1.ハリネズミに適した温度・湿度は?
1-1.適切な温度
1-2.適切な湿度
1-3.この温度・湿度を下回ったら危険!
2.適切な温度管理ができない場合に起こること
2-1.体調不良
2-2.冬眠
2-3.夏眠
4.夏の暑さ対策
4-1.エアコンでの室温管理
4-2.除湿機の使用
4-3.夏用のケージを考える
4-4.暑さ対策グッズの利用
5.冬の寒さ対策
5-1.エアコンでの室温管理
5-2.小動物用ヒーターの設置
5-3.加湿器の使用
5-4.寝袋などの利用
5-5.冬用のケージを考える
ハリネズミに適した温度・湿度は?
日本で主にペットとして愛されているハリネズミさんの品種名は「ヨツユビハリネズミ」といい、「ピグミーヘッジホッグ」とも呼ばれています。
ヨツユビハリネズミは野生では西、東、中央アフリカに広く生息している種類で、アルジェリアハリネズミは北アフリカに住む種類です。両方ともアフリカに住んでいたハリネズミさん達なんですね。
アフリカ大陸は大陸全体がほぼ熱帯や亜熱帯地域になっていて、日本のような厳しい寒さにはなりませんので、冬の寒さに対する耐性があまりありません。
また、ハリネズミさんは食べ物がなくなる乾季に耐える、生き延びるために体に負担をかけてまで夏眠をする習性をもちます。夏の暑さにも気を付けてあげないといけません。
そんな、高温にも低温にも弱いハリネズミさんにとって、どのような状態が適切なのでしょうか。
◆適切な温度
適切な温度は 23〜30℃(最適は24〜29℃)といわれています。
夏場は30℃を超えないよう、冬場は23℃を下回らないように心がけなければいけません。
◆適切な湿度
ハリネズミさんに適切な湿度は40%以下と言われています。日本の気候ではこの基準をクリアするのはなかなか大変かもしれません。しかし、ハリネズミさん達に最適な環境はやや乾燥した状態と言われていますので、できるだけジメジメしないような環境づくりをこころがけるようにしてあげてください。
◆この温度・湿度を下回ったら危険!
低温側ではハリネズミさんの暮らす環境の温度が20℃を切ってしまうと危険と言われています。
また、高温側では30℃を超えてしまうと危険だと言われています。
ハリネズミさん達の住環境の温度管理がうまくハリネズミさん達にあっていないと、色々と困ったことが起き、命の危険にまで容易に発展してしまいます。通常の熱中症などとはまたちがった状態になるため、よく知っておくことが大切です。
適切な温度管理ができない場合に起こること
◆体調不良
ハリネズミさんはデリケートなため、温度管理がうまくいっていないことはストレスになってしまい、体調不良のきっかけになってしまうことがあります。
温度が適切でない時は活動力が低下し、じっとうずくまって動かなくなったりすることが多いようです。
◆冬眠
あまり寒さへの耐性のないハリネズミさんが寒い環境に長く置かれてしまった場合、体温が下がり過ぎてしまい、低体温状態になってしまうことになります。
体温が下がり過ぎてしまうと動きが鈍くなるなどの行動の変化が見られ、まるで冬眠をするかのように見えてしまいますが、ヨツユビハリネズミ、アルジェリアハリネズミはどちらもアフリカ大陸原産、つまり暖かい地域で暮らすハリネズミですので、冬眠の能力はありません。
ハリネズミさんの体が冷え過ぎて弱ってしまった状態のことを、冬眠と誤認してしまうことがあるのです。しかし、これは島民ではありませんし、大変危険な状態です。仮死状態に近いので、すぐに対応してあげなくてはなりません。
寒い場所、ヨーロッパなどに生息しているハリネズミさんには冬眠の能力がある種類もあり、冬眠をして生命の機能を落としても生命を維持することができるのですが、アフリカ原産のハリネズミさんにはその機能は備わっていないのです。
◆夏眠
ヨツユビハリネズミさん達は冬眠する能力は持っていないのですが、暑い時期には夏眠をする性質があります。
食べるものが少ない乾季を乗り越えるため、眠ってやり過ごして生き延びるための仕組みなのですが、夏眠をした後は何らかの健康上のトラブルを抱えてしまうことが多いようです。なので、飼育していているハリネズミさんに夏眠をさせるデメリットは大きく、避けるべきです。
気温が29.4℃を超えると夏眠するという報告もあるようですので、ハリネズミさんの住んでいる環境が30℃に近づいてしまうようであれば危険だと考えた方がいいと思われます。
ハリネズミケージには必ず温湿度計を設置する
このように暑さにも寒さにも弱い体の仕組みを持っているハリネズミさんなので、気温・湿度の調節は欠かせません。いつでもすぐに気温や湿度を確認できるように、ハリネズミさんの住んでいる場所、いつもいる場所の近くに温湿度計を取り付けておくようにしましょう。
