スズムシの飼育方法!日常のお世話や繁殖方法などを紹介

2021.09.21

スズムシの飼育方法!日常のお世話や繁殖方法などを紹介

夏から秋にかけて、夜になると外からはコオロギなどの虫たちのきれいな鳴き声が聞こえてきます。そんな虫たちの代表として有名なのがスズムシです。たびたび売っているのを見かけて「、我が家でもきれいな鳴き声を楽しみたいけど、どうやって買えばいいの?」という方も多いかと思います。ですが、スズムシの飼育はとても簡単ですし、飼育していれば自然に繁殖もできてしまいます。ここでは皆さんが安心してスズムシを飼育できるように、飼育方法や特徴、繁殖方法なども紹介します。

スズムシとは?

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◆見た目の特徴・サイズ

スズムシは、体長17~25ミリほどの、コオロギの仲間に分類される昆虫です。全身が黒色で、頭部は小さく、瓜の種のような形をしています。夜行性のため、触角は非常に長いです。
羽は前羽と後ろ羽が一対ずつ、合計4枚ですが、大きな音で鳴くために、羽化直後に自分の後ろ羽を切り落とすという変わった生態をしています。オスの羽は幅広く、ヤスリのようになっている脈をこすり合わせて、あの特徴的な鳴き声を出しています。

◆生息地

スズムシは、日本の本州、四国、九州に生息しています。北海道にも人の手によって移入されたものが少数生息しています。主にススキの草原や、林の地表近くに潜んでいます。
しかし、自然を多く残したこれらの環境は近年減少しており、スズムシ自体も逃げるのがとてもうまいので、採集の難易度は比較的高いです。余談ですが、長野県松川村ではスズムシ捕獲禁止条例が可決されています。

◆よく見られる時期

成虫は8月~9月いっぱいまでの約2か月の間によく見られます。10月には野生個体はほぼ死んでしまいます。

◆特徴・生態

スズムシは夜行性で、日中は暗い物陰に潜んでいます。スズムシは、ほかのコオロギの仲間に比べて脚が細いため、穴を掘ったりはできず、物陰に隠れることしかできません。
食性は雑食性で、主にススキなどの植物の葉や、小型の昆虫の死骸などを食べています。
実はスズムシもある程度飛ぶことができます。野生では羽化したての成虫が、まれに夜の自動販売機の明りに飛んでくることもあるそうです。この飛翔能力によって分布域を広げているのではないかと考えられています。

◆鳴き声

スズムシの鳴き声は、その名の通り「リーン、リーン」と、細かく鈴を振ったような音で鳴きます。「鳴く虫の王」と言われているとおり、その他のコオロギなどの鳴く虫とは一線を画す、非常にきれいな音です。
しかし、外でも聞こえるくらいの大音量で、音の質も鋭く甲高いので、寝室などのいつも寝ている部屋に飼育ケースを置くことはお勧めしません。皆さんが安眠するためにも、飼育ケースを置く場所はよく吟味するとよいでしょう。

◆寿命

スズムシの寿命は、約一年です。一年とはいっても、卵の期間が半年以上で、孵化してから成虫になるまで2か月ほど。きれいな鳴き声を聞かせてくれる成虫の期間が2か月程となっていますので、鳴き声を聞けるのはごく短期間です。


スズムシの値段

スズムシは多くの場合、オスとメスのペアで売られています。相場は3ペアで800円、5ペアで1000円ほどです。8月あたりから9月にかけて、ホームセンターやペットショップ、ネット通販、時には道の駅で売られていることもあります。
また、卵で売られている場合もあり、こちらはプリンカップに30個程度入っていて、400円から500円ほどです。
店舗や地域によって多少の誤差はありますが、だいたい上記の価格で見積もっていただければと思います。


スズムシの飼育に必要なグッズ

スズムシ

スズムシは古くから飼育されているため、ペット用品メーカー各社からさまざまなスズムシ専用グッズが販売されていて、ホームセンターやペットショップで簡単にそろえることができます。

