1.ダッチうさぎの歴史
3.ダッチうさぎの寿命・病気
3-1.寿命
3-2.かかりやすい病気
4.ダッチうさぎの毛色
4-1.ブラック
4-2.ブルー
4-3.チョコレート
4-4.グレー
4-5.スチール
4-6.トータス
4-7.チンチラ
5.ダッチうさぎの飼い方
5-1.食事
5-2.温度
5-3.ケージの掃除
5-4.体のお手入れ
5-5.ふれあい方
ダッチうさぎの歴史
ダッチうさぎの正式な品種名は「Dutch-rabbit」(ダッチラビット)です。「ダッチ」「パンダうさぎ」と呼ばれることもあります。
アメリカのうさぎ協会「ARBA」は、現在約50種の品種を公認しており、ダッチは1910年に公式に登録されました。うさぎの中でも特に歴史の古い品種として知られています。
Dutchは英語で「オランダの」という意味です。うさぎの品種名には原産地が語源になっているものも多く、ダッチもオランダで発祥したことから、その品種名が付けられています。ただ、ダッチはイギリスで交配して固定種が開発されたことからイギリス原産という扱いになっています。少しややこしいですね。
ダッチは日本人にもなじみ深い品種です。日本では1960年代に輸入されてから、実験動物や愛玩動物として普及していきました。
それまで、日本では大型の白色種が家畜や実験動物として飼育されていましたが、ダッチは小型で病気にも強く扱いやすいことから、従来の品種に変わって広く飼育されるようになったのです。
そして、白黒のツートンカラーはパンダの体によく似ていることから「パンダうさぎ」との愛称でも親しまれるようになりました。
模様の美しいダッチは、世界中で高い人気を誇るうさぎです。ただし、ダッチの混血種が市場に出回るようになったため、ダッチのブランドイメージが下がり、ほかの品種にブームが移っていきました。
現在、パンダうさぎとして出回る安価なうさぎはダッチの血を引くミックス(ミニウサギ)であることが多くなっています。
ちなみに、ダッチの突然変異種から小型種「ポーリッシュ」が誕生し、そのポーリッシュから開発されたのが最小級の品種「ネザーランドドワーフ」といわれています。
日本で純血種のダッチは見かけることは多くありません。ですが、多くの家庭で飼育されているネザーランドドワーフが、ダッチのDNAを受け継いでいるのです。
ダッチうさぎの特徴・性格
ダッチうさぎの特徴・性格について詳しくみていきましょう。
◆特徴
ダッチうさぎの最大の特徴は、くっきりしたツートンカラーです。ほかのうさぎにないユニークな模様で、ダッチの持つかわいらしさ、快活なイメージの決め手になっています。
マーキング(模様の出方)は、上半身と下半身がきれいに2色に分かれていて、色の境目は直線状です。足と上半身は白、下半身は白以外の色になっています。また耳と顔の一部も白以外の毛で覆われています。
顔の模様は左右対称のツートンカラーです。これは犬や猫の「はちわれ」と呼ばれる毛色で、額から頬にかけて八の字、または鉢がまっ二つに割れたような模様を形成しているのが特徴です。
ダッチうさぎの体の大きさは、体長が約30cm、体重は1.5~2.5㎏くらいで理想体重は約2,0kgとされています。うさぎの中ではやや小ぶりで、お部屋で飼いやすいサイズといえるでしょう。
体のフォルムは丸みを帯び、顔は丸顔、耳はピンと立っています。この親しみやすいルックスが根強い人気の理由となっているのです。
◆性格
ダッチうさぎの性格はおだやかで甘えん坊、なつくまでそれほど時間もかかりません。おとなしく抱っこさせてくれる子も多く、かみつくこともないので、初心者の方にも飼いやすい品種といえるでしょう。
ただ、どの品種にも同じことがいえますが、オスとメス、個体や飼育環境によっても個体の性格は異なります。同じダッチうさぎでも、気の強い子、活発な子、繊細な子、のんびりした子などちょっとした違いはあります。
ダッチうさぎの寿命・病気
ダッチうさぎは病気に強く丈夫で飼いやすいといわれますが、寿命の長さ、かかりやすい病気はほかのうさぎと違うのでしょうか。
◆寿命
うさぎの平均的な寿命は5~10年くらいで、大型種と小型種でも若干の違いはあります。ダッチうさぎの寿命は平均7~8年くらいで、寿命の長さは標準的といえるでしょう。
ペットのうさぎは全体的に寿命が延びているので、ダッチうさぎもしっかり健康管理をしてあげれば10年以上生きることが可能となります。
◆かかりやすい病気
ダッチうさぎが病気に強いといっても、病気をしないわけではありません。ストレスや加齢、季節、体質によって体調を崩すことがあるので、きちんと健康管理することが大切です。
かかりやすい病気はほかのうさぎと同じで、消化管うっ滞、不正咬合、ソアホック、コクシジウムやパスツレラなどの感染症に注意が必要です。
「この子は丈夫だから」と安心するのではなく、衛生管理、食欲や体調のチェックを丁寧におこないましょう。特に、季節の変わり目、寒暖差が激しい時、環境が変わった時は、うっ滞、スナッフルが起こりやすいので、初期症状を見逃さないようにしたいです。
ダッチうさぎの毛色
