1.ドジョウの生態と特徴
1-1.種類
1-2.サイズ
1-3.生息地
1-4.寿命
1-5.性格
1-6.繁殖
3.ドジョウ飼育に必要なもの
3.ドジョウの餌
3.水槽
3.カルキ抜き
3.ろ過フィルター
3.適切な底砂
3.ヒーター
3.水草
3.隠れ家
ドジョウの生態と特徴
一般的なドジョウは「マドジョウ」とも呼ばれていて、泥底に生息する淡水魚です。ドジョウは、常に泥や砂に潜っているため、表面のヌメリが強く、砂の摩擦などから身を守ることができます。生息場所に体色を合わせるといった特徴をもっているため、種類によっては見た目にも様々な色合いや模様をしています。ドジョウは食べ残しを食べてくれるため、「クリーニングフィッシュ」と呼び名のあるお掃除屋さんとしても有名です。
◆種類
- ヒドジョウ
- シマドジョウ
- ホトケドジョウ
- フクドジョウ
- アルビノドジョウ
- アジメドジョウなど
◆サイズ
一般的なドジョウは体長が15cm前後に成長します。種類によっては10㎝以下のサイズも多くいます。ドジョウの中でも体が小さい「ホトケドジョウ」は体長が6㎝前後。「フクドジョウ」は体長が20~30cmになることもあり、種類や飼育環境の影響によってサイズも大きく変わります。
◆生息地
ドジョウの習性として泥が多い場所を好んで水底に棲んでいるため、野生のドジョウは日本全国の「田んぼ」「池」「沼」「河川」「用水路」に生息しています。
ドジョウの入手方法としては生息場所から捕獲をするか、専門のアクアショップや観賞魚も販売しているペットショップなどでも取り扱っていることが多いので、近くの販売店で購入することも可能です。
◆寿命
ドジョウの平均寿命は種類や飼育環境によって異なりますが、8年~10年と長く生きる個体が多くいます。「シマドジョウ」や「ホトケドジョウ」は3年前後と短い傾向にあります。寿命の長さは飼育環境でのストレスも大きく左右されます。
◆性格
ドジョウは基本的に穏やかな性格をもつ魚です。少し神経質な部分があり、周囲の変化をいち早く察知して逃げたり隠れたりするため、適切な底砂や隠れ家などでレイアウトとしてあげましょう。ドジョウの種類によっては肉食性の強いものもいます。
◆繁殖
飼育しているドジョウを増やしたいと思っても、家庭内での繁殖は難しく、ほとんど不可能です。養殖もかなり困難なのでとても貴重な淡水魚でもあります。
ドジョウ飼育は難しい?
体も丈夫なので、ドジョウに適した器具を用意し飼育環境を整えれば、初心者にも簡単に飼育できる人気の淡水魚です。相性の良い魚であれば一緒に混泳することもできます。ドジョウの飼育に必要なものや飼育方法の詳細についてご紹介します。
ドジョウ飼育に必要なもの
ドジョウの飼育に必要なものや飼育方法の詳細についてご紹介します。
◆ドジョウの餌
ドジョウは雑食性の淡水魚です。栄養面を考えると主食には市販で販売されている「ドジョウの餌」や「川魚の餌」を選ぶと良いでしょう。低層で過ごしているので、「沈下性」の底に沈むタイプの餌を与えるようにします。しかし自然採取したドジョウは、人工飼料に慣れておらず食いつきが悪いこともあります。その場合は、イトミミズや冷凍のアカムシなど自然に近い餌から与えて様子見てみましょう。
餌の与えすぎは良くありませんが、別の淡水魚と混泳させる場合は、餌が落ちる前に他の魚たちが餌を食べてしまうこともあるため、ドジョウが餌をきちんと食べているかを気にかけてあげましょう。一回に与える餌の量は、数分程度で食べきる量を1日に1~2回程度で十分です。餌を与えすぎると水質の悪化や食べすぎで弱ってしまう原因にもなるため気をつけましょう。
◆水槽のサイズ
小型のドジョウ以外は45㎝以上の水槽で飼育してあげましょう。稚魚は5cm程度で販売されていることが多く、飼い始めは良いですが、あっという間に成長して動けるスペースが狭くなり、ドジョウにストレスがかかってしまいます。
個体によっては体長が20㎝以上になることも多いため、水槽サイズは60cm以上を選ぶようにしましょう。また、活発なドジョウは水中から勢いよく飛び出してしまうこともあるので、水槽を選ぶ際にはフタ付きのタイプを選ぶと安心です。ドジョウがすり抜けられるくらいの隙間があると危険なため、フタの空気穴の大きさには注意しながら取り付けておきましょう。
◆カルキ抜き
ドジョウなどの淡水魚を飼育する際は「カルキ」と呼ばれる塩素を取り除いた水で飼育しなければなりません。一般的な家庭用の水道水には必ずカルキが含まれているので、水を張った水槽に水量に見合ったカルキ抜き剤を入れます。カルキ抜きは液体、固形タイプがありますが、液体タイプの方が馴染みやすく、すぐに中和してくれます。水換えは週1くらいで行いましょう。水質が悪化すると病気を引き起こしやすくなるため注意が必要です。
