1.小鳥の分類
1-1.インコ類
1-2.オウム類
1-3.ソフトビル類
1-4.フィンチ類
2.フィンチってどんな鳥?
2-1.フィンチ類の生息地
2-2.身体の特徴・性格
2-3.食事
2-4.飼ってはいけない野生のフィンチ
小鳥の分類
見た目の可愛さや、鳴き声の美しさが多くの人に好まれ、ペットとして飼われている小鳥。現在ペットショップでもよく見かけるインコや文鳥などの小鳥たちは、概ね4種類に分類されます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか、ご紹介していきましょう。
◆インコ類
インコ類は黄色や青などの色鮮やかな羽を持っていることが多く、湾曲したクチバシが特長的です。身体の大きさは種類により異なり、小さいものでは15cm、大きいものでは30cmを超えます。
インコ類で有名なのは、やっぱりセキセイインコではないでしょうか。人懐っこい性格で飼いやすく、おしゃべりや芸を覚えることもあるため、ペットとしてとても人気の高い小鳥です。
◆オウム類
インコ類とオウム類はどう違うの?と思われる方もいると思います。実は冠羽(頭から生えている長い羽根)の有無で見分けることができます。冠羽があるのがオウム類、ないのがインコ類というわけです。生物学的にも、オウム類はオウム科オウム目に、インコ類はオウム科インコ目に分けられています。
オウム類はインコ類よりもずんぐりとした体格で、サイズも若干大きく種類により30~60cmになります。冠羽は自律神経と連動しており、飛んでいて着地するときや怒った時は起立します。
オウム類の中で人気なのは赤いほっぺが可愛らしいオカメインコでしょう。実はオカメインコは“インコ”と名前についていますが、冠羽があるのでオウム類に分類されます。長い尾を含め体長は30cmほど、他のオウムよりも静かで飼育がしやすく、初心者にもおすすめです。
◆ソフトビル類
ソフトビルという言葉は聞き馴染みがないかもしれませんが、九官鳥と言えば知っている方も多いのではないでしょうか。他にも南米原産のバナナのような嘴が特長的な、オオハシという鳥もソフトビル類に分類されます。
ソフトビル類はペットショップで販売されていることがめったにありません。さらに販売されていても20~40万と高額です。九官鳥含むソフトビル類は、他の種類と食べ物に若干違いがあるため、野菜やソフトビル専用フード等をよく調べて与えるようにしましょう。
◆フィンチ類
フィンチ類は、スズメのようにピョンピョンとジャンプして移動する小鳥です。文鳥やカナリアなど、聞き馴染みのある鳥がたくさん含まれています。
4種類の中で最も小柄な種類であり、鳴き声も比較的小さいので飼いやすいです。値段も1万円以内で購入でき、鳥かごも大きなものは要らないため、お迎え準備全体を見ても手軽で安価に済むと言えます。
フィンチってどんな鳥?
ここまでペットとして飼われている小鳥の種類を簡単にご紹介しました。ここからはペットとして人気の高いフィンチ類について、より詳しくご紹介します。
◆フィンチ類の生息地
フィンチ類の原産は熱帯やオーストラリアなどの乾燥した地域が多いです。特にノーマル文鳥はハワイ島で繁殖しており、まるでスズメのようなノーマル文鳥の群れをとらえたハワイの動画を、インターネット上でも見ることができます。
例外的に十姉妹(ジュウシマツ)に関しては、中国から輸入されたコシジロキンパラの仲間を日本で交配させ生まれた種であるため、野生には生息していません。また、人間に飼われ暮らしてきた歴史が長いため、飛翔力が弱く野生の環境では長生きできないとされています。
◆身体の特徴・性格
フィンチ類の特徴としては、身体の小ささ以外にも2つあります。
まず、フィンチ類の足の形は前に3本・後ろに1本の三前趾足(さんぜんしそく)と呼ばれる形になっています。インコ類やオウム類は前後2本ずつの対趾足(たいしそく)と呼ばれる形で、この違いは諸説ありますが生息地が違うためと考えられています。対趾足は三前趾足よりも掴む力が強く、インコ・オウムは木の枝の多い場所に生息し、木から木へ移動することが多かったため、対趾足の方が都合がよかったと考えられています。一方でフィンチ類は木の上だけでなく、落ちた木の実を食べるために地上に降りることが多かったことから、飛び跳ねて素早く移動できるように三前趾足になったと考えられています。
フィンチ類のもう1つの大きな特徴は、円錐型のクチバシです。フィンチ類のクチバシは太く短いため、植物の種をついばみ割って食べるのに適しています。さらに、先が鋭くとがっているので、虫をつついて食べるのにも適しています。インコ・オウムは大きく曲がったクチバシをしていますが、これは固い木の実を挟み、砕いて食べるのに適しているのです。
性格はあまり一貫せず、種類によって違いがあります。文鳥は怒るとすぐ噛みつくことから気性が荒いと言われたりしますが、実はさみしがり屋で甘えん坊です。カナリアは警戒心が強く、人懐っこくはありません。
しかし、日常のスキンシップ量や個性によって懐き具合や小鳥の人への向き合い方は大きく変化します。特に雛の時から育てているかどうかは重要です。フィンチ類のお迎えを検討している方は、雛の時の生育環境を気にしておくと良いでしょう。
◆食事
フィンチ類に与えるごはんとしては、市販の専用ペレットを基本とし、ビタミン補給として青菜(小松菜など)、果物(リンゴなど)が良いでしょう。また、カルシウム補給に市販のボレー粉(カキ殻)をペレットに混ぜて与えてください。