最高最低温度計を利用すれば、1日のうちの最高最低気温を記録しておいてくれますので、留守中や深夜などに温度が上がり過ぎていたり下がり過ぎたりしていることに気づくことができますよ。
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夏の暑さ対策
それでは、夏の熱い時期に有効な対策法はどのようなものでしょうか。
直射日光を当てない、風通しの涼しい場所にケージを設置するなどのことも大切ですが、基本的にはケージを置いてある部屋自体の気温と湿度の調整が必要になります。
扇風機などを利用しても良いのですが、日本の夏ではそれだけでは暑さ対策は不十分ですので、エアコン等を利用しての環境の調整になってきます。
具体的な例をみていきましょう。
◆エアコンでの室温管理
夏の暑さ対策の基本はやはりエアコンです。
空間を適正な温度と湿度に一番簡単な手段がエアコンの利用となります。
外出時なども含め、1日中つけっぱなしにすることが必要となってきます。エアコンを付けたり消したりするよりも付けっぱなしの方が電気代は安く済むとも言われていますので、ハリネズミさんのために、部屋ごと環境を整えるようにしてあげてください。湿度が高い日には除湿(ドライ)を利用してもいいですね。
エアコンからの風が直接ケージに当たってしまわないように気を付けましょう。
◆除湿機の使用
湿度がなかなか下がらないようであればエアコンよりも除湿能力が高い除湿機が有効かもしれません。
◆夏用のケージを考える
水槽や衣装ケースのような保温性が高い容器で暮らしている場合、夏には風通しのいいケージに引っ越すのもいいですね。この場合ももちろん、直接風などが当たらないようにしてあげてください。
◆暑さ対策グッズの利用
大理石のボードやステンレスのプレート、ひんやりハウスなどの体を冷やすことのできるひんやりグッズを設置してあげるのも有効です。
冬の寒さ対策
反対に、冬の寒い時期はどう対策すればよいのでしょうか。
◆エアコンでの室温管理
やはりこちらもエアコンなどの暖房器具での室温管理がベストと考えられます。オイルヒーターなどでも良いでしょう。特に寒い時はそれに加えて暖を取れるような設備を追加することが必要となります。
エアコンから出る暖気は上の方に溜まってしまいやすいため、そのままではハリネズミさんのケージが十分に暖まらないときがあります。そのような場合は扇風機などを利用して室内の空気を循環させて暖気を届けるように工夫するのもいいでしょう。
◆小動物用ヒーターの設置
特に寒い時期は、ペット用ヒーターなどの設置が必要です。自動的に一定温度を保ってくれるサーモスタット付きのものがおすすめです。
ヒーターなどの暖房器具をケージ内に設置するときに、気を付けなければならないのは、ケージの中に暖かいところとそうでもないところを作る、つまり「濃度勾配」をつけることです。ちょっと暑すぎる、ちょっと寒い、などという微調整をハリネズミさん自身にしてもらうためには、ケージの中にそのような温度の違うエリアを作っておくことが重要です。快適な温度の範囲の中で、「あったかい」「それほどでもない」など、何種類かの温度をつくってあげるといいですね。
◆加湿器の使用
湿度が極端に低くならないように加湿器も利用しましょう。日本の冬にエアコンを利用すると乾燥し過ぎてしまい、フケが出てくるなどの影響がでてしまうこともありますので、高くなり過ぎないように適度な加湿をすることは必要だと考えられます。
◆寝袋などの利用
フリースなどの布や寝袋を寝床に用意してあげるのもいいでしょう。
◆冬用のケージを考える
風通しのいいケージで暮らしている場合、水槽や衣装ケースのような保温性が高い容器に冬には引っ越すのもいいですね。この場合ももちろん、直接エアコンの風などが当たらないようにしてあげてください。
まとめ
ハリネズミさんは、暑さにも寒さにも弱い生き物なので、温度管理はしっかりしなければなりません。
最適温度は23〜30℃(最適は24〜29℃)、湿度は40%前後です。
寒すぎると低体温症になってしまって命の危険がありますし、暑過ぎても夏眠にはいってしまって体調を崩す原因にもなってしまうため、夏場は30℃を超えないよう、冬場は23℃を下回らないように心がけなければいけません。
温湿度計を設置し、エアコンや様々な防寒・暑さ対策グッズなどを利用して、環境を整えてあげる必要があります。
ハリネズミさん達の笑顔を守るため、安全で快適な暮らしを保ってあげるようにしていきましょう!
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