◆ろ過フィルター
ドジョウは綺麗な水を好むため、水中の汚れを取り除く「ろ過フィルター」は欠かせません。フィルターには「上部フィルター」と「底面フィルター」がありますが、どちらも使用することができます。それぞれに見た目や静音性、メンテナンス方法など、メリットとデメリットがありますので、フィルターの特徴を考慮しながら取り付けましょう。
◆適切な底砂
砂に潜るドジョウは、粒が細かく角のない底砂を選ぶようにしましょう。粒が大きいと潜ることができず、粒に角がある形はドジョウの体を傷つけてしまう原因になるので避けるようにします。おすすめなのは、「田砂」「玉砂利」「大磯砂」が底砂に適しています。
◆ヒーター
野生のドジョウが活発に動く時期は4月~10月の暖かい季節です。5~30℃の水温でも生きることができますが、20~28℃くらいを保つと元気に過ごすことができます。ドジョウだけでの飼育であれば、基本的にヒーターはなくても大丈夫ですが、他の熱帯魚と混泳させるときは、水槽内にヒーターを設置して温度変化を防ぐようにします。60㎝以上の大型の水槽の場合は設定温度を変更できる「サーモスタット付ヒーター」を取り付けることが一般的です。ほとんどの場合、15~35℃まで変更することができます。
◆水草
ドジョウのいる水槽には、「ホテイアオイ」のような浮くタイプの水草が適しています。底砂に植えるようにして育てるタイプの水草の場合、ドジョウが潜った時にすぐに抜いてしまいます。
また、コケの一種で流木や岩に活着する「ウィローモス」や「ミクロソリウム」のような葉が大きい水草も緑が映えるのでおすすめです。最初から流木とセットの状態で販売されているタイプを選べば、置くだけで存在感のあるインテリア水槽になりますよ。
◆隠れ家
ドジョウは潜ったり隠れたりする習性があるため、土管やアーチ状の流木、ロックシェルターなどを水槽内に隠れ家を作ってあげましょう。身を隠しやすい少し大きめの置物なども、ドジョウが潜るきっかけになります。好みの雰囲気をイメージしながら楽しくレイアウトしたいですね。
ドジョウと混泳できる魚
基本的にほとんどの淡水魚と相性が良く、一緒に混泳させることができます。とくに同じ川魚や気性が荒くない種類の熱帯魚がおすすめです。
- 金魚
- メダカ
- コリドラス
- ネオンテトラ
- ミナミヌマエビ
- タニシ
ドジョウは水底を好むので、中間層を泳ぐ金魚と混泳すると見た目も一気に華やかになります。ドジョウと同じように食べ残しやコケを餌とするプレコやタニシを入れると水槽内を美しく保つことができます。
エビの中では、大きめの「ヤマトヌマエビ」と相性が良いです。大型種や気性が荒いドジョウの場合はエビや小さい魚は食べてしまう可能性もあるので注意が必要です。
ドジョウは水道水で飼育できる?
ドジョウは家庭の水道水で飼育できますが、カルキ抜きを用意して必ず塩素を取り除きましょう。水道水に含まれている塩素は、人間にとって健康上の影響がありませんが、魚にとっては微量でも体調を崩す原因になります。
カルキ抜きを入れて調整する以外にも、汲み置きで水道水のカルキを抜く方法があります。バケツや水槽に水を溜め、日光が当たる場所で一日程度置くと早く抜けます。気温や天気によってカルキが抜けるスピードが異なり、時間もかかる方法なので、ドジョウを飼育する前に準備しておくと良いでしょう。
ドジョウは屋外でも飼育できる?
生命力の強いドジョウは屋外飼育にも適しています。水温も急激な変動がなければ適応しながら生きるたくましい淡水魚です。
ただし、夏場の直射日光は避けるようにしましょう。
与えられる餌以外にもコケや水草を食しますが、日光が強すぎてコケが大量に生えることもあるため、水槽のメンテナンスは必要です。野外でドジョウを飼育する場合も水槽から飛び跳ねて脱走する可能性があるのでフタは必ず取り付けておきましょう。
まとめ
ドジョウは水質や水温に対して適応力が高く、初心者でも簡単に飼うことができます。ドジョウの見た目は少し地味ですが、ドジョウの愛嬌あふれる表情を見れば癒されること間違いなしです。隠れたり潜ったりする習性があるドジョウのために、水草や隠れ家などを上手く取り入れて快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
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