◆飼育ケース

スズムシはツルツルした壁を登ることができないため、一般的に「むしかご」と呼ばれているプラケースや、熱帯魚を飼育するときに使う水槽などで飼育することができます。
プラケースはふたがあるため、脱走の心配がなく、持ち運びがしやすいなどメリットも多いですが、水槽に比べて見栄えが劣ります。水槽は見栄えがいいですが、完全に閉めることができる蓋がないので、蓋を自作する必要があります。もともとツルツルした壁は登れないため、高さがあれば脱走はできませんが、万が一を考えて蓋はあると安心です。
飼育ケースの大きさですが、あまり小さいものだとケンカや共食いが起こりやすく、ストレスをためてしまいますので、余裕をもって幅20センチ以上のものを用意してあげてください。

◆餌

雑食性でなんでも食べます。ペットショップやホームセンターでは、スズムシ専用のフレーク状の餌も売られていて、栄養面のバランスが良いので、主食として与えることをお勧めします。
ほかには、キュウリやナスなどの野菜や、かつおぶしや煮干しも与えましょう。かつおぶしや煮干しなどの動物質の餌は、スズムシの共食いを防いだり、繁殖のための体力をつけるために必要です。常に入れておくとよいですが、食べ残しは放置せず、毎日交換してあげましょう。
餌を与えるときの注意点ですが、敷いている床材につかないように与えましょう。床材に直接餌を置くと、カビが生えたりして床材が汚れてしまいます。スズムシたちが衛生面の悪い環境で暮らさなくてすむようにしてあげましょう。
スズムシ用のフレークやかつおぶしなどは小皿の上に、キュウリやナスは楊枝や串に刺したものを床材にさして与えるとよいでしょう。

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◆床材

床材とは、飼育ケースの底に敷く土のことです。ペット用品メーカー各社から、スズムシ用の土が売られています。スズムシ用というぐらいですので、保湿性、通気性ともにスズムシに適したものになっていますので、お好きなものを選んでください。浅すぎるとすぐに乾燥してしまい、湿度の調節が難しくなってしまいますので、厚さ3cmほど敷くとよいでしょう。

◆隠れ家

スズムシは夜行性ですので、昼間に隠れられるものならなんでもいいです。素焼きの植木鉢を半分に割ったものや、熱帯魚用の流木も雰囲気が出てお勧めです。100円ショップでは、カブトムシ用の落ち葉なんかも売られているので、散りばめておいてもよいでしょう。
特に筆者がおすすめするのは、「竹炭」です。炭には消臭効果やカビを生えにくくする効果があります。また、水分を含ませておけば保湿効果もあったりと、何かと万能ですのでぜひ入れてみください。

◆霧吹き

飼育ケース内の湿度を保つために、スズムシの水分補給に必要です。週に2,3回床材を湿らせましょう。この時、スズムシの体に直接かかると弱ってしまうので、かからないように注意してあげましょう。特にケース内部の壁面に水滴をつけてあげることで、スズムシが飲みやすくなります。
水は、水道水を一日置いて、カルキを抜いたものを使用しましょう。もしくはミネラルウォーターや、市販されているスズムシ用の保水液でも良いです。

◆コバエシート

スズムシが快適に暮らせる環境は、コバエも快適に暮らせますので、コバエ対策にもあった方がよいでしょう。特に、生の野菜を与える場合にはコバエが発生しやすいのでオススメです。
また、コバエシートをすることによって飼育ケース内の乾燥も防げます。


スズムシの飼い方

スズムシの飼育は簡単です。過度な温度変化がなく、直射日光の当たらない、通気性のいい場所に飼育ケースを置きましょう。
床材が乾燥しすぎないように、また、スズムシたちの水分補給も兼ねて、霧吹きをしてあげましょう。あまり霧吹きをしすぎて湿度が高くなりすぎてもスズムシが弱ってしまうので、週に2,3回を目安に霧吹きをしてあげましょう。
食べ残しは毎日交換してあげましょう。放置しておくとカビが生えて、スズムシの健康によくありません。いつもケース内を清潔に保っておきましょう。
スズムシは日本の昆虫ですので、特別暖かくしてあげたりする必要はありません。自然な温度で飼育してください。

