ハムスターの視力はどのくらい?わたしたちのことは見えているの?

2021.11.26

ハムスターの視力はどのくらい?わたしたちのことは見えているの?

かわいらしい見た目でペットとして大人気のハムスター! くりっとした目はハムスターのかわいらしい特徴のひとつでもありますね♪ そんなハムスターの視力がどのくらいかご存知ですか? わたしたち飼い主をゃんと認識しているのでしょうか? そこで今回は、ハムスターの視力がどのくらいなのか? またハムスターにはこの世界がどのように見えているのか、その秘密に迫ってみましょう。


ハムスターは遠くが見えないの?

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実はハムスターはとっても目が悪い動物なんです!わたしたち人間でいう「近眼」です。
もちろん人間と同じように個体差がありますが、1m離れただけでもぼんやりとした見え方になってしまい、ハッキリと見えないようです。

ただし夜行性のため、光には敏感で、暗い場所なら周囲の判別がしやすくなります。
ハムスターは光をキャッチする「桿体 (かんたい)」という細胞が人間よりも発達しています。明るい所で色を識別したり、物をはっきり見ることは弱い代わりに、暗い場所では
わずかな光も感じ取ることができるため、真っ暗闇でもスタスタと動けます。そのため、夜のうちに周囲を記憶し、日中の行動に役立てているということが考えられます。

普段見なれないものを目の前に置くと、警戒してしまう可能性があるため気を付けましょう。


夜行性動物とは?

動物には、昼間に活動して夜に眠る習性をもつものと、昼間眠って夜に活動する習性をもつものがいます。

多くの草食動物は、天敵の肉食動物は活発に活動する昼間を巣穴などで眠って過ごし、肉食動物が眠りにつく夜になると活動を始めます。

このように夜に活動する動物たちのことを「夜行性動物」といいます。ハムスターもその夜行性動物の仲間です。

ちなみに、ハムスターをはじめとした小型の夜行性動物たちが、夜になってから活発に活動する理由には、昼間の直射日光で体温が上がりすぎるのを避けるためという説もあり、必ずしも天敵に襲われる危険を回避するためだけではないと考えられています。


ハムスターの見ている世界

◆見え方は?

ハムスターの見ている世界はモノクロです。
色を識別する「錐体(すいたい)」という細胞が少ないことから、白黒に近い色彩感覚であると言われています。

そのため、ハムスターの目の前に手を差し出しても「大きな影」と認識するでしょう。

◆視野は?

ハムスターの視野は、横幅270°ほどと言われています。
これはハムスターの目が顔を挟んで左右横向きについていることで、外敵の存在を早くキャッチできる広い視野を持ち合わせています。

ちなみに人間は横幅160°前後ですので、ハムスターはかなり幅広い視野を持っていると言えます。

◆立体的に見る力

人間は前に2つ目が並んでいるため幅広い視野は持っていませんが、その代わりに物の距離感をつかむことにたけています。つまり物を立体的に見て、遠近感覚をとらえる力です。

それに比べてハムスターは、顔を挟んで横向きについているため、横幅の視野は広いですが、物を立体的に見たり、遠近感をとらえたりすることは苦手分野です。

そのため、置いてあるものや、動きのないものはボンヤリとしか判別できずに、よく段差で転んだり、登ったところから落ちてしまったりします。

高いところに登った時に、そこから乗り出して危なっかしい、鼻でクンクンしているようなしぐさを見たことがあるかもしれません。

これは下が良く見えないので、目以外のことで確かめようとしているのです。
ハムスターは立体的に物を見ることができませんので、平面的な世界で物を見ています。
お散歩などをさせる時などは、できるだけ物をおかないで、安心できる空間にしておくと良いでしょう。

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実はすごい!ハムスターの動体視力

目が悪いハムスターの動体視力はどのくらいなのでしょうか?

視力がほとんどないハムスターですが、動体視力はとても優れています。
ぼんやりとした影としか認識できずとも、すばやく動くものには即座に反応します。

また、ハムスターの目が、顔から少し飛び出ているのは、暗闇で少しでも多くの光を集めるためとも言われており、夜行性のハムスターが暗闇の中で動くものの気配をすばやく感じとることに役立っていると考えられます。

こうしたことから、ハムスターは、物の形を見極める視力や色の識別能力は低いけれど、周囲で動くものの気配を敏感に感じ取る能力に特化した目を持っているといえます。


ハムスターは飼い主のことを判別しているの?

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これすっごく気になりますよね・・・
毎日お世話にしているわたしたちのことはわかってくれているのでしょうか?

実は、ちゃんと判別してくれているんです!
ぼんやりとしか見えていないのにどうやってわたしたちのことを判別しているのでしょうか?


音や匂いで飼い主を判別?

