ハリーポッターにも登場するシロフクロウってどんなフクロウ?特徴や飼い方を紹介

2022.11.03

ハリーポッターにも登場するシロフクロウってどんなフクロウ?特徴や飼い方を紹介

映画ハリーポッターの主人公の相棒としても知られるシロフクロウ。 日本でも多くの動物園で見ることができ、SNSにも目を細めた顔が「まるで笑顔のよう」と話題になったことから、「飼育してみたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか? この記事ではそんなシロフクロウの特徴や飼育方法などをご紹介していきます。


シロフクロウってどんな鳥?

snowy-owl-g43a9aafa2_640

シロフクロウは白い羽毛に覆われた大型のフクロウです。
映画ハリーポッターの主人公、ハリーの相棒としても登場していたので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
現在は動物園でも見ることができますが、野生では北アメリカや北極周辺など、寒い地域に生息し、冬になると北海道でも見られることがあります。
シロフクロウはその名の通り全身が純白の羽毛で覆われているのが特徴ですが、それは成熟したオスのみ。
メスや若鳥は黒や褐色の細かいしま模様があるのが特徴です。


シロフクロウの生態

◆シロフクロウの生息地

シロフクロウの生息地は主に北アメリカや北極周辺のツンドラ地帯に多くが分布し、渡り鳥のため冬期には多くの個体が南下することが知られています。
そのため、冬になると日本でも北海道で観察されることもあり、さらには秋田のような東北地方、石川などの北陸地方でも稀に見られることがあります。

フクロウといえばイメージするのが、木が密集した森の中で枝に止まっているイメージですが、シロフクロウは草原や湿地帯などのひらけた場所に生息し、狩などで獲物を狙う場合は岩の上などの見通しのいい場所で待機をし、獲物を仕留めるところを多く目撃されています。

◆シロフクロウの特徴

シロフクロウのオスは、成熟するとその名の通り純白の羽毛で体が覆われます。
一方、まだ若いうちやメスのシロフクロウは、顔は白く体は縞模様になっており、赤ちゃんの時はグレーのふわふわした羽毛で体が覆われています。
フクロウ類の中では容易にオスとメスが見分けられるのも大きな特徴のひとつです。
また、寒いところに生息するフクロウのため、足の指にまで羽毛が生えているのが特徴的です。
体長は50~70cm程度、羽を広げると140~170cm程度になる大型のフクロウで、体重は1.6~3kg程度だとされています。
フクロウといえば夜に狩を行う夜行性のイメージを持つ方も多いと思いますが、シロフクロウはフクロウ類の中でも珍しく日中に活動します。
これはシロフクロウが生息する北極圏では、夜が訪れない白夜があるため、日中に活動できるように適応したと言われています。

◆シロフクロウの性格

シロフクロウの性格はオス、メスともに気性が荒く、ペットとして人間に懐かせるには長い時間と根気が必要になってきます。
雛から育てた場合は生態でお迎えした場合に比べ多少は懐きやすくなるとされていますが、基本的には犬や猫、他の鳥類のインコなどのように人間に懐くというようなことはないでしょう。

飼育するにあたっては「この人間は自分に害を与えない存在だ」と認識してもらい、懐くというよりは馴れるという感覚であるといえます。

◆シロフクロウの寿命

シロフクロウの寿命は野生下では10年〜15年、人間の飼育下で適切な環境で上手に飼育すれば25年以上生きるとされています。
25年という年数は犬や猫に比べても遥かに長く、予想もしないライフステージの変化も何度も訪れる年月です。
また、飼育を始めるご自身の年齢によっては、シロフクロウよりも先に飼い主のほうが寿命を迎えてしまう場合もあるかもしれません。
飼育を検討する際は、最後まで責任をもって飼育できるか、もしもの時には里親を頼める人や場所があるのかを考え、慎重にお迎えするようにしましょう。


シロフクロウの値段

シロフクロウの値段は販売店によって開きがあり、30〜70万円ぐらいで販売されています。
ペットショップでは出会えることはあまりなく、購入する場合はワシやタカ、フクロウなどの猛禽類を専門としたお店で購入することになります。
猛禽類を専門とするお店は、インコやオウムなどの他の鳥類を取り扱う店より数は少ないのが印象です。
また、猛禽類専門のショップでもシロフクロウを常に取り扱っているケースも少ないので、たくさんの個体を見比べて購入するというよりは、出会った子をお迎えするということが多くなると思います。


シロフクロウは絶滅危惧種なの?

シロフクロウは北極圏などの寒い地域に分布しているフクロウです。
餌ももちろん北極圏などに生息している齧歯類なのですが、近年の温暖化の影響を受け、その齧歯類が減少し、その煽りを受けて個体数が少なくなってきているとの報告があります。
2017年にIUCN(国際自然保護連合)が発表したレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)の中にはシロフクロウが含まれています。


シロフクロウの飼い方

hedwig-g79c2c57e6_640

ここまでシロフクロウの特徴についてご紹介してきました。
寿命も長く、入手できるショップも限られてくるため、飼育のハードルはかなり上がりますが、それでもシロフクロウをお迎えしたいと思っている方もいらっしゃると思います。
そこでここでは、そんなシロフクロウの飼育方法についてご紹介していきます。

◆食事

シロフクロウの野生での主食はレミングやヤチネズミと呼ばれる小型の齧歯類になります。その他、小型の哺乳類や鳥類を食べることもあります。
ペットとして飼育している場合はもちろん生きたレミングやヤチネズミを与えることはできませんので、冷凍のマウスやラット、ヒヨコやウズラを与えることになります。