◆スズムシ飼育の注意点

スズムシも生き物ですので、このように毎日のお世話が必要です。常にケース内を清潔に保ってあげてください。成虫の飼育であれば、一か月もすると徐々に死んでしまう個体が現れます。死骸は腐りやすく、一気にケース内の環境が悪化します。死骸はすぐに取り除いてください。
また、お世話中は蓋を開けることになるので、スズムシ自慢のジャンプ力で逃げられないように気を付けましょう。

◆繁殖について

スズムシは繁殖も非常に簡単です。ペアで飼育していると、簡単に卵を産みます。スズムシが全部死んでしまっても、12月までは定期的に霧吹きで土を湿らせてあげてください。12月から4月あたりまでは乾燥気味に管理したほうが、卵が腐りにくいです。5月からまた霧吹きを再開すると、6月初めくらいから卵がかえりはじめます。
幼虫の飼育に関しては、成虫と変わりません。ですが、成長するにあたって必ず「脱皮」が必要になってきます。ここが成虫の飼育と異なる点です。
スズムシは脱皮を繰り返し、2か月ほどで成虫になります。脱皮の際は、葉っぱや木などにつかまって脱皮をするので、スズムシがつかまることができる止まり木などを多めに入れておくとよいでしょう。また、数が多いと共食いの心配があります。特に脱皮中は無防備ですので、共食いの標的になりやすいです。そのため、隠れ家も余裕をもって入れておきましょう。

幼虫の飼育では、いかにして脱皮を成功させるかが重要になってきます。
ポイントをまとめておくと、

  • 隠れ家や止まり木などの障害物を多めに入れておくこと
  • 成虫よりもかつおぶしや煮干しなどの動物性の餌を切らさないように気をつかうこと
  • もしそれでも共食いが発生してしまったら、死骸はすぐに取り出すこと

となっております。
毎年きれいな鳴き声を聴くために、上記のポイントに注意して、繁殖にも挑戦してみてはいかがでしょうか。

◆オスとメスの見分け方

スズムシのオスとメスの見分けは比較的容易です。
オスは羽が幅広く、産卵管がないため、おしりにはしっぽが2本しかありません。
メスはオスよりも羽が細長く、産卵管があるので、おしりにはしっぽが3本あります。
このように、おしりを見れば判別は容易にできます。

※産卵管とは

コオロギやキリギリスの仲間は、地中に産卵します。その時に、メスのみが持っている「産卵管」という、非常に硬く長い、立派な管を土に深く突き刺して卵を産みます。産卵管は、かなり目立つ器官なので、産卵管の有無によって簡単に区別できます。


必ず終生飼養すること

販売されているスズムシは、繁殖場で人工的に繁殖された個体たちです。いくら日本の虫でも、近所に放してはいけません。その地域に本来いるはずのない生き物が放たれたり、実際にいても、遺伝子汚染が起こってしまうなど、生態系に何らかの悪影響を及ぼします。ですので、「飽きたから」や、「声が思ったよりうるさかったから」などの身勝手な理由で逃がしたりしてはいけません。
また、逃がすつもりはなくても、脱走されてしまった場合もおなじです。飼い主として責任をもって終生飼育ができるのか、しっかりと考えて、必ず”終生飼育”をしてください。


まとめ

いかがだったでしょうか。「鳴く虫の王」と呼ばれるほどの美しい音色を響かせるスズムシも、日頃の世話をしっかりしてあげれば、簡単に飼育することができます。都会の中に暮らしている方も、自然の中で暮らしている方も、虫の鳴き声に耳を傾けることは最近少なくなってきたのではないでしょうか。平安時代から変わらず聴き続けられている、歴史の詰まった鳴き声に思いを馳せてみませんか。



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