食べないよう注意するものとしては、水分の多い野菜・果物や、ほうれん草・ブロッコリーなどのシュウ酸が含まれる食べ物、ネギ類などがあります。野菜を与えるときは基本的に、食べられるかどうか調べてから与えるようにしましょう。
◆飼ってはいけない野生のフィンチ
現在日本では野鳥を飼うことが禁じられています。ヒワやマシコ、アトリ等の野生のフィンチ類も対象です。2017年に環境省から「鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針」という基本方針が出され、「違法な捕獲や乱獲を助長するおそれがある」として愛玩を目的とした捕獲は原則として禁止しました。傷ついた野鳥を保護した場合は、必ず都道府県の野生鳥獣担当機関に連絡して、対処方法を聞くようにしてくださいね。
特に人気なフィンチと飼い方
フィンチ類は世界に600~700種いると言われていますが、その中でも特にペットとして人気の高いフィンチ類をご紹介します。
◆文鳥
文鳥はフィンチの中で最もメジャーで人気な鳥です。ペットショップでも見かけることが多く、値段も手ごろで安い個体だと4000円ほどでお迎えできます。羽色の種類が豊富で、まず頭は黒く頬は白、身体は部分ごとに灰・茶・白に分かれるノーマル文鳥。そして全身真っ白の白文鳥、薄茶色のシナモン文鳥など、5種類ほどいます。体長は15cm前後で、重さは30g程度の小さな鳥です。
文鳥は400年以上前、はじめて日本に輸入されました。輸入されてからは武士の間で観賞用に飼われ、日本でも繁殖するようになると庶民の間でもブームになりました。明治時代には白文鳥が誕生し、そこから白文鳥が人気になりました。
原産はインドネシアのジャワ島ですが、現在は害鳥として駆除されたり乱獲されたりしたため、数を減らしているようです。ジャワ島など熱帯地方で暮らしていたため、文鳥は寒さに弱く少しの体温の低下が体調に直結します。そのため冬は温度管理が重要になります。
文鳥を飼い始めたら、注意すべきことがいくつかあります。温度管理はもちろん、ケージを毎日掃除し清潔にしてあげること、それから定期的にお皿などの容器に入れた水で水浴びをさせ、羽毛を清潔に保てるようにしてください。
◆カナリア
カナリアはオスのさえずりが美しいことで有名です。日本は昔から小鳥を飼ってさえずりを楽しむ文化があったため、江戸時代にオランダ人から輸入された時にはすぐに流行しました。種類にもよりますが、体長は13cmほどで体重も15~20gとかなり小柄です。身体の大きさや実験動物として用いられた過去から虚弱に思われがちですが、寿命は10年と長く、20年生きた個体もいるくらい意外とタフです。
カナリアにまつわる金融経済用語の1つに、「炭鉱のカナリア」という「危険な状況が迫っていることを知らせる前兆」を意味する言葉があります。これはカナリアがかつて炭鉱で有毒ガスの検知に使われていたことに由来します。カナリアは人間よりも有毒ガスに敏感で、かつ常にさえずっています。そのため、カナリアが黙れば有毒ガスを検知したということになり、人間が異常を感じられるほど危険な状況になる前に対処できるという仕組みです。
カナリアは羽色が美しいことでも有名で、カナリアイエローと呼ばれる美しい黄色の羽は多くの人が一度は見たことがあるでしょう。
しかし、カナリアイエローはペット用に品種改良されて生まれたもので、野生のカナリアは腹部にしか黄色の羽毛がなく地味な羽色をしています。
お迎えした際は文鳥と同じく、室温を20度以上に保つよう温度管理に注意し、ケージの定期的な清掃を徹底しましょう。また、羽色は食べ物によって保たれているので、換羽期にはカナリア用増色フードを与えると良いでしょう。
◆キンカチョウ
キンカチョウはカナリアよりさらに小さく、体長10cmほどで体重は約13gです。寿命も約5年と短いですが、上手く飼育すれば10年くらい生きる個体もいます。ノーマルのキンカチョウは、オカメインコのようなオレンジ色の頬(チークパッチ)や、赤いクチバシと白い斑入りの茶色の羽を持つ変わった柄の鳥です。鳴き声も特徴的で、「ぷぷぷ」「めーめー」と面白いさえずり方をします。せわしなく動き続けているため、小さな鳥かごでも運動不足を気にする必要はありません。性格は穏やかで優しいですが、寂しがり屋のためペアや多頭飼いにするか、飼い主がなるべく家にいるように心がけましょう。
カナリアもそうですが、キンカチョウは種類が非常にたくさんあります。色が薄いものやほとんど白に近いもの、中にはペンギンのような模様の種類もいます。特に珍しい種類だと値段が1万円前後することもありますが、ノーマルなどは4000円ほどでお迎えできます。キンカチョウのお迎えを検討している方は、ぜひ一度キンカチョウの種類について調べ、自分好みのキンカチョウを探してみてはいかがでしょうか?
飼育環境は文鳥・カナリアと同じように、保温に気を付けましょう。また、多頭飼いをすると人よりも鳥といることを好む傾向があるため、多頭飼いを検討する際は頭に入れておいてください。
まとめ
フィンチ類は見た目や性格、生態に至るまで興味深い小鳥であることが伝わったでしょうか。今回例に挙げて紹介した種類以外にも、フィンチ類で最も色鮮やかなコキンチョウや、体長が20cm程にもなるヨークシャーカナリア等、面白い鳥がたくさんいるのでぜひ調べてみてくださいね。
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