1.卵詰まりとはどういう状況?
1-1.オスがいなければ大丈夫?
1-2.卵詰まりの症状は?
3.セキセイインコの卵詰まりの応急処置
3-1.応急処置のやり方
3-2.早いうちに病院へ連れていく
卵詰まりとはどういう状況?
そもそもセキセイインコの卵詰まりとはどういう状況なのでしょうか。
卵詰まりとは、卵塞、難産とも呼ばれお腹の中で作られた卵がうまく排出されず、体内に留まってしまう症状です。セキセイインコは排卵から通常24時間程度で産卵しますが、様々な原因によって卵がお腹に留まってしまうことがあります。
卵詰まりはセキセイインコや文鳥などの飼い鳥に多く発生する症状で、初めて産卵する若いインコや過剰に産卵回数の多い鳥さんに多く見られます。メスであればどの子でも発生する可能性のある、とても恐ろしい症状です。
◆オスがいなければ大丈夫?
セキセイインコはメスだけでの飼育や1羽での飼育であれば卵を産まないと勘違いされがちです。
しかし、セキセイインコたちはメスだけであっても飼い主さんや仲間のメス、時にはおもちゃなどをパートナーに見立てて卵を産んでしまうことがあります。
セキセイインコはとても愛情深いためにオスがいなくとも産卵をしてしまいますが、無精卵なのでもちろん雛が孵ることはありません。産卵をすることで体に負担をかけてしまいますので、メスだけの環境であってもむやみに卵を産ませないようにしましょう。
◆卵詰まりの症状は?
セキセイインコが卵詰まりになると、多くの場合以下のような症状が現れます。
- 苦しそうにうずくまる
- いきむような仕草をする
- 膨らんで元気がない
- 食欲不振
- 便秘
食欲不振や便秘はセキセイインコの命に関わる危険な症状ですので、上記のような症状が現れた場合にはできるだけ早く病院に連れて行きましょう。
また一見元気そうに見える場合でも、実は卵詰まりを起こしていたなんてこともあります。いつもよりフンの量が少ない、餌がいつもより減っていないといった場合にも早めに診察を受けましょう。
卵詰まりを放置するのは危険!
卵詰まりはメスのセキセイインコの死因の上位を占める重篤な症状です。
セキセイインコなどの鳥類は飛ぶために体の中に食べ物を貯めることができません。そのため餌が食べられなくなってしまうのは大変危険です。
また卵詰まりになると、卵が排泄孔を塞いでしまい、排泄ができなくなってしまいます。・
セキセイインコに元気になってもらうには、卵詰まりを起こしてからどれだけ早く対処できるかにかかっているといっても過言ではありません。
セキセイインコの卵詰まりの応急処置
◆応急処置のやり方
もしセキセイインコの卵詰まりに気付いたらできるだけ早く病院に連れて行くことが理想ですが、どうしてもすぐに通院ができない場合や症状が軽微な場合などは自宅で以下の応急処置をしてあげましょう。
- 保温をする
- ビタミン、カルシウムを与える
セキセイインコの体調不良時はまず保温をすることが重要です。
保温効率を上げるため、セキセイインコを虫かごやプラケースに移し30度を目安に保温しましょう。脇を開いて開口呼吸するなど暑そうな様子があれば1度ずつ温度を下げ、様子を見ながら温度調整を行ってください。
ヒーターやカイロを使って暖める際には、セキセイインコが酸欠状態にならないように注意しましょう。
次にビタミン剤やカルシウム剤を与えます。
卵詰まりの原因のひとつとして、卵を作るために必要な栄養素が不足していることがあります。
セキセイインコの食欲がない場合には、飲み水に混ぜるタイプの栄養剤もありますので与えてみましょう。
保温と栄養剤で自然と卵が排出されることもありますが、それでも出てこない場合には必ず病院で診察を受けましょう。異常卵で産まれない可能性や、卵管炎など他の病気を併発してしまうこともあります。
また、オリーブオイルを使ってお尻をマッサージするといった応急処置法が紹介されることがありますが、
濡れることでセキセイインコの体温を下げてしまうことや不要なストレスを与えてしまう可能性がありますのでおすすめしません。
◆早いうちに病院へ連れていく
セキセイインコは排卵から通常24時間で産卵します。
鳥さんは群れから置いていかれないように体調不良を隠す生き物ですので、病気の発見が遅れてしまいがちです。特に卵詰まりは一刻を争う危険な症状ですので、セキセイインコの様子がおかしいと気付いたらすぐに病院へ連れて行きましょう。