このような餌は猛禽類を取り扱っているショップはもちろん、ヘビや大型のトカゲなどを扱う爬虫類ショップでも購入することができます。

飼育下においてはミネラル・栄養価のバランスが優れたマウスを主食とし、ヒヨコやウズラだけ与えるのは避けましょう。
また、スーパーなどで販売している精肉は血抜きをしてあるため栄養が足りなくなってしまうので、与えるのは避けましょう。

食事の頻度は1日1回、体重の8〜15%程を目安に与えるようにしましょう。

販売するショップで餌の料金設定は変わりますが、1ヶ月あたりの餌代は大体10,000円ぐらいになってきます。

◆ケージ・温度

シロフクロウを飼育する場合は、係留するかもしくはケージで飼育することになります。
いずれの場合も、一日中係留しっぱなしやケージに入れたままだとストレスも溜まりますし、運動不足になってしまいますので、飛び回れる広い部屋も用意しましょう。
1日のうちに部屋で放鳥する時間を設け、ストレスや運動不足の解消をするようにしましょう。

係留飼育の場合は大型のフクロウ用の係留パーチを準備しましょう。
ケージ飼育の場合は大型インコ用のケージなどは羽を痛めてしまう恐れがありますので、猛禽類用の木製の十分大きさのあるものを使用します。
目安としては幅60cm×奥行70cm×高さ90cm以上のものを使用するといいでしょう。

シロフクロウは北極圏にも分布するフクロウですので、寒さはもちろん得意ですが、日本の高温多湿の気候には適応していません。
夏場はエアコンを使用して、23度前後に室温をキープしましょう。
くちばしを開けてハアハアしている場合は「暑い」というサインですので、室温を下げるようにしましょう。

◆爪・お手入れ方法

シロフクロウの爪は野生下では自然と削られていきますが、飼育下の場合はそうはいかず、人間の手でカットしてあげる必要があります。

ご自身で行う場合は2人で行うことをおすすめします。
1人がシロフクロウの体をタオルのような大きい布で包み、目隠しをします。
目隠しをしておとなしくなったところをもう1人が爪切りで爪をカットしてあげましょう。
深爪で出血してしまう可能性もあるので、止血パウダーを準備しておくと安心です。

無理にご自身で行う必要もありませんので、難しい場合は猛禽類専門のショップや、猛禽類を診察できる動物病院でお願いするようにしましょう。

◆水浴び

シロフクロウをはじめとしたフクロウ類は水浴びを好みます。
足が浸かるぐらいの大きめのタライを用意して水浴びさせてあげましょう。
雨を連想するのか、シャワーや霧吹きを好む個体もいます。

水浴びで注意したいのが、水は常温の水を使用するということです。
鳥類は撥水や保湿、防虫効果のある油で羽をコーティングしていますが、お湯を使用することにより、羽根をコーティングしている油分が落ちてしまうからです。

水浴びをする場合は事故の恐れもあるので目を離さないようにしましょう。

●あわせて読みたい
インコが水浴びをする理由は?お湯だとダメなの?【動画あり】

インコが水浴びをしている姿を見たことがありますか?インコが水浴びしている姿を見ていると、とてもかわいくて癒されますよね。夏や冬関係なく行う場合もあるそうなのですが、インコはなぜ水浴びをするのでしょうか? 今回は、インコが水浴びする理由を紹介していきたいと思います。とてもかわいい水浴び動画も合わせてご覧ください。

記事はコチラボタン


シロフクロウを飼育時の注意点

ここまでシロフクロウの飼育方法をご紹介してきました。
飼育時の注意点として、シロフクロウをはじめとした鳥類全般にいえますが、ロストに注意するということです。
ロストとは飼い主の不注意で逃してしまうことです。
シロフクロウは羽が生えた自由に飛ぶことができる生き物。
「うちの子は大丈夫」と過信し、放鳥中に窓を開けたり人間が扉から出入りした隙に逃げてしまうことがあります。
野生で生きたことがないフクロウは、自然下で生きていく術を知りません。そのため、外に逃げてしまった場合は多くの確率で死んでしまうことになります。
シロフクロウのためにもロストには十分注意しましょう。

また、これは生き物を飼うこと全般にいえますが、その飼育する生き物の知識をきちんと学び、病気にかかってしまった時に診てもらえる病院があるかはお迎え前に必ず調べておくようにしましょう。


まとめ

今回はシロフクロウについてご紹介してきました。
シロフクロウは寿命が長く、基本的には人間になつきません。また、飼育スペースや餌などの条件もあり、飼育の難易度が高めで、お迎えをするにあたり十分な知識と準備が必要になってきます。
ですが、魅力のある生き物には変わりなく、一緒に過ごす時間はかけがえのない時間になることは間違い無いでしょう。

この記事がシロフクロウを飼いたいと思っている方の参考になれば幸いです。



– おすすめ記事 –

・知りたい!コキンメフクロウのいる生活
・メンフクロウとは?飼育方法や特徴など詳しく解説
・モリフクロウについて知りたい!特徴を紹介
・フクロウってなつくの?なつくポイントを紹介


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PetSmileすもーる部

PetSmileすもーる部

小動物大好きPetSmileすもーる部です。小動物にまつわるエピソードやお役立ち情報を発信します♪


記事に関するお問い合わせはこちら