1.タンパク質とはどんな栄養素?
1-1.ハムスターにも必要?
2.ハムスターには植物性タンパク質と動物性タンパク質のどちらがぴったり?
タンパク質とはどんな栄養素?
タンパク質は体のエネルギー源となる栄養素で、「脂質」「炭水化物」と併せて3大栄養素とよばれています。そしてタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されていて、アミノ酸には体内で合成できる「非必須アミノ酸」と、体内で合成することができない「必須アミノ酸」があります。
また、タンパク質はエネルギー源になるだけではなく、筋肉や皮膚、臓器、血液など、体のあらゆる部分を作る働きも担っていて、私たち人間の体にとって、なくてはならない重要な成分です。
実は一口に「タンパク質」といっても、動物由来の「動物性タンパク質」と、植物由来の「植物性タンパク質」の2種類があるということをご存知でしょうか。それぞれ、由来以外にもいくつか違いがあり、動物性タンパク質は肉や牛乳、魚、卵などから摂ることができ、必須アミノ酸が多く含まれていて、吸収率も良いという特徴があります。
一方、植物性タンパク質は豆類や小麦などから摂ることができ、油脂をほとんど含まないため、カロリーが低いという特徴があります。
では、私たちと同じように、タンパク質はハムスターの体にとっても必要な成分なのでしょうか。
◆ハムスターにも必要?
結論からいうと、ハムスターにもタンパク質は必要です。タンパク質はハムスターの健康な体を作るためにもなくてはならない成分です。
ハムスターの栄養素についてはまだはっきりとした基準がないのですが、16~19%のタンパク質が必要だと考えられています。今まで意識して動物性タンパク質を与えてこなかった、という方もいると思いますが、多くのハムスター専用ペレットには、普通16%以上のタンパク質が含まれているので、心配しないでくださいね。
ただし、成長期や妊娠中はより多くのタンパク質が必要で、24%以上が理想的だといわれています。
ハムスターには植物性タンパク質と動物性タンパク質のどちらがぴったり?
野生のハムスターは草食性に近い雑食性で、木の実や種子、野菜といった植物に加え、時折昆虫なども食べます。
そのため、ハムスターにとっては植物性タンパク質の方が消化吸収に優れています。その点では、ハムスターには植物性タンパク質がぴったりといえますが、飼育下でも、時折動物性タンパク質を与えることが大切です。
ちなみに、ハムスター用のペレットには植物性タンパク質と動物性タンパク質がバランスよく配合されているので、基本的にペレットと水を与えていれば、タンパク質はもちろんのこと、基本的にはハムスターが必要とする全ての栄養素が不足することなく摂取できるようになっていますよ。
動物性タンパク質が不足していると起きてしまうこと
タンパク質が16%以下になってしまうと、成長不良がみられたり、脱毛や皮膚炎などが起こり、毛並みが悪くなったりします。
また、とても悲しい事ですが、産後にお母さんハムスターが子供を食べてしまう「子食い」や、多頭飼育をしている場合には共食いの原因になってしまうこともあります。
このような事態を防ぐために、動物性タンパク質が不足しないようにすることが大切です。
動物性タンパク質が豊富な食品
野生のハムスターは昆虫から動物性タンパク質を摂取しているとお伝えしましたが、ペットのハムスターは何から動物性タンパク質を摂取すれば良いのか、疑問に思っている方も多いですよね。
以下に、ハムスターにオススメの、動物性タンパク質を豊富に含む食品を注意点と併せてまとめたので、ご紹介していきます。
※以下より虫の画像がございます。苦手な方はご注意ください。
◆ミルワーム
ミルワームは小さな幼虫で、動物性タンパク質が多く含まれています。ペット用のミルワームにはいくつか種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。以下にハムスターにオススメの商品を種類ごとに4つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
【PROBUGS ミルワーム 20g】
新鮮かつ安全な昆虫食
・保存料
・殺菌剤不使用
・殺菌済み
・無農薬野菜のみ使用
・すべて天然成分
・徹底した無菌状態
・真空パックで常温保管OK
・抜群の消化吸収性
こちらは真空パックされた生のミルワームで、タンパク質は19%以上含まれています。新鮮な状態なので消化に良く嗜好性も高いですが、一度開封してしまうと長期保存が難しいという欠点があります。また、見た目はミルワームそのものなので、虫が苦手だという飼い主さんにはあまりおすすめできません。
