1.オカメパニックってどんなもの?
1-1.穏やかと臆病が同居する性格
1-2.最大級に錯乱している状態のこと
1-3.ひどければ、死に至ることも…
1-4.オカメパニックには飼い主もびっくり
2.オカメパニックはこんな要因で起こる
2-1.普段聞き慣れない物音
2-2.見知らぬ動物なども引き金となる
2-3.地震の揺れでも驚くオカメインコ
2-4.突然光る現象にも注意
3.オカメパニックが起こったときの注意ポイント
3-1.声をかけて落ち着かせる
3-2.ケガの様子を確認しましょう
4.オカメパニックの予防法・対処法はあるの?
4-1.シーンとした環境を作らない
4-2.真っ暗闇にしない
4-3.夜間はケージにカバーをする
4-4.ぶつかったときのための環境作り
4-5.少しでも臆病を和らげる工夫
4-6.その都度オカメインコの様子をチェックしよう
オカメパニックってどんなもの?
“オカメパニック”という言葉を初めて聞いた方もいれば、「噂には聞いているけれど詳しく知らない」という方もいるかと思います。
オカメパニックはオカメインコに起こります。
オカメインコの性格や、パニックの状態がどんなものか見ていきましょう。
◆穏やかと臆病が同居する性格
オカメインコの名がつけられた由来は、頬にある赤く丸い部分が「おかめ」を連想させることからきています。
つぶらな瞳とポッと染まった赤い頬は、とても可愛らしい顔立ち。
見る人の心を癒してくれますよね。
オカメインコの性格は温厚で大人しく、人間にもなついてくれる鳥として人気があります。
ただ、そもそもインコは自然界では肉食動物のターゲットとなりやすい鳥。
敵から身を守るためのセンサーが発達していますから、かなり臆病です。
ちょっとしたことにも驚愕するところがあります。
オカメインコは、とてもナイーブな鳥と言えるでしょう。
◆最大級に錯乱している状態のこと
オカメパニックとは、そんなオカメインコがパニックに陥ることを言います。
普段は大人しいオカメインコが何かに驚いたとき…、いつもの落ち着きぶりはなく、真逆とも言えるくらい動き回ります。
“暴れまわる”という表現のほうがしっくりくるかもしれません。
元々、オカメインコはとても臆病で少しの刺激でも驚きやすいからです。
何かにびっくりしたオカメインコは、急に飛び立ち、その場から逃げようとします。
自然界なら「敵から狙われる」と一目散に空に向かって逃げればいいですが、飼育環境ではそうはいきません。
飛び回ろうとしても、ケージ内や室内からは逃げ出すことができないのです。
オカメインコ的には「怖いから逃げ出したい!」「居ても立っても居られない!」という心理からの行動で、周りを観察する余裕もないほどです。
結果的に、ケージ内や室内のあちこちに激突しまくるため、ケガをしてしまうのです。
バタバタ・ドタドタと逃げ回るため、特にケージ内の場合、金属にぶつかって流血するほどのケガをします。
◆ひどければ、死に至ることも…
パニックを起こすとき、オカメインコはあちこちにぶつかります。
しかも「ちょっとコツン」ではなく、飛ぶ力が加わり、ぶつかり方もかなり激しいです。
パニックの度合いと飼育環境によってもケガの様子は異なりますが、「羽が取れる」「足が折れる」などをはじめ、ひどければ死んでしまうこともあります。
◆オカメパニックには飼い主もびっくり
飼い主さんが不在のときパニックを起こし、後でオカメインコに血がついてケガをした様子を発見するとびっくりしますよね。
初めて見ると衝撃的な光景かもしれません。
特に、オカメインコにとって「慣れない環境・見聞きするものすべてが初めて!」という、飼ったばかりの時期に起こりやすいでしょう。
オカメパニックはこんな要因で起こる
