うさぎの去勢手術、受けさせるべき?そのメリットとデメリット

2022.05.12

うさぎの去勢手術、受けさせるべき?そのメリットとデメリット

男の子のうさぎを迎えたときに、去勢手術をするかどうか悩む飼い主さんはとても多いのではないでしょうか。 去勢には、繁殖できないようにするためだけでなく、他にもさまざまなメリットがあります。反対に、全身麻酔における手術には、リスクやデメリットもあります。 飼い主さんは、これらのことをよく理解して決断する必要があります。 ここでは、うさぎの去勢手術におけるメリット・デメリットについて、ご紹介します。

去勢手術とはどんなもの?

去勢手術はどんなもの?

「去勢手術」は、男の子の精巣(睾丸)を摘出する手術のことです。手術により、生殖に必要な部位を切除することで生殖機能が失われ、望まない繁殖を防止することができます。
さらに、去勢することで、ホルモンの影響を受けた行動や生殖器に発症する病気などへの予防効果が期待できます。

◆手術の方法

犬や猫の去勢手術と同様に、オスの場合、陰嚢を切開して精巣を取り除きます。開腹手術で卵巣や子宮を取り除くメスと比べ、オスの場合は体外にある部位を取り除く手術なので体へのダメージも少なく、多くの場合入院することなく日帰り手術となります。


うさぎの去勢手術は必要?

うさぎの去勢手術は、望まない繁殖を防止することができるだけでなく、問題行動を軽減させたり、男の子特有の病気を予防したりすることができることから、「獣医師さんから勧められた」という飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、うさぎの去勢手術には、手術中の全身麻酔によるリスク、手術後に太りやすくなるなどのデメリットもあるため、現在のうさぎの健康状態や生活環境などをふまえて、十分に検討することが大切です。
ここでは、「うさぎにとって去勢手術は本当に必要なものなのか?」ということについて、考えてみたいと思います。

◆飼育方針による

たとえ獣医師さんに勧められたとしても、飼い主さんの意向で去勢手術を受けないうさぎもいます。
自然の摂理に反する、全身麻酔のリスクが怖い、悪くない臓器を摘出することに抵抗があるなど、飼い主さんが去勢手術を受けることを選択しない理由はさまざまです。
実際に、うさぎは、他の動物に比べて全身麻酔による死亡率が高いことが報告されています。
そのため、去勢手術で生殖器に発症する病気を予防するよりも、定期的な健診で病気を早く見つけて治療する方がかえって安全なのではないか、また、ホルモンに由来する行動は受け止めるしかないのではないか、と考える飼い主さんもいます。

◆同居うさぎがいるならしたほうがいい

うさぎは、非常に繁殖能力の高い動物です。うさぎには、繁殖期というものはなく、一年中繁殖可能です。また、交尾そのものも、とても短時間で行われます。
そのため、うさぎの男の子と女の子を一緒の空間に入れたとたん、あっという間に交尾し、飼い主さんの気づかぬ間に妊娠させてしまう、という可能性が十分に考えられるのです。
もしも、性別の異なる同居うさぎがいる場合で、これ以上の繁殖を望まないというお考えであるならば、望まない繫殖を防ぐためにも、去勢手術することをおすすめします。

ただし、去勢手術をした後も5~6週間ほどは副生殖腺に精子が残っており、メスを妊娠させる可能性があります。術後6週間程度はメスと一緒にしないように注意が必要です。

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うさぎの去勢手術のメリット

うさぎの去勢手術のメリット

うさぎに去勢手術を受けさせることには、望まない繁殖を防ぐというのはもちろんのこと、その他、生殖器に発症する病気を予防したり、ホルモンに関連するうさぎの問題行動を抑えたりすることが期待できる、というメリットもあります。
では、具体的にどのようなことがメリットとして考えられるのでしょうか。
ここでは、うさぎが去勢手術を受けることにより、どのようなメリットがあるのか、その詳細についてご紹介します。

◆男の子特有の病気が防げる

去勢手術をすることで、生殖器に発症する病気へのリスクがなくなります。
たとえば、次に挙げる精巣炎、精巣腫瘍、前立腺肥大といった男の子特有の病気は、去勢手術によって予防することができます。
・精巣炎

精巣に細菌が感染することで、精巣に炎症をおこす病気です。炎症により、腫れや痛み、発熱を伴い、それによって食欲や元気が低下することがあります。

・精巣腫瘍

精巣にガンができる病気です。特に、停留精巣(精巣が陰嚢内に降りてこず、鼠径部やお腹のなかなどに留まった状態のこと)の場合、精巣の悪性腫瘍になる可能性が高くなるといわれています。
精巣炎同様、腫れを伴いますが、痛み、発熱などは見られない場合が多いです。

・前立腺肥大

前立腺は、精子の一部をつくる役割を果たす臓器です。前立腺肥大は、この前立腺が大きくなることで尿道を圧迫し、排尿がしづらくなる病気です。

男の子のうさぎがこのような生殖器の病気に罹患する確率は、女の子ほど高くはありません。
しかし、いずれも患ってしまうと全身状態が悪くなることがある病気でもあります。これらの病気をあらかじめ防ぐことができるのは、大きなメリットといえます。

