1.アオダイショウは縁起の良い守り神って本当?
2.アオダイショウの特徴
2-1.形態
2-2.生息地
2-3.毒性は?
2-4.性格
2-5.主食は何を食べるの?
4.アオダイショウの飼育方法
4-1.飼育容器やケージ
4-2.床材
4-3.保湿器具
4-4.水入れ
4-5.シェルター
アオダイショウは縁起の良い守り神って本当?
昔からヘビにまつわる縁起のいい言い伝えが多くありますが、その中でも特にアオダイショウは、縁起のいい言い伝えがあります。その理由は、古くから農家にとって財産であった米を、アオダイショウがネズミから守ってくれる生き物だったことが由来だとされています。
また、“家の守り神”とも言われ、農家に住みつき、農民からは守り神のような存在として大事にされてきました。
アオダイショウの特徴
縁起の良いイメージが広く知られているアオダイショウは、ヘビの中でも大人しい性格をしていて、ペットとしても飼育しやすいとされています。
他のヘビと比べて、一体どんな特徴があるのでしょうか?
◆形態
アオダイショウは生息地によって個体差が大きいですが、青色に近い緑がかった褐色をしていて、全身に薄っすらと縦縞の模様が入っています。
また、アオダイショウの左右の腹部には、“側綾(ばいかだ)”と呼ばれる突起があり、この突起を使って木や壁を登ることができます。
また、アオダイショウの幼体はマムシによく似ていると言われています。これは、まだ小さな子供のアオダイショウの体をマムシのような擬態で相手を怖がらせるためと言われています。
◆生息地
アオダイショウは日本の固有種です。全国各地に生息しています。
古くから農民との関わりを持っていたことから、よく人間が暮らす場所の近くで目撃されることが多いです。
畑や草むら、河川敷など、山地から平野まで幅広くさまざまな環境に生息し、公園や神社、用水路などの普段人間が利用するような場所でも目撃されます。
アオダイショウは木登りや泳ぐことが得意なので、木の上や池の近くに姿を現すこともあり、春先になると活動的になります。
◆毒性は?
アオダイショウに毒性はありません。
日本で猛毒を持つ、マムシやヤマカガシのように、噛まれたら命に関わる危険なヘビではありません。しかし、万が一アオダイショウに噛まれてしまった場合、激しい痛みと、野生の生き物が持つ細菌やウィルスによる感染症を引き起こす恐れがあります。毒がないからといって安心せず、すぐに傷口を水で洗って病院を受診しましょう。
◆性格
ヘビの中でもとても大人しい性格をしていて、相手から攻撃をされない限り、アオダイショウから攻撃をすることはめったにありません。
もし、野生のアオダイショウと遭遇しても、こちらから攻撃的な行動をしない限り、大きなトラブルに巻き込まれることは比較的少ないです。
毒性もなく、大人しい性格をしていることから、ペットとして飼育されやすい生き物として、人気があります。また、アオダイショウは日本固有種であることから、海外からの人気も高く、海外でアオダイショウが飼われていることは珍しくありません。
◆主食は何を食べるの?
アオダイショウは小型の哺乳類や鳥類を主食として好みます。
先述の通り、アオダイショウは農作物を食い荒らすネズミを捕食してくれることから、農家では大切に扱われていますが、鳥類や卵も好んで食べるため、養鶏農家などからは嫌われていることが多いです。
また、日本では鳥獣保護法により、鳥類やその卵、小型の哺乳類の捕獲・採集は禁止されているので、ペットとしてアオダイショウに餌を与える場合は、専門店などで合法的に餌を購入する必要あります。そのため、ペットショップや専門店などでも購入ができる、完全栄養食の冷凍マウスがおすすめです。
アオダイショウってペットとして飼うことができるの?
比較的大人しく、攻撃性の少ないアオダイショウはペットとして飼うことができます。
アオダイショウの平均寿命は約15~20年で、最長25年と言われています。
ペットとしてアオダイショウを飼育する際は、興味本位や、むやみに飼うのではなく、事前に飼育方法や飼育環境を整え、正しい飼育方法で最期まで責任を持って育てましょう!