オカメインコを飼い始めたら「オカメパニックが起こるかもしれない」ことを想定しておくことが大事です。
では、いったいどんな要因で起こるのでしょうか。
◆普段聞き慣れない物音
大きな物音に反応するオカメインコですが、救急車のサイレンや自動車のクラクションなども苦手です。
なかには、テレビから突然聞こえる賑やかな音にびっくりするオカメインコもいます。
お部屋の扉をバタンと閉める音にもびっくりするかもしれません。
また、オカメインコの近くで本を落とした、くしゃみをしたなどの行動でもオカメパニックの引き金となることもあります。
◆見知らぬ動物なども引き金となる
知らない猫が窓の外からこっちを見ていた、カラスが声を出しながら飛んでいたなど、「自分の敵ではないか…!?」と感じるとオカメインコがパニックを起こすことがあります。
飼い主さんのおうちに来る前にペットショップにいれば、知らない動物は見ることがなかったでしょうから“敵”と感じてしまうのかもしれませんね。
◆地震の揺れでも驚くオカメインコ
オカメインコは地震の揺れにも敏感です。
大きい揺れはもちろんですが、人間では気づかないことがある震度1や震度2ほどでもパニックになる子もいます。
大きな地震などきたら、パニックの度合いも高まることでしょう。
特に、周囲が暗くて静かな深夜の時間帯の地震なら、昼間に起こるケース以上にパニックになるようです。
◆突然光る現象にも注意
夜間で暗いときに起こる雷も怖がります。
瞬間的に、暗かった室内がパッと光が放たれる様子は、人間でもびっくりしますよね。
一瞬に起こる光と言えば、窓から感じることができる自動車のライトも同じことが言えます。
特に、道路沿いの住宅で飼われているときは「暗闇+明るい光」とセットで怖がらせてしまう原因となりそうですね。
オカメパニックが起こったときの注意ポイント
オカメインコがパニックを起こしたら、いったいどう対処すればいいのでしょうか。
◆声をかけて落ち着かせる
オカメパニックが起こっていたら、とにかく優しい口調で声をかけてあげてくださいね。
飼い主さんが近くにいることを教えて「慌てなくても大丈夫だよ…」「近くにいるからね」というメッセージを送ってあげましょう。
それには、まず飼い主さんが慌てないことが大事です。
オカメインコと暮らして初めてのオカメパニックの場合、パニックを起こしている様子は尋常ではなく、それを見ている飼い主さんも驚くことでしょう。
しかし、そこで注意したいのは“飼い主さんは冷静に…!”ということです。
飼い主さんがびっくりして「落ち着いて!」「危ないよ!」と大声を出してしまうと、余計にオカメインコが怖がります。
また、ケージ内で暴れまくっているオカメインコを見ると「かわいそう」と出してあげたくなるかもしれません。
しかし、パニックが起きている進行形のオカメインコをケージから出すと、逆にひどくなることもあります。
まずは、落ち着かせることが先決です。
◆ケガの様子を確認しましょう
パニックの度合いにもよりますが、流血するほどのケガをしていれば場合によっては動物病院を受診する必要もあります。
●血が出ていないか
●羽が大量に抜けていないか
●飛ぶ様子はいつもと変わらないか
●食欲は落ちていないか
●いつもと元気は変わらないか
というように、パニック後の健康観察もしてあげてください。
血が出ていれば「ケガをしている」と分かりやすいですが、骨折や打撲のように目に見えないところが負傷しているケースもあります。
パニックを起こした後、「ごはんを食べなくなった」「ほとんど動かない」「ずっと怖がっているようだ」など、明らかにいつもと違った印象を受けたときは注意しましょう。
翼を広げられない様子が見られたら、骨が折れている可能性も考えられます。
オカメパニックの予防法・対処法はあるの?
