荒鳥とはどんな状態の鳥のこと?なつかないインコや文鳥を手乗りにする4つの方法

2022.04.04

荒鳥とはどんな状態の鳥のこと?なつかないインコや文鳥を手乗りにする4つの方法

こちらの記事では、「荒鳥(あらとり・あらどり)」と呼ばれる警戒心が強いインコや文鳥と仲良くなる方法を解説していきます。 「成鳥でお迎えしたらなついてくれなかった。」「手乗りとしてお迎えしたけど触らせてくれない。」など、 手を怖がる荒鳥になってしまうと、掃除や病院などのお世話もスムーズにいかず不安になりますよね。荒鳥の接し方のコツを知って心の距離を縮めていきましょう。

【目次】
1.荒鳥とはどういう状態の鳥のことをいうのか

2.荒鳥になりやすい種類はいる?
 2-1.環境次第でどの種類でも荒鳥になる可能性がある
 2-2.手乗りにしやすく、なつきやすい種類はいる

3.荒鳥を慣れさせることは可能?
 3-1.ベタ慣れは一旦我慢、程よい距離感をゴールにする
 3-2.荒鳥を慣らす4つのステップ

4.荒鳥を手乗りに近づける方法
 4-1.怖がらせない
 4-2.向こうから近づいてくるのを待つ
 4-3.話しかけたりコミュニケーションをとる
 4-4.視界に入る範囲に居る

5.無理せず程よい距離感で接してあげることが大事
 5-1.焦らずゆっくり
 5-2.その子のペースに合わせる

5.まとめ


荒鳥とはどういう状態の鳥のことをいうのか

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荒鳥とは、人に警戒心をもった人間慣れしていない鳥のことをいいます。
「手乗り」としてペットショップでお迎えして、お店では手に乗ったのに連れて帰ったら手に乗らなくなってしまった鳥を「手乗り崩れ」とも呼びます。

荒鳥の特徴として、このようなものがあります。

  • ケージに手を入れるとパニックになって暴れる
  • 放鳥するとケージに戻せない
  • 噛みつく

いずれもコミュニケーションがとれず、ケージの掃除や放鳥が難しい為、荒鳥は飼育するにあたってデメリットが多い状態です。


荒鳥になりやすい種類はいる?

◆環境次第でどの種類でも荒鳥になる可能性がある

どの種類の鳥も、さし餌を卒業した後に飼い主の手に近づく機会が減ると、次第に人間の手を怖がるようになり荒鳥となってしまいます。
特に、ホームセンターなどのペットショップ以外で販売されているセキセイインコや、一人の時間が長い鳥は、人の手を見る機会が減ってしまうので荒鳥になる可能性があります。

十姉妹やキンカチョウは同じ種族でグループを作る習性があるため、荒鳥まではいかなくても手乗りに育てるのは難しい種類といわれています。鑑賞用のペットとして人気があります。

◆手乗りにしやすく、なつきやすい種類はいる

どの種類の鳥も荒鳥になる可能性はありますが、初心者の方は比較的なつきやすい種類を選ぶのがおすすめです。ペットとして1番人気のセキセイインコは好奇心旺盛ですが、意外とドライな性格で気分によって距離感が変わります。

・文鳥

明るく活発で、好奇心旺盛な性格の鳥です。手乗りとして育てられた子が多く、初心者の方でも育てやすい品種です。

・マメルリハ

セキセイインコよりも仲間意識が強く、一度慣れるとベタ慣れという状態になり、飼い主によく甘えてくるようになります。甘えん坊の反面、攻撃性も強いので荒鳥になってしまうと関係の修復が難しくなってしまいます。嫌がることをしないで、毎日放鳥の時間を確保できる方におすすめの品種です。

・オカメインコ

セキセイインコより大型でおしゃべりや歌を覚えるのが得意な品種です。
遊ぶことが大好きなので、人にも怖がらずになついてくれます。
オカメインコはパニックを起こしやすいので、荒鳥になってしまうとケガなどの危険性があります。
さし餌を卒業したあともたくさん遊んであげましょう。


荒鳥を慣れさせることは可能?

荒鳥を慣れさせることは可能です。しかし、即効性のある方法はないので荒鳥と向き合って少しずつ距離を縮めていくことが近道となります。また、鳥によって性格の違いがあり、性格によって慣れる期間も度合も変わっていきます。こちらでは、荒鳥を慣れさせる過程を解説していきます。

◆ベタ慣れは一旦我慢、程よい距離感をゴールにする

荒鳥になると少なからず警戒心があるので、手のひらでお昼寝したりするベタ慣れ状態まで慣れさせるのは難しいでしょう。また、鳥の性格によってはあまり触られたくない鳥もいます。
荒鳥を慣れさせるには長い時間が必要で、目安としては最短で半年ほどかかります。
「早く仲良くなりたい」と、ステップを飛ばしてしまうといつまでも荒鳥を慣らすことができません。まずは、声を掛けると近づいてきたり、手を怖がらない段階まで慣れることをゴールにしてみましょう。

◆荒鳥を慣らす4つのステップ

  • ①ケージの外から話しかける
  • ②ケージの扉を開けて、自分から出てくるのを待つ
  • ③手からおやつをあげる
  • ④そっと手を近づける

それぞれの段階で荒鳥が怖がらなくなったら次のステップに挑戦していきましょう。
話しかけて近づいてくるようになれば、鳥かごの外に興味を持ち始めます。このとき、前開きの止まり木がついたケージなら鳥がスムーズに出やすくなります。

