1.クロクマハムスターとは?
1-1.クロクマハムスターの歴史
2.クロクマハムスターの性格・特徴
2-1.穏やかでマイペースな性格
2-2.縄張り意識が強い
2-3.記憶力が良く、賢い
2-4.飼い主さんを認識して懐く
4.クロクマハムスターの寿命・病気
4-1.アレルギー性皮膚炎
4-2.腫瘍
4-3.ニキビダニ症
6.クロクマハムスターの飼い方
6-1.食事
6-2.温度
6-3.飼育グッズ
クロクマハムスターとは?
ハムスターの中でも特に人気な種がゴールデンハムスターです。
クロクマハムスターはそんなゴールデンハムスターを品種改良して生まれました。
クロクマハムスターの一般的な体重は約200g、体高は14〜18cmと、黒い毛並みで熊のような見た目以外はゴールデンハムスターと同じ特徴を持っています。
クロクマハムスター以外にも、ブラックハムスターやクロクマゴールデンなどと呼ばれることもあるようです。
◆クロクマハムスターの歴史
1930年にシリアで野生のゴールデンハムスターが発見され、1匹の母ハムスターと12匹の子ハムスターが捕獲されました。
大学で研究が進められて繁殖に成功し、その後、ゴールデンハムスターは世界中に広まりました。
そして後に、品種改良によって黒い毛並みのクロクマハムスターが誕生したのです。
そうした歴史から、英米ではゴールデンハムスターのことを「シリアンハムスター」と呼びます。
ゴールデンというのはあくまで毛色を指していると考えられているのです。
日本でも、こうした考え方のペットショップはあります。
その場合は、「ゴールデンハムスター販売」という表記しかないことがほとんどなので、毛色でクロクマハムスターを探してくださいね。
クロクマハムスターの性格・特徴
先ほど、「クロクマハムスターは見た目以外、ゴールデンハムスターと同じ特徴を持っている」とご紹介しました。
ここでは、その性格や特徴についてより具体的に見ていきましょう。
代表的なものを4つご紹介します!
◆穏やかでマイペースな性格
ゴールデンハムスター同様、クロクマハムスターも穏やかで温厚な個体が多く、飼育初心者にもオススメな非常に飼いやすいハムスターです。
その穏やかな性格からか動作自体もおっとりとしている子が多いと言われています。
大きさも手のひらサイズで小さすぎず、コミュニケーションが取りやすいでしょう。
◆縄張り意識が強い
優しい性格から考えると意外ですが、クロクマハムスターは一般的に縄張り意識が強いと言われています。
多頭飼いには向いていないので、複数飼育する場合は、ケージを分けてクロクマハムスターが快適に生活できる環境を整えてあげましょう。
◆記憶力が良く、賢い
ハムスターなどの小動物は天敵を避ける為、安全な場所を「トイレ」と決め、同じ場所で用を足す習性があります。
その習性と賢さを生かし、クロクマハムスターにはトイレの場所を覚えさせることが可能です。
おしっこの匂いがついた床材などをトイレとして覚えて欲しい場所に置いてあげれば、すぐに覚えてくれますよ。
通販ではハムスター用のトイレ用品も販売されていますので、うまく取り入れてみてくださいね。
◆飼い主さんを認識して懐く
前述した高い記憶力と賢さから、クロクマハムスターは飼い主さんを覚えて懐いてくれる愛らしいハムスターです。
クロクマハムスターに限らず、ハムスターは基本的に目が悪い為、飼い主さんを顔で見分けているのではなく、声や匂いを覚えて識別しています。
そのため、餌をあげる時やスキンシップを図る時には名前を呼ぶようにするなど、クロクマハムスターに声を覚えてもらう為の工夫が大切です。
ちなみに、せっかく覚えてもらっても2、3日構えなかっただけで飼い主さんを忘れてしまう子もいます。
クロクマハムスターが声や匂いを覚えて懐いてくれるようになった後も、毎日適度なスキンシップを心掛けましょう。
クロクマにも毛色の種類がある
クロクマハムスターはその名の通り、黒くて熊のような見た目をしているとお伝えしました。
しかし、実はそんなクロクマハムスターにも毛色の種類があるのです。
ここでは、気になるクロクマハムスターの毛色について、詳しくご紹介します!
