部屋にある身近な〇〇がインコの突然死の原因に!インコの健康を守るために知っておきたいこと

2021.08.04

部屋にある身近な〇〇がインコの突然死の原因に!インコの健康を守るために知っておきたいこと

つい先ほどまで元気だったインコの突然死。実は部屋の中に原因があり何気ない行動が落鳥につながることも・・・ 今回は、そんな飼い主さんにもインコ自身にも「突然死」という悲しいことが起こらないために、代表的な突然死につながる原因をご紹介します。


インコは突然死が多い?

インコ

◆インコは体調不良や病気を隠す?

「インコは病気を隠す生き物」というのを聞いたことがある飼い主さんは多いとおもいます。
野生では群れで暮らし捕食される側のインコは弱っている姿を見せると外敵に襲われてしまうため、外敵はもちろん群れの仲間のインコたちにも自分の病気を隠す習性があります。
これは本能として備わっているもので、飼育下にあるインコも例外ではありません。
少しぐらいの不調なら元気に振舞いますし、餌を食べたフリもします。
ですから、インコが体調が悪くなったと飼い主さんが気づいた時には隠し切れないほど症状が進行しもう手遅れなことも多く、あっという間に落鳥してしまうこともあります。
これを見て「飼育しているインコが突然死した」と思う飼い主さんが多いのも事実です。

ですが毎日インコを観察している飼い主さんなら「普段より餌の減りがすくない」「体重の増減が激しい」「糞の感じが違う」「体の動きがおかしい」…など、わずかなインコの違和感や異常に気づくと思います。
毎日インコとスキンシップしながらそうした小さな違和感になるべく早く気づいてあげましょう。
また、鳥専門の獣医師による健康診断を最低でも1年に1回は受けることをお勧めします。
病気の早期発見をすることにより、病気の完治の確率も高くなります。

◆本当に突然死がおこることもある

人間に比べインコは繊細で体も小さく、さまざまな外的要因を受けやすい生き物です。
とくに、人間には無害でさらに日常生活で普通におこることや、家の中にあるようなものが原因で命を落としてしまうことは珍しくありません。
それまで病気しらずの健康体だったインコが数時間で命を落としてしまうこともあります。
次の項目では代表的な「インコの突然死」につながることを紹介していきます。


身近な突然死の原因

人間が生活していく中で、インコにとって有害で突然死の原因になってしまうものはとても多いです。ここでは意外に知られていない身近なインコの突然死の原因になるものをご紹介します。

◆アボカド

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「世界で一番栄養価の高い果実」としてギネスブックにも登録されるほどのアボカドですが、日常的に家庭に存在し、致死的という面ではもっともインコやさまざまな動物に危険な食べ物のひとつと言っていいでしょう。
アボカドに含まれる「ペルシン」が人間に害はなくても動物には有害であることがわかっています。
インコをはじめ鳥類が摂取した場合、呼吸困難などを起こし中毒発症後に高確率で突然死を迎えます。
もし食べてしまった場合は、急いで鳥専門の獣医師の診察を受けてください。

◆チョコレート

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犬や猫にチョコレートは有害というのは近年知られてきましたが、インコにももちろん有害です。チョコレートに含まれるテオブロミンとカフェインが循環器や中枢神経に作用し中毒症状を引き起こします。摂取してから数時間後には嘔吐や痙攣を引き起こし、最悪の場合死にも繋がります。
アボカド同様、インコが食べてしまった場合は速やかに鳥専門の獣医の診察を受けてください。
アボカドやチョコレート意外にも、インコにとって有害な食べ物は数多くあります。与える前に一度、「この食べ物はインコにとって安全なのか?」を調べる習慣をつけましょう。