また、一般的な動物病院ではセキセイインコの治療を行っていない場合もあります。
連れて行く前に、セキセイインコの診察が可能か問い合わせてみることがおすすめです。卵詰まりの症例も多く診ているので、できれば小鳥専門病院に連れて行くことが理想です。
卵詰まりの原因
セキセイインコが卵詰まりになってしまう原因は主に4つあります。
- 栄養不足
- 過剰産卵による卵の形成異常
- 環境ストレス
- 別の病気による卵管口の閉塞
セキセイインコが卵を形成するためにはたくさんのカルシウムを必要とします。
過剰に産卵を繰り返して体内のカルシウムが不足すると、殻がきちんと作られない軟卵ができる場合があります。軟卵は卵管をうまく通ることができずに詰まってしまうことがあります。卵詰まりの多くはカルシウム不足による卵の形成異常です。
また、体が産卵の準備をしている状態で突然ストレスがかかると、産卵が止まってしまい詰まってしまうこともあります。
さらに卵管炎など別の病気が要因で卵管口が閉塞してしまっていることによって卵が通れずに詰まってしまうということもあります。
卵詰まりの予防方法
◆カルシウムやビタミン不足に気をつける
メスのセキセイインコはカルシウムなどの栄養素が不足しがちです。
シード食の場合には副食やサプリメントを与えて、もし卵ができてしまっても大丈夫なように健康な体作りをしていきましょう。偏食などの理由で栄養管理が難しい場合には、ペレット食に切り替えることもおすすめです。
また、適度に日光浴をさせることも必要です。
セキセイインコは紫外線を浴びることでビタミンD3を合成することができます。ビタミンD3は摂取したカルシウムを体内で吸収するのに必要な栄養素です。
暖かい日には猫やカラスに気をつけながら網戸越しで日光浴をさせてあげましょう。
◆卵を産ませないようにする
卵詰まりを予防するためには、むやみに卵を産ませないようにすることも大切です。
過剰に産卵をさせることはセキセイインコの体に負担をかけてしまいますので、日頃から発情抑制に努めましょう。
セキセイインコのメスは発情するとろう膜(鼻の上の皮膚)が茶色くなりカサカサとしてきます。
また活発になってよく鳴くようになり、巣作り行動が見られるようになります。
発情の兆候が現れ始めたら、卵を作ってしまう前に対策をしましょう。
発情抑制の方法としては
- 温度管理
- 日照時間の調節
- 体重管理
- 巣材を与えない
- スキンシップを減らす
などがあります。
セキセイインコの体調を管理する上で温度調節は大切ですが、健康な状態で暖めすぎてしまうと発情を促してしまいます。体調不良時に行う保温の効果を高めるためにも、通常時には暖めすぎないように気をつけましょう。
また野生のセキセイインコは春と秋に発情します。飼い主さんと暮らすセキセイインコは、野生の子よりも明るい時間が長くなりがちであまり季節感がありません。明るい時間が長すぎると、日照時間の長い発情シーズンと勘違いしてしまうことがありますので、あまりセキセイインコに夜更かしをさせないようにしましょう。
セキセイインコは食べ物がたくさんある状態では子育てができる環境だと感じて、卵を作ろうとしてしまいます。
体重管理をして餌の量を調節し、太りすぎないように注意してあげましょう。もし卵ができてしまった時にも日頃から体重管理をしていればすぐに気付くことができます。
1日1回体重を量るのが理想です。
セキセイインコのメスは飼い主さんをパートナーと認識して発情してしまうことがあります。そんな姿はとても可愛いですが、セキセイインコの健康のためにも発情期の過剰なスキンシップは控えるようにしましょう。また特定のおもちゃに執着したり、巣材を集めるような行動をしている場合にもしばらくは撤去した方が良いでしょう。
まとめ
セキセイインコの卵詰まりは命に関わる重篤な症状です。いつまでもセキセイインコに元気でいてもらうために、発情期は特に注意が必要です。
もし卵詰まりに気付いたら一刻も早く病院を受診して、どうしても通院できない時は応急処置をしましょう。
卵詰まりを起こさないために、日頃から栄養管理や日光浴をさせて健康な体作りをし、その上で発情抑制をして過剰な産卵を防ぎましょう。
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