1.ハムスターにペレットが必要な理由
1-1.ハムスターの体に必要な栄養素が摂れる
1-2.個体に合わせた栄養が摂れる
1-3.体型の管理がしやすい
1-4.歯の伸び過ぎを防ぐ
2.ハムスターがペレットを食べなくなる原因
2-1.ペレットの味に飽きた・・・
2-2.ペレットよりおいしいものを待っている!
2-3.体調が悪い、ストレスを感じている
2-4.歯に異常がある
2-5.はじめてのフードに戸惑っている
3.ハムスターがペレットを食べなくなった時の対処法
3-1.細かく砕いて与えてみる
3-2.ふりかけを少量かけてみる
3-3.ふやかして与えてみる
3-4.切り替え前のペレットを混ぜる
ハムスターにペレットが必要な理由
ハムスターには、主食としてハムスター専用の「ペレット」を与えます。ペレットとは、その動物に必要な栄養素がバランス良く配合された人工飼料のことです。
野生のハムスターは草食性に近い雑食性で、草、果物、昆虫などさまざまなものを食べて生きています。それに対し、ペットのハムスターはペレットを主体とした食事がすすめられています。なぜ主食はペレットがよいのでしょう。
◆ハムスターの体に必要な栄養素が摂れる
ハムスターの丈夫な体を作り健康を維持するためには、たんぱく質、脂質、カルシウムや鉄などのミネラル、ビタミン類、食物繊維が過不足ないように与える必要があります。
とはいえ家庭でハムスターのためにさまざまな食品を調達し、栄養バランスの完璧な食事を用意するのは簡単なことではありません。
そこで主食にすすめられるのが、人工飼料のペレットです。ハムスター専用のペレットは、雑食性動物のハムスターが食べるさまざまな食材を混ぜて固形状にしてあります。
これひとつで体に必要な栄養素が全てまかなえる「総合栄養食」になっているので、ペレットと飲み水を与えるだけでもハムスターを飼育することは可能となります。
◆個体に合わせた栄養が摂れる
ハムスターは品種や個体によって体調や体の大きさが少しずつ異なり、それぞれのハムスターに合わせた食事の準備が必要です。
ハムスター専用のペレットにはさまざまなタイプがあるので、おうちのハムスターに適したものを選ぶことができます。
たとえばゴールデンハムスターとジャンガリアンハムスターでは嗜好性や体に必要なエネルギーの量が異なるため、ゴールデン専用とドワーフ専用のペレットはそれぞれ原材料や栄養の組成にも違いがあります。
また、ペレットの硬さも選べるようになっています。ハードタイプは硬いのでハムスターの歯の伸び過ぎを防ぎますし、ソフトタイプ(半生タイプ)は柔らかいので噛む力の低下したハムスターも食べやすくなっています。
◆体型の管理がしやすい
ハムスターは食欲旺盛なため、ハムスターの食欲に任せてエサを与えていると、あっという間に肥満になってしまいます。そのため食事はカロリーコントロールが必要です。
ペレットはグラムあたりのカロリー(エネルギー)が明確で、必要な分だけ計量して適量を与えることができるので、うっかり食べ過ぎやカロリーのとり過ぎになる心配がありません。
◆歯の伸び過ぎを防ぐ
ハムスターの切歯(前歯)は常に伸び続けるため、硬いものをかじってすり減らす必要があります。
固形のペレットは程よい硬さがあるので、噛む時に切歯が適度にすり減らされ、歯の伸び過ぎを防ぐことができます。
ハムスターがペレットを食べなくなる原因
ハムスターは基本的に食欲が旺盛なので、ペレットを食べなくなると飼い主さんも心配になりますよね。
実はハムスターにも好みや食欲の変動があるため、時にペレットを食べなくなることも珍しくはないようです。では、ハムスターがペレットを食べない場合、どのような理由が考えられるのでしょうか。
◆ペレットの味に飽きた・・・
ハムスターは味覚がある程度発達しており、個体によって味の好みやこだわりも違います。そのため同じペレットを食べ続けていると、味が単調で飽きてしまうこともあるようです。これは人間も一緒なので、仕方がないかもしれませんね。
◆ペレットよりおいしいものを待っている!