◆テフロン中毒

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フライパンの焦げ付きを防止してくれるテフロン加工。実はテフロンに使われているポリテトラフルオロエチレンもインコにとって注意しなければならないもののひとつです。
テフロン加工されたものの表面が280度以上(200度以上というデータもあります)に加熱されると、毒性のあるガスが発生されます。吸引後は多くの場合数十分で突然死を迎えます。
テフロン中毒はインコの突然死の主な要因となっており、治療を待てずに落鳥してしまうため、「テフロン加工されているものを使用しない」ということが最大の予防となります。
また、フライパンだけでなく、さまざまな調理器具や、アイロン、ヒーター、ヘアアイロンなどにも使用されているので、加熱式の家電などはインコと同じ部屋で使用する前に確認を忘れないでください。

◆ガス漏れ

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「炭鉱のカナリア」のエピソードをご存知ですか?
かつて炭鉱夫たちはカナリアやメジロ、十姉妹を連れて地下に潜って作業していました。
炭鉱内では一酸化炭素やメタンガスが発生することが多く、人間より影響を受けやすい小鳥がさえずりをしなくなったり元気がなくなるとガスが漏れているサインとなり、炭鉱夫たちはその場所から避難したといわれています。
家庭でガス使用機器からガス漏れが発生した際、一酸化炭素を含む排ガスが漏れている可能性が高く、もちろんインコもカナリア同様体調を崩し、突然死に繋がります。
一酸化炭素や排ガスはインコはもちろん人間にも大変有害な気体ですので、ガス機器を使用する場合は換気をこまめにし、ガス漏れや一酸化炭素警報機などを設置して注意をしましょう。

◆タバコ

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タバコの煙には有害物質が含まれていることをご存知の方が多いとおもいます。もちろんインコにも有害で、ニコチン、タール、一酸化炭素などの有害物質を吸い込むことで突然死の原因につながります。
ニコチンの摂取は神経障害による痙攣や、呼吸困難を引き起こします。摂取が大量の場合、急死につながるケースもあります。
予防としては、「インコと同じ部屋でタバコは吸わない」「喫煙後は手を洗ってからインコと触れ合う」などを心がけましょう。

◆殺虫剤

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夏になると「ぷぅーーん」という嫌な音とともにやってくる小さな強敵、蚊!こいつを撃退するために「蚊取り線香や殺虫剤を使いたい、けどインコに危険があったらどうしよう」と思われる飼い主さんも多いのではないでしょうか?
殺虫剤の90%以上に使われている「ピレスロイド系殺虫剤」(キンチョールやノーマットなど)は人間はもちろん、犬や猫、さまざまな小鳥、もちろんインコにも無害です。ただし、爬虫類や熱帯魚などはこの成分を分解できいので注意してください。
なお、成分自体はインコにとって無毒なのですが「煙」は有毒です。
蚊取り線香をはじめ、部屋にある仏壇のお線香やお香のなどの煙を吸い込み、呼吸障害をおこし突然死した例も報告されています。殺虫剤を使用する際は、成分や煙の有無などを事前に確認してください。

◆金属中毒

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金属の誤飲もインコにとって突然死の原因となります。主にオカメインコに多く、セキセイインコ、コザクラインコなどでも発生します。
鳥は歯をもたないので、砂嚢にある小石などで食べ物をすりつぶし消化を手助けするのですが、室内飼育のインコの場合はその習性のため、部屋にある金属を誤飲し中毒がおこる場合があります。
日常生活の中でさまざまな金属が存在しますが、多くみられるものとして、カーテンウエイトやハンダに含まれる鉛をインコが摂取することで発生する「急性鉛中毒」や、メッキに含まれる亜鉛が原因の「亜鉛中毒」、さらに電気コードをインコがかじり、銅線を摂取すすることでおこる「銅中毒」などがあげられます。
どの金属もインコに神経症状などの重篤な症状を引き起こし、鉛中毒は発症すると症状の進行は急速で、48時間以内に死に繋がる場合もあります。
インコを放鳥中に誤飲がおこることが多く、「放鳥中は目を離さない」「放鳥の際は金属を片付ける」が最大の予防になります。また、インコ用のおもちゃについている鈴などにメッキが使用されている場合もあり、「インコ用のおもちゃだから」と安心はせずに、インコに与える前に一度飼い主が確認するようにしましょう。
もし金属を誤飲した場合は速やかに鳥専門の獣医の診察をうけましょう。


