1.セキセイインコのヒナとは生後何か月までをいう?
2.セキセイインコのヒナの選び方
2-1.信頼できるお店を選ぶ
2-2.元気な子を選ぶ
3.セキセイインコのヒナ飼育に必要なグッズ
3-1.ヒナ用ケース
3-2.床材
3-3.ヒナ用のエサ(セキセイインコのヒナ)
3-4.エサを与える器具
3-5.温度計
3-6.保温器具
3-7.止まり木
4.ヒナを飼育するときの注意点
4-1.温度管理について
4-2.挿し餌について
5.セキセイインコの成長過程に合った飼育の注意点
5-1.セキセイインコの生後3週間(生後21日~)
5-2.セキセイインコの生後4週間(生後28日~)
5-3.セキセイインコの生後5週間(正常35日~)
7.セキセイインコのヒナの豆知識
7-1.セキセイインコがヒナのときの鳴き声
7-2.セキセイインコのオスメスの見分け方
7-3.セキセイインコを手乗りにするコツ
セキセイインコのヒナとは生後何か月までをいう?
セキセイインコのヒナは生後35日ごろまでのことをいいます。生後5か月ごろまでを中雛。生後10か月ごろまでを若鶏、10か月以降が成鳥です。
つまり、セキセイインコのヒナとは生後1か月頃。
ペットショップで手に入るセキセイインコのヒナは、生後3週~4週間くらいのものが多いですね。
このヒナの時期から育てると、手乗りインコにすることができます。セキセイインコが飼い主さんによく懐くんですね。
ですが、ヒナは免疫力が低く、体力もありません。ですから、細心の注意を払ってお世話をすることになります。
温度・湿度も管理してあげなくてはいけません。
セキセイインコのヒナの選び方
◆信頼できるお店を選ぶ
信頼できるお店を選ぶポイントは3つです。
・清潔であること
店内はもちろん、鳥かごの中がきれいに掃除されているかどうか見てみましょう。
・店員が鳥に詳しい
店員さんに様々な質問してみましょう。知識があって、それを熱心に話してくださる店員の方が安心ですよね。日頃の様子や、飼い方、飼育用品などこれからの生活に向けて必要な情報を収集しましょう。
インコを飼うにあたり、ペットショップとはこれから長い付き合いになります。信頼できる店員さんと出会えたら、インコとの生活もさらに充実することでしょう。
・販売価格が適切である
セキセイインコのヒナの価格は、1羽1,000円~3,000円が相場です。安すぎる場合は、問題が隠れている可能性があります。
◆元気な子を選ぶ
元気な子を選ぶポイントは3つです。
- エサをよく食べる
- 体が汚れていない
- 歩き方に問題がない
気に入った子を見つけたら、店員さんにその子のエサの食べ具合、フンは正常かなど、細かく聞いてみてください。
あとでトラブルや悲しいことにならないようにするためにも、慎重に見極めましょう。
セキセイインコのヒナ飼育に必要なグッズ
◆ヒナ用ケース
ヒナを飼育する用のケースは、プラスチックのケースが最適です。中にいるヒナの様子がよく見えます。
狭いため温度管理や掃除もしやすいです。
ペットショップではヒナ用プラケースなどの名称で販売しています。
◆床材
細かくちぎったキッチンペーパーや新聞紙などがいいでしょう。手に入りやすく、手軽に捨てられます。
ただ、ヒナのフンは水分が多いので、吸水性という点ではキッチンペーパーがいいですね。
タオルはふわふわしていて温かくソフトなイメージがありますがセキセイインコの爪に引っかかりやすいのでやめましょう。
ウッドチップは保温効果があるのでおすすめできます。
◆ヒナ用のエサ(セキセイインコのヒナ)
ヒナ用の粟玉、栄養パウダーを与えましょう。
「粟玉」とは、剥いた粟に卵黄をまぶして栄養価を高めたものです。「粟玉」に栄養パウダーをまぜたものをおすすめしています。
◆エサを与える器具
鳥のヒナにエサを与える器具は大きく2つあります。
・ヒナ用スプーン
・ヒナ用スポイト
セキセイインコのヒナにはスプーンを選びましょう。
スポイトは文鳥や十姉妹などのフィンチ類とよばれる鳥のヒナ用です。
スポイトは扱いが難しく、タイミングを間違えるとむせこみにつながります。
その点からも、セキセイインコのヒナ用スプーンが安心です。
◆温度計
セキセイインコのヒナの飼育には2つの温度計が必要です。
室温計
プラスチックケースの中の温度をはかるのに使います。
エサ用の温度計
エサは38~40℃のものを与えましょう。冷めていては体が冷えてしまいますし、熱すぎればヤケドしてしまいます。与える前に必ずエサの温度をはかるようにしてください。
◆保温器具
保温器具には大きく分けて2種類あります。
・保温電球タイプ
