チンチラの多頭飼いは可能?相性は?お迎え前に確認すべきことと必要な心構え

2022.12.04

チンチラの多頭飼いは可能?相性は?お迎え前に確認すべきことと必要な心構え

可愛い仕草とフォルムで人気のチンチラ。 チンチラ同士が仲良く過ごしているSNSなどを見ると、とても憧れてしまいますね。 そもそも、チンチラは多頭飼い可能な生き物なのでしょうか? ここでは、チンチラの多頭飼いを考えたときに確認すべきこと、お迎えにあたり注意することなどについて、ご紹介していきます。

【掲載:2017.06.20  更新:2022.11.24】


チンチラを多頭飼いする前に確認すべきこと

チンチラ

チンチラの多頭飼いは可能です。しかし、チンチラに限らず、多頭飼いには必ずリスクが伴います。
複数のチンチラをしっかりお世話できるのかどうかはもちろんのこと、家族の協力は得られるか、すべてのチンチラたちを最期まで面倒みられるかなど、お迎え前に考えておくべきことはたくさんあります。
ここでは、チンチラを多頭飼いする前に、必ず確認していただきたい事項についてまとめます。
この内容をふまえた上で、多頭飼いするか、多頭飼いできるかどうかを検討してください。

◆2匹以上飼育する経済的余裕はあるか

チンチラの飼育には、エサ代や光熱費など日常的にかかる費用だけでなく、保険料や医療費など高額な出費を必要とすることがあります。
当然ですが、多頭飼いの場合は、さらに出費が増えることになります。
チンチラの多頭飼いを検討される場合は、最期まできちんと飼育できる経済的余裕があるかどうか、しっかりと考える必要があります。

◆チンチラは長生きする動物であることを認識しているか

飼育下のチンチラの平均寿命は10年以上。20年以上生きる個体もいるといわれています。
複数のチンチラを同じタイミングでお迎えしたとしても10年以上、時間差でお迎えした場合はそれ以上、チンチラたちとの生活が続くことになります。
チンチラの多頭飼いを検討される場合は、飼い主さんの年齢、この先の家庭環境の変化など、一緒にいられるかどうかを長いスパンで検討していく必要があります。

◆先住との相性が悪い場合も終生飼育できるか

お迎えしたチンチラが、先住のチンチラと相性が悪い場合、一緒に過ごさせることはお互いにとってとても大きなストレスとなります。
万が一、チンチラ同士の相性が悪い場合は、ケージを別々の部屋に分けて置くなどの対策が必要になります。
チンチラの多頭飼いを検討される場合は、たとえ相性が悪く、同じ環境の下での飼育が難しい場合でも、それぞれのチンチラにより良い環境を与えてあげられるかどうかも併せて考えておく必要があります。


チンチラの多頭飼いは難しい?

チンチラの多頭飼い

チンチラは、多頭飼いできない動物ではありません。
しかし、先住のチンチラと飼い主さんとの間にしっかりと信頼関係を築けていないにもかかわらず、新しいチンチラを迎えてしまったというような場合には、チンチラ同士もお互いを受け入れられないという場合があります。
そのため、まずは多頭飼いの前に、飼い主さんと先住のチンチラとの間に信頼関係を築いておくことが大切です。
飼い主さんが先住のチンチラの性格を理解できれば、その子が多頭飼いに向いているか、どのような子なら受け入れやすいかなどを判断しやすくなります。
また、先住のチンチラの年齢によっても、新しくお迎えするチンチラを受け入れやすいか、難しいかが変わってくるようです。
ここでは、先住のチンチラの年代による受け入れ方の傾向について、ご紹介します。

  • 幼年期:遊び相手になり、比較的受け入れやすい
  • 成年期(~3歳):若々しく活発な時期なので、性格や性別によっては受け入れが難しい場合も
  • 成年期(3歳~):飼い主さんとの信頼関係により、受け入れるか嫉妬してしまうかが分かれる
  • シニア期:性格も落ち着き、受け入れるまたは関心を示さない

SNSなどで、仲良く過ごしているチンチラたちを見ることがあるように、チンチラの多頭飼いは可能です。
しかし、ここで挙げたようなことを踏まえ、新しいチンチラのお迎えには、先住のチンチラに無理をさせないよう、配慮してあげましょう。


性別ごとのチンチラの相性

チンチラの性格にも、当然ですが個体差があります。
とはいえ、チンチラは性別による性格の傾向があり、チンチラにとっては同居の向き・不向き、飼い主さんにとっては多頭飼いの難易度の高い・低い組み合わせがあります。
ここでは、一般的に言われているチンチラのオスとメスそれぞれの性格と、オス同士・オスとメス・メス同士など、性別ごとで多頭飼いする場合のチンチラの相性について、ご紹介していきますので、参考にしてみてください。

◆オス×オスの場合

オスのチンチラは、おっとりしている、とか、マイペースな性格だといわれています。
しかしながら、オスのチンチラは縄張り意識が強く、オス同士の場合、けんかになりやすい傾向があります。
そのため、最初の段階で「うまくお互いを認識させる」ようにしてあげないと、ケガを伴うようなけんかに発展することもあるので、注意が必要です。
また、チンチラはオスの方が甘えん坊な子が多く、嫉妬したり、飼い主さんを取り合ったりするといったことも、メスよりオスの方が多いといわれています。
そのため、チンチラの場合、オス同士の同居は難易度が高いといえるでしょう。

