1.ハムスターが外に出たがっているときの仕草
1-1.ケージによじ登っては落ちる
1-2.入口付近をカリカリしている
1-3.ケージを噛みまくる
1-4.飼い主さんが近づくとアピールする
2.ハムスターが外に出たがる理由は?
2-1.以前外に出してもらったときに楽しかった
2-2.お部屋での散歩が習慣になっている
2-3.外に出ると美味しいものがもらえると思っている
2-4.脱走を企んでいる
5.ハムスターをお散歩させるときの注意点
5-1.絶対に目を離さない
5-2.お散歩の前に掃除をする
5-3.コード類を噛まないようにする
5-4.水槽や鍋などにはフタをする
5-5.他のペットは隔離する
ハムスターが外に出たがっているときの仕草
野生下で生活するハムスターたちは、地面に穴を掘って暮らし、夕方から早朝くらいまでの比較的天敵が少ない時間帯に、活発に動き回りながらエサを探します。
生態からも、ハムスターはとても運動量が多い生き物のため、広い場所を求めて外に出たがるのも無理もないでしょう。
かわいいハムスターに快適に過ごしてもらうためにも、ハムスターの要求が分かるようになると安心です。
ここでは、ハムスターたちがケージから外に出たがるときにどのような仕草を見せるか、についてご紹介します。
◆ケージによじ登っては落ちる
ハムスターは、外に出たくなると、どうにかして外に出られる方法はないか、外に出られる場所はないかと考えます。
飼い主さんから見たら、ケージからの「脱走」と感じるかもしれませんが、ケージによじ登るのは、ハムスターの生態からもとても自然な行動なのです。
特に、金網型のケージは簡単によじ登れるため、どんどん登っていき、最終的にはうんていのようにぶら下がって落ちる、という行動を繰り返したりします。
しかし、このような行動にはケガもつきもの。落ち方によっては、骨折や脱臼をしてしまったり、最悪の場合は、頭や背中から落ちたりすることで首の骨を折り、死に至る場合もあります。
このように、実は大変危険な行動なので、注意が必要です。
ケージに頻繁によじ登るような場合は、ケージそのものを変えることを検討しましょう。
◆入口付近をカリカリしている
出入り口付近をカリカリと引っかくという行動も、ハムスターが外に出たがる仕草のひとつです。
扉が開くと外に出られることが分かっているハムスターは、何とかして扉を開こうとします。そのため、カリカリと出入り口付近を引っかきます。
ハムスターにこのような仕草が見られたら、「外に出たがっている」と理解してあげましょう。
◆ケージを噛みまくる
ケージを噛むという行動も、ハムスターが外に出たがる仕草のひとつです。
この金網がなければ外に出られるわけですから、金網を壊して外に出ようとする行動もごく自然なことといえるでしょう。
また、このケージを噛むという行動は、一生歯が伸び続けるげっ歯類にとって、歯の長さの調節を行うための習性でもあります。
しかし、金属製のケージを噛むことで、不正咬合という嚙み合わせが悪くなる病気になることもあります。
ケージを噛む行動があまりにも頻回な場合は、ケージの交換も検討しましょう。
◆飼い主さんが近づくとアピールする
飼い主さんの姿が見えると、立ち上がってピョンピョンとジャンプし始めたり、ケージや壁をカリカリと引っかいたり、齧ったり、いかにも何かをアピールしているような行動をとることがあります。
ハムスターのこのような行動は、ハムスターが外に出たがる仕草、または、エサやおやつが欲しい、遊んで欲しいなど、飼い主さんにかまって欲しい気持ちの表れの仕草といえるでしょう。
ハムスターが外に出たがる理由は?
そもそもハムスターには、エサを探し歩いたり、縄張りをパトロールしたりする習性があります。
さらに、ハムスターにとっては、巣箱というよりもケージそのものがねぐらなので、ケージから出たいというのは、とても自然なことといえます。
このように、ハムスターは基本的に外に出たがるものですが、外に出たときにあった楽しかったことや、嬉しかったことは経験としてしっかりと覚えており、さらに外に出たがるようになります。
では、ハムスターがさらに外に出たがるようになる経験とは、どのようなことが考えられるのでしょうか。
ここでは、ハムスターが外に出たがる理由について、ご紹介していきます。
◆以前外に出してもらったときに楽しかった
外に出してもらったとき、楽しく遊べたと感じていたり、飼い主さんと適切なコミュニケーションが取れたと感じていたりした場合は、当然「また外に出たい」と思います。
ハムスターにとっても、飼い主さんにとっても、とても幸せなことですね。
このように、「外は楽しい場所」と感じた経験から、外に出たがるようになります。
◆お部屋での散歩が習慣になっている
たとえば、飼い主さんが「帰宅するとハムスターをケージから出してスキンシップをとっている」とか「寝る前にハムスターと遊ぶ時間を作っている」というような場合は、ハムスターも、ケージから出て遊んだり、散歩したりすることが習慣になっていると考えられます。
時間になれば(いつもの条件が揃えば)、当然、外に出たがるようになります。
◆外に出ると美味しいものがもらえると思っている
飼い主さんと遊ぶときやお部屋でのお散歩の際におやつなどを与えていると、それが習慣化し、「外に出ると美味しいものがもらえる」と思うようになります。
このような経験から、ハムスターは、美味しいもの欲しさに外に出たがるようになります。
◆脱走を企んでいる
ハムスターにとって、外に出たいと思うことは習性であり、とても自然なこと。
