ハムスターにりんごを与えても大丈夫?
冒頭でもお伝えした通り、ハムスターにりんごを与えても大丈夫です。
りんごは甘みが強い為、喜んで夢中になって食べてくれる子が多いです。
この嗜好性の高さを利用して、病気や妊娠により体力、食欲が低下している際にも栄養補給に活用できます。
獣医師によっては、元気のないハムスターに対してすりおろしたりんごを与えるように指示することもあります。
◆りんごに含まれる主な成分
まずは、りんごに含まれる主な成分についてご紹介します。
りんごの約83%が水分であり、栄養分は残りの17%程で以下の栄養素が含まれています。
・脂質
・炭水化物
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・β-カロテン
・ビタミンC
・食物繊維
◆期待できる効果は?
「1日1個のりんごは医者を遠ざける」といったイギリスのことわざをご存じでしょうか?
りんごに豊富に含まれている食物繊維やカリウムは、高血圧など生活習慣病の予防に効果があるといわれています。
カリウムにはナトリウムを体の外に排出する作用があり、この働きにより血圧の上昇を防いでくれます。
また、コレステロールの比較的多い食事をとった後にりんごを摂ることで、りんごの繊維がコレステロールを体の外へ運び出してくれます。
りんごの繊維であるペクチンには、ビフィズス菌といった腸内にある善玉菌を増やして悪玉菌を減らす作用があります。
この働きにより便通がよくなり、頭痛や肩こりの改善にもつながると言われています。
また、胃酸が少ない時には胃酸を増やし、胃酸が多い時には胃酸を中和するといった働きがあり胃腸に優しい果物です。
この他にも老化防止、脂質代謝改善といった効果があります。
りんごにはポリフェノール成分も多く含まれており、動脈硬化を抑制する作用や花粉症、アトピー性皮膚炎のアレルギー症状を抑える作用があります。
虫歯の原因となる歯垢形成酵素の働きを阻止する作用もあり、歯の健康維持にも効果的です。
りんごの与え方
続いて、りんごの与え方についてご説明していきます。
◆皮や種はNG
未成熟のりんごには有毒な成分が含まれていることがあります。
りんごなどのバラ科植物にはアミグダリンという成分が含まれていることがあります。
アミグダリン自体は無毒な成分ですが、りんごに含まれるエムルシンという酵素によって分解されるとシアン化水素を発生させます。ハムスターがシアン化水素を摂取すると、急性中毒になってしまう恐れがあります。
種や皮には未成熟の実と同様の成分が含まれていますので、与えないようにしましょう。
また、海外産のりんごは艶出しのために表面にワックスが塗布されている場合があります。
塗布される人工ワックスは、天然多糖類、タンパク質、動植物性油脂などでできています。
これらの成分は人間であれば特に問題はないのですが、ハムスターにとっては害となる場合があります。
ハムスターに与える用のりんごを購入する際には、産地にも着目して確認するようにしましょう。
◆小さく切る
1度にハムスターに与える量は種類や体の大きさによって多少変わります。
ゴールデンハムスターのような体の大きなハムスターは、1cm角くらいが目安となります。
ジャンガリアンハムスターのような体の小さなハムスターは、5mm角くらいが目安となります。
ハムスターにとって果物は生きていく上で必須な食べ物というわけではないので、少量でも十分です。
ハムスターが食べやすいようカットして与えてあげましょう。
りんごの加工食品はNG
りんごジャムやりんごゼリーといった人間用の加工食品は与えてはいけません。
これらは人間が食べるために味付けされたものであり、糖分の摂りすぎにつながってしまいます。
ハムスターも人間と同様に糖分を摂りすぎることで糖尿病になってしまいます。
酷い場合には合併症になることもあるので注意しましょう。
小動物用のおやつとしてフリーズドライにしたりんごが販売されています。
こういった加工品であれば少量ならば与えてもOKです。
りんごジュースを与えても大丈夫?
