レア!しっぽの長いトリトンハムスターの特徴、販売先、寿命は?

2024.03.14

レア!しっぽの長いトリトンハムスターの特徴、販売先、寿命は?

トリトンハムスターは長いしっぽを持つ珍しい種類のハムスターです。皆さんはその名前を聞いてどのようなハムスターかすぐイメージが浮かびますか?トリトンハムスターはどのような特徴を持っているのか、ペットショップで売っているのか気になりますよね。この記事ではトリトンハムスターの特徴と同様に珍しい種類のハムスターについて紹介していきます。


トリトンハムスターとは

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ハムスターといえば、丸くてふわふわしたお尻に短いしっぽがちょこんと付いているイメージがありますよね。対して今回紹介する「トリトンハムスター」は長いしっぽを持つところが通常のハムスターと異なります。

ペットショップで販売されていることもなく、ハムスターの中でもマイナーな存在といえるトリトンハムスター。海神「トリトン」と同じ名前を持つこのハムスターは、どのような特徴を持っているのでしょうか。

◆生物学上の分類

しっぽが長いトリトンハムスターは、しっぽの短いゴールデンハムスターやジャンガリハムスターとは同じ仲間ではないのでしょうか?生物学上の分類について見てみましょう。

ハムスターはキヌゲネズミ科キヌゲネズミ亜科に属するネズミの一種で、現在は世界に7属24種類ほどのハムスターが確認されています。

そして、ハムスターの一種として、キヌゲネズミ(Tscherskia)属に分類されるトリトンハムスターがいます。

トリトンハムスターというのは一般的な名称で、

学名はTscherskia triton(チェルスキア・トリトン)
英語名はGreater Long Tailed Hamster
和名ではキヌゲネズミ

という名称が付けられています。

また、英語名のGreater Long-tailed hamsterは大きいこと、尾が長いことを意味しており、「オオキヌゲネズミ」「ロングテールハムスター」と呼ばれることもあります。

私たちがよく知っているゴールデンハムスターはゴールデンハムスター属、ジャンガリアンハムスター、ロボロフスキーハムスター、キャンベルハムスターはヒメキヌゲネズミ属です。つまり、同じハムスターでもトリトンハムスターとほかのハムスターは全く種類の異なるハムスターで、近縁種ではない、ということになります。

◆見た目の特徴

トリトンハムスターは尾が長いところが珍しいハムスターですが、顔つきや見た目の全体的な印象は一般的なハムスターと大きくは変わりません。ただ、大型で尾が長いことから、体形はラットに近いともいわれることもあるようです。

トリトンハムスターの毛色は全体的に褐色で目は黒色、体はゴールデンハムスターより少し大きめです。体の大きさは、体長は15~35cm、体重は200g前後とされ、ハムスターの中では大型種にあたります。

そして、一般的なハムスターの尾は1cmほどしかありませんが、トリトンハムスターの尾は約8cmとかなり長めになっています。

◆生態

トリトンハムスターの主な生息地は、シベリア、中国、朝鮮半島、中国とロシアの国境を流れるウスリー川の上流域などです。

そして、一般的な野生のハムスターと同様に地中に巣穴を作って住み、夜行性なので日中は巣穴で過ごして夜に活動しています。

食性も他のハムスターと同じように雑食性で、草食性が強い傾向があるとされます。

また、その食性や体の仕組みを生かし、ウイルス、食物や薬物の代謝に関する動物実験に利用されるようになっています。

◆性格

ハムスター全般にいえることで、トリトンハムスターも基本的には臆病で警戒心が強い性格となっています。また、動物実験に利用されているように扱いやすく、人に慣れやすいハムスターともいわれています。

◆寿命

トリトンハムスターの平均寿命については諸説がありますが、2年~4年といわれています。

一般的な小型~中型のハムスターの平均寿命は2年~3年なので、トリトンハムスターの寿命はハムスターの一般的な寿命とそれほど変わらないといえます。(野生下と飼育下、個体によっても寿命には差がみられます。)


トリトンハムスターは入手するのが困難?