ダッチの毛色といえば「白と黒」や「白とグレー」のツートンカラーがおなじみですが、それだけではありません。ダッチのカラーバリエーションは意外に豊富で、珍しいものも含めると7種類が存在しています。
◆ブラック
パンダのような白と黒の組み合わせ。純白と色むらのない漆黒のコントラストが美しいカラーです。
◆ブルー
白とブルー(ダークグレー)の組み合わせです。ほかのカラーは瞳の色がダークブラウンですが、ブルーのダッチは瞳の色がダークブルーといった特徴があります。
◆チョコレート
白とダークブラウンの組み合わせ。チョコレート色がおしゃれです。
◆グレー
白とグレーの組み合わせ。グレーの部分はアグーチ(1本の毛に複数の色が混じ合っている)タイプになっていて、チャコールブラウンのような濃い色に見えます。
◆スチール
白とオフホワイトが少し入ったブラックの組み合わせです。
◆トータス
白とべっこう色(オレンジがかった明るい茶色)の組み合わせです。べっこう色の部分は色の印影が感じられます。
◆チンチラ
白とチンチラのような青灰色の組み合わせ。青灰色の部分はアンダーカラー(内側の被毛)がスレートブルーで、表面は白や黒の毛がまばらに散らばって見えます。
ダッチうさぎの飼い方
ダッチうさぎは丈夫で扱いやすく、特別なお手入れや難しい飼い方は必要ありません。うさぎの基本的な飼い方さえきちんと守っていれば、初心者の方でも上手にお世話できます。
◆食事
ほかのうさぎと同様に、牧草とペレットを基本とした食事を与えます。
牧草はうさぎの主食です。噛むことで歯が伸びるのを防ぐ目的もあるので、たっぷり用意して1日中食べ放題にしておきます。
◆温度
快適に過ごせる飼育環境は、温度18~24℃、湿度40~60%くらいです。夏の暑さ、季節の変わり目の寒暖差には注意しましょう。
うさぎは暑さが苦手です。短毛種のダッチうさぎは長毛種ほど暑さが苦手ではありませんが、室温が28℃を超えると体調を崩しやすくなります。夏はエアコンの冷房も活用し、飼育環境の温度を適切に調整してあげましょう。
また、気温の急激な変化はダッチうさぎの免疫力を低下させ、さまざまな病気を引き起こします。温度計をこまめにチェックしながら必要に応じて冷暖房、保温などをおこないましょう。
◆ケージの掃除
ケージとトイレは毎日掃除して清潔に保ちましょう。ケージを汚れたままにしていると、不快なペット臭やうさぎの感染症を引き起こす原因につながります。
また、ダッチうさぎに限らずどの品種のうさぎもきれい好きなので、ケージの汚れはストレスにつながります。できれば1日2回、最低でも1日1回は掃除をしましょう。
◆体のお手入れ
ダッチうさぎに必要なのは、ブラッシング、爪切りなどの基本的なお手入れです。
短毛種なので、毛がからまったり汚れで固まったりすることは少なく、被毛のお手入れにそれほど手間はかかりません。ただ、換毛期は毛がたくさん抜けるので、ブラッシングして浮いた毛を取り除いてあげるのがおすすめです。
爪が伸びてきたら、小動物用の爪切りやニッパーで爪切りをします。ダッチうさぎは従順な子が多いので、素直に爪切りをさせてくれるかもしれませんが、基本的にうさぎはだっこや爪切りが苦手です。暴れて爪切りができない場合は、動物病院で切ってもらってください。
◆ふれあい方
ダッチうさぎは友好的な性格で、自分から人に寄って来る子も多いです。
人の手におでこを押し付けてきたり鼻でツンツンつついてきたりしたら、それは「かまって、撫でて」というサイン。話しかけたり撫でたりして、ふれあいタイムを楽しみましょう。
ただし、おとなしく抱っこさせてくれる子でも長く抱っこされるとストレスを感じてしまいます。うさぎの生活リズムは薄明薄暮型といわれ、日中は寝ていることが多いので、日中にうさぎの時間を拘束するようなふれあい方は控えましょう。
ダッチうさぎの値段
ダッチの相場は2万円~8万円ですが、ペットショップ、カラー、年齢によっても異なります。
◆純血種のダッチについて
日本で血統書付きのダッチを取り扱うペットショップは多くありません。ダッチを探している方は、うさぎ専門店に問い合わせてみるとよいでしょう。ペットショップ以外のルートでは、ブリーダー、里親を募集している人から入手する方法もあります。
◆ダッチ系のミックスについて
ペットショップで相場より安く販売されている「パンダうさぎ」は、ダッチ系のミックスである可能性が高いです。ミックスのパンダうさぎはダッチではありません。
ミックスはうさちゃんによって模様の出方や体の大きさが異なります。そのため、パンダうさぎのベビーはどんな大人になるかわからないドキドキ感もあります。
パンダうさぎの魅力は、丈夫で育てやすい子が多く、ダッチに近いルックスが楽しめるところです。純血種のダッチとミックスのパンダうさぎ、プランに合わせてお好みのうさちゃんをお迎えしてくださいね。
まとめ
ツートンカラーが美しいオランダ生まれの「ダッチ」を紹介いたしました。かわいくて飼いやすい、魅力たっぷりなうさちゃんです。最寄りのペットショップでは純血種のダッチを見かける機会が少ないかもしれません。ダッチに興味のある方はうさぎ専門店で探してみてくださいね。
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