先述の通り、クロクマハムスターはゴールデンハムスターを品種改良して誕生しました。
まず、原種であるゴールデンハムスターには以下の通り様々な毛色があります。
クロクマ(ブラック)、ディンジーブラック、アイボリー、錆色、イエロー、アンブロウス、黒目ホワイト 、アルビノ、バイオレット、トリコロール(三色)、バンデッド、ドミナントスポット(まだら模様)、ローン、ダブ、ダルメシアン
こうして並べてみると、やはりクロクマハムスターは黒色の毛並みであることが分かりますね。
しかし実際は、胸やお腹の辺りが茶色だったり、白色だったりする個体が多く、純粋な真っ黒のクロクマハムスターは非常に珍しいのです。
また、サテンと呼ばれる光沢のある長毛だったり、ボサボサと跳ねるような毛質、くるくると巻いた天然パーマのような毛質だったりする子もいるなど、クロクマハムスターは毛並みの特徴も様々です。
クロクマハムスターの寿命・病気
他のハムスター同様、クロクマハムスターも平均寿命は2〜3年と、そう長くはありません。
寿命が長くないからこそ、1日1日を健康的に楽しく過ごして欲しいものですよね。
そこで、クロクマハムスターがかかりやすい病気として代表的なものを3つご紹介します。
少しでも怪しいなと感じたらすぐに動物病院へ連れて行けるように、しっかり押さえておきましょう!
◆アレルギー性皮膚炎
文字通り、アレルギーによって起こる皮膚炎です。
人間でも食物アレルギーや金属アレルギーがあるように、ハムスターにも体に合わない食べ物や材質があります。
お腹や胸などに脱毛や発疹が見られたら、餌やおやつ、床材、チップが原因である可能性が高いです。
また、肥満のハムスターほどアレルギー性皮膚炎を発症しやすい傾向にあると言われています。
初診料は500円〜、診察料は4,000円〜であることが多いようです。
◆腫瘍
ハムスターにかなりの頻度で見られる病気です。
ハムスターの腫瘍も良性と悪性(癌)に分類されますが、見た目では判断できず、腫瘍の組織を採取して病理検査を行わなければなりません。
特に、1歳半を過ぎた辺りから死に至るような悪性腫瘍(癌)が発見されやすいと言われています。
初診料は500円〜、腫瘍除去手術は5,000〜20,000円であることが多いようです。
◆ニキビダニ症
ニキビダニ症はゴールデンハムスターに多く見られることで知られている病気です。
クロクマハムスターはゴールデンハムスターを品種改良して生まれたものなので、同様の発症率だと考えられます。
ニキビダニは元々多くの動物に寄生しているダニです。
ハムスターの体の免疫力が落ちた時などにダニが活動を活発化させ、結果として、ハムスターの皮膚に影響を与えます。
症状としては背中やおしりの脱毛、強い痒み、フケなどが挙げられます。
初診料は500円〜、診察料は4,000円〜であることが多いようです。
ペットを飼っていると、高い治療費が必要なることもあります。
通いやすい動物病院を探しておくのはもちろんのこと、もしもの場合に備えて、貯金やペット保険などの対策を取っておくことをお勧めします。
クロクマハムスターの値段
ハムスターは品種によって値段が異なりますが、クロクマハムスターの値段は1,000〜2,000円と一般的です。
1ヶ月にかかる餌代も500〜1,000円と言われており、家計を圧迫せずに飼育できるペットではないでしょうか。
ただし、先ほどご紹介したように、クロクマハムスターが病気にかかって治療費が必要になる月も出てきます。
小さくても大切な命です。
お手頃な価格だからといって安易な気持ちで飼わないように注意したいですね。
クロクマハムスターの飼い方
ここからは具体的に、クロクマハムスターの飼い方についてご紹介していきます!
実際にお家にお迎えすることをイメージしながら、読んでみてくださいね。
◆食事
主食として、市販のハムスター用ペレットを与えます。
クロクマハムスターの体重の20%の量を目安に与えるようにしましょう。
ハムスターは餌を溜め込む習性があるので、万が一あげた餌が残っていても、毎回新鮮な餌に取り替えるようにしてください。
ペレットは栄養バランスが優れており、それだけで不足はないですが、コミュニケーションの一環として、またビタミンやミネラルの補給としておやつを与えると良いでしょう。
小松菜、かぼちゃ、にんじん、キャベツ、さつまいもなどの野菜がお勧めです。
また、きゅうりやトマトなどの水分の多い野菜、イチゴなどの糖分の多い果物は与え過ぎるとクロクマハムスターの体調をかえって悪くしてしまうことがありますので、注意が必要です。
📌【おすすめ記事】ハムスターに野菜をあげても大丈夫?注意点は?