アオダイショウの飼育方法
アオダイショウは半樹上棲で生活をするので、飼育する環境をつくる際には、自然界と似たような条件で、アオダイショウが過ごしやすい環境を整えてあげることが大切です。
◆飼育容器やケージ
ヘビを飼う時は、一般的に「ヘビがとぐろを巻いた時の面積」を考慮して飼育容器を選ぶ必要があります。
この時、ヘビがとぐろを巻いた時の約3倍の面積で大きさを選んだ方がいいと言われていて、アオダイショウの場合は最終的に2メートルほどの大きさになるということを念頭に置きながら、多少大きいサイズのケージを選ぶといいでしょう。
ヘビは非常に力強く、簡易的なケージだと脱走してしまう恐れがあります。脱走させないよう、爬虫類専用のケージやグラステラリウムなどを利用するのがおすすめです。
プラスチックの蓋やスライド式の蓋は、簡単にこじ開けてしまうので、必ず鍵を付けて施錠しておくようにしましょう。
◆床材
床材とは、アオダイショウの排泄物の掃除をするために必要なものになります。
ヘビは哺乳類のようにアンモニアを分泌して排泄するのではなく、鳥類と同じように尿と糞を一緒に排出する体内の構造になっています。もともと大量の排泄物をする生き物ですので、飼育環境が不衛生にならないよう、床材を定期的に交換しましょう。
アオダイショウが過ごしやすいように衛生面に配慮し、飼育環境を整えてあげることが大切です。床材を選ぶときは、定期的に交換しやすいものを選ぶのがポイントで、ヘビを飼う時によく使われているのが新聞紙やキッチンペーパー、ウッドチップなどです。
特にウッドチップは、匂いと水分の吸水性が優れているのでおすすめですが、床材の誤飲には注意が必要です。
◆保湿器具
アオダイショウが過ごしやすい適温は25℃前後と言われています。
室内の温度が30℃を超えてしまう場合や、20℃を下回ってしまう場合は室内の温度を調節し、冬の時期はパネルヒーターを利用するといいでしょう。ホットカーペットのような役割として、アオダイショウのお腹を温め、消化器官の不調を防ぐこともできます。
夏の暑い時期はアオダイショウが熱中症にならないように、通気性を意識して確保してあげましょう。
また、アオダイショウの適性湿度は約40~50%と言われており、人間と一緒に快適に暮らせる湿度です。特に気を遣うことはないですが、飼育容器にウェットシェルターと呼ばれる高湿度を保てるものを一緒に入れておくことで、常に保湿することができます。
◆水入れ
飲料用の水と水浴用の水を準備する必要があります。
ヘビも水を飲みますし、脱皮前は全身を水の中に浸し、体の湿度を高める必要があるので、飼育する上で水は大量に必要になることを覚えておきましょう。また、ヘビは動き回る際に水が入った容器を必ず倒してしまうので、なるべく重みのある容器を使用することをおすすめします。
◆シェルター
ヘビは暗くて狭い場所を好み、隠れることが大好きです。
飼育容器の中にシェルター(隠れ家)を用意してあげると、落ち着く場所を確保することができ、環境に慣れやすくなります。アオダイショウの体に対して、少し小さく狭いくらいの大きさのシェルターが最適で、よく用いられるのが植木鉢です。
ヘビが脱皮をする際に植木鉢をシェルターとして利用させると、植木鉢のザラザラとした材質が、皮を脱ぐための手助けとなります。そのため、脱皮に最適なシェルターとして植木鉢がよく利用されています。
しかし、植木鉢をシェルターとして利用する時は、植木鉢の底に開いている穴をしっかりと塞いであげないと、植木鉢の穴を潜り抜けて体が挟まってしまい、大きな事故に繋がる恐れがあるので、あらかじめ穴は塞いでおきましょう。
アオダイショウの気を付けたい病気
ヘビの中でもペットとして飼育しやすいアオダイショウですが、飼育する際は健康に気を付けながら、元気に育ててあげたいですよね。
アオダイショウやヘビの気を付けたい病気についてご紹介します。
◆拒食
ヘビの拒食はよくある症状ですが、拒食を引き起こす原因はさまざまなことが考えられます。
主に季節的な要因や脱皮前などに起こることが多いですが、飼育環境やストレスが原因でも餌を食べなくなってしまうことがあります。
特に後者が原因の場合、過剰なハンドリングや給餌の仕方、飼育環境など、個体によって理由はさまざまですが、まずは飼育環境を優先して見直しましょう。水の入れ替えは毎日徹底し、餌は無理に与えずに、様子を見ながら対処してあげましょう。
◆脱皮不全
名前の通り、ヘビが脱皮をする時に完全に脱皮できず、不完全な状態なままになってしまうことで引き起こす病気のこと。
ヘビは、脱皮をすることで古くなった皮膚を脱ぎ捨て、新しい皮膚に更新していきます。
脱皮をする時は、木や床材など表面がザラザラしたものに対して体をこすりつけ、摩擦を利用しながら30分~1時間ほどかけて脱皮をしますが、場合によっては脱皮が十分に行えず、脱皮不全を引き起こすことがあります。
脱皮不全を引き起こす理由として考えられるのは、飼育環境が適切でない、湿度不足、寄生虫、栄養不足、加齢によるもの等です。特に多くの理由が湿度不足であるため、普段から水の入れ替えや霧吹きを利用すると安心です。
脱皮不全を引き起こした場合、脱皮できなかった抜け殻が体についたままとなり、その部分の皮膚が壊死してしまうことがあります。脱皮をしたあとは、抜け殻が体についていないかチェックしてあげましょう。
◆マウスロット
マウスロットとは細菌による感染症のことで、口内で雑菌が繁殖して炎症を引き起こします。主な原因としては、傷口からの感染、飼育環境、ビタミンCなどの栄養欠乏などがあげられます。
特に多いのが、餌を与える時に口の中を傷つけてしまうことでマウスロットを発症してしまうことです。
ヘビは神経質なところもあるので、ストレスが原因でマウスロットを発症するのを防ぐためにも、飼育環境や衛生面などは常に配慮してあげましょう。
初期症状としては口内炎のような軽度の症状で済みますが、放置すると体中に細菌が広がり、敗血症を引き起こして命に関わる場合もあるので、必ず病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、アオダイショウの特徴や飼育方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
他のヘビに比べて比較的大人しい性格から、とても飼育しやすいアオダイショウ。
飼育環境や餌などの準備は少し手間がかかるかもしれませんが、ペットとして迎い入れる際は、しっかりとお世話ができるかどうか、覚悟を決めてから飼い始めましょう。
ヘビやアオダイショウの特徴を十分に理解し、飼育環境を事前に整えた上で、最後まで責任を持って飼育しましょう。
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