むき出しの電球の場合にはセキセイインコのヒナがヤケドしてしまわないように、プラスチックケースの外側に設置しましょう。
ケース内に設置できるように工夫されているものもあります。
・パネルタイプ
プラスチックケースの下に敷きます。ケースの半分だけに敷くようにしてください。ヒナが暑いときは、自分で逃げられるようにするためです
セキセイインコにとっての適温は24~30℃くらいです。特にヒナは寒暖差に弱いため「24℃」を下回らないようにしましょう。
かといってエアコンを使用し部屋全体を高温にすると飼い主さんの体調に異変をもたらしてしまいます。
また、使い捨てカイロではヒナの育成には不十分です。
夏場以外では、小鳥用ヒーターを使用してしっかりと適温にしてあげましょう。
怠ると、セキセイインコが弱り病気になってしまったり、最悪の場合死に至ることもあります。
◆止まり木
ヒナがある程度成長してきたら、ひとり餌や止まり木にとまるトレーニングをしましょう。
プラケースの中に設置できるヒナ用の止まり木が販売されています。
お迎えと一緒に購入する必要はありませんが、準備したいアイテムの一つです。
ヒナを飼育するときの注意点
セキセイインコのヒナを飼育するときの注意点は主に2つです。
・温度管理
・さし餌
◆温度管理について
セキセイインコのヒナにとっての適温は24~30℃です。ヒナをよく観察して、寒そうに羽毛をふくらませていたり、暑そうに口を開いて呼吸をしていたら適温の調節をしてください。
温度管理は非常に大切です。少し温度が下がるとエサを食べなってしまいます。
セキセイインコのヒナがエサを食べなくなると、途端に体調を崩すこともあります。鳥のヒナの飼育では、「温度管理」と「エサの食べぐあい」の関係をいい状態に保つことがとても需要です。温度の低下はエサの消化も悪くします。
◆挿し餌について
挿し餌(さしえ)とは、飼い主さんがヒナにベビーフードのようなエサを与えることです。ヒナは本来親鳥から口移しで餌をもらって育ちます。その親鳥の代わりを飼い主さんが務めることを挿し餌と呼びます。
これをするとヒナは人の手に慣れていきます。ヒナから飼育したセキセイインコが手乗りになりやすいのも、挿し餌を繰り返すことで飼い主さんの手に慣れるからです。
ペットショップからヒナを迎えた場合、少なくとも1~2週間はこの挿し餌を行う必要があります。
・挿し餌のやり方
ヒナ用の粟玉を熱湯でふやかし、38~40℃くらいになったら軽く湯切りをします。栄養パウダーを混ぜて、スプーンで与えます。エサののったスプーンをヒナの斜め上から流すように入れましょう。
元気なヒナはガツガツ食べます。エサを押し込むことのないようにしましょう。
エサが冷めてきたら湯煎してください。そのときにも温度をしっかりとはかりましょう。
・挿し餌の量と回数
朝7時から夜の10時くらいの間に、3~4時間の間隔で1日6~7回与えます。
先ほども説明した通り、少なくとも1~2週間は挿し餌を行う必要があります。
このタイムスケジュールに対応できない場合、ヒナの飼育はできません。
1回の量はヒナが満腹になり食べなくなるまでです。「そのう」をさわってみると目安がわかります。
「そのう」とは、のどから胸のあたりの部分のことです。膨らみ具合をみましょう。
ヒナの「そのう」を定期的にさわり、空になったらすぐに与えます。そのうが空になった時間を計っておくと、次に与えるときの予測ができて、1日に与える回数がわかります。
セキセイインコにも個体差があります。その子にあった量と回数と間隔を知っておくことがとても大切です。
・挿し餌の注意事項
・粟玉単体では栄養バランスが悪い。栄養を付加する、または付加されたエサを選ぶ。
・挿し餌は与えるたびにつくる。前回つくったものは傷んでいる可能性があるため与えない。
・器具は使った後は洗って、熱湯殺菌する。
・やけどの恐れがあるため挿し餌には40℃以上の熱湯を使わない。
・冷めてきたら湯煎で温める。熱湯の追加や電子レンジで温めない。
・水分過多にしない。
・そのうが空になっていないときに、エサを与えない。欲しがっても与えてはいけない。(食べすぎ注意)
・そのう内でエサが固まるときがある。ぬるま湯かゆるめのさし餌を与えて、そのうをやさしく揉んで様子をみる。
セキセイインコの成長過程に合った飼育の注意点
◆セキセイインコの生後3週間(生後21日~)
翼や尾羽に色が出はじめるころ。1日のほとんどを寝て過ごします。
この時期のヒナは親鳥や兄弟たちとくっついて体温を維持します。1羽であれば冷えてしまいます。
室温管理は特に注意です。30℃を目安にしながらも、よく観察して調整してあげてください。
