1.うさぎの食性は?
1-1.うさぎは完全な草食動物
1-2.うさぎに肉や魚を与えたら食べるの?
2.うさぎの餌はどんなものを与える?
2-1.牧草
2-2.ペレット(ラビットフード)
3.牧草やペレットを食べないとどうなる?
3-1.牧草を食べないと歯に異常が起こる
3-2.ペレットを食べないと栄養が偏る
うさぎの食性は?
うさぎは体の構造上、食物繊維が必要不可欠です。主食には繊維質が豊富な乾燥した牧草をたくさん食べさせてあげることで健康を保つことができます。
うさぎが好む生野菜や果物は副食でおやつの位置づけにあり、野菜や牧草だけの偏った食事をするとうさぎの健康を保つことはできません。
また、水分もうさぎにとって重要で、実際に必要とする水分量は犬や猫よりも多く摂取しなければなりません。牧草やペレットフードなど、うさぎの食生活はほとんどが水分を含んでいない乾燥した食べ物を中心としているため、飲水で水分摂取が必要になります。
水専用の食器をケージ内に置いたり、吸水器を取り付けてあげたりして毎日新鮮なお水を好きなだけ飲ませてあげましょう。
◆うさぎは完全な草食動物
うさぎは元々は野草を中心に食べる完全な草食動物です。
植物だけでは栄養が取れなさそうにも感じますが、うさぎは体に必要な栄養を独自の体の仕組みで摂取しています。
うさぎは長い消化管と大きい盲腸を持っていますが、盲腸内の細菌によって植物を分解して作る「盲腸便」を食べて健康を維持しています。盲腸便は柔らかく、ニオイや形状は通常の糞とは異なり、栄養素がたくさん含まれているので食糞することはうさぎにとって大切な食習慣なのです。
◆うさぎに肉や魚を与えたら食べるの?
個体によって肉や魚を与えると食べるうさぎもいますが、牧草を中心にペレットフードを食べていれば与える必要はありません。うさぎが高タンパク質や高カルシウムの食事をすると消化しずらく、お腹を壊してしまう可能性があるからです。
うさぎの餌はどんなものを与える?
野菜や果物が好きなうさぎですが、それだけ与えていては栄養をきちんと取ることができません。
うさぎの主食には、牧草と「ペレットフード(ラビットフード)」を基本の餌として与えましょう。
たまに、うさぎ用のおやつなどをあげることでコミュニケーションを取ることができます。
うさぎ用のおやつにはゼリーやビスケット、果物を乾燥させたものなど様々な種類がありますが、食べすぎてしまうとカロリーオーバーで肥満になりやすく、栄養が偏ってしまいまうため、与える際は少量に留めておくようにしましょう。おやつを美味しそうに食べるうさぎはとても可愛いのですが、健康のためにも飼主さんが与える量をコントロールしてあげる必要があります。
◆牧草
うさぎの食事にはかかせない牧草ですが、種類を大きく分けると「イネ科」と「マメ科」があり、栄養面や質感に違いがあります。イネ科やマメ科にも牧草の種類はありますが、以下の2つは小動物のペットフードコーナーでも多く販売されていて購入しやすい代表的な牧草です。
●イネ科 チモシー
●マメ科 アルファルファ
イネ科の「チモシー」はうさぎに与える牧草の中でも一般的な品種で、特徴としては豊富な繊維質と低カロリーで毎日大人のうさぎに与えられる牧草です。健康を維持するためにできるだけたくさんの繊維をとらせてあげましょう。
一方でマメ科の牧草「アルファルファ」の特徴は、うさぎの体に必要な栄養成分が多く、食いつきの良い牧草になります。栄養の高さから成長期の子うさぎや食欲がなく体調を整えるために食べさせるのにも適しています。
栄養面以外にも牧草の刈り込み時期によっても固さが変わり、「一番刈り」のタイプが栄養価がより高く、食感も固いです。「二番刈り」「三番刈り」になるにつれて栄養価は落ち、繊維質も少なくなるので柔らかく高齢のうさぎも食べやすい牧草です。
牧草の質感はうさぎの好みもありますが、栄養と繊維質がより多く含まれる一番刈りがおすすめです。
◆ペレット(ラビットフード)
ペレットフードは牧草と同じく、うさぎの健康を維持する主食で総合栄養食になります。
主原料は栄養が高い「アルファルファ」と繊維質の「チモシー」がバランスよくミックスされたタイプが主流です。うさぎの肥満が気になる場合は、小麦の変わりにタピオカなどのでんぷんを使用しているグルテンフリーのペレットを与えるのも良いでしょう。
人気の小動物用フードを多く取り扱う「ジェックス」や「イースター」は、うさぎの餌も種類が豊富なおすすめのメーカーです。
牧草やペレットを食べないとどうなる?