大切なオカメインコにつらい思いをさせたくないですよね。
オカメパニックは、オカメインコの性格から起こしてしまうパニックですから、完全にゼロにすることは実はできません。
飼っていくなかで「いかに上手に“パニック”と付き合うか」というような工夫で乗り切るしかないのです。
さきほど、オカメパニックを起こす要因をいくつかお伝えしましたから、それをふまえたふえで「パニックを起こしにくくする環境」や「パニックが起きたときの対処法」として飼い主さんが知識として覚えておくことをおすすめします。
◆シーンとした環境を作らない
シーンと静まりかえった環境では、人間でもちょっとした物音もびっくりするものですよね。
オカメインコは、ただでさえ臆病ですから、静か過ぎる環境に慣れてしまうとパニックが起こりやすくなります。
騒々しい環境ではオカメインコが安心して過ごせませんが、逆に静か過ぎると「パニックを起こしやすい性格」になってしまうのです。
“音無し”生活はオカメインコの緊張・不安を増すため、普段からできるだけ音のある環境で過ごすのもいいでしょう。
オカメインコの飼い主さんのなかには、低めに音楽やラジオなどを聞かせるなかで生活させているケースもあるようです。
◆真っ暗闇にしない
お部屋の中が真っ暗だとパニックを起こす子もいます。
オカメパニックは夜間に起こることが多いです。
雷や車のライトも、暗闇となる夜間だからこそ、はっきりと分かる現象です。
少しでも明るくしておけば、驚きも和らぐでしょう。
照明を完全に消灯するのではなく、一番小さな保安灯をつけておくだけでもいいかもしれませんね。
◆夜間はケージにカバーをする
真っ暗闇が苦手…というのは、いきなり光った何かに反応するからです。
そのため、オカメインコの飼育ケージをカバーで囲うのもいいでしょう。
お部屋の外で雷や車のライトが光っても、飼育ケージ内には影響がありません。
◆ぶつかったときのための環境作り
ケージ内でオカメパニックが起こることを想定し、できるだけ大きめのケージを準備してあげましょう。
衝突時に衝撃が少なくなるように、素材にも配慮してあげたいところです。
また、ケージ内に尖ったものを配置すると危険ですから、飼い主さんの判断で“ケガのリスク”をおさえた環境にしてみてくださいね。
◆少しでも臆病を和らげる工夫
なるべくたくさんオカメインコとのコミュニケーションをとるのもいいでしょう。
普段、飼い主さんからほとんど話しかけられないオカメインコの場合、飼い主さんが急に振り向いて言葉を発しただけでもびっくりする要因となるかもしれません。
「おはよう!」「おやすみ!」「今日は天気がいいね!」など、日常的に話しかけるようにすることで大きく反応することが減ってくることもあるでしょう。
また、飼い主さんとのコミュニケーションを通じて、常に安心感のようなものが得られるのかもしれませんね。
これは、いざパニックが起こったときにも、飼い主さんの声を聞いて安心できることにもつながります。
◆その都度オカメインコの様子をチェックしよう
飼育はじめのときは、「こんなにパニックになるなんて!」と飼い主さんもびっくりするかと思います。
あたふたしている飼い主さんも、オカメパニックの回数を重ねるにつれ、「すぐにおさまるだろう…」「いつもケガをするほどではないから」と慣れてしまうかもしれません。
しかし、パニックの起こし方は、要因となるものに「どれだけ驚いているか・恐怖を感じているか」で一回一回異なるものです。
楽観的に考えて、パニックが起こっていると知りつつも、放置していた結果、骨を折っていた…なんていうことも考えられます。
最悪、オカメパニックが死にもつながるものだと心にとめ、その都度、オカメインコの状態をチェックしてあげましょう。
まとめ
ふだんは可愛らしく、おとなしいオカメインコが猛スピードで飛び回っている姿を見ると、飼い主さんのほうが慌ててしまいそうです。
しかし、オカメインコ以上に飼い主さんがパニックになるのはよくありません。
まずは、「大丈夫であることを優しく伝え、オカメインコを安心させましょう。
冷静に、オカメインコのケガの状態もチェックしてくださいね。
また、オカメパニックの完全予防は難しいでしょう。
大きな音やパッとひかる光、サイレン、クラクションなど、日常的に防げない物音や現象が多いからです。
ただ、オカメインコを飼う環境を「できるだけ刺激を受けにくい」ものにすることはできます。
オカメインコを飼い始めたら「オカメパニックが起きるもの」と理解し、愛するペットに合った対策を考えてみてくださいね。
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