1.うさぎと犬は一緒に同居できる?
2.犬はどんな動物?
2-1.うさぎとの同居を避けたほうがいい犬種
4.うさぎと犬を同居させる方法
4-1.初対面ではうさぎはケージ、犬にはリード
4-2.最初の頃は飼い主さんが監視する
4-3.部屋を分ける
4-4.犬のしつけをしておく
4-5.食事は別々にする
うさぎと犬は一緒に同居できる?
うさぎと犬が仲良く同居している生活…うさぎも犬も飼いたい人にとっては憧れの光景ですよね。
うさぎには、他の動物との共存が向いていないイメージがあるかもしれませんが、犬と同居することは十分に可能です。
お互いの相性が良ければ、種の違いを超えてとても仲良くなることもあるんですよ。
ただ、うさぎと犬が一緒に遊べるほど親密になるケースはわずかです。
うさぎと犬は種類も習性もまったく違います。仲良くなれるとは限りません。同じ家で飼われていても「最後まで仲が険悪」ということもありますし、喧嘩や事故が起こる可能性も十分にあり得ます。
同居できるかどうかは、うさぎと犬の関係性をどう築くかによっても変わってきます。
うさぎと犬が良好な関係を築くには、まず飼い主さんが犬とうさぎの習性を理解し、種類の違う動物が共存できる環境を準備してあげることが必要になってくるのです。
犬はどんな動物?
犬は誰もがよく知る動物ですが、どのような特徴や習性があるのか改めて確認してみましょう。
犬は、オオカミを先祖に持つ食肉類のほ乳類です。社会性が発達していて群れで行動し、群れのリーダーに主従する習性を持ちます。
犬は、早くから家畜として人と生活を共にしてきました。そのため飼い主さんや家族を自分の仲間とみなし、主従する飼い主さんの指示には忠実に従います。そして知能が高く感情が豊かなので、人ともコミュニケーションを取ることができ、しつけや芸もよく覚えます。
捕食動物のため狩猟本能と運動能力が発達しており、ペットして飼われている犬にもその習性が受け継がれています。また、警戒心が強く、自分の縄張りが荒らされそうになると攻撃性を発揮することがあります。
ペットとして飼われていて普段はいくらお利口でおとなしくても、野生の本能が出ることがあるかもしれません。ただ、それはしつけで抑制することも可能です。
犬種によっても性質が多少異なりますが、総じてペットとして飼われる犬には人や仲間に対して愛情深く友好的に接する子が多いでしょう。
◆うさぎとの同居を避けたほうがいい犬種
犬は犬種によってもうさぎとの同居の向き・不向きがあります。
同居を避けたほうがよいのは狩猟犬になる犬種です。小動物を獲物とみなして、吠えたり追いかけたり捕まえたりするタイプです。また、神経質でよく吠えるタイプの犬もうさぎにストレスを与えるので同居は不向きといえるでしょう。
個体によってはうさぎと仲良くできる子もいますが、以下の犬種については同居を慎重に検討する必要があります。
狩猟犬
ダックスフンド・ハウンド・ポインター・セター・ラブラドールレトリバー・中型の日本犬
よく吠える犬
テリア・ポメラニアン・ビーグル・ダックスフンド
うさぎはどんな動物?