【ハーティー 乾燥ミルワーム 70g】
豊富な動物性タンパク質が摂取できます。鳥、爬虫類、観賞魚にも使えます。
こちらは乾燥タイプのミルワームで、粗タンパク質が50.1%以上も含まれています。生のミルワームと比べるとやや嗜好性は落ちますが、管理がしやすいというメリットがあります。
【小動物のためのおいしいパウダー ブオナヴェルメ ミルワームパウダー 50g】
新鮮なミルワームをそのまま乾燥させ、粉末にしました。
乾燥させたミルワームを粉末状にしたもので、粗タンパク質が50.0%以上含まれています。見た目が原型をとどめていないので、どうしても虫が苦手だという飼い主さんにおすすめです。ペレットにふりかけのようにかけて混ぜてあげることで、食欲増進効果も期待できるので、いざというときにあると便利ですよ。
◆コオロギ
ハムスターはコオロギからも動物性タンパク質を摂取することができます。ミルワームと同様、乾燥させたコオロギを入手することもできますが、ペットショップでは生きたコオロギを小動物のエサ用として販売していることもあります。
ただし、生きたコオロギは管理が非常に難しいので、個人的にはあまりおすすめできません。また、野生のコオロギは寄生虫などがついている可能性があるため、ハムスターに与えるのは控えた方が良いでしょう。
◆ササミ
野生のハムスターは動物の肉を食べるわけではありませんが、ササミもハムスターが食べることができる食材です。
生のささみを与えてしまうと食中毒を引き起こすことがあるため、必ず加熱してから与えるようにしましょう。
また、鶏肉のササミ以外の部位や豚肉、牛肉はやや脂肪が多いため、ハムスターに与える材料としては不向きです。そしていくらササミが低脂肪だからといって、与え過ぎないように注意しましょう。
◆チーズ
チーズは手軽に動物性タンパク質を摂取することができる食品なので、おすすめです。
ただし、人間用のチーズはハムスターにとって塩分やカロリーが高すぎてしまうため、基本的には小動物用のチーズを与えるようにしましょう。どうしても人間用のチーズを与えたい場合は、低塩タイプのものを選ぶようにして、与え過ぎには注意しましょう。
【小動物用おやつ サイコロおやつ ちいさなチーズキューブ 20g】
食べやすいひとくちサイズのチーズです。フリーズドライ加工で香りも旨味も凝縮しました。
身体が小さいハムスターでも食べやすい、ひとくちサイズのチーズです。粗タンパク質は38.6%以上含まれています。
◆にぼし
意外なところだと、にぼしもおすすめです。にぼしも動物性タンパク質は多めですが、チーズと同様、ハムスターにとっては塩分やカロリーが高すぎてしまうので、無添加・無塩のものか、小動物用のにぼしを与えるようにすると良いでしょう。
【ちょびっと 小粒にぼし 10g】
海の牧草と言われている国産カタクチイワシを使用したミネラルたっぷりのおやつ
ハムスターでも食べやすい小粒サイズのにぼしで、粗タンパク質は70%以上も含まれています。
動物性タンパク質はどのくらいの頻度で与えればいい?
ハムスターの主食であるハムスター専用ペレットには、必要量の動物性タンパク質が含まれています。そのため、あえて動物性タンパク質を与えなくても、不足することはありません。
しかし、新鮮な食品からは、良質な動物性タンパク質を摂取することができるのも事実です。そのため、先ほど挙げたような食品は、おやつとして少量与えると良いでしょう。
とはいっても、毎日与えてはいけません。頻度や量に明確な基準があるわけではありませんが、1週間に1回ほど、ハムスターが自分で持てる大きさのものをひとつだけ(ミルワームなら1匹だけ)与えるようにしましょう。
また、高齢のハムスターは腎不全を患うことが多く、動物性タンパク質を与えてしまうと、腎臓に負担になることがあります。そのため、高齢のハムスターには動物性タンパク質を与えるのは控えた方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、ハムスターに動物性タンパク質が必要な理由や、動物性タンパク質の与え方などをご紹介しました。
ハムスターの健康な体を作るためには動物性タンパク質は欠かせない成分です。とはいうものの、最近のハムスター専用ペレットは質が上がってきているため、あえてたくさん動物性タンパク質を与える必要はありません。動物性タンパク質を含む食品はハムスターの嗜好性が高いものも多いので、ハムスターが喜ぶからといって与え過ぎないように気をつけ、おやつとして与える程度にとどめるようにしましょう。
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