ハムスターはチーズが好き？与える量、選び方、注意点は

2021.06.15

私たちの食生活になじみの深いチーズは、ハムスターのおやつとしても人気の高い食品です。ただ、人間と同じような感覚でチーズを食べさせると、体によくない影響を及ぼす可能性もあります。ハムスターにチーズをあげる時はどのようなことに気をつければよいのでしょうか。チーズの栄養価、チーズの適切な与え方を説明していきます。

【目次】
1.ハムスターやネズミはチーズが好き？
　1-1.ハムスターにチーズを与えてもいい？
　1-2.チーズが嫌いな子もいる？

2.チーズの栄養価
　 2-1.エネルギー
　 2-2.たんぱく質
　 2-3.カルシウム
　 2-4.塩分
　 2-5.脂質

3.ハムスターにチーズを与える時の注意点
　 3-1.チーズの適正量は
　 3-2.どのような時にチーズを与える？
　3-3.食べ過ぎには注意が必要
　 3-4.小動物用のチーズを与える

5.まとめ

ハムスターやネズミはチーズが好き？

ハムスターにはチーズの好きな子が多いです。

こちらの可愛いハム画像をご覧になった方もいるのではないでしょうか？

チーズうめー！#ハムスター pic.twitter.com/rWykMmwGAj

— 平　ハムスター (@junso6985) May 24, 2020

「うめー！」と至福の表情を浮かべるハムスター。寝転んでもチーズを離さないなんて、よっぽどおいしいのかもしれません。

ところでチーズといえば、ハムスターの仲間・ネズミには「チーズが好き」というイメージが定着していますよね。

これは、アニメやイラストなどで、ネズミが穴あきチーズを盗む場面、ネズミの罠にチーズが仕掛けてある場面を見かけることがあるからではないでしょうか。

このようにネズミと穴あきチーズが関連付けられているのは、ヨーロッパでネズミの手が届く所に穴開きチーズ（エメンタールチーズ）を貯蔵していたこと、穴の開いている様子がネズミにかじられたように見えることが関係しているようです。

では実際にネズミはチーズが好きなのかというと、少し事情は違っています。ネズミは雑食性で穀物、野菜、肉、魚、昆虫など何でも食べます。

「チーズが大好物」というよりは、ネズミが雑食性のためチーズも含めいろいろな物を食べる、というところが正しいです。

◆ハムスターにチーズを与えてもいい？

ハムスターも草食性に近い雑食性で、植物の葉や茎、実を食べたり、動物性たんぱく質を補うため昆虫も食べたりします。また、ペットのハムスターも飼い主が与えた食べ物は基本的に何でも興味を示します。

もちろんチーズも喜んで食べます。チーズは嗜好性が高く、動物性たんぱく質を含むので、ハムスターに適した食べ物といえるでしょう。

◆チーズが嫌いな子もいる？

どのハムちゃんも喜んでチーズを食べるわけではありません。好き嫌いがあるのでチーズに関心を示さない子もいます。

ただ、チーズは必ず与えなければならない食べ物ではないので、無理に食べさせる必要はありません。ハムスターに動物性たんぱく質を補給したい場合は、卵の黄身、煮干しなどで代替することができます。

チーズの栄養価

チーズはどのような栄養が含まれているのでしょうか。チーズの栄養価をチェックしてみましょう。

チーズの原材料である牛乳に目を向けてみると、ビタミンC・食物繊維以外の栄養素が含まれる栄養バランスの優れた食品となっています。チーズは、その牛乳の水分を抜いて1/10の量に凝縮させたものなので、牛乳の栄養がギュッと詰まっているのです。

チーズは、特にたんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB群が豊富に含まれます。またエネルギー（カロリー）と塩分の含有量も高めになっています。

ハムスターにチーズを与える場合に注意したいのは、カロリー、たんぱく質、カルシウム、塩分のとり過ぎにならないようにする、ということです。これらの栄養素の特徴と、過剰摂取になってはいけない理由を説明しておきます。

◆エネルギー

食品から補給できるエネルギーは、生きていくために欠かせない活動の源です。

チーズのエネルギーは100gあたり約339kcalです。（プロセスチーズの場合）エネルギーが効率よく摂取できる食品にあたりますが、言い換えるとカロリーが高めな食品ともいえます。

ハムスターに与える場合を考えてみましょう。ハムスターが持って食べられるサイズの1gだと、エネルギー3.4kcalが含まれます。

ハムスターが主食のペレットを1日5g食べた場合、ペレットだけで1日に約17kcalのエネルギーを摂取しています。

ハムスターの間食は、1日の食事の10％以下にとどめるのが理想です。しかし1gのチーズはそれをオーバーしてしまいます。1gのチーズはとても小さいように見えますが、ペレットを食べているハムスターにとってはカロリーが高い食品といえるでしょう。

摂取したエネルギーは活動によって消費されますが、ハムスターの体も人間と同じで、余ったエネルギーは脂肪に変わって肥満を招きます。そのためチーズの食べ過ぎには注意が必要なのです。

◆たんぱく質

たんぱく質は、エネルギー源であり筋肉、血液、皮膚や毛などの材料になるので、ペットの健康な体づくりには欠かせません。

チーズは良質なたんぱく質が20～30％含まれる高たんぱく食品です。ハムスターに与えると毛艶が良くなり、成長期・授乳中の栄養補給に効果が期待できます。

ただし、とり過ぎると脂肪として体に蓄積されるうえ、たんぱく質を分解・処理する肝臓や腎臓に負担がかかってしまうので、たくさん与えればよいわけでもありません。

◆カルシウム

カルシウムは、骨や歯を作るために欠かせないミネラルです。

食品では乳製品、小魚、小松菜などに豊富に含まれます。特に乳製品に含まれるカルシウムは体に吸収されやすいこともあり、チーズはカルシウム補給に最適な食品といえます。

チーズは種類によってカルシウム含有量が異なりますが、プロセスチーズだと100gあたり630mgのカルシウムが含まれます。これは小松菜の約3.7倍の量です。

カルシウムが不足すると骨や歯がもろくなりますが、ハムスターはカルシウムのとり過ぎにも注意しなければなりません。というのも、ハムスターの体はカルシウムが尿中に排出されやすく、カルシウムが原因で尿路結石や膀胱炎になりやすいからです。

◆塩分

塩分（ナトリウム）は体のミネラルバランスを保つ役割があります。生命の維持に欠かせませんが、必要以上に摂取すると心臓や腎臓に負担がかかるので、摂取量は控えめにしなければなりません。

人間用のチーズにはおよそ2％の食塩が含まれますが、体の小さなハムスターには塩分が高過ぎます。

塩分のとり過ぎは腎機能の低下を起こし、ハムスターの寿命を縮めます。もしチーズを与えるなら、塩分が少ない小動物用のチーズを与えるのがおすすめです。

◆脂質

脂質は細胞やホルモンの材料になる重要な栄養素です。ただし、とり過ぎると肥満を招きます。

ハムスターが好む食べ物ではひまわりの種、ナッツ、チーズに豊富に含まれます。チーズは乳脂肪分を含み、脂質は30％前後とやや多めです。

脂質を含む食品は嗜好性が高いことから、ハムスターにはひまわりの種やチーズが好きな子が多くいます。

それだけに食べ過ぎにつながりやすいので、肥満が気になる子には、ほかのエサとのバランスを考えながらチーズを与える必要があります。

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