1.デグーは多頭飼い可能な小動物?
1-1.社会性のある動物で、野生では集団で生活している
1-2.相性次第では同じケージでの多頭飼い可能
1-3.多頭飼いのメリットもある
2.デグーを多頭飼いするメリット
2-1.仲良く遊ぶ姿が見られる
2-2.構ってあげられないときでも、楽しく過ごしてもらえる
3.デグーを多頭飼いするデメリット
3-1.相性が合わないと激しいケンカになる
3-2.単純に飼育費用とお世話が2倍になる
4.デグーを多頭飼いするときに検討すべきこと
4-1.性別の組み合わせ
4-2.先住デグーの年齢
4-3.相性が悪かった場合のこと
デグーは多頭飼い可能な小動物?
デグーは小動物の中でも社会性が高く、コミュニケーション能力に優れていることで有名です。
そんなデグーと日頃から触れ合っている飼い主さんのなかには、「デグーは多頭飼いできるはず」と考えている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、その通り、デグーは多頭飼い可能な小動物です。
◆社会性のある動物で、野生では集団で生活している
野生のデグーは1匹のオスと数匹のメスが群れとなり、家族単位で生活しています。
先述の通り、デグーは社会性が高いうえにコミュニケーション能力も発達しており、鳴き声で仲間と意思疎通し合うことでも知られています。
興奮した時や怒った時には「キー」と大きな声を出し、挨拶をする時には「ピピッ」とさえずるなど、その鳴き声は多様で「アンデスのうたうネズミ」とも評されるほどです。
したがって、ペットとしてデグーを飼育する場合も、数匹の個体を多頭飼いすることは可能と言えるでしょう。
◆相性次第では同じケージでの多頭飼い可能
デグーを多頭飼いする際に重要なのが、同じケージ内で飼うかどうかです。互いに相性の良いデグー同士であれば、同一のケージ内で飼育しても問題はありません。
同じケージ内でデグーを飼育できればお世話の手間が少なくなるほか、デグーが1匹きりで寂しい思いをすることもないでしょう。
ただし、デグーは人間と同じく1匹ごとに気性や性格が異なります。
個体によってはデグー同士の相性が合わないケースがあり、そのような場合はケージを分けて飼育するのが望ましいといえます。
野生環境であれば、デグーは他のデグーと相性が合わないと感じた場合、その場を離れて別のデグーと群れることができます。
しかし、ペットとしてケージの中で飼育する場合、デグーは他と相性が合わないからといってそこから逃げることはできません。
仲が悪いデグーを無理やり同じケージ内に閉じ込めておくと、ケンカが起きて怪我をしたり、ストレスからデグーの体調が悪化したりする恐れがあるので注意が必要です。
◆多頭飼いのメリットもある
実際にデグーを多頭飼いすることにはいくつかのメリットも考えられます。
繰り返しになりますが、デグーは本来、集団で行動する動物です。
デグーによっては寂しがり屋なケースもあり、単頭飼いだと元気がなくなってしまう可能性もあるのです。
そのため、デグーを多頭飼いすると、1匹が食事を食べ始めると残りのデグーも食べ始めたり、1匹が遊び始めると残りのデグーもまざって遊び始めたりするなど、結果的にみんなが元気に暮らしやすくなると考えられます。
集団行動によって起床や就寝といった生活リズムも安定しやすくなるため、多頭飼いはデグーの健康増進にも効果をもたらす可能性があるでしょう。
デグーを多頭飼いするメリット
前章では、デグーの多頭飼いには健康面のメリットもあるとご紹介しました。
実際にデグーを