1.うさぎにとっての適温は何度?
1-1.飼育環境の適正温度
1-2.飼育環境の推奨温度
1-3.うさぎは高温多湿と気温の変化が苦手
2.暑いときにみせる仕草
2.体を伸ばしている
2.呼吸が荒い
2.水を飲む量が増える
2.耳が赤くなる・熱くなる
2.食欲がなくなる
3.寒いときにみせる仕草
3.丸まって座る
3.耳が冷たい
3.食欲が低下する
4.室温を一定に保つ方法
4.夏はエアコン使用が推奨
4.冬は防寒対策を
4.春と秋は気温差に注意
4.季節を感じさせることも大切
うさぎにとっての適温は何度?
うさぎは高温多湿な環境、気温の変化に弱い動物です。また、毛皮に覆われていますが極端な寒さも苦手です。
うさぎの過ごす部屋が暑かったり寒かったりすると、うさぎは体調が崩れやすくなります。そのため、うさぎにとっての適温をきちんと知っておくことが大切です。
◆飼育環境の適正温度
うさぎを飼育するときの適温は15~25℃くらい、湿度は40~60%とされています。(温度は18~23℃くらいが理想といわれることもあります。)うさぎが健康で快適に過ごすためには、一年を通して飼育環境をこれくらいの温度・湿度に保つことがのぞましいです。エアコンの設置が必須となります。
梅雨から初秋までの気温や湿度が高くなるときはエアコンなどの冷房で室温を下げ、秋から春先の室温が低いときは暖房器具を適宜使って、温度と湿度を適正な範囲に保ちましょう。
ちなみに、同じ部屋の中でも場所によって温度差も生じます。天井に近いところの空気は温かいのに、床に置いてあるケージは床からの冷え込みで温度が低くなる、ということもあります。
うさぎを飼うときは部屋の温湿度計をチェックするだけでなく、ケージにも温湿度計を設置して、ケージ周辺が適温になるようこまめに調整してあげましょう。
◆飼育環境の推奨温度
室温15~25℃くらいでなければうさぎがすぐ体調を崩す、ということではありません。家庭でうさぎを飼う場合、一年を通して常に室温15~25℃を維持するのは難しいものがあります。室温がこの範囲から少し外れていたとしても、うさぎが元気にしているなら、あまり神経質にならなくても大丈夫でしょう。
たとえば、エアコンの冷房は快適な温度が26~28℃とされているので、冷房を25℃に設定すると人によっては寒いと感じることがあります。うさぎに合わせて温度を設定するのがベターですが、うさぎが元気にしていれば室温が27℃ぐらいになっても大丈夫です。ただし28℃を超えるとうさぎは夏バテや熱中症を起こしやすくなるので、室温の上昇にはくれぐれも注意してください。
一方、うさぎは暑さに比べ寒さはそれほど苦手ではないので、15℃を下回っても極端に寒くなければ元気に過ごすことはできます。ただ、急に気温が下がると免疫力が低下して体調を崩しやすくなるので、朝晩の冷え込みや急激な気温の変化には注意が必要です。
◆うさぎは高温多湿と気温の変化が苦手
うさぎは特に暑さと気温の変化が苦手です。
ペットのうさぎのルーツは野生のアナウサギにありますが、アナウサギは地下に巣穴を作ってその中で暮らしています。巣穴は一年を通して温度が一定で、夏は涼しく冬は暖かです。そのためうさぎは体温調節をする機能があまり発達しておらず、気温の変化が苦手です。
特に子うさぎ、高齢や病気のうさぎは体温を調節する機能が低下しているので、気温の変化がストレスになり体調を崩すことがあります。
また、うさぎの体は温かい毛皮に包まれているので、夏の暑さが苦手です。特に長毛種、肥満のうさぎは体に熱がこもりやすく、暑さがこたえます。
ペットのうさぎは快適な巣穴を作ることができないので、私たち人間が温度管理をして快適な飼育環境を提供する必要があるのです。
暑いときにみせる仕草
夏バテや熱中症を防ぐためにも、うさぎが暑がっていないか早めに気付くことが大切です。うさぎは暑いとき、どのような仕草をみせるのでしょうか。
◆体を伸ばしている
暑くなると、うさぎは床の上に体を伸ばして過ごすことが多くなります。暑いときに体を伸ばすのは、冷たい床に触れる体表面積を増やし、少しでも効率良く放熱するためです。
うさぎはリラックスしているときにも同じような体勢をとりますが、気温の高いときに足も投げ出して体を伸ばしているなら、それは暑いために伸びていることが考えられます。
◆呼吸が荒い
体温が上がるとうさぎは呼吸が荒くなります。
人は暑いときに汗をかくことで熱を発散して体温を下げることができますが、うさぎは汗腺が発達していないので汗をかいて体温を下げることができません。代わりに、呼吸をすることで呼気と一緒に熱を発散させ体温を下げているのです。
うさぎは鼻で呼吸をするので、呼吸が荒くなると肩も小刻みに揺れ、うさぎの頭や体が震えているように見えることもあります。
◆水を飲む量が増える
暑くなると水を飲む量が増えます。
これは、呼吸をするたび呼気に含まれる水分が蒸発し、体内の水分が減って喉が渇くためですが、呼吸が荒くなるので喉が渇きやすくなるのです。
◆耳が赤くなる・熱くなる
うさぎは体温が上昇すると耳が赤くなります。
耳が赤く見えるのは、耳にある毛細血管が拡張するためです。うさぎは耳で体温調節をしており、耳に1本の動脈、その周辺に毛細血管が網目状に張り巡らされています。体温が上昇すると耳の毛細血管が拡張し、血管を外気にさらすことで効率良く体温を下げることができるのです。
