1.コキンチョウの生態、特徴
1-1.コキンチョウの生態
1-2.コキンチョウの特徴
1-3.コキンチョウの性格
1-4.コキンチョウの値段
3.コキンチョウに関する雑学
3-1.ヒナの時の口が怖い?
3-2.ヒナの頃は容姿が違う?
4.コキンチョウの飼育に必要な用品
4-1.大きめのカゴで運動できるように
4-2.餌は栄養を考えて
4-3.給水器やえさ入れは一般的なものでOK
4-4.温度管理グッズは必ず用意して!
4-5.おもちゃは必要?
4-6.繁殖を目指す場合はツボ巣がおすすめ
コキンチョウの生態、特徴
◆コキンチョウの生態
鳥綱スズメ目カエデチョウ科コキンチョウ属に分類される体長13㎝前後の小型の鳥で、漢字で「胡錦鳥」と表記されることもあります。
野生ではオーストラリアの草原、マングローブ林、低木林に生息しており、イネ科やモロコシ属の種子、季節によっては昆虫なども食べる雑食性です。
いわゆる「フィンチ」と呼ばれるカエデチョウ科の鳥ですが、同じフィンチに分類される文鳥や十姉妹に比べると日本での知名度はまだまだ低め。
昨今では日本でも徐々に流通し始め、ブリーダーだけでなくペットショップでも取り扱われるようになってきました。
◆コキンチョウの特徴
コキンチョウの最大の特徴といえば、やはり鮮やかで派手な配色でしょう。「世界で最も美しいフィンチ」と言われるほどです。
頭部、後頭部、首、胸、腹、羽根、尾と身体の各部位によってカラーリングがはっきりと分かれており、非常に派手な見た目をしています。
頭部の色によって「赤コキン」「黒コキン」「黄コキン」などと呼び分けられることもあります。「黒コキン」が全体の75%と最も多く、次に「赤コキン」が25%と続きます。「黄コキン」はとても希少で3,000羽に1羽しか生まれないため、ファンの間では重宝がられています。
色の組み合わせや濃淡を含めるとカラーバリエーションが非常に豊富であることはコキンチョウの魅力のひとつです。
また、オスは中央尾羽(尾の正中線に生えている2本の羽根)が長くメスは短い、オスは鮮やかに発色しますがメスは少しくすんだ色をしているなど、雌雄でも違いが見られます。
コキンチョウはほとんど鳴きませんが、鳴き声は文鳥に近く、「チチチ」「ピヨヨヨ」「キュイー」といった可愛らしいさえずり方をします。
オウムなどに比べるととても静かな鳥なので、集合住宅でも騒音問題の心配がなく飼育できる鳥といえます。
環境変化や乱獲、気嚢ダニなどによって野生のコキンチョウは生息数を減らしつつあり、1986年には捕獲が禁止され絶滅危惧種に指定されました。しかし、コキンチョウの美しさの虜になる人は多く、ペットとして繁殖され世界的に流通するようになりました。
◆コキンチョウの性格
派手な見た目とは裏腹におとなしく臆病な性格をしています。
ヒナから育てても手乗りにはなりづらく、ふれあいがストレスになってしまう個体も多いようです。
ペットとして歴史の長いセキセイインコやオウムとは違い、コキンチョウはスキンシップによる愛情表現がなくてもストレスにはならないのです。
また、とても静かであまり鳴くことがありません。
その美しい姿を「目で楽しむ」のが最も適している鳥といえます。
◆コキンチョウの値段
コキンチョウはオスのほうが色鮮やかで人気があり、値段も高く設定されていることが多いようです。
成鳥は色が鮮やかであればあるほど、またカラーリングが珍しいほど値段が高くなり、個体によって10,000~50,000円とさまざまです。ブルーやホワイトを含むカラーは希少なため、高く設定される傾向にあります。
ヒナはなかなか流通しませんが、5,000~10,000円程度で販売されることが多いです。
コキンチョウの寿命
コキンチョウの寿命は5~7年程度です。
同じフィンチでペットとして親しまれている文鳥の寿命は8~10年程度なので、コキンチョウの寿命は比較的短いほうかもしれません。
気嚢ダニに感染しやすい種類でもあるため、お迎えする場合はコキンチョウの診察ができる動物病院を見つけておくようにしましょう。
コキンチョウに関する雑学
◆ヒナの時の口が怖い?
コキンチョウのヒナは、くちばしの周りに左右3個ずつ隆起した「ダイヤモンド」という光る器官をもっています。
暗闇の中でも光るため、親鳥にえさをねだるときにより目立つような役割をしています。
詳しいことはまだ解明されていませんが、これには「托卵」が関係しているという説があります。
托卵とは他の鳥の巣に卵を生み育てさせる習性のことで、コキンチョウは野生界において托卵をされる側の鳥なのです。他の鳥のヒナよりも目立つ、あるいは親鳥が自分のヒナを見分けられることでえさを獲得できるように、こういった器官が発達したのではないかと言われています。
生き延びるために進化した器官ではありますが、その光は「ダイヤモンド」という名前のとおり美しく神秘的。こういった不思議な生態もコキンチョウの魅力のひとつといえるでしょう。
このダイヤモンドは生後2~3か月程度で自然と消滅していきます。
◆ヒナの頃は容姿が違う?
