オオバタンってどんなオウムなの?
オオバタンは、1989年に絶滅危惧種に指定された、インドネシア(アンボン島、セラム島)固有のオウムです。
野生のオオバタンは、熱帯雨林で16羽以下の群れを作って生活し、昼間に行動します。
オオバタンの黒くて頑丈なくちばしでヤシの実をかみ砕くことも可能。食性は雑食で、果実や種子、昆虫等を食べます。
オオバタンは体長40~50cmと、体重約1キロ弱と大型で、オスよりもメスの方がやや大きめです。
オオバタンの特徴・性格
オオバタンは、白色オウムのなかでは大型で、羽色は白や薄いサーモンピンク、短めの尾と翼の下部は黄色みがかっているのが特徴です。
オオバタンは、社会性が高く、とても明るい性格で、人懐っこく、甘えん坊です。
そのため、飼い主さんが留守をしがちだったり、あまり遊んであげることがなかったりする場合、オオバタンは気を引くためにイタズラをしたり、大きな鳴き声をあげたりすることがあります。
また、ストレスから羽毛を抜いたりするなどの問題行動を起こす場合もあります。
そのため、飼い主さんがお家にいるときは、できるだけケージから出して遊んであげたり、ケージそのものを家族が過ごす場所においてあげたりするなど、オオバタンが視界に入るように心がけてあげましょう。
オオバタンにとって、ケージに閉じ込められることや寂しいと感じることが、非常に大きなストレスなのです。
オオバタンの寿命・病気
オオバタンの寿命は、一般的に50~70年といわれています。
また、ペットとして飼育されているオオバタンでも、上手に飼育することで40~60年ほどの寿命があるといわれています。
オオバタンはとても長生きの生き物なので、最後まで飼育できるか、万が一のときは里親を依頼できる場所があるか、よく考えてからお迎えする必要があります。
そんな、非常に長生きのオオバタンも、白色オウム全般に注意が必要な「PBFD(オウム類嘴羽病)」というウイルス性の羽毛疾患に注意が必要です。
PBFDは、サーコウイルスに感染することによって免疫力が低下する病気で、治療法が確立されていない難病です。
オオバタンをお迎えするときには、PBFD検査が陰性であるかを確認し、お迎え後も年1回はPBFDに感染していないかを検査するようにしましょう。
飼い主さんも、ペットショップなどで生き物に触れた場合は、ウイルスを持ち込んだ状態でオオバタンに触れたりしないよう、十分な感染対策が必要です。
また、常にケージ内を清潔に保つことも、その他の病気を防ぐために重要です。
オオバタンの値段
オオバタンは、日本国内でも繁殖が行われるようになり、ペットショップなどでも購入することができます。
とはいえ、とても希少な鳥であるため、性別や年齢などによっても異なるものの、オオバタンの一般的な販売価格は、70~120万円とかなり高額になります。
オオバタンの鳴き声
オオバタンは、白色オウム特有の「ギャー」や「クアー」といった、人間が雄叫びや絶叫と感じるような大きな鳴き声を発します。
しかも、オウムのなかでも非常に大きな声で鳴く種類のオウムといえます。
オオバタンは、基本的には必要なときにしか鳴きません。しかし、飼い主を呼ぶために鳴いたり、朝や夕方などに鳴いたりすることがあるため、たとえ一軒家であっても、防音対策は必須と考えてください。
オオバタンの鳴き声に対する防音には、次のような対策が考えられます。
●防音アクリルケージを使用する
●防音カーテンを使用する
●防音壁を設置する
●二重扉にする
オオバタンの飼育が難しいと考えるようになる理由のとして、「騒音の問題」が挙げられます。
オオバタンの鳴き声は、ジェット機の騒音に相当するともいわれています。
また、飼い主さんが留守にする時間が長かったり、遊んでもらえず放って置かれたりすると、かまって欲しいあまりに、鳴き声だけでなく、大きな音を立ててアピールすることもあります。
そのため、オオバタンをアパートやマンションのような集合住宅での飼育するのは、かなり難しいといえるでしょう。
オオバタンの飼い方
ここまで、オオバタンの特徴について、ご紹介してきました。
オオバタンは意外に手のかかる生き物であり、飼育には、飼い主さんの心の準備とさまざまな環境の準備が必要になることがご理解いただけたかと思います。
しかし、とても美しく、長く一緒にいられる家族として、お迎えしたいと考えられた方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、そんなオオバタンの飼育に必要なものや飼育の仕方などについて、ご紹介します。
◆ケージ
オオバタンには物を噛む習性があり、くちばしの力も強いので、ケージはステンレス製などの頑丈なものを選ぶ必要があります。
また、オオバタンを飼育するケージは、最低でも、オオバタンが左右の羽を広げた際に、ぶつからないくらいの十分な広さが必要です。さらに、ケージの中で自由に飛び回ったり、遊んだりできる広さがあれば理想的でしょう。