耳が赤いときは触ると熱く感じることもあります。耳が熱くぐったりしているようなら、発熱や熱中症が考えられるので、すぐ受診することがすすめられます。
◆食欲がなくなる
暑くなると消化機能が低下して、一時的に食欲が落ちることがあります。夏バテや熱中症の可能性もあるので、食欲が低下した場合は注意が必要です。
寒いときにみせる仕草
気温がぐっと下がったときは体調を崩しやすくなるので、うさぎが寒がっているようなら防寒対策をとることが必要となります。うさぎは寒いとき、どのような仕草をみせるのでしょうか。
◆丸まって座る
うさぎは寒くなると、隅で丸まってじっと過ごすことが多くなります。また、足をたたんで体の下にしまい丸まって座る、いわゆる「香箱座り」をする様子がみられます。丸まって座るのは、外気に触れる体表面積を減らし、放熱するのを防ぐためです。
◆耳が冷たい
うさぎの耳を触ってひんやりと冷たく感じる場合は、暑いときと逆で耳の血管が収縮して血行が悪くなっています。耳が冷たいときは体も冷えている可能性があり、体調に注意が必要です。
◆食欲が低下する
冷え込んだときや寒暖差の大きい日は食欲が低下しやすくなります。消化機能が低下して下痢や軟便、消化管うっ滞を起こすこともあります。
室温を一定に保つ方法
日本は四季の移り変わりがはっきりしていて、一年を通し気温が大きく変化します。そのため、うさぎを飼育する場合は季節ごとに工夫をして飼育環境を適温に保つ必要があります。
春夏秋冬ごとの温度管理はどうすればよいのでしょうか。
◆夏はエアコン使用が推奨
梅雨から夏、初秋にかけては高温多湿になる日が増えます。うさぎにとって過ごしにくい時期になるので、エアコンや除湿機、扇風機などを適宜使って温度と湿度を下げましょう。
うさぎのいる部屋では、基本的にエアコンを使用して冷房することをおすすめします。飼い主さんが外出し、うさぎがひとりで留守番をするときもエアコンはつけっ放しにしましょう。
エアコンの電気代が気になる方も多いと思いますが、日本の夏はとても暑いのでペットを飼うならエアコンは必須です。エアコンをつけないと室内は蒸し風呂状態になって、うさぎがすぐ熱中症にかかってしまいます。
エアコンをつけたり消したりするよりもつけっ放しのほうが電気代は安くなることが多いので、うさぎの安全のためにもエアコンで冷房することをおすすめします。窓の外によしず、サンシェードを設置して遮光したり、扇風機やサーキュレータ等で部屋に風を送ったりすると冷房の効きも良くなりますよ。
また、冷房の補助としてケージ内にうさぎ用の涼感グッズを設置してあげると、うさぎが自分で涼んで快適に過ごすこともできます。
◆冬は防寒対策を
冬は室温18℃以上を目安に暖房をつけて温度を保ちましょう。エアコンで暖房すると室温を一定に保ちやすくなります。
飼い主さんの外出時や夜間など暖房をつけっ放しにすることが難しい時間帯は、ケージ内の防寒対策をしっかりおこないましょう。
ケージは冷たい床の上に直に置くと、床からの冷気でケージ内が冷えやすくなります。ケージの下にマットを敷くか、台の上にケージを置くなどして床からの冷え込みを防ぎましょう。
また、冬はケージ内に冷たいすき間風が入りやすいので、ケージの上にカバー、または段ボール、毛布などをかけるとケージ内を温かく保つことができます。常に覆っていると通気性が悪くなるので、カバーなどのかけっ放しは避けましょう。
また、ケージにペット用のパネルヒーターを設置しておくと、うさぎが寒いときに自分で暖をとることもできます。
なお、部屋やケージは暖め過ぎにも注意してください。
◆春と秋は気温差に注意
春と秋は気候が温暖で、うさぎにとって過ごしやすい時期といえます。
ただし、朝晩の気温差が激しい日、急に暑くなったり寒くなったりする日があり、うさぎが急に体調を崩すこともあるので油断は禁物です。
この時期は冷房や暖房を使うことがなくても、急な温度変化に対応するためエアコンやヒーターなどはいつでも使えるように準備はしておきましょう。
◆季節を感じさせることも大切
うさぎは寒暖差に弱い動物ですが、暑さや寒さといった四季の変化もある程度は感じることが必要です。
うさぎは春と秋に換毛期があり、涼しい夏毛や暖かい冬毛に切り替えることである程度の体温調節をおこなっています。その換毛期のサイクルを正常に導くためには、季節を感じることが必要なのです。人が過保護なほどに暖房や冷房すると、うさぎの換毛がうまくいかなくなり、逆に体に負担をかけることになります。
たしかにうさぎの飼育環境はなるべく一定に保つことがのぞましいです。ただ、あまり神経質に温度管理をしなくてもうさぎは元気に生きられるのだ、いうことも知っておいていただきたいです。
まとめ
うさぎは暑さや寒さを感じても、人のように自由に室温が調整できません。部屋やケージ内が適温になるよう飼い主さんが調節してあげましょう。お住まいの地域や部屋の環境、うさぎさんの体調によっても温度管理の仕方は異なります。温湿度計やうさぎさんの様子をこまめにチェックして調節してあげてくださいね。
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