前述のとおり美しいカラーが自慢のコキンチョウですが、実はヒナのときは暗い緑色や灰色といった地味な色をしています。
成鳥になるにつれて鮮やかな色の羽に生え変わります。
ヒナのときは外敵に見つかりにくいようカモフラージュのために地味な色をしており、繁殖ができる月齢まで成長すると、今度は求愛のためにカラフルな色に生え変わるのです。
コキンチョウの飼育に必要な用品
◆大きめのカゴで運動できるように
かごは高さ・奥行・幅がそれぞれ40㎝以上で、大きめのサイズがおすすめです。もともとはオーストラリアの広い土地に生息していたこともあり、コキンチョウは運動が大好き。
止まり木を複数入れてあげるなど、カゴの中を動き回れるようにしてあげましょう。
止まり木は太すぎず細すぎないよう、コキンチョウの足が3分の2程度まわる太さのものが適しています。
◆餌は栄養を考えて
主食はヒエ・アワ・キビなどの殻付きの穀物が配合されたフィンチ用の配合飼料を与えましょう。
体が小さいため、コキンチョウに適したサイズの穀物でないと食べられないことがあります。また殻がついていない「むき餌」タイプの餌はコキンチョウには向かないため、殻付きの小型フィンチ用のものを選ぶのがポイントです。
また、飼育下では配合飼料だけでは栄養が偏ってしまうため、副食として小松菜や豆苗、ボレー粉や塩土なども毎日与え、ビタミンやミネラルをしっかり補給させることが大事です。
◆給水器やえさ入れは一般的なものでOK
カゴに取り付けられるもので、プラスチック製・ステンレス製・陶器など、洗いやすく清潔に保てるものを選びましょう。
水浴びをすることもあるので、給水器とは別に重さのある水浴び用プールを用意してあげるといいでしょう。
◆温度管理グッズは必ず用意して!
カゴにはヒーターと温度計を取り付けましょう。コキンチョウの適温は25度と比較的高めで、15度以下になると死んでしまう危険性もあるのです。
◆おもちゃは必要?
コキンチョウがおもちゃで遊ぶかは個体差があるようです。
用意する場合は、細く小さい足が挟まれたりしないよう、コキンチョウの体に合ったおもちゃを選びましょう。
◆繁殖を目指す場合はツボ巣がおすすめ
コキンチョウを自分で繁殖させたい!という方は、ケージにツボ巣を設置しましょう。
野生のコキンチョウは樹洞やシロアリの蟻塚といった穴に巣を作る習性があるため、繁殖の目的がなくても保温や安心できるスペースとしてツボ巣を設置する人もいるようです。
ツボ巣を置く場合は巣材となるティッシュなどをカゴの中に入れてあげるのがおすすめです。
コキンチョウの飼育方法
◆放鳥しなくても大丈夫
観賞用の鳥ですので、大きめのカゴで十分な運動スペースを確保できていれば放鳥は必要ありません。
とても臆病な性格をしており、人の動きや音にびっくりした拍子に思わぬ事故につながるリスクもあるためです。飼い主や環境に慣れている場合はこの限りではありませんが、放鳥する際には注意して見てあげるようにしましょう。
◆ストレスを与えない工夫を
基本的には観賞用の鳥なので、過度な触れ合いはストレスになります。
コキンチョウはペットとしての歴史が浅い上に、もともととても怖がりです。
飼い主の視線にさえ緊張してしまうことがあるので、あまり構いすぎず、適度な距離感で見守ってあげることが大事です。
寝るときにはカゴに布をかぶせるなど、コキンチョウが安心できる環境を作ってあげましょう。
◆寒さ対策
前述のとおり、コキンチョウは寒さが大の苦手です。ここまで魅力的な見た目をしていながら他の鳥よりも一般的でない理由のひとつには温度管理の難しさもあるのです。
室温20度以上の環境を維持する必要があるため、冬場はとくに徹底的な温度管理を意識しましょう。
日本で繁殖されたコキンチョウは比較的寒さに強い個体が多いといわれていますが、それでも温度管理はとても重要なのです。
まとめ
今回は鮮やかなカラーリングが魅力のコキンチョウについてご紹介しました。
飼育には注意が必要ですが、「鳥と触れ合うよりも眺めていたい」という方にはとてもおすすめの鳥です。
セキセイインコや文鳥に比べると少し上級者向けの鳥ですが、一緒に暮らせばその美しい姿に癒されることでしょう。
– おすすめ記事 –
・キンカチョウってどんな鳥?特徴や性格、飼い方を紹介 |
・スローな動きの癒し系!サザナミインコってどんな鳥?性格・特徴・値段など |
・インコの暑さ対策はどうする?適温は?エアコンを使った暑さ対策方法と便利グッズ |
・荒鳥とはどんな状態の鳥のこと?なつかないインコや文鳥を手乗りにする4つの方法 |