ハムスターにほうれん草を与えても大丈夫?シュウ酸の問題と適切な与え方

2022.05.11

ハムスターにほうれん草を与えても大丈夫?シュウ酸の問題と適切な与え方

私たちの食卓に上がることの多いほうれん草。ハムスターに食べさせてよい野菜なのか気になる方も多いでしょう。ほうれん草は栄養価の高い野菜ですが、注意しなければならない成分も含まれています。この記事ではハムスターにほうれん草を与える際に是非知っておきたい注意点、適切な与え方について説明していきます。

ハムスターにほうれん草を与えても大丈夫?

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ほうれん草は野菜の中でも栄養価が高いうえ、一年を通して入手しやすくて値段も手ごろです。このように食材として魅力的なほうれん草を、ハムスターにも与えることができるのでしょうか。

◆基本的にはハムスターが食べても大丈夫な食べ物

日本の食卓ではとてもなじみのある野菜、ほうれん草。ハムスターが食べてもよいとされていますが、意見がわかれる野菜でもあります。
基本的に、ハムスターにはあえてほうれん草を食べさせる必要はありません。場合によっては、ほうれん草を食べることで健康を害してしまう可能性があるためです。

ほうれん草は、あくまでもハムスターの食事の幅を広げるため補助食やおやつの一部として、適量を守って取り入れることをオススメします。

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◆尿路結石の原因になることも

ハムスターにほうれん草を与える際、注意しなければならないのが「ほうれん草を食べると尿路結石のリスクが高まる」という点です。

ほうれん草には、アクや「えぐみ」の元となる「シュウ酸」が大量に含まれ、シュウ酸を摂取し過ぎると「尿路結石」を発症するリスクが高くなってしまいます。

尿路結石は、尿路(腎臓、膀胱、尿道)に結石ができて炎症を起こす病気です。尿中で、カルシウムなどのミネラルがシュウ酸と結合して結晶化し、大きくなった結石が尿路で炎症を起こして血尿や下腹部の激痛、排尿困難などの症状を引き起こします。

人間、犬や猫などにも比較的多い病気なので、ご存知の方、経験したことのある方も多いと思います。特にハムスター、うさぎやモルモットなどは尿中にカルシウムが多く排出されるため、カルシウム系の結石ができやすい状態になっているのです。

もし結晶成分が生じても、大きくなる前に尿と一緒に体外に排出してしまえば発症に至ることはありません。

しかし、ハムスターはもともと給水量と尿量が少ないため、尿路結石の発症リスクが高くなりやすいのです。

ほうれん草を食べること自体は問題ありません。少し食べただけですぐ結石ができるわけでもありません。ほうれん草を定期的に食べたり、一度にたくさん食べたりするのが危険といえるのです。

ほうれん草を与える際は、ハムスターが食べても差し支えない量を知り、上手に食事に取り入れていくことが課題となります。

◆ハムスターが食べるほうれん草の適量は?

ハムスターに与えるほうれん草の適切な量は、1回に付き1g程度を月に1~2回程度です。

生のほうれん草1gは、葉なら3cm角程度に切ったもの、茎なら長さ2cm程度に相当します。

ついつい葉1枚くらいをハムスターに渡してしまいがちですが、ハムスターの適量はこのようにほんの少量です。ご家族とも情報を共有し、ほうれん草の与え過ぎにならないようにしたいですね。

◆味付けしたものは与えない

ハムスターには、味付けを一切していないほうれん草を与えます。

たとえば、普段食べるほうれん草のおかずをハムスターに少しおすそ分けするのはNGです。ペットが人間用に味付けしたものを食べると糖分、塩分のとり過ぎになってしまいます。


ハムスターにはほうれん草をどのように与えればいい?

ほうれん草は、葉、茎ともハムスターに与えてOKです。新鮮で傷みのないもの、品質の良いものを選んでくださいね。与えるタイミングは、飼い主さんが料理用に入手したときハムスターに少しおすそ分けする程度が便利です。

ほうれん草は通常アクを抜くために茹でてから使いますが、ハムスターにはどのような形で与えればよいのでしょう。

◆生のほうれん草は?

ほうれん草に含まれるビタミンCや葉酸は茹でると損失されるため、生で食べるほうが栄養を丸ごと摂取できます。

ただし、生のほうれん草にはシュウ酸が多く含まれるので、積極的に与えることはおすすめしません。尿路結石のリスクが高まりますし、食べたとき口の中がきしきしするような「えぐみ」があるからです。

もし与える場合は、よく洗浄して水に5分以上漬けてから、ごく少量を与えるようにしましょう。

または、生食用の「サラダほうれん草」を与えるのがおすすめです。サラダほうれん草はシュウ酸が少なく、アク抜きしなくても生食できるので、適量ならハムスターにも安心して与えることができます。

なお、生のほうれん草を与えるときは、よく洗浄して汚れをしっかり落とすことが大切です。株の内側や茎の根元に泥やゴミが付いていることがあります。汚れが心配ならば、根元以外の茎や葉先を与えるとよいでしょう。

◆茹でたほうれん草は?

ハムスターには茹でたほうれん草を与えるのがおすすめです。ハムスターに与える量は生で与える場合の適量に準じ、1回1g相当としておきます。

ほうれん草に含まれるシュウ酸は、茹でてから水にさらすことで8割以上抜けるといわれます。茹でることで損失される栄養もありますが、シュウ酸のとり過ぎになる心配がぐっと減るので、ハムスターにも安心して与えられるようになります。

ほうれん草は、鍋に湯を沸かし、塩を一つまみ入れてから、ほうれん草の根元のほう半分だけを30秒ほど茹でます。その後、残りの葉先もすべて鍋に入れて30秒ほど茹でます。茹でたほうれん草はボウルに入れた冷水に漬け、引き上げてから水気をよく絞って、食べやすい大きさにカットします。(ハムスターに与えるほうれん草はよく洗い、塩分が残らないようにしましょう。)

◆冷凍のほうれん草は?