りんごジュースも基本的には加工食品と同様に与えないようにしましょう。
理由も加工食品と同様で、基本的には人間向けに加工されているものがほとんどであり、調味料、食品添加物が含まれているからです。
果汁100%のりんごジュースであっても、水分量、糖分、カロリーが高いため、過剰摂取となってしまいます。
安全面、健康面を考慮して与えない方がよいでしょう。
りんごを与える時の注意点は?
ハムスターにりんごをあげる際には以下の4点に注意してください。
①与えすぎない
冒頭でもお伝えした通り、りんごには糖分が多く含まれており甘みが強いため嗜好性が強いです。
りんごを与えすぎてしまうことで、主食であるペレットや野菜といった他の食べ物に対する食いつきが悪くなってしまう恐れがあります。
また、りんごは脂質が高い果物でもある為肥満の原因となってしまう可能性もあります。
大量に与えるメリットは特にないので、りんごを含め果物を与える頻度は1~2週間に1回以下にしましょう。
基本的には、あくまでも「おやつ」として時々与える程度にしてください。
②種を与えない
先ほどもお伝えした通り、りんごの種には微量な毒が含まれており人間にとっても有害です。
人間の場合は症状が出ることは滅多にありませんが、体の小さなハムスターの場合は影響が大きいです。
一粒も与えないよう細心の注意を払ってください。
③皮をむく
こちらも先ほどお伝えした通り、りんごの皮には農薬がついていることがあります。
しかしりんごの皮付近にはポリフェノールが豊富に含まれています。
完全な無農薬かつノーワックスのりんごであれば、栄養面を考えて皮を与えても問題ないです。
無農薬なのかがわからない場合には、皮をむいて与える方が安心・安全でしょう。
また、熟して柔らかくなっている部分や、熟しておらず固い部分についても避けて与えるようにしてください。
④食べきれる量を与える
また、りんごは腐りやすい果物です。
与えた後30分以上食べていない場合や食べ残している場合、巣穴に持ち帰っている場合は捨てましょう。
体調を崩した場合の対処方法は?
ハムスターにとって下痢は命の危険につながる重大な病気です。
もしも下痢の症状が見られた場合は以下のように対処をしてください。
●動物病院に連れていく
他の病気と同様に、ハムスターが下痢になった場合は早めに動物病院に連れていきましょう。
すぐに動物病院に連れていくことが難しい場合は以下の方法をすぐに試してください。
●原因となっている物質を取り除き、ケージ内とお尻を清潔にする
餌と水を交換し、ケージ内の掃除をしましょう。
体調が悪い場合、免疫力が下がりウイルスや細菌の影響を受けやすくなっている恐れがあります。
特に水下痢の場合は清掃を念入りに行いましょう。
ハムスターのお尻が下痢で汚れている場合は、乾燥した柔らかい布で拭いてあげましょう。
●温度と湿度をやや高めに保つ
ハムスターの体に負担をかけないように環境を整えましょう。
温度は25度前後、湿度もやや高めに保ってください。
ハムスターは下痢をすることで体力が落ち、体温が低下してしまうのでできるだけ暖かくしてあげましょう。
●ストレスのかからない環境をつくり様子をみる
これまでご紹介した処置を済ませたら様子をみましょう。
ある程度時間を空けながら表情や排泄物の様子を見てあげましょう。
水下痢が半日~1日続く場合は危険な状態ですので最初にお伝えしたように早急に動物病院に連れていくことをおすすめします。
まとめ
今回はハムスターにりんごを与えても大丈夫なのか?どのような注意点があるのか?等についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
りんごは栄養価が高い反面、与えすぎると体調不良を引き起こす恐れがあるので注意しましょう。
あくまでおやつとして、適量を適切な方法で与えてくださいね。
シャリシャリと音をたてながら、一生懸命にりんごを頬張る姿は非常に可愛いです。
ペットのハムスターにりんごを与えたいと思っている飼い主さんの参考になれば幸いです。
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