病気によるインコの突然死

インコやオウムには致命的になるような感染症が存在します。最近の鳥専門店などでは、売り場に出す前に遺伝子検査で感染症の有無を調べてから販売するところも増えてきました。ここでは、インコやオウムの突然死につながるような感染症を紹介します。

◆鳥の感染症「PBFD」

インコやオウムの飼育者さんなら PBFDという単語を一度ぐらいは目にしたことがあるとおもいます。
サーコウイルスが原因の感染症で、3歳以下のセキセイインコや白色バタン、ヨウムなどに感受性が高いといわれています。
コザクラインコなどのラブバードも海外ではキャリアとして重要視されています。
感染した雛の場合突然死を起こす場合があります。また、白色バタンやヨウムの感染した雛は突然死が頻発します。
雛の突然死は免れたとしても潜伏期間が21日~数年とさまざまですので注意が必要です。
ペットショップの飼育鳥の疫学検査では陽性率が18%以上にものぼったというデータもあります。
ワクチンは開発中の病気ですので、「予防」が最重要です。
お迎えした際は、鳥専門の動物病院で検査をすることをお勧めします。また、先住インコやオウムがいる場合は検査結果が出るまでは別の部屋に隔離するなどの対応をしてください。

◆鳥の感染症「BFD」

「セキセイインコのヒナ病」といわれるBFD。ポリオーマウイルスによる感染症で、セキセイインコをはじめ、オカメインコや多くの鳥に感染します。国内では3%の飼育鳥が感染しているというデータもあります。
セキセイインコはヒナでの発症率が高いですが、成鳥は感染しても99.9%以上は発症しないといわれています。
ただし、雛が感染し発症した場合、症状を呈さず突然死することが多々報告されています。
BFDはワクチンは存在しますが国内では使用できないので、雛をお迎えしたい場合は海外でワクチン接種した個体をお迎えしたり、PBFD同様先住鳥がいる場合は検査結果がでるまで隔離するようにしましょう。

ここで紹介したのは「突然死」の可能性がある感染症ですが、じわじわと体力をすり減らしながら死につながる感染症もたくさん存在します。
あたらしくお迎えしたインコは、なるべく早めに動物病院で検査をしてもらうようにしましょう。


インコとの生活で注意すべきこと

インコは犬や猫に比べ安価で手に入り、そのため「インコにとって有害なこと」や「どういうことが必要なのか」を事前に調べずにお迎えしてしまう人がいるのも事実です。
ですが犬や猫と同じように感情豊かで、多くの愛情を飼い主に向けてくれる生き物でもあります。また小さいセキセイインコでも近年は治療の進歩や飼育環境の改善により、寿命は10年以上になる場合もあります。10歳の子供がお迎えしてインコが寿命を迎える頃には20歳にもなります。「安価だから」「飼いやすそうだから」でお迎えするのではなく、インコについて事前に飼育書などでよく調べ、終生飼養する覚悟と飼育できる環境を整えてからお迎えするようにしましょう。
また、人間が生活していく部屋の中はインコに有害なものが多くあります。「知らなかった」でインコの命を落としてしまうという悲しいことが起きないよう、飼い主さんは常に知識をアップデートしていくことをお勧めします。


まとめ

インコの突然死についてご紹介しましたが、どれも「健康診断をうける」「日頃からよく観察する」「放鳥中は目を離さない」で防げることばかりです。
また、放鳥はインコにとって大好きな飼い主さんと一緒に遊べる1日の中で一番嬉しい時間です。「ながら放鳥」はせずに、ぜひ愛鳥と一緒の時間を楽しんでください。



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