市販の冷凍ほうれん草、自宅で冷凍したほうれん草は、積極的にハムスターに与える必要はないものですが、与えることは可能です。

市販の冷凍ほうれん草は、ブランチング(軽く火を通してから急速冷凍すること)が施され、そのまま料理に使用できるようになっています。ただ、しっかり茹でてシュウ酸を除去してあるわけではないので、体の小さなハムスターに与える場合は、流水で解凍するか加熱後に水にさらすなどして、もう一度アク抜きしたほうが安心できます。

自宅で冷凍したほうれん草を使用する場合も、水に漬けてアク抜きしたものを与えるようにしましょう。


ほうれん草はハムスターにわざわざ与えなくても良い野菜

ほうれん草は栄養価が高くハムスターに手軽に与えられる野菜ですが、あえてハムスターに食べさせる必要もありません。

それは、ハムスターの場合「ほうれん草で栄養が補える」というメリットよりも「尿路結石のリスク」のほうが心配だからです。

ハムスターは尿路結石のリスクが高いこと、ハムスターに与えてよい野菜はほうれん草以外にもたくさんあることから、できればほうれん草以外の野菜をメインに与えることが望ましいといえるでしょう。

◆ほうれん草が体に良いといわれる理由

ほうれん草を与えるメリットについても紹介しておきます。ほうれん草の強みは、総合的に栄養価が高いところです。緑黄色野菜の代表格で、昔から「体に良い野菜」といわれてきました。

ほうれん草は、特にβ-カロテン、葉酸、ビタミンC、カリウム、鉄を豊富に含みます。特にβ-カロテンと葉酸が豊富で、β-カロテンの摂取による粘膜や皮膚を丈夫にする効果、葉酸、鉄の摂取による貧血を予防する効果が期待されます。

またほうれん草は、にんじんやさつまいもなどに比べてカロリーや糖質が少ないという点で、肥満になりやすいハムスターには嬉しい野菜といえるでしょう。

◆ほかの野菜でもOK

ハムスターは、ほうれん草以外の野菜でもしっかりと栄養を補給することができます。

ハムスターに推奨できる野菜は

  • キャベツ
  • ブロッコリー
  • にんじん
  • 小松菜
  • チンゲン菜
  • サラダ菜
  • かぼちゃ

などです。

にんじん、かぼちゃはβ-カロテン、ブロッコリーやキャベツにはビタミンCが豊富に含まれます。また鉄分やカルシウムは、ほうれん草よりも小松菜やチンゲン菜に多く含まれています。

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なお「ほうれん草は鉄分が多い」と思われがちですが、実はそれほど多くありません。以下のデータをご覧ください。

*ほうれん草の鉄の含有量(100gあたり)
パセリ 7.5g
サラダ菜 2.4g
小松菜 2.1g
ほうれん草 0.9g

もしもハムスターが妊娠中、授乳中などで鉄分を与えたい場合には、ほうれん草より鉄の含有量が多い野菜、または植物性食品より鉄が吸収されやすい動物性食品(煮干し、ミルワームなど)を選ぶこともおすすめします。

もちろん、どんな食べ物でも同じ物ばかり食べ続けると栄養が偏ります。さまざまな食べ物を、ローテーションで与えるようにしたいですね。

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ほうれん草に含まれるシュウ酸について

ほうれん草に含まれるシュウ酸について説明しておきます。シュウ酸はさまざまな植物に含まれる成分で、特にアカザ科(ほうれんそう、おかひじき)やサトイモ科(サトイモ、コンニャクイモ)などに多く含まれます。

シュウ酸自体は体に必要な栄養成分ではなく「えぐみ」や口の中の不快感を引き起こすことから、シュウ酸の多い野菜などは下処理としてアク抜きが施されます。

野菜の中で特ににシュウ酸が多いのはほうれんそうなので、ほうれん草はしっかりアク抜きをすることが大切です。

なお、ハムスターに与える可能性がある食材では

  • バナナ
  • キャベツ
  • アーモンド
  • ピーナッツ
  • さつまいも

などにもシュウ酸が含まれます。

ただ、これらに含まれるシュウ酸は、ほうれん草の半分以下になっているので、神経質に避ける必要はありません。

人間の場合は「尿路結石を防ぐには、カルシウムを一緒に摂取するとよい」ともいわれます。カルシウムの多い食べ物にはチーズ、煮干し、高野豆腐などがあります。ただ、ハムスターの場合は、一緒に与えると間食だけで高カロリーになりやすい点に注意してください。

気を付けたいのは食べ合わせです。シュウ酸が含まれる食べ物ばかり与えると、その積み重ねでシュウ酸のとり過ぎになってしまいます。シュウ酸が含まれている食べ物にはどのようなものがあるかを知り、重複を避けながら適量を与えることが重要となります。


まとめ

ほうれん草そのものは栄養価が高い優秀な野菜です。ただし、アクの元シュウ酸が多く含まれ、習慣的に食べていると尿路結石のリスクが高まります。この問題が大きいため、ハムスターに積極的に与える必要はないものだと考えられます。
もちろん、少し食べただけですぐ健康を害するわけではありません。おいしいほうれん草が手に入ったとき、適量を守ってハムスターに賞味させてあげるのが丁度よいのではないでしょうか。



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