやすいので、管理はやや難易度が高めです。ハムスターの飼育に慣れている方におすすめします。

ニューネイチャーランド 2L

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小動物・小鳥専用のマットです。土の中にいる微生物が糞や尿を分解するので、消臭作用が期待でき、床材交換の頻度も少なくて済みます。

◆コーンチップ

「コーンチップ」は、とうもろこしの粒や穂軸(芯)を粉砕して作るペット用の床材です。

メリットはほこりが立ちにくく、吸湿性、吸臭性に優れているところです。一方、湿度が高くなるとカビが生えやすい、ほかの床材より値段が高めといったデメリットもあります。

食物から作られていてペット用品としても安心ですし、ほこりやアレルギーが気になる方には特におすすめしたい床材です。

◆牧草

牧草は、チモシーなどイネ科の牧草を乾燥させたものです。

もともと草食動物のエサなので、いくらかじってもお腹を壊す心配がありません。

ただ、掃除しにくい、茎の先でハムスターが目や皮膚にケガをしやすいというデメリットもあります。床材として牧草を選ぶときは、パッケージをよく読んで吟味してください。

牧草物語(ハーブ入り) 900g

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競走馬の飼育に使用されてる牧草の王様チモシーを使用。ノミが嫌いなハーブを入れました。

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床材に適していない素材は

一見ハムスターの床材に良さそうに見える素材でも、ハムスターにとっては危険なものもいくつかあります。

ハムスターの床材に適していない素材は以下です。

  • 布・綿
  • ペットシーツ
  • 水に溶けない紙(ティッシュペーパーなど)
  • 砂、床材用ではない土

布や綿、ペットシーツ、水に溶けない紙は食べても消化されません。誤食すると消化管に詰まる可能性があるので、床材に使うのは避けましょう。また、布はハムスターの爪がひっかかってケガをする可能性もあります。

次に、砂や床材用ではない土は、掃除や管理が難しく、細菌が増殖しやすいことからハムスターの床材にはおすすめできません。土を使う場合は、園芸用の土や庭土ではなくペット用の床材として販売されているマットを用意してください。

事故を防ぐためにも安全な小動物専用の床材を使いましょう。


ハムスターの床材はどのくらいの量が必要?

床材は、ハムスターがもぐって隠れることができるくらい(深さ2~5cmが目安)を床全体に敷き詰めます。

夏はもぐったり巣穴を掘ったりする回数が減るので、少なめでもかまいません。冬は保温のため深めに床材を入れましょう。


床材の交換頻度は?

床材の交換は、普段はおしっこや水などで濡れた部分のみ毎日取り除き、あとは月1回を目安に床材を全部新しいものへ交換するとよいでしょう。

衛生第一ではありますが、ケージ内を頻繁に大掃除する必要はありません。ハムスターの縄張りであるケージを頻繁に掃除するとかえってストレスがかかって体調を崩しやすくなるためです。

ただしハムスターは体が濡れるのを嫌がるので、濡れた床材はそのままにしないで、早めに取り除いてあげてくださいね。


ハムスターが床材を食べてしまうときの対策は

ちゃんとエサを与えていても、床材を口にすることがあります。飼い主さんとしては、床材を食べることは問題ないのか気になってしまいますよね。

ハムスターが床材を口にすることは割とよくあることです。ウッドチップやコーンチップなど食べられる素材ならば安全です。少量ならば特に問題はありません。

ただし、紙製の床材を食べている様子があれば、ハムスターが食べても安心な床材に変えましょう。

ちなみに、ハムスターが床材を食べているように見えても、実は頬袋に貯めているだけ、ということも少なくありません。巣作りをするつもりで頬袋にため込んで、巣箱に持ち帰ろうとしてところなのです。

いずれにしても、紙製の床材は飲み込まなくても頬袋に詰めただけで炎症を起こすことがあるので、口にすること自体が好ましくありません。

新聞紙やティッシュペーパーなどの紙製品は人の暮らしに使うため作られた製品で、ペットの安全が保障されているものではありませんよね。ハムスターの健康のことを考えると、安全性の高い床材に切り替えるのがおすすめです。


まとめ

床材は、ハムスターにとって敷き物、巣穴、布団の役割を兼ねる、とても重要な用品です。床材は素材によってメリット・デメリットが異なっています。床材の特徴を把握し、ハムスターの調子がよいもの、飼い主さんが管理しやすい床材を見つけてくださいね。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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