副食を与え過ぎると、ペレットを食べなくなることがあります。
食品には、嗜好性の高いものとそうではないものがあります。一般には、糖分や脂質、たんぱく質を多く含むほど嗜好性が高くなり、ハムスターの場合は脂肪分を多く含むヒマワリの種、糖分の多いおやつなどがそれにあたるようです。
これら嗜好性の高い食べ物は、どうしてもペレットよりおいしいため、ハムスターはペレットを食べずおいしいものばかり選んで食べるようになります。
当然、おいしいものでお腹がいっぱいになればペレットは食べなくなりますし、一度おいしいものの味を覚えると、もらえるのを待つようにもなります。
しかしながら副食の食べ過ぎは良くありません。栄養のバランスが崩れる、肥満や生活習慣病などのリスクが高まります。
◆体調が悪い、ストレスを感じている
ハムスターはストレス、体調不良が原因で一時的に食欲が低下し、ペレットを食べなくなることもあります。
ハムスターの体はとてもデリケートなため、ちょっとしたことでストレスを感じて胃腸の機能が低下し、食欲不振が起こりやすくなります。
・暑さ、寒さ、気温の寒暖差
・外部の刺激(音、におい、光など)
・過剰なスキンシップ
・運動不足
・体調不良、老化
◆歯に異常がある
ハムスターは、歯に問題があると硬いものがかじれないため、ペレットを食べなくなってしまいます。
ハムスターに起こりやすい歯のトラブルには、不正咬合(歯の噛み合わせが悪くなる)や切歯過長(前歯の伸び過ぎ)、切歯破折(前歯が折れたり欠けたりする)などがあります。
また、ハムスターはシニア期(1歳半~)に入ると噛む力が徐々に低下し、硬いペレットが食べられなくなっていきます。
◆はじめてのフードに戸惑っている
食べたことのないペレットを与えた時は、今までのペレットと違うにおいや味に戸惑って食べないこともあります。特に、ほかのフードに切り替えたばかりの時に多くみられます。
ハムスターにも食べ物の好みがあるため、新しいペレットの味やにおいが好きではなかったり、原材料に苦手な食べ物が使われていたりして、ペレットを受け付けないことがあるようですね。
ハムスターがペレットを食べなくなった時の対処法
ハムスターが主食のペレットを食べないと、体に必要な栄養が摂れなくなって弱ってしまう可能性も出てきます。
もしハムスターがペレットを残していたら、ペレットが食べられるような工夫をしてあげましょう。ここでは、ペレットを食べなくなった時の対処法を紹介していきます。
◆細かく砕いて与えてみる
まずは、普段与えているペレットを細かく砕いて与えてみましょう。
砕くとにおいが出て、ハムスターの食欲を亢進させることがあります。また砕いたペレットなら、噛む力が低下しているハムスターも食べやすくなります。
◆ふりかけを少量かけてみる
ハムスターがペレットに飽きてきた場合、暑さや寒さで食欲が一時的に低下している場合には、ペレットにふりかけを少量かけて目新しい味にしてみるのもおすすめです。
ふりかけには小動物用フードを利用するほか、乾燥野菜を細かく砕いてペレットに混ぜてもよいでしょう。
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太陽の恵みをたっぷり受けた数種類の新鮮野菜にニンジンをミックスした満足サラダです。
キャベツ・ニンジン・ニンジンの葉・セロリを乾燥させたヘルシーなフード。野菜の香りがハムスターの食欲を亢進させます。
小動物のためのおいしいパウダー ブオナヴェルメ ミルワームパウダー 50g
新鮮なミルワームをそのまま乾燥させ、粉末にしました。
ハムスターが喜ぶミルワーム100%のパウダーです。嗜好性を高め、体づくりに必要なタンパク質も強化します。
◆ふやかして与えてみる
ハムスターの噛む力が低下してハードタイプのペレットが食べられなくなった場合は、ペレットをふやかして柔らかくすると、ハムスターが食べてくれるようになる可能性があります。
ペレットは少量のお湯をかけてふやかしてから、ケージ内の食器に入れてあげます。商品によっては、ふやけるまでに時間のかかるものがあります。その場合は、お湯をかけて少し柔らかくなってからつぶして細かくすると、ふやかしやすくなります。
ペレットは、丸めて団子にできるくらいの柔らかさにするとよいでしょう。ドロドロになるまで水分を加えると、ハムスターが水分のとり過ぎで下痢をしやすくなります。
また作り置きはせず、1回分ずつふやかしたものを与えるとよいでしょう。作ってから時間が経つと、香りがとんでおいしさが半減しますし、水分を含んで傷みやすくなるためです。ケージ内の食べ残しも早めに取り除きましょう。
◆切り替え前のペレットを混ぜる
ペレットを切り替えたとたんに食べなくなった場合は、急にペレットの味が変わって戸惑っている可能性があります。
ペレットを切り替える際は、切り替え前のペレットを混ぜたものを与え、徐々に切り替え前のペレットを減らして新しい味に慣らしていくと、切り替えがスムーズにできます。
ペレットもおやつも食べない場合は即病院へ!
ハムスターの食欲が急に落ちた時は注意が必要です。
「ペレットを変えた」「環境が変わった」などの思い当たる理由がないのに、急にペレットを食べなくなり、おやつなどの好物すら見向きもしない場合は、病気やケガが原因になっている可能性が考えられます。
◆すぐ受診を
ハムスターの食欲が急に落ちてペレットも好物も受け付けなくなった場合は、胃腸の機能が低下している、または、病気やケガによる痛みや皮膚炎のかゆみが食欲を低下させている可能性が考えられます。
ハムスターは体が小さく衰弱しやすいので、そのままにしておくと体調が悪化して命にかかわるケースも出てきます。すぐ動物病院を受診しましょう。
◆隠したエサもチェックして
ハムスターがもらったエサを毎回食べ切っているとは限りません。エサをもらった時に後で食べようと思って頬袋に詰め込み、巣箱などに持ち帰ったまま忘れてしまうこともあります。
巣箱などに貯め込んだペレットやおやつがそのまま放置されると、ハムスターの栄養のバランスが偏ったり、放置されたエサが時間の経過で傷んでしまったりして良くありません。
実際にハムスターがどの程度エサを食べているか、食事の状況を把握することが大切です。痩せてきていないか、定期的に体重をはかることをおすすめします。もし容器のペレットが減っていたとしても、2~3日に1回はケージ内をくまなく探して、隠したエサがないか確認もしておきましょう。
まとめ
人間と同様に、ハムスターの健康も食事が基本となります。もし主食であるペレットを食べなくなったら、栄養が不足して衰弱しやすくなってしまいます。
ハムスターがペレットを食べなくなった場合は、すみやかに原因を見つけて取り除き、ペレットを食べやすくするなどの対策を取って食事をしっかりサポートしてあげましょう。
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