1.アヒルってどんな動物なの?
1-1.さまざまなサイズがいる
1-2.水に浮くのが得意
1-3.翼があっても長距離は飛べない…
1-4.性格
3.アヒルを飼ってみたい!飼育方法で知っておきたいポイント
3-1.ヒナ時代は室内で育てる
3-2.アヒル飼育のための小屋を設置する
3-3.地面の種類にも配慮を
3-4.水浴びの場所を作ってあげる
3-5.日光浴で健康的な体に
3-6.外敵に注意してする
3-7.活動範囲は掃除や誤飲対策をする
3-8.賃貸物件では飼えないことが多い
3-9.エサの種類と食事の回数
3-10.室内飼いのポイントは“衛生管理”と“床材の工夫”
アヒルってどんな動物なの?
アヒルは、カモ科マガモ属に分類されている動物です。
大きなお尻をフリフリと歩く姿は、とても可愛らしいですよね。
白い体に小さな黒い瞳、黄色いくちばし…がアヒルのイメージという方も多いのではないでしょうか。
実は羽毛の色はそのほかにも、淡い黄色、カーキ色、灰色などが見られます。
◆さまざまなサイズがいる
食用や観賞用などに合わせて、アヒルにはたくさんの種類が存在しています。
品種によって大きさは違いますが、30㎝程度・体重1キロ未満、60㎝程度・体重3~5キロ前後のサイズまでさまざまです。
最近は、愛玩用で改良され小型サイズとなったコールダックという品種も人気が出ています。
コールダックは大人になっても30㎝ほどの大きさしかなく、体重も600~1000グラム程度。
鑑賞用や愛玩用として、世界で最も小さなアヒルと言われている品種です。
◆水に浮くのが得意
アヒルは水鳥で水に浮くことができます。アヒルの羽毛の間には空気が溜まり、まるで“浮き輪”のような役割を持っています。
また、お尻周辺に皮脂腺があり、そこから脂が分泌されています。アヒルは自分で脂を体中に塗るので撥水効果があります。羽毛が水を弾いて水に浮いていられるのです。
◆翼があっても長距離は飛べない…
そもそもは野生のマガモが家畜化され、アヒルは人間に近い存在になってきました。
家畜として改良される過程で身体は進化して大きくなり、逆に翼が退化して小さくなりました。
身体の割に翼が小さいため、普通の鳥のように空を自由自在には飛ぶことができません。
「飛べない」と言われることがありますが、実際には数メートル程度なら飛ぶことはできます。
「飛べない」ではなく、「飛ぶ必要がないから、飛び方が上手ではない」という方が合っているかもしれませんね。
それに、翼が退化して体の方が大きいので、長く飛んでいることが難しいようです。
◆性格
アヒルは元気で人懐こい性格です。特に、子供のときにペットとして迎えると人間によく馴れます。
卵から生まれて初めて見た相手を親だと思う“すりこみ”という言葉を聞いたことがあるかと思います。そのため、ヒナのときから育てるとかなり馴れてくれるでしょう。しかし成長したアヒルは、人間に対して警戒心も抱くこともあるようです。
アヒルはペットで飼える?