うさぎはどのような動物なのでしょう。特徴や習性について、犬との違いを比べてみましょう。
うさぎは、ウサギ目ウサギ科に属する小型のほ乳類です。捕食される側にある草食動物で、天敵の肉食動物に襲われないよう常に周りにアンテナを張り巡らせています。そのため性質は臆病で繊細、ストレスにも弱いです。
私たちがペットにしているのはアナウサギを家畜化したもので、さまざまな品種が開発されています。
アナウサギは巣穴を作って群れで暮らす動物です。そのため犬と同様に社会性が発達しています。うさぎは人にはよくなつき、自分の仲間と認識した飼い主さんや家族に友好的な態度を示します。
また、犬のようにしつけや芸を覚えることは難しいのですが、学習能力が高く飼い主さんの生活にもある程度順応します。
ただし、犬のように飼い主さんに主従する習性はありません。どちらかというと人よりも優位に立とうとすることが多く、飼い主さんに媚を売るようなこともないでしょう。
基本的に性格はおとなしく温和ですが、自己主張が強く、嫌なことをされたり縄張りに入られたりすると怒って反撃します。相手が自分より大きな動物でも、強烈なタックルやパンチを繰り出すこともあるでしょう。
感情をストレートに表現する犬と異なり、このようにうさぎはちょっとわがままでマイペースな一面もあるのですが、ストレスを感じるとすぐ体調を崩してしまうほどとても繊細です。
知らない動物の気配、音やにおいなどちょっとした刺激にも反応して体調を崩し、食欲不振や消化管うっ滞などを起こしやすくなります。
ただし個体差があり、好奇心の強い子やおおらかな子は、犬がいてもケロッとしていることもあります。
うさぎと犬を同居させる方法
うさぎと犬が同居するということは「捕食する側」と「捕食される側」の動物が同じ空間に居合わせることになります。
ですから、うさぎと犬を一緒に飼う場合は、その捕食関係を断ち切って「同じペット仲間」という関係性を築くことが課題になっていくのです。
◆初対面ではうさぎはケージ、犬にはリード
うさぎと犬を対面させる時、いきなり同じ空間で野放しにしてはいけません。興奮した犬がうさぎを追いかけ回す可能性があり、危険です。互いが慣れるまでは、うさぎと犬の間には一定の距離を置きましょう。
初対面ではうさぎはケージに入れ、リードにつないだ犬をケージのある部屋に連れてくる形が望ましいです。
もし初対面で、うさぎが襲われたり怖い思いをしたら、以後は同居が難しくなります。
初めは、どちらも相手を警戒して神経が過敏になっています。自分以外の動物の匂いや声がすることすらストレスを感じるので、まずは互いの存在を覚えさせ、徐々に慣らして安心させることが必要となります。
◆最初の頃は飼い主さんが監視する
うさぎと犬が互いの存在に慣れてきて、近くでリラックスして過ごせるようになったとしても、飼い主さんがその場にいて監視しましょう。何かのはずみで犬がうさぎにケガをさせる可能性もあるからです。
できれば最初の頃は犬にリードをつけ、犬が興奮してうさぎに飛びかかろうとした時、引っ張って制止できるようにしておきましょう。また、うさぎが避難できるよう、近くにはケージかキャリーを置いておくことがのぞましいです。
◆部屋を分ける
うさぎと犬のケージはそれぞれ別の部屋に設置し、一緒に遊ぶ時だけ同じ空間で過ごさせるようにします。
うさぎも犬も縄張り意識が強い動物なので、縄張りの境界線がはっきりしないとストレスを感じます。それぞれのケージは隔離し、テリトリーをはっきり区別してあげるのがよいでしょう。
部屋を分けておけば、相性が悪くて喧嘩する時、どちらかが感染症になった時の感染予防などにも役立ちます。
◆犬のしつけをしておく
うさぎと会わせる前に、犬にはしっかりしつけをしておきましょう。うさぎをびっくりさせない、誤ってケガさせないためにも、しつけは重要です。
まず、飼い主さんと犬との間にしっかりした主従関係を築き、犬が飼い主さんの言うことを絶対的に聞く状態にしておく必要があります。そのうえで、うさぎの前で「ふせ」「おすわり」をして静かにできる、無駄吠えしないようにしつけることが望ましいです。