◆オス×メスの場合

繁殖を目的として、チンチラのオスとメスとの同居を考えている方もいらっしゃるでしょう。
チンチラは、オス同士だけではなく、オスとメスの組み合わせであっても、とにかく最初のお見合いが肝心です。
上手に「ほかのチンチラがいる」環境に慣れさせ、相手の存在や立てる物音に驚いたり、興奮したりすることなく過ごせるようになってから、お見合いさせるようにしましょう。
一緒に部屋んぽさせたり、同じケージに入れたりするのは、そのあとから。
たとえば、メスが発情期に入ってもお互いにけんかすることなく、落ち着いて過ごしているようであれば、少しずつ、一緒に部屋んぽをさせてみたり、一緒のケージに入れてみたりしてみましょう。
ただし、オス×メスでも、当然相性があるため、とにかくゆっくり、じっくりとトライしてみましょう。

◆メス×メスの場合

メスのチンチラは、活発で、気の強い性格の子が多く、特に、発情期になると攻撃的になりやすいといわれています。
しかし、オス同士に比べてメス同士の場合はけんかも少なく、比較的仲良くできることが多いようです。
そのため、多頭飼いに慣れていない場合は、メス同士でのお迎えを検討する方が安心です。
とはいえ、当然、相性の合わないメス同士も、当然いるでしょう。
やはり、オス×オス、オス×メスでの飼育と同様、ゆっくりとお互いを認識させ、飼い主さんが「お互いの存在に慣れてきた」と感じてから対面させるようにしましょう。


チンチラを多頭飼いするときに注意すること

チンチラを多頭飼いするときには、「すべてのチンチラたちを最期までしっかりと面倒みられる環境と覚悟が必要」です。
チンチラは、とてもかわいい生き物です。
しかし、可愛いからといって、複数のチンチラをお迎えしたばかりに、チンチラたちがストレスを感じるようになったり、飼い主さんの重荷になってしまったりするようでは、だれも幸せになれません。
ここでは、チンチラを多頭飼いするときに注意すべきことについて、ご紹介していきます。
チンチラを多頭飼いする際は、十分に検討してからお迎えするのはもちろんのこと、お迎え後も「こんなはずじゃなかった!」ということにならないよう、参考にしてください。

◆対面は慎重に

オス同士、メス同士、つがいに限らず、チンチラの同居は対面までに、いかにお互いの存在を自然に認識させるか、がとても重要です。
たとえば、一緒に連れて帰ってきたからといって、すぐに一緒に遊ばせたり、同じケージに入れたりすると、強いストレスを感じたり、けんかによってケガをしてしまう可能性もあります。
そのため、同じ部屋にケージを置いたとしても、お互いが見えない位置においてあげるなど、それぞれが、それぞれのペースで環境になれることができるように工夫してあげることが必要です。
また、先住のチンチラがいるところにお迎えする場合は、先住のチンチラのストレスにならないよう、相手の物音や匂いに慣れさせるところから始め、相手の出す物音などに驚かなくなったころから、徐々に対面の準備を進めていきましょう。
とにかく、仲良くさせようと焦らないことが一番大切です。

◆望まない繁殖は避ける

オスとメスがいる環境の場合、繁殖を望まないようであれば、一緒のケージに入れたり、一緒に部屋んぽをさせたりすることはやめましょう。
チンチラは、一度の出産で1~6匹の赤ちゃんが誕生するといわれています。
万が一、繁殖を望まないにもかかわらず出産してしまうと、加えて6匹のお世話が必要になる可能性もあるのです。
繁殖しないようにするためには、飼い主さんの環境づくりが欠かせません。
もしも、繁殖を望まないようであれば、オスとメスとの組み合わせでの多頭飼いは避けることが、最も良い方法といえるでしょう。

◆別々のケージにする

野生のチンチラは、群れを形成して生活していますが、群れのなかでもけんかをしたりします。
野生のチンチラは、けんかが起こっても逃げることができますが、飼育下(同じケージのなか)の場合、逃げ場がなく、ケガをしたり、最悪の場合は命を落としてしまったりすることもあるため、チンチラは、1匹に対し1ケージの「単独飼育」が基本と考えてください。


まとめ

今回は、チンチラの多頭飼いを検討する前に、どのようなことを考えておかなくてはいけないか、さらに、幸せな多頭飼いを実現するには、どのような点に注意しなくてはいけないかなどについて、ご紹介してきました。
チンチラはとても可愛く、人懐っこいため、多頭飼いを希望される方も多いでしょう。
また、SNSなどで見かける仲の良さそうなチンチラたちを見ると、憧れてしまいますよね。
しかし、チンチラに限らず、生き物を一度に複数飼育することは、当然、飼い主さんの努力と経済力が必要です。
また、当然、面倒を見る期間も長くなるため、最期までしっかりとお世話できるかどうか、十分に検討する必要があります。
お迎えしたチンチラたちが日々を快適に楽しく生活できるだけでなく、飼い主さんにとっても幸せな多頭ライフを目指してください。



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kava_2mame

こどもの頃から、爬虫類、小動物、ワンコなど、さまざまな動物と共に生活してきました。 今まで出会ってきた動物たちとの経験を活かしながら、新しい情報、役立つ情報をキャッチし、ご紹介していきたいと思います。


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