1.うさぎから突然「ブー」という音がした!
1-1.鳴き声の「ブー」
1-2.おならの「ブー」
1-3.そもそも「おなら」とは
2.うさぎのおならは珍しい
2-1.うさぎはめったにおならをしない
2-2.おならはくさい?
2-3.実際におならを聞いた時の感想
2-4.頻繁にする時は胃腸の動きが弱まっている可能性がある
3.おならのほかにこのような症状があれば動物病院へ
3-1.食欲がない
3-2.元気がない
3-3.うんちが出ない、いつもと違う
3-4.おなかが張っている
3-5.耳が冷たい
うさぎから突然「ブー」という音がした!
うさぎと一緒にいる時に、うさぎから突然「ブー」という音が。まさか、これはオナラ?うさぎもおならをするのか、この音は何なのか…初めて聞いた時はびっくりしてしまいますよね。
実は、うさぎから「ブー」という音が聞こえるのは珍しいことではありません。この音の正体はうさぎの鳴き声、または、実際にうさぎがしたおならのどちらかです。
◆鳴き声の「ブー」
うさぎから聞こえる「ブー」や「ブッブッ」という鳴き声は、うさぎが鼻を鳴らした時に出る音です。
うさぎは声帯がないので鳴くことはできませんが、代わりに鼻を鳴らして感情表現をします。
低い音で「ブー」「ブッブッ」と鼻を鳴らすのはうさぎの機嫌が悪い時、怒っている時、少し高い音で「プウプウ」と聞こえるのは嬉しい時です。また、鼻が詰まり気味だと呼吸をする際に「ブー」と音が鳴ることもあります。
その音はおならにそっくりなので、うさぎがおならをしたと勘違いされることも少なくありません。
◆おならの「ブー」
うさぎのお尻の辺りから「ブー」「スー」と、人間のおならのような音が聞こえてきた時は、実際にうさぎがおならをしている可能性があります。
うさぎがおならをした時のリアクションはさまざまで、おならをした瞬間に自分でびっくりすることもあれば、何事もなかったようにすましていることもあるようです。もちろん、人間のように笑ったり恥ずかしがったりすることもありません。
◆そもそも「おなら」とは
普段おならについてじっくり考えることはないので、そもそも、おならは何なのか、なぜおならが出るのか、少しふり返ってみたいと思います。
おならは、腸内ガスが肛門から出る現象のこと。おならは生理現象であり、私たち人間、うさぎも含め、ほ乳類はおならをするのが普通です。
この腸内ガスは、飲み込んだ空気と食べ物が分解された時に発生したガスが混ざったものです。
そして、おならをすると音が鳴るのは、腸内のガスが肛門を通る時、肛門の皮膚が振動するからです。ガスの量やおならの勢いなどによって「ブー」「スーッ」などと音も異なります。
おなら自体は特にくさくありませんが、食べた物によってはにおいが強くなることがあります。また、腸内環境が良くないと硫化水素やスカトールなどの悪臭成分が発生して、くさいおならが出るようになります。また、その原因は食生活や生活習慣の乱れ、内臓疾患にあるといわれています。
うさぎのおならは珍しい
うさぎもおならをするのですが、頻繁におならをすることはあるのでしょうか。
◆うさぎはめったにおならをしない
実は、うさぎはほとんどおならをしません。「うさぎのおならを聞いたことがない」という飼い主さんも多いでしょう。
そもそも、おならがよく出るのは腸内にある食べ物からガスがたくさん発生するからなのですが、うさぎの腸はあまりガスが発生しません。うさぎの消化器官は常に動いていて、私たち人間よりも食べ物がとどまる時間が短くなっています。食べ物はガスが発生する間もなく、糞になって排泄されてしまうのです。
ですから、うさぎのほうから「ブー」とおならのような音が聞こえてきたら、それはおならではなく、鼻を鳴らした音である可能性が高いと考えられます。
もし、うさぎが鼻を鳴らしたのならば、うさぎは飼い主さんに感情を伝えようとしているところです。うさぎが今どんな気持ちになっているのか、何を訴えているのかを汲み取って接してあげるとよいでしょう。
◆おならはくさい?