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ケージの外まで出てくるようになったらおやつをあげてみましょう。最初は小松菜など手から離れて食べられる野菜がおすすめです。見たことがない食べ物だと怖がってしまうので、ケージ内に置いて慣れさせておくと良いでしょう。
手は美味しいおやつをくれると覚えてくれたら、いよいよ手を近づけてみましょう。

荒鳥になると、このステップ通りにスムーズに進むのは難しく、進んでは前のステップに戻るの繰り返しかもしれません。
それでも、鳥に合わせて少しずつ進めていけば慣らしていくことができます。
次の項目で、具体的に荒鳥を手乗りに近づける方法を解説していきます。


荒鳥を手乗りに近づける方法

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懐かなくて手が付けられない荒鳥を、実際にどのようにして手乗りにしていくかのポイントを解説していきます。

◆怖がらせない

荒鳥が噛みついたり、威嚇してくるのは単純に「怖い」からです。
小鳥はもともと捕食される側の生物なので、警戒心が強い動物です。特に、いきなり大きい音を立てたり、上から鷲掴みされることを嫌います。荒鳥は人の手に慣れていないので、鳥かごの中にいきなり手を入れて触ろうとすると警戒して攻撃してきます。
荒鳥の状態の時は、無理に触ろうとせず、餌の交換や掃除などのお世話以外は手をむやみに近づけないようにしましょう。
放鳥してやむを得ず鳥かごに戻す場合や病院に連れていく際に、どうしても手で捕まえないといけない時があります。この時に素手で荒鳥を捕まえてしまうと、手をとても怖がるようになってしまいます。どうしても捕まえる必要があるときは、タオルでそっと包んだ上から捕まえましょう。鳥が暴れても安全で手が見えないので、必要以上に手を怖がらなくなります。噛まれる心配もないので、飼い主にとっても安心の方法です。

◆向こうから近づいてくるのを待つ

荒鳥を慣らすコツは、鳥のペースに合わせて距離を縮めていくことです。
毎日お世話をして、ケージの外から名前を呼んだり話しかけていくとケージの中で飼い主の方へ近寄ってくるようになります。ここで焦って手を近づけてしまうと、また警戒されてしまうので注意が必要です。
餌や水の交換をするときに手を怖がらなくなるまで我慢しましょう。手を怖がらなくなってきた頃に小松菜など、好きな食べ物を手で直接あげてみてください。手から直接食べてくれるようになればかなりの大きな進歩です。

◆話しかけたりコミュニケーションをとる

鳥はスキンシップを取らなくても、おしゃべりでコミュニケーションを取ることができます。
荒鳥でも日光浴をしている時や、おもちゃで遊んでいるときは機嫌よくさえずっています。
名前をたくさん呼んであげたり、「気持ち良いね。」「楽しいね。」と優しく話しかけてあげてください。
お世話をするときも、ケージを開ける前に「ごはんだよ」「掃除するね」と声を掛けてあげることで少しずつ驚かなくなっていきます。
飼い主の声を覚えてくれると、名前を呼べばこちらを気にしてくれるようになります。

◆視界に入る範囲に居る

鳥かごの近くで静かに一緒にいることで、攻撃してこない人と認識してくれます。たまに声を掛けてあげると少しずつ仲間だと思ってくれるようになります。
しばらくすると、鳥がこちらをじっとみつめてくることがあります。これは、観察して興味を持っている状態です。
目があったらゆっくり瞬きをしてみましょう。鳥は仲間や好きな人を見ると目を閉じて安心した表情になります。
「私は仲間ですよ、好きですよ。」と伝わるように瞬きしてみましょう。


無理せず程よい距離感で接してあげることが大事

鳥は小さく、繊細な生き物です。しかし、表情も個性も豊かで私たちを癒してくれる優しい性格をしています。
ひとりで遊ぶのが好きな鳥もいるので、「うちの子の個性」として鳥に合った安心できる距離感で接してあげましょう。

◆焦らずゆっくり

荒鳥になるまでには原因と過程があります。人に構ってもらえなかったり、怖い思いをすると荒鳥になってしまいます。鳥は些細なことでもとてもよく覚えています。人間にとっては何ともない出来事が荒鳥になる原因である場合もあります。そのトラウマを解消してあげられるよう、優しくゆっくりと安心してもらえるように心がけることが大切です。

◆その子のペースに合わせる

荒鳥ではない鳥もたまに理由なく噛んでくることはあります。普段は穏やかでも換羽期には機嫌が悪くなる鳥もいます。季節やタイミング、体調によっても性格が変わる鳥は多いので「荒鳥だから」と気にし過ぎるのもよくありません。「今日はどんな気分かな」と、表情や鳴き声を観察してあげて、その子のペースに合わせて距離を縮めていきましょう。


まとめ

荒鳥を慣れさせるポイントは「怖がらせないこと」が大切です。鳥の習性を理解し、表情から気分が分かるようになってくると距離感が分かりやすくなります。荒鳥がケージ越しに近づいてくれた時の喜びはひとしおです。
飼い主さんの喜びを是非鳥たちにも表情と優しい声で伝えてあげてください。荒鳥は環境によって起きる性格の変化なので、荒鳥が安心できる環境になればきっと心をひらいてくれます。とてもゆっくりですが鳥は頭の良い生き物なので、優しさは必ず伝わります。それぞれの子に合ったペースで大丈夫です。ゆっくりと荒鳥の心をほぐしていきましょう。



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