犬をうさぎに対面させてみて、うさぎにいたずらせず穏やかに過ごすことができたなら、十分にほめてあげましょう。その繰り返しで、犬はうさぎと仲良くすることを学習します。
◆食事は別々にする
食事中はペットにとって重要な時間です。食事中に他の動物が近くにいるとストレスを感じる場合があるので、食事は別々の場所で与えるようにしましょう。
うさぎと犬を仲良しにする方法
うさぎと犬が仲良く同居できるようになるには、とにかく焦らず、時間をかけて慣れさせていくことが重要です。初めの頃は数分だけケージ越しに対面させ、徐々に対面する時間を伸ばしていくとよいでしょう。
おもちゃやかじり木、タオルなど、匂いの付いたものを互いのケージに置くなどして、相手の匂いに慣れさせるのも効果的です。
また、同居でストレスを感じやすいのは捕食される側のうさぎのほうなので、うさぎの立場を優先することも重要です。常にうさぎの様子を観察して少しでもストレスを感じているようなら、すぐ引き離すなどして、犬と一緒にいる時間を減らしてあげましょう。
うさぎは、犬がいても逃げずにじっとしていることもあります。これは犬に無関心な場合と、恐怖のあまり固まってしまっている場合があります。動けないほどのストレスは心身に大きな負担をかけるので、もし怖がっているようなら、その場から早く助けてあげる必要もあります。
うさぎと犬が一緒に同居する際の注意点
うさぎと犬が一緒に同居する場合は、うさぎだけで飼う時にはないトラブルが起こりやすくなります。以下の点にも注意しましょう。
◆感染症に注意する
うさぎと犬を同居させる時は、互いに感染症の病原体をうつさないように注意してください。
感染症の中には、他の動物や人との間で感染が起こるものもいくつかあります。例えば、うさぎと犬の間で感染が起こりやすい感染症には以下があります。
◎パスツレラ感染症
◎ノミ・ダニ
◎皮膚糸状菌症
◎疥癬(かいせん)
もし、犬かうさぎに感染症が発覚したら、感染を広げないようそれぞれを別室に隔離しましょう。
ノミ・ダニや真菌による皮膚病も発生しやすいので、普段からブラッシングを習慣にして、皮膚に炎症がないかこまめにチェックすることをおすすめします。
また、普段からお部屋、ケージ、トイレはこまめに掃除や消毒をして衛生的に保ち、動物、排泄物を触ったら毎回よく手を洗うことも大切です。
動物の数が増えるだけ感染症のリスクは高まります。予防接種や予防薬の投薬、定期的な健診によって、犬とうさぎの健康管理を行いましょう。
◆相性が悪い場合は隔離を
うさぎと犬が仲良くなれるよう努力しても距離が縮まらず、一緒に過ごせる状態になれないことも少なくありません。
仲が険悪な場合は、無理に仲良くさせようとせず、それぞれ別の部屋で飼育していくことをおすすめします。
うさぎや犬が「相手のことを気に入らない」と思っているのに、飼い主さんが対面させ続けると、うさぎや犬はストレスを感じながら過ごすことになります。
うさぎと犬の仲良し生活は実現できなくなりますが、はち合せた時に起こる喧嘩、慢性的なストレスによる体調不良が防げます。うさぎと犬、飼い主さんが幸せに過ごせる最良の方法を選びましょう。
まとめ
うさぎと犬が仲良く暮らしている様子は平和で微笑ましく、種を超えた友情や愛情には感動すら覚えることがあります。
ただ、その光景を見たいからと言って、人間の都合や好奇心でうさぎと犬を無理やり同居させることは控えてくださいね。
ペットは1匹いるだけでも十分に幸せです。動物の幸せを一番に考え、慎重に検討することをおすすめします。
– おすすめ記事 –
・うさぎとモルモット、一緒に飼ってはいけない?それぞれの特徴と飼育するときの注意点を解説! |
・うさぎは多頭飼いできる?性別の相性や複数飼育の注意点を徹底解説! |
・犬や猫と同じように一緒に寝られる小動物はいるの?抱っこできる小動物5種をご紹介! |
・飼いやすい小動物の基準と選び方。初心者にも飼いやすいおすすめの小動物6選 |