外に出たいのに出してもらえない状態が続けば、ハムスターは自分で外に出ようとします。
そんなとき、ハムスターは何とか外に出ようと、ケージを登ってみたり、引っかいてみたり、齧ってみたりします。
このような行動は、飼い主さんにとっては「脱走を企んでいる」ように見えるかもしれませんが、ハムスターは単純に外に出たがっている、ということです。
そもそもハムスターは長距離を歩く習性のある動物
そもそもハムスターには、長距離を歩く習性があります。
特に、野生のハムスターは、敵の少ない時間帯になると、巣穴から出て、エサを求めて1日に10時間前後、移動距離にすると10㎞以上もの距離を移動するといわれています。
とても小さな身体ながら、とても運動量の多い生き物なのです。
たとえ、運動量を補い、運動不足を防ぐためにケージ内に回し車を付けていても、ハムスターがケージから出たがるのは、そんなハムスターの習性も影響しているといえます。
このように、ハムスターがケージから出たがるのは、ごくごく自然なことなのです。
ハムスターをお散歩させるメリット
ハムスターをお部屋でお散歩させることを「部屋んぽ」といいます。好きに歩かせたり遊んであげたりすることで、ハムスターの運動不足やストレス解消が期待できます。
また、ハムスターとのスキンシップの時間は、飼い主さんにとっても嬉しいひと時のはずです。
ただし、飼い主さんがしっかりと見守ることができる時間と環境が整った状態で、ケージから出してあげましょう。
ハムスターは、十分に運動したと感じ、満足すると自然とケージに入りたがることが多いです。さらに、ケージに入ったとたんに寝てしまう、なんてこともあります。
夜中のハムスターの音が気になるような場合は、十分に散歩させてあげることで、その音の軽減も期待できます。
ハムスターをお散歩させるときの注意点
ハムスターが健康的な生活を送るためには、ケージから出てお散歩させてあげることも、必要な習慣といえます。
しかし、飼い主さんの時間に余裕がないとき、そして、ハムスターが安全にお散歩できる環境が整っていないときのお散歩は大変危険です。
では、ハムスターが安全にお散歩できる環境を整えるには、どのようなことに注意しなければいけないのでしょうか。
ここでは、ハムスターをお散歩させるときの注意点について、ご紹介します。
◆絶対に目を離さない
ハムスターは、身体が小さいうえに、狭い場所が大好き。家具と家具の隙間など狭い場所に入り込んでしまうと、探し出すことも、ケージに戻すことも大変になります。
さらに、部屋の外に出て行ってしまったりすると、なかなか見つけられないという状況にもなりかねません。
慣れない空間に迷い込み、恐怖で出てこられなくなったりすると、そのまま物陰で命に係わる状況になる恐れもあります。
とにかく、飼い主さんは、ハムスターがどこにいるか、危険なことはしていないか、絶対に目を離さず、常に見守っていてあげることが必要です。
◆お散歩の前に掃除をする
落ちているものを誤って食べてしまったり、踏んでしまったりすると、中毒やケガの危険もあります。
万が一、ハムスターが食べてはいけないようなものを食べてしまった場合には、命に係わる可能性もあります。
このようなことをふせぐためにも、ハムスターをお散歩させる前には、必ず床の掃除をしておきましょう。
◆コード類を噛まないようにする
ハムスターをお散歩させるうえで、最も気を付けなければいけないことは、「コード類を噛ませないようにすること」です。
万が一、コンセントに繋がっているコードを噛んでしまうと、ハムスターが感電してしまったり、漏電や火事を起こす原因になったりします。
そのため、ハムスターの散歩中はしっかり見守るとともに、散歩するエリアにコード類などが出ていない状態にしておきましょう。また、コンセントの差込口も塞いでおくようにしましょう。
◆水槽や鍋などにはフタをする
たとえば、水のなか(特に、冷水や熱湯)などに落ちてしまうと、一瞬でハムスターの命に係わる事態になりかねません。
そのため、水槽や調理中の鍋など、落ちてしまう可能性のあるところ、落ちたら危険伴うようなところには、あらかじめしっかりとフタをしておくようにしましょう。
◆他のペットは隔離する
特に、猫のように動くものを捕まえる習性のあるペットや、犬のように吠えて威嚇するようなペットと一緒にお散歩をさせることは、ハムスターにとってケガやストレスの原因になる可能性があるので、やめましょう。
ハムスターは、本来、単独で生活する生き物です。また、縄張り意識も強く、他の生き物の匂いにも敏感です。
ハムスターを散歩させるときは、他のペットはしっかりと隔離し、ハムスター単独で過ごさせてあげるようにしましょう。
まとめ
今回は、ハムスターが外に出たがる理由とその対処方法の1つであるお散歩について、お話ししてきました。
飼い主さんにとって「脱走」に見える行為も、ハムスターにとってはごくごく自然なことで、ハムスターが外に出たがるのは本来の習性に従った行動です。
このことからも、飼い主さんは、ハムスターを脱走させないようにすることよりも、ハムスターが満足できるくらいお散歩できる環境を整えてあげることの方が、ハムスターにとって幸せなことなのではないでしょうか。
毎日、ハムスターのために決まった時間を使うのは、とても大変なことです。
しかし、ハムスターに健康で快適に生活してもらうためにも、是非、お散歩の時間を確保してあげてください。
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