◆温度
クロクマハムスターにとって快適な温度は20〜24℃です。
体の小さなクロクマハムスターは寒いのも暑いのも苦手で、すぐに体調を壊してしまいます。
寒暖差の激しい場所や直射日光の当たるような場所にケージを置かないことはもちろんのこと、室内を常に最適な温度で保てるように工夫しましょう。
◆飼育グッズ
クロクマハムスターを飼育する際に必要な飼育グッズは、ケージ、床材、トイレ、餌入れ、給水ボトル、回し車、砂場の7点です。
ショップにはジャンガリアンハムスターなどの小型ハムスター用の飼育グッズも多数置いてあります。
クロクマハムスターには小さ過ぎるアイテムなので、間違って購入しないようにしてくださいね。
飼育グッズは全て、クロクマハムスターが入っても余裕があるくらいのものを選ぶと良いでしょう。
また、ドーム型の可愛らしい寝床を用意している飼い主さんも多いですが、ケージ内に床材を敷き詰めていれば、ハムスターは基本的にそれを集めて自分で寝床を作ることができます。
寝床はあくまでオプションの飼育グッズと言えそうです。
一方で、定番アイテムとして知られる「回し車」はクロクマハムスターにとって欠かせない飼育グッズです。
野生のハムスターは餌を探して1日20kmも走ることがあると言われており、少々意外ですが、ハムスターにとって運動不足は大敵なのです。
今日ではカラカラと音が鳴らないサイレントタイプの回し車も出てきているので、クロクマハムスターが思い切り走れるように、ぜひ検討してみてくださいね。
さらに、ハムスターが自分の体の汚れを落とすことができる「砂場」も、今日では定番アイテムの仲間入りをしています。
ケージ内に設置する際は、クロクマハムスターが穴掘りできるくらいの高さまで砂を盛ってあげてくださいね。
砂遊びをしているハムスターは比較的病気にかかりにくいというデータもあるそうなので、積極的に設置してみましょう!
📌【おすすめ記事】【参考画像あり】ハムスターケージのレイアウトの基本!必要なグッズと注意点
クロクマハムスターを飼う際の注意点
最後に、クロクマハムスターは飼育しやすく、初心者にオススメとお伝えしましたが、実は注意していただきたいことが2つだけあります。
以下をしっかり押さえて、良い飼い主さんになってくださいね。
◆多頭飼いではケージを分ける
繰り返しになりますが、クロクマハムスターは温厚な性格に反して、ハムスターの中でも縄張り意識が強いタイプです。
1つのケージで多頭飼いをするとケンカして傷つけあってしまうことがあります。
たとえ子どもの頃から同じゲージで育っていたとしても、大人になったらケージを別々にすることが大切です。
◆構いすぎない
飼い主さんの声や匂いを覚えて懐いてくれたり、スキンシップの取りやすいサイズ感であったりすることから、クロクマハムスターにはついつい構い過ぎることがあるようです。
ハムスターは夜行性なので、人間が活動する時間帯に四六時中スキンシップを取っていると、ストレスが溜まり体調を崩してしまう可能性があります。
可愛いあまり構いたくなる気持ちはわかりますが、優しく見守ることも大切です。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、クロクマハムスターについて徹底解説しました。
ゴールデンハムスターを品種改良して生まれたクロクマハムスターは、黒くて熊のような見た目が可愛らしいだけでなく、賢くて人懐っこい性格など、魅力あふれるハムスターでした。
また、「多頭飼いではケージを分ける」「構いすぎない」以外には飼育において特段重要な注意点がないことから、非常に飼いやすいハムスターとも言えます。
ハムスター飼育初心者だから飼いやすいものがいい、定番のカラーよりちょっと個性があるものが好きという方には是非おすすめしたいですね。
この記事を参考にして、クロクマハムスターをお家にお迎えしてみてはいかがでしょうか?
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