主食の牧草やペレットには豊富な繊維質が含まれていて、食べることによって体の腸内環境を整える作用があります。食物繊維が十分に足りていないと消化管に悪影響を及ぼし、食欲不振や便秘などの症状が現れます。
また、うさぎが毛づくろいをしたときに飲み込んだ被毛も排泄できない「毛球症」になってしまう恐れもあるため、食物繊維はうさぎの体にとって必要不可欠です。
うさぎに食欲はあるけれど、急に食べなくなってしまった場合は牧草の品質も確認してみましょう。
同じ牧草を与えていても古い牧草には香りがなかったり、全体的にしけっていたりなどの品質があまり良くない状態のものは食べなくなることがあります。
大人のうさぎは低カロリーのチモシーが適していますが、食いつきが良くない時は3番刈りの柔らかいものを選ぶと食べやすくなりますよ。
食べ物に対してこだわりが強い子も多いので、フードや牧草を突然変更すると食べなくなってしまうことがあります。変更する際は混ぜながら少しずつ切り替えてあげましょう。
◆牧草を食べないと歯に異常が起こる
うさぎの歯は止まることなく伸び続けるといった特徴的な歯を持っていますが、繊維質の多い牧草などの植物を上下の歯で噛むことによって伸びすぎを防ぎ、適正な長さを維持することができます。
しかし、伸びるスピードに対して歯のすり減りが少ないと嚙み合わせが悪くなり病気を引き起こしてしまいます。病気の予防にはペレットだけでなく、繊維質をたっぷり含む牧草を与えることがとても大切です。
◆ペレットを食べないと栄養が偏る
ペレットは、主にアルファルファとチモシーの牧草の粉にうさぎの体に必要な栄養バランスよく配合された固形状の餌になります。牧草だけでは種類や刈り取った時期によって栄養が異なるため、飼主さんの方でコントロールしながら与えるのはとても難しいのです。栄養が偏らないよう、うさぎの年齢に合わせて適切なペレットを選び与えてあげましょう。
うさぎの餌の回数と量は?
6カ月未満の成長期の子ウサギは、牧草とペレットフードを制限なく食べさせることで栄養をしっかりと補い、成長期に体の成長や発達の手助けとなります。なるべく幼いうちからペレット以外にも野菜や果物、うさぎ用のおやつなどを少しだけ食べさせておくと大人になっても食べられるものが増えるので、偏食を防ぐことができます。
幼少期にかかせなかったペレットフードは、大人のうさぎに与えすぎてしまうと栄養の取りすぎで肥満になりやすいので、栄養補助食として適切な量を与えるようにしましょう。
◎食事の回数は1日に1回~2回程度
◎チモシーは好きなだけ与え、ペレットは体重を目安に見合った量を与える
主食にはカロリーが低く食物繊維が豊富なイネ科の牧草「チモシー」を与えてあげます。
牧草の量は特に決まりがないため、いつもケージ内に新鮮な牧草を用意し、うさぎがいつでも食べられるようにしてあげましょう。
うさぎは夕方から明け方にかけて活動的になるため、飼主さんが可能な限りうさぎの生活リズムに合わせて餌を与えると、モリモリ食べてる姿が見られるかもしれませんね。
うさぎの好物は?
うさぎは甘味のある食べ物が好きなので、甘味が増した乾燥野菜や果物を食べるうさぎは多いです。しかし、主食よりも副食ばかり与えてしまうと肥満に繋がったり栄養バランスが崩れたりして体に悪影響を及ぼしかねませんので、少量に留めておくようにします。
また、人用のおやつは絶対に与えないようにしましょう。食べると消化機能に大きな負担がかかってしまいます。
◆果物
リンゴ、パイナップル、バナナなどの食物繊維や甘味の強い果物を好んで食べます。
量を与えすぎてしまうと肥満に繋がるため、コミュニケーション時に少しあげる程度が良いです。美味しそうに食べていても体に合うかは個体差があるため、初めてうさぎに果物を与える場合は少量にし、食べた後のうさぎの体調に問題がないかを確認しましょう。
果物の中でも「みかん」や「グレープフルーツ」といった柑橘系の果物はうさぎが食べると消化器系に影響を及ぼす可能性があり、体への影響は未知数ですので与えないようにしましょう。
◆野菜
うさぎ用のペレットで栄養が取れるため、人参を食べ慣れていないうさぎも多く、実際には食べない子もたくさんいます。
うさぎの食生活といえば、にんじんを好んで食べているようなイメージがありますが、個体によって好みもあり、まったく食べない子もいます。通常、にんじんを食べるときはオレンジ色の根の部分を食べますが、好んでうさぎが食べるのは土から出ている葉の部分です。
うさぎがにんじんを食べなかったとしても、ペレットフードや牧草を主食として食べていれば身体に必要な栄養はとれるため、無理に与える必要はありません。
また、子ウサギが果物や野菜を食べれるようになる時期は、主食の牧草やペレットフードで胃腸を慣らし、受け入れが整う生後3カ月以上になってからが良いでしょう。
うさぎは何日間餌を食べなくても大丈夫?
「うさぎが餌を食べていない?」と思って様子を見ようとするのはとても危険です。
主食であるペレットフードや牧草を食べ続けることによって胃や腸を動かして正常な状態を保っています。牧草などの主食を食べなくなってしまうと消化器官が働かなくなりガスが発生し、様々な病気を引き起こしてしまいます。
◆半日~1日絶食すると危険
うさぎが半日餌を何も食べなかったらかなり危険な状況になります。仮に一日何も食べないような状況が続くと、数日で死に至ってしまう可能性もあります。餌を食べたがらない時は様子見はせずにすぐに動物病院へ受診しましょう。
旅行などで家を留守にする予定があると、うさぎの食事が気がかりになりますよね。
家を長時間留守にする場合は、ペットホテルや動物病院などで預かってもらうか、家族や友人にうさぎのお世話を頼むようにしましょう。
まとめ
うさぎを家族として迎え入れるときに、どのような餌を食べさせるかはとても大切ですが、体のしくみや性質を理解することでより健康を維持することができます。
うさぎにとって毎日の食事は、半日以上何も食べなければ命の危険もある最も注意が必要なことです。うさぎがごはんをしっかり食べているかは飼主さんが必ずチェックしてあげましょう。
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