かつては“ペット”と言えば犬や猫が一般的でしたが、最近はさまざまな動物をペットとして飼う人が増えています。
そのなかのひとつがアヒルです。
冒頭でもお伝えしましたが、CMなどでも見かけるアヒルの姿には親しみを感じますよね。
愛らしい姿を見ると「飼ってみたい」と思うかたもいるのではないでしょうか。
アヒルは、一般家庭でもペットとして飼うことができます。
アヒルを飼ってみたい!飼育方法で知っておきたいポイント
それでは次にアヒルの飼育方法でおさえておきたいポイントをお伝えします。
◆ヒナ時代は室内で育てる
ヒナのうちは室内で育てましょう。段ボールやプラスチックケースなどに、タオル、新聞紙などを敷き詰めます。その際に重要なのは「保温」です。
保温電球、ペットヒーターなどを入れて、暖かな空間づくりをしましょう。
ただし、ヒナがいたずらをしてケガをしないようにじゅうぶんに注意してくださいね。
コードはカバーつきのタイプを準備し、思わぬ事故を防ぎましょう。アヒルは成鳥となるスピードが早く、ヒナ(赤ちゃん)時代は短い鳥です。生後3週間も過ぎれば、生まれた直後の10倍近い体重にもなると言われています。
1キロ近くにもなるため、アヒルを入れる段ボールやケースも大きめのものに変えましょう。
また、ヒナ時代には予期せぬ事故のリスクが高まります。たとえば、段ボールやケースから出して遊ばせるときですが、ヒナは飼い主さんを親と思い、後ろからついてくることもあります。ただ、アヒルのヒナは小さく、飼い主さんの足元にくると見えづらいです。
間違って踏まないように、注意してくださいね。
◆アヒル飼育のための小屋を設置する
アヒルは屋外・屋内のどちらでも飼育ができます。しかし、成鳥になると体が大きく動く範囲も広がるため、屋外でゆとりのあるスペースで飼う人が多いようです。
成鳥時代のアヒルは、ヒナの頃のように段ボールやプラスチックケースでは狭すぎます。
それに排泄物も増えますから、アヒル専用の小屋を設置しましょう。
注意したいのは小屋の施錠と敵の侵入、脱走対策です。
日中は飼い主さんの目が届きやすいものの、夜になるとアヒルが何者かに狙われる確率が高まります。
小屋には鍵を取り付け、外から侵入できない工夫は欠かせません。
また、破損個所や隙間があるとアヒルが自分から外に出てしまうことも考えられます。
“アヒル専用”として頑丈な小屋を作ってあげましょう。
柵を設けてアヒルの活動範囲を限定することも大事です。アヒルが軽々と飛び越えられるような高さの柵は脱走のリスクがあるので注意しましょう。
◆地面の種類にも配慮を
アヒルは本来、水に浮かんで足を休めます。
コンクリートやアスファルトのような“硬い石”は、アヒルの足にはかなり負担となります。
長く立っていると足を痛めてしまい、皮膚にも異変ができる可能性もあるでしょう。
土や人工芝などを活用して、硬い部分がないように気をつけてくださいね。
◆水浴びの場所を作ってあげる
そもそもアヒルは水鳥ですから、陸上だけで生活すると足に負担がかかります。
そのためアヒルが水中でゆっくり過ごせるような池やプールなどの水場を作ってあげましょう。
水場を設ける目的は、
- 足をゆっくり休める
- 羽根の汚れを落とすために水浴びする
といったものです。
理想的なのは、池です。
アヒルの足が軽くつくほどの水量でも水浴びとしては十分です。プールや大きめのたらいなど代用できるものを準備してあげましょう。また、水浴び場の水は常に綺麗なものに取り替えてくださいね。
特に、夏季には温度上昇により水質もすぐに悪くなり、濁って不衛生になります。綺麗な水でアヒルが安心して遊び、リラックスできるような場所を作ってあげましょう。
◆日光浴で健康的な体に
アヒルは、日光浴をすることで骨を丈夫に保つことができます。自由に動けるスペースがあると運動やストレス解消にもなりますね。また、熱中症にも注意が必要です。日陰となる場所を作り、日光にあたったら日陰で涼む…とアヒルが自分なりに動けるようにしましょう。
◆外敵に注意してする
アヒルは、肉食動物に襲われるリスクがあります。猫やハクビシンなどもアヒルを襲う可能性がある動物です。
水浴びと日光浴で自由にさせるときは、外敵に襲われるリスクもあるため、飼い主さんが目を離さないようにしましょう。
アヒル小屋に施錠をしても、隙間があると外敵が侵入して危害を加えられる恐れも…。
飼い主さんの目が届かない夜間でもアヒルが安心して過ごせるように注意しましょう。