また、エサを与えるとき以外は触らないようにしましょう。ケースにタオルなどをかけて薄暗くします。
エサやりのときに、床材を確認しましょう。フンで汚れたところはすぐに取り除きます。
◆セキセイインコの生後4週間(生後28日~)
全身に色のついた羽が生えそろうころ。翼をバタバタさせて飛ぶ練習をはじめます。
さし餌のときに暴れたり、走り回ったりするので、まわりのものに気をつけてください。
さし餌を継続しつつ、まき餌も与えましょう。
床に、乾いた粟玉かムキアワをまいてみて、食べるかどうか確認してみてください。
粟玉をよく食べるようならば、大人用の殻付きのものも与えてみましょう。
ケースの中でバタバタしたり、歩き回るようならば、床材をキッチンペーパーに変えましょう
合わせて、止まり木の練習も開始。低めの止まり木で練習です。
◆セキセイインコの生後5週間(正常35日~)
見た目はほとんど大人のセキセイインコと変わりません。
飛べるようになるころです。窓が空いていないかくれぐれも注意しておいてください。
数日かけて、さし餌の回数と量を減らしていきます。
大人用の殻付きのエサをよく食べるようならば、粟玉は撤去しましょう。
飛べるようになり、エサも自分だけで食べはじめたら成鳥用のケージ(鳥かご)に移します。
上記はあくまでも一例にすぎません。成長が早い子もいれば、遅い子もいます。
セキセイインコにも個体差があります。その子の成長に合わせ切り替えるようにしましょう。
【最重要事項】ヒナを飼育するときの心構え
ヒナからセキセイインコを育てるのは、とても充実し感動的な体験です。同時に、ひとつの命の責任を負うこととなります。
人の赤ちゃんと同じで、ヒナはささいなことで命を落としやすいので、細心の注意が必要です。
最後に、セキセイインコのヒナを飼育する際の最も大事なことを確認してください。
それは「必要な期間、一日複数回、挿し餌を与えることができるのか」ということです。
セキセイインコのヒナを育てるには、朝7時から夜の10時くらいの間に、3~4時間の間隔で1日6~7回エサを与える必要があります。
朝7時から夜の10時くらいの間は、多くの方が学校や仕事で出かけていると思います。その間はヒナにエサを与えることはできません。ですが、ヒナはエサを待っています。ヒナは自分ひとりでエサを食べることができません。エサをもらえないヒナはどうなっていくでしょうか。
いかがでしょうか。ヒナを飼える方は限られているということが分かったと思います。
ずっと家にいることが可能な仕事の方、もしくはともにヒナをお世話できるパートナーがいて、どちらかが家にいる方でないとヒナの飼育は不可能といえます。
この条件を踏まえ、ご自身が可能かどうか、もう一度よくお考えください。
セキセイインコのヒナの豆知識
◆セキセイインコがヒナのときの鳴き声
ヒナの鳴き声には大きく分けて2種類あります。
・「ピヨピヨ」 甘えている。お腹が空いているときです。
・「ジージー」「ギャーギャー」怖がっている。怒っているときです。
◆セキセイインコのオスメスの見分け方
実はセキセイインコはまだヒナのときに性別を見分けることは難しいです。
大人になると、鼻の上の部分の色で判別できるのがセキセイインコの特徴です。ヒナのうちはそれが不安定なんです。
セキセイインコは実はオスの方がおしゃべり。おしゃべりな子がいいと思ってもそれは無理みたいですね。
◆セキセイインコを手乗りにするコツ
ヒナを手乗りにしたいと思って飼うのならば、コツは簡単です。
それは、ヒナを構い過ぎないことです。
ヒナにとっては、過剰に構い過ぎることはむしろストレスです。
慣らそうとしてとして一生懸命に手に乗せてみたりするのは逆効果。かえって恐怖心を与えるだけになります。
ヒナを慣らすには、挿し餌を続けることです。ご飯の時に適切なコミュニケーションをとることで、自然と慣れてくれます。
まとめ
- セキセイインコのヒナとは、生後1か月くらいのことです。
- セキセイインコのヒナは、信頼できるペットショップで、元気な子を選びましょう。
- セキセイインコのヒナをお迎えするためのグッズを用意しましょう。
- セキセイインコのヒナの飼育に大事なことは「室温管理」と「挿し餌」です。
- ヒナの飼育は非常に手間がかかります。本当に自分にできるのかよく考えましょう。
今回はセキセイインコのヒナの飼い方の注意点について紹介しました。
細心の注意を払い、責任感を持って飼育を成功させましょう。
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