ペットショップでトリトンハムスターを見かけることはありませんが、トリトンハムスターは一般には販売されていない動物なのでしょうか。

トリトンハムスターは主に実験動物として利用されています。実験動物専用の動物は一般的なペットとは異なるルートで繁殖、流通が行われています。そのため、トリトンハムスターはペット用のハムスターのように一般消費者向けに販売されることがないのです。

現在のところ、おうちに迎えるペットとしてトリトンハムスターを入手することは難しいといえるでしょう。ただし、ペットショップではなくトリトンハムスターを扱っている動物取扱業者から入手できる可能性はあります。

なお気になるのはトリトンハムスターの値段ですが、はっきりした価格帯は公表されていません。もちろん珍しいハムスターなので、ペットショップで販売されているハムスターより高額であることが想像できます。


その他、珍しいハムスターの種類

私たちがよく知っているのは、ゴールデンやジャンガリアン、ロボロフスキーといったペット向きのハムスターですが、それ以外にあまり知られていないハムスターがたくさんいます。

そこで、ここではトリトンハムスターと同様にあまり知られていない珍しい種類のハムスターをいくつか紹介したいと思います。

◆チャイニーズハムスター

チャイニーズハムスター
引用:ペットの専門店コジマ

トリトンハムスター以外にもしっぽが長いハムスターがいます。それがモンゴルキヌゲネズミ属に属するチャイニーズハムスターです。

ハムスターの大半はしっぽが短いのですが、モンゴルキヌゲネズミ属に属するハムスターは皆しっぽが長いという特徴があります。そのうち、中国で発見されて実験動物として繁殖、飼育されるようになったのがチャイニーズハムスターです。賢くて人に慣れやすく、ペットショップでも目にするようになっています。

チャイニーズハムスターは中国、モンゴルなどに生息する小型のハムスターで「モンゴルキヌゲネズミ」とも呼ばれます。しっぽが長くてネズミのようにスリムな体形をしているところが特徴です。

しっぽが長いところ、中国に生息しているところなどはトリトンハムスターと似ていますが、トリトンハムスターはキヌゲネズミ属のハムスターであり、生物学上の分類は異なります。

◆ブラントハムスター

ブラントハムスターは、西アジア原産の中型のハムスターです。ゴールデンハムスター属に属し、その姿はゴールデンハムスターとよく似ています。

ハムスターには冬眠できない個体が多い中で、ブラントハムスターには冬眠に成功する個体が多いことが発見されました。そのため、冬眠の研究をするための実験動物として用いられるようになっています。

ペット用として普及していないこともあり、知名度はそれほど高くありません。ペットショップでも取り扱われていないので、ペットとして飼育することは難しいでしょう。

◆ニュートンハムスター

ニュートンハムスターは、ルーマニアやブルガリアに生息し「ルーマニアハムスター」とも呼ばれています。ゴールデンハムスター属に属し、姿はゴールデンハムスターに似ていますが、背中に黒い線があるといった特徴を持ちます。

IUCNレッドリストに指定されている絶滅危惧種のため、ペットとして流通することはありません。

◆クロハラハムスター

クロハラハムスターは、その名のとおりお腹が黒いという特徴を持つ大型のハムスターです。ルーマニアからベルギー、ロシアなどに生息し「ヨーロッパハムスター」とも呼ばれます。

体長は20~30cm、体重は300g~700gとサイズはハムスターの中でも最大級です。かつては国内でもペットショップで販売されていましたが、気性が荒くなつきにくいことからあまり普及せず、国内から姿を消してしまいました。

さらに原産地では個体数が激減して現在はIUCNレッドリストの絶滅危惧種に指定されているため、一般に流通することはなくなりました。現地では野生のクロハラハムスターを見ることもできますが、日本では幻のハムスターといえる存在になっています。

◆番外編:カンガルーハムスター

ハムスターではありませんが、和名に「ハムスター」が付くカンガルーハムスターも紹介しておきます。

カンガルーハムスターは和名のとおり、カンガルーのように長いしっぽを持ちピョンピョン飛び跳ねるという特徴を持ちます。その姿はドワーフハムスターのように小柄で可愛らしいのですが、カンガルーハムスター科に属するネズミの仲間でありキヌゲネズミ科であるハムスターとは種類が全く異なります。

ペットとしてもほとんど流通していません。動物園では飼育されていることがあるので、国内でもその姿を見ることは可能です。


まとめ

今回は、珍しいハムスター「トリトンハムスター」について紹介しました。しっぽが長くて体が大きく、ラットのような雰囲気を持ちあわせているハムスターということが分かりましたね。

主に実験動物として流通しているため、私たちがトリトンハムスターを実際に目にする機会はほとんどないのですが、もしかすると医学や食品の研究を通して私たちの暮らしとは間接的につながっているかもしれません。

世界にはトリトンハムスターのように珍しいハムスターが他にもたくさんいます。時には、あまり知られていないハムスターに意識を向けてみるのも良いのではないでしょうか。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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