◆性格が穏やかになる

うさぎは、縄張り意識の強い動物です。去勢していない男の子は、特に縄張り意識が強くなる傾向があります。
たとえば、激しいマーキング(スプレー行動)で縄張りを主張したり、マウンティング(腰を振る行動)、スタッピング(後ろ足で地面を強く踏み鳴らす行動)などがみられたり、同居のうさぎや飼い主さんに対して攻撃的になったりすることもあります。
また、うさぎは繁殖能力が高いため、交尾しない、繁殖しない状態が続くこと自体が、うさぎにとって大きなストレスになり、余計に強い行動に出る場合があります。
このようなホルモンに左右される行動は、去勢手術を行うことでなくなったり、少なくなったりするため、去勢手術後はうさぎの性格が穏やかになるといわれています。

◆トイレのしつけが楽になる

尿のスプレーが減り、トイレのしつけが楽になります。うさぎに悪気はないとわかっていても、繰り返される行動により感じるストレスやお掃除の手間も軽減するため飼い主さんにとっては嬉しいポイントだと思います。
ただし、スプレーの習慣が身に付いた後に去勢手術を行った場合は、手術後もスプレー行動が残ってしまう場合があります。
問題行動が100%無くなるというわけではないことを念頭に置いてください。


うさぎの去勢手術のデメリット

ここまで、うさぎの去勢手術におけるメリットについてご紹介してきました。
しかし、残念ながら、うさぎの去勢手術は、メリットばかりではありません。特に、うさぎのような小動物が全身麻酔で手術を受けるということには、当然、リスクが伴います。
ここでは、うさぎが去勢手術を受けることによるリスクやデメリットについて、ご紹介していきます。

◆麻酔や手術のリスク

どのような動物の手術にも、リスクはあります。特に、うさぎのような小さな動物が全身麻酔で去勢手術を行うということは、肉体的にも、精神的にも、とても負担の大きいことです。実際に、うさぎの全身麻酔におけるリスクは、犬や猫と比較すると数倍高いともいわれています。
その原因として、次のような事柄が挙げられます。

  • ・ストレスに弱い
  • ・腸管内の食物が不足することで低血糖を起こす場合がある
  • ・体が小さく体温が低下しやすい
  • ・口を大きく開けられないため気管挿管が難しい

うさぎはとてもストレスに弱い動物といわれており、病院という慣れない場所にいること自体も、うさぎにはストレスとなり得ます。場合によっては、去勢手術前に体調を崩してしまうこともあります。さらに、手術後に食欲がなくなる、元気がなくなるなどの変化がみられることもあります。
うさぎの診療経験が豊富な病院、評判の良い医療機関を探すことはもちろんのこと、親身になって対応してくれる獣医師を選ぶなど、去勢手術は、うさぎも飼い主さんも安心してお願いできる病院にお願いしましょう。

◆肥満のリスク

常に繁殖可能なうさぎにとって、交尾できない、繁殖できない状態が続くことは、常に欲求不満な状態にあるといえます。去勢をすると、うさぎがそのストレスから解放されるとともに、繁殖に伴うエネルギー要求量も減少するため、術後は太りやすくなるといわれています。
去勢手術後も、手術前と変わらない量の食事を与え続けていると、うさぎが太ってしまう可能性があるため注意が必要です。
人間と同じように、うさぎにとっても、肥満は病気にかかりやすくなったり、ケガをしやすくなったりする原因になります。そのため、去勢手術後は定期的にうさぎの体重を測定するようにし、心配なときは、食事の量や内容などを獣医師さんに相談しましょう。


うさぎの去勢手術は何歳ごろから可能?

うさぎ去勢手術

うさぎの精巣は、もともとお腹のなかに左右1つずつ、計2つあります。それが、生後3か月ごろになると、お腹から陰嚢内に自然と降りてきます。うさぎの去勢手術は、この精巣が2つとも陰嚢内に降りてきている状態が確認できてから行います。
時期が早すぎると、尿道の成長が十分に進んでいない可能性や、まだ精巣が陰嚢内に降りていない可能性があるため、うさぎが去勢手術を行う場合は、生後6~12か月くらいが適しているといわれています。去勢手術を検討している場合は、生後6か月くらいになったら、一度獣医師さんの診断を受けてみるとよいでしょう。反対に、高齢になればなるほど、全身麻酔や手術によるリスクが高まります。
問題行動の回避のために去勢手術をするという場合、行動が習慣化し身に付いてしまっていると、去勢手術後も問題行動が残ってしまうこともあります。1歳を迎える前に手術を完了するのが理想的でしょう。

小さな子にメスを入れるのは気が引けるとお考えの飼い主さんもいらっしゃるでしょうが、去勢手術を行う場合は、体力のあるできるだけ若いうちに行うことをおすすめします。


まとめ

今回は、うさぎの去勢手術のメリットとデメリットについてご紹介しました。
去勢に限らず、全身麻酔や手術は、うさぎのような小動物にとってはリスクも大きく、手術を受けさせせるべきかどうか、とても悩まれている飼い主さんも多いことでしょう。
しかし、去勢手術は、ホルモンに由来したり、生殖器に発症したりする病気にかかる可能性やストレスからくる激しい問題行動を抑えられることから、術後は、穏やかで安心した生活が送れることが期待できます。
反対に、去勢手術を受けない場合は、妊娠させてしまわないよう注意を払ったり、男の子特有の病気の予防のために定期的に健診を受けさせたりするなど、日頃からのケアが必要になります。
そのような点からも、繁殖を望まない場合は、うさぎのため、飼い主さんのためにも、特別な事情がない限り、去勢手術を行うことをおすすめします。
特に、精巣の病気には、命にかかわるものもあるため、男の子のうさぎに去勢を検討される場合は、生後6ヶ月くらいには、一度獣医師さんに相談するようにしましょう。



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