うさぎのおならは、くさい時とくさくない時があります。
ガスが少量なら、においに気付くことは少ないでしょう。ただし、肛門の周りがうんちやおしっこで汚れている場合、肛門の横にある臭腺からにおいの元が分泌されている時は、ガスにそのにおいが付いて、くさいおならになってしまうことがあります。
また、腸内環境が良くない場合もくさいおならが出ることがあります。これは人間と同じです。
いずれにしても、くさくないおならが良いに越したことはありませんよね。
◆実際におならを聞いた時の感想
うさぎのおならは本当に珍しいです。個人の体験談で恐縮ですが、私もうさぎのおならには1回しか遭遇したことがありません。
あれは、うさぎの目の前にいた時です。座っているうさぎがお尻だけ少し前にずらしたので「どうしたのだろう?」と思った瞬間「ぷ、すっ」と半分すかしたような小さな音が聞こえました。
おならを出すためにお尻を動かしたのか、お尻を動かしたはずみでガスが出てしまったのかはわかりません。少しきばっているように見えたので、鼻の音ではなくおならを出したのは確かだと思いました。
ニオイはなく、うさぎは何事もなかったように涼しい顔をしていました。その後の体調も良かったので、問題ないおならだったようですね。
ちなみに、うさぎを飼い始めた頃は鼻を鳴らした音をおならと間違えることがありましたが、実際におならを聞いてみると鼻の「ブー」とおならの音はどこか雰囲気が違うと思いました。
◆頻繁にする時は胃腸の動きが弱まっている可能性がある
うさぎが頻繁におならをするのは良いことではありません。おならがよく出る時は、胃腸の動きが弱まっていることが考えられます。
胃腸の動きが弱まると、食べ物を分解する腸内細菌のバランスが乱れ、ガスが発生させる細菌が増えてガスが溜まりやすくなってしまいます。
胃腸の動きが弱まるためにガスが溜まったり糞が出なくなったりする症状を「胃腸うっ滞」といいます。胃腸うっ滞はうさぎに起こりやすい不調ですが、短時間で重症化して命を落とすことがあるので注意が必要です。
うさぎが頻繁におならをする場合は放っておかず、獣医師に相談するどの対処を取ることが薦められます。
おならのほかにこのような症状があれば動物病院へ
うさぎがおならを出したとしても元気にしていて、普段はおならをすることがないならば、あまり心配はいりません。
ただし、うさぎが頻繁におならをするようになり、ほかに気になる症状がみられたら、動物病院を受診して原因を見つけると共に症状を改善する治療を受けることが必要となります。
◆食欲がない
胃腸の動きが弱くなるために食欲がわかなくなってしまいます。また、胃腸の動きが鈍くなるとガスが溜まりやすくなり、腸内ガスによる膨満感や痛みのせいで、さらに食欲が低下してしまいます。
◆元気がない
胃腸にガスが充満すると、ガスが胃腸を圧迫して痛みを引き起こすため、うさぎは苦痛を感じて元気がなくなります。
うさぎは不調を隠して元気にふるまうといわれますが、観察していると元気がないことに気付くことができます。
あまり動かない、隅っこにうずくまってじっとしている、目がどんよりしている、など、いつもと様子が違って見える場合は、胃腸うっ滞などの体調不良を疑いましょう。
◆うんちが出ない、いつもと違う
うんちの状態はうさぎの健康のバロメーターです。健康な時は丸くて大きな糞をたくさん出しますが、胃腸の動きが弱くなると糞の大きさや形、数に変化がみられるようになります。
おならが出て、このような糞がみられる場合は、胃腸に問題があることが考えられます。
- 糞が少ない、出ない
- 糞が小さい、形がいびつ
- 軟便、下痢がある
- 糞がつながっている
◆おなかが張っている
うさぎのお腹は柔らかくてほど良い弾力性がありますが、ガスが溜まると張って硬くなります。
もし、うさぎのお腹が触れるようなら、お腹をやさしく触って硬さをチェックしてみるとよいでしょう。柔らかさが感じられない、または、痛がって嫌がる場合はガスが溜まっていることが考えられます。
なお、うさぎのお腹とてもデリケートな場所なので、強く圧迫しないように気を付けましょう。
◆耳が冷たい
耳を触った時にひんやりと冷たく感じる場合は、体温が低下していることが考えられます。
うさぎは体温が低下すると、胃腸うっ滞などさまざまな不調が起こりやすくなります。また、すでに耳が冷たい場合は、胃腸うっ滞を起こして苦しんでいることも考えられます。
体温低下は良い状態ではありません。すぐ体を温めると共に受診して適切な治療を受けることが必要となります。
うさぎのお腹にガスが溜まるのを防ぐには
うさぎがよくおならをするようになったら、うさぎの胃腸に問題がないか健康状態に気を配る必要があります。胃腸にガスが溜まりやすくなる原因を見つけ、食生活や飼育環境を改善していきましょう。
◆牧草をたっぷり与える
おならがよく出る場合、原因の一つに食物繊維不足が考えられます。うさぎは、牧草をしっかり食べて食物繊維を十分に摂取する必要があります。
牧草をたっぷり食べているうさぎは、胃腸がよく動き、腸内細菌が正常にはたらくので、糞もしっかり出るしガスが溜まることもありません。
しかし、牧草をあまり食べずに野菜や果物、おやつばかり食べていると、ガスが多く発生して胃腸うっ滞を引き起こしたり、下痢や軟便が起こりやすくなったりしてしまいます。
うさぎのおならが気になる場合は、間食を控え、たっぷりの牧草と適量のペレットを与え、胃腸の動きを正常な状態に導いてあげましょう。
◆ストレスに気を付ける
うさぎの体はとてもデリケートで、ちょっとしたことで体の調子を崩してしまいます。特にストレスが原因で胃腸の動きが弱まって、食欲低下や胃腸うっ滞が起こすことが多いので、なるべくうさぎにはストレスを与えないようにすることが大切です。
環境の変化、寒暖差、騒音や強い香りなどは、うさぎのストレスになります。飼育環境や生活リズムを整え、うさぎが快適で健康に過ごせるよう配慮をしてあげましょう。
まとめ
うさぎさんもおならをするんです。ですが、そうめったにはしません。突然「ブー」とおならのような音が聞こえたら、それは鼻を鳴らした可能性が高いでしょう。
ただし、うさぎが本当におならをよく出しているなら、胃腸の状態が心配です。胃腸の動きが弱まっていることが考えられるので、動物病院を受診するなどして体調管理に努めましょう。
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