ケージを置くスペースを広く取れると、騒音対策をしやすくなったり、遊ばせるためのスペースを取ったりすることも可能になります。
併せて、防音アクリルケージを活用することで、防音効果を高めることができます。
◆止まり木
オオバタンのケージ内に、止まり木は必須です。
ケージに直接取り付けられるものやスタンド型のものがありますが、大型のオオバタンが安心して使用できる安定感のあるものを選びましょう。
さらに、ケージの外で遊べるように、リビングなど、家族が集まる部屋にオウムスタンドやバードジムなどを準備してあげるものおすすめです。
◆食事
飼育下におけるオオバタンの主食は、大型オウム用の専用ペレットや専用のシードミックス、専用ペレットです。
さらに、主食だけでは足りないカルシウムやミネラルを補うために、ボレー粉・カトルボーン・塩土などを与えてあげる必要があります。
なお、これらは、ペットショップなどで入手することができます。
その他、トマトやパセリ、茹でたカボチャ・サツマイモ・とうもろこしなどの野菜類、バナナ・リンゴ・桃などの果物類、ひまわりの種・落花生・くるみなどの種子類、パン・ニボシなどを好んで食べます。
オオバタンに与えてはいけない食べものとして、玉ねぎ・ニンニクなどのネギ類、アボカドが挙げられます。これらは、中毒を起こす物質を含んでおり、鳥にとっては毒です。絶対に与えてはいけません。
◆温度
オオバタンは、本来、熱帯雨林で生息する生き物です。
そのため、比較的、暑さには比較的強いといえますが、熱中症の危険もあるため、人間が快適と感じる室温を保ってあげるのがベストです。
目安としては、20℃〜27℃くらいに保つようにするとよいでしょう。
◆日光浴・水浴び
オオバタンのようなオウムの仲間は、日光浴をすることでビタミンD3を生成します。
万が一、このビタミンD3を生成できないと、骨や骨格に異常が出ることがあるため、定期的な日光浴が必要です。
また、オオバタンなどの白色オウムは、脂粉(しふん)が多いという特徴があります。
脂粉とは、人間でいうフケのようなもので、尾脂腺から分泌される脂などが白い粉状になり、体を震わせるとフワッと舞い散ったりします。
脂粉が出ることは全く問題なく、むしろ、脂粉が多いのは健康の証ともいえますが、羽毛や身体を健康に保つためにも、定期的に水浴びをさせてあげましょう。
オオバタンを飼う際の注意点
オオバタンは、とても寿命の長い生き物です。
そのため、オオバタンが寿命を迎える間に、飼い主さんが1回や2回変わる可能性もあります。無責任に手放すことのないよう、しっかりと検討してください。
しかも、飼い主さんとの関わりが欠かせない甘えん坊で、ケージに閉じ込めておくことはできません。飼い主さんがかまってくれないと大声で鳴いたり、大きな音を立てて気を引こうとしたりするため、騒音を気にする必要もあります。さらに、暴れることで、ケージの周りが汚れることも。
このように、オオバタンは非常に手のかかるペットといえます。お迎えにあたっては、必ず、家族としっかり相談するようにしましょう。
あらかじめ、鳴き声がどのくらいなのか、動物園などで観察するのもおすすめです。
さらに、大型のオオバタンは、広いケージ、広い敷地での飼育が必須です。
そのため、オオバタンそのものの購入価格だけでなく、大きなケージを準備したり、防音対策を施したり、オウムスタンドやおもちゃなどを準備したりするなど、お迎え時の環境を整えるためにもかなりの費用がかかります。
また、お迎え前にオオバタンを診てくれる動物病院を見つけておくことも重要です。
このように、お迎えにも労力がかかることをしっかりと認識しておくことも必要です。
オオバタンは、気軽な気持ちでお迎えすることができないペットあることを十分に理解しておきましょう。
まとめ
今回は、明るく、人懐っこいオウムのオオバタンについて、ご紹介してきました。
オオバタンは、鳥のなかでも飼育の難易度が高く、飼育環境にも配慮が必要です。
何より、非常に寿命も長いため、お迎えには、十分な検討が必要なペットといえるでしょう。
さらに、オオバタンのためにも、飼い主さんが十分に飼育に時間をかけられること。また、飼育に十分な予算が掛けられることも重要なポイントです。
このように、簡単にお迎えできるタイプのペットではありませんが、とても魅力的な生き物であることは間違いありません。
しかし、オオバタンをお迎えしてから「こんなはずではなかった」という訳にはいきません。
ペットショップの店員さんやすでに飼育されている飼い主さんなどに話しを聞いてみたり、動物園などで実際のオオバタンを観察してみたりするなど、しっかりとリサーチして、迎えてあげてください。
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