視力が悪い分、ほかの感覚機能が発達しているため、これらを使って飼い主のことをきちんと判別しています。

◆聴力

なんとハムスターは、人間の約4倍の音域を聞くことができます!
ハムスターの聴覚は、高周波のきき分けに優れており、お互いのコミュニケーションにも役立ちます。ハムスター同氏は人間に聞こえない超音波でやり取りしているみたいですよ。

耳の動きに注目してみてみると、ピンと立てて周りの音を確認しようとしていることがあります。立ち止まってじっとしているときも、人間には聞こえない音を聞き分けている可能性がありますので、大きな音を立てずに見守ってあげると良いでしょう。

高性能な聴覚を活かして、飼い主の足音などを聞き分けることができます。

そんな優れた聴覚ですが、熟睡中は本領発揮できません。そのため、ハムスターは1日のうち、明るい時間帯は10分ほどの短い睡眠を繰り返して常に危険を察知できるように備えているそうです。頑張り屋さんですね。

◆嗅覚

ハムスターの嗅覚は人間の約40倍といわれています。
強い匂いの分泌液をだす臭腺をもっており、その匂いで自分を主張します。周囲にハムスターがいる場合はこの匂いで縄張りの範囲を把握します。

特に自分の匂いにはこだわりがあり、寝床などに自分の匂いがしないと落ち着かなくなってしまうこともあるのだとか。

ハムスターを飼育している場合、お香やアロマオイル、香水などはハムスターに適さない成分も含まれているため、ケージを置いてある部屋での使用は控えましょう。
ハムスターは強い刺激臭を嫌う傾向があり、具体的にはミントやワサビ、ユリの花の匂いなどは、ハムスターが嫌いな匂いとして挙げられます。基本的に人間が好きな香りは、大型肉食物が好む匂いのため、ハムスターのような小動物は好まない可能性があるということを忘れないようにしましょう。

ちなみにメスは、匂いで旦那ハムスターを判別しているそうですよ!

◆触覚

ハムスターにはヒゲが生えていますよね。そのヒゲで周囲を探っています。
これはいわゆるアンテナのような働きをし、人間でいう手のような役割となっています。夜行性で地を這うハムスターは、光の少ない夜や、真っ暗な巣穴でも生活できるように、ヒゲに重要な役割があります。

ハムスターは目が上向きに付いているので、上は見えるのですが、下は見えません。
そのため、ヒゲを使って、下方向の視界を補っています。

ヒゲを擦りながら歩くことで、自分と壁や床などとの距離を測ることができます。そうすることで、自分の位置を把握できたりと、視力の悪さを補う感覚の一つとして発達しています。

ハムスターの身体は小さくても、各感覚機能が発達し、周囲からさまざまな情報をキャッチして行動しているんですね!


気を付けること

ハムスターは身体の構造上、眼球を受け止めている頭の骨のくぼみ(眼窩)がとても浅い生き物です。また、眼球を押さえる役割をする瞼も薄いので、ちょっとした衝撃や圧迫で眼球のくぼみから目が外れてしまいます。ハムスターの動きを制限したいときに、強く抱えてしまったりすると大変危険ですので、優しく抱えてあげるようにしましょう。

また、通常の状態でも、目が体から少し飛び出しているので、ケージが狭かったり汚いと、角膜を傷つけて角膜炎や結膜炎などの、目の疾患の原因になります。
目玉にウッドチップが付いていても、ハムスター自身は気にしないこともあるため、薬品を使った床材やトイレ砂は使わないようにしましょう。

さらにスキンシップをとる際に、目やにが出ていないか・目がいつもより飛び出たりしていないかなどをチェックしたり、気にかけてあげましょう。

視力が低いためか、目の病気が多くなりがちです。白内障になることが多く、人間ほど視力に頼った生活はしていませんが、視力を失うと活発に動けません。また、ハムスターは普段から視力に頼って生きていないため、目の病気になっても生活ぶりが大きく変わらない場合があります。

さらにハムスターは病気になっても悟られないように振る舞う生物なので、少しでも異常を感じたらすぐに病院に行きましょう。

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赤目のハムスターがいるけど視力は違うの?

◆赤目とは

赤目とは文字通り、赤色の目をもっていることです。
赤目を持つのは、キャンベルハムスターの品種の一種で、いわゆるアルビノと呼ばれるものです。

アルビノは約2万匹に1匹の確率で生まれると言われており、非常に珍しい品種です。

アルビノと呼ばれる品種以外は基本的に黒目ですが、個体によっては黒目が薄かったりブドウ色になっていたりすることもあるようです。

◆なぜ目が赤くなるのか

では、なぜ赤目のハムスターが生まれるのでしょうか?
アルビノと呼ばれる赤目のハムスターは、突然変異によって体内で色素が生成されないため、血液の色が目の色に反映されています。

メラニン色素は、色素細胞中でチロシンという物質から、チロシナーゼという酵素の働きによって作られます。アルビノは酵素チロシナーゼができないために、メラニン色素が体内で生成されないのです。アルビノはそのチロシナーゼという酵素ができなくなるため、Tyrと名付けられた遺伝子自体が突然変異起こし、メラニン色素が生成されなくなります。

◆赤目のハムスターはどういう世界が見えているの?

実は、赤目のハムスターはほとんど視力がありません。
そのためアルビノのハムスターは、とても臆病です。弱いからこそ、穏やかで優しい性格をしています。


まとめ

ちいさくて可愛らしいハムスターの視力は、とっても悪く、周囲1mほどしか認識できません。

しかし視力が悪い代わりに、聴力と嗅覚が発達しているので、わたしたち飼い主のことをきちんと判別してくれていますよ♪

また、ハムスターの目は、輪郭よりも少し飛び出ている構造をしていますが、それは暗闇で少しでも多くの光を集めるためであり、夜行性のハムスターが暗闇の中で動くものの気配をすばやく感じとることに役立っていると言えます。

そしてハムスターは目の病気になりやすいので、常に気にかけてあげましょう。

わたしたちは立体でカラフルな広い世界をみて暮らしていますが、ハムスターは平面的でモノクロな世界の中で生きています。

その世界を快適に過ごしてもらえるよう、ハムスターの世界を想像しながらお世話をしたいものですね。



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