◆活動範囲は掃除や誤飲対策をする
アヒルは、水浴びと日光浴、土いじりなどを好みます。屋外でアヒルが過ごすときに気をつけたいのが、飼育スペースの異物です。アヒルが歩くところにガラスの破片などの危険な異物があると、ケガをするかもしれません。
定期的に掃除をして、アヒルが安全なスペースで過ごせるようにしましょう。
また、お庭で過ごしているアヒルが花々や草木、土を口にすることもあります。肥料が混じったプランターや花壇の土を食べると体に害がある可能性もあります。誤飲して体に害のあるものは、アヒルの活動範囲から徹底的に除外しましょう。
もしくは、アヒルに立ち入らせないように柵などでスペースを区切ってくださいね。
◆賃貸物件では飼えないことが多い
最近は、ペットと暮らせる賃貸が増えてきました。ただ、一般的に犬や猫などを想定しているため、アヒルは難しいケースが多いでしょう。マンションのベランダは、共用部分なのでアヒル用の小屋を設置することはできません。
鳴き声も結構ひびきわたり、なおかつ羽毛や糞が飛び散るため、ベランダで飼えば大きなトラブルの原因となりやすいです。
そのため飼育スペースがない共同住宅では飼うことは難しいでしょう。
「庭がある戸建賃貸は飼えそう」と思うかもしれませんが、“ペット可物件”だとしても「アヒルを飼いたい」ときちんと伝え、大家さんの判断をいただきましょう。事後報告は契約違反となってしまいます。
賃貸物件でアヒルを飼いたいときは、事前にしっかりと相談しましょうね。
◆エサの種類と食事の回数
アヒルの主な食事は、基本的に水鳥用のエサです。タンパク質やビタミンなどが総合的に入ったものを選びましょう。
アヒルの身体のサイズに合わせて適量を与えることが理想的ですが、食事時間を「1日2回」と決めている飼い主さんも多いようです。そのほか、野菜や雑穀、くだものなどを食べます。
ただ、玉ねぎやネギ、ニラ、ごぼう、アボガド、生の大豆、ニンニク、チョコレートなど、アヒルに与えると危険な食べ物もあります。人間用の食べ物をむやみに与えると、体に害がある可能性があるため注意しましょう。また、りんごの種はアヒルにとって有毒なので気をつけなければいけません。
◆室内飼いのポイントは“衛生管理”と“床材の工夫”
アヒルの糞は、水状で量も多めです。その都度掃除をして清潔を心がけたいものですが、独特の臭いがするので換気でお部屋の風を通しておくといいでしょう。汚れたところもなるべく早めに掃除をしてくださいね。
臭いを分解してくれるペット用の消臭剤を使うなどして、臭い対策も工夫してみましょう。また、床材も気をつけたいポイントです。水鳥のアヒルは、水に浸かっていない時間が長いと足を休められず足への負担が増えます。
特に、フローリングやタイルなどのつるつるした床材は、アヒルが滑り関節を痛めるなどの可能性があります。
人工芝など滑りにくい素材のものをアヒルの飼育スペースに敷いてあげましょう。
アヒルはどこから迎えたらいい?販売場所はどこ?
ペットとして飼えるアヒルには、体重30㎝で小さな「コールダック」、一般的に見かけるアヒルの「シロアヒル」、マガモのような毛の色の「アオクビアヒル」などがいます。
一般的なアヒルは3000円前後で購入できますが、人気種のコールダックは数万円と高価です。
アヒルは、牧場やペットショップなどで販売されています。ただし、オールシーズン売っているわけではなく、季節によっては販売していないことも。出回る時期は春先が多いです。
最近ペットとして人気が高まりつつあり、ペットショップからの購入できるものの、取り扱いをしていないペットショップも多いです。まずは、アヒルを販売しているかどうかを確認してみましょう。
まとめ
つぶらな黒い瞳と愛らしい顔立ちのアヒル。お尻を重そうにプリプリと歩く姿を見ていると癒されますよね。
アヒルはペットとしても飼えますが、重要なのは「アヒルに合わせた環境を準備すること」です。
思いつきで飼ったり、「可愛いから」という単純な理由で迎えたりはできない動物と言えるかもしれません。
家族に迎えるときには、できるだけアヒルの特徴や飼育のポイントをおさえてくださいね。
ヒナのうちから飼うと、飼い主さんに絶大な愛情を表現してくれます。
後ろからトコトコと甘えてくる姿を見られるのは飼い主さんの特権です。
家族に迎えたアヒルと水浴びや日光浴で楽しい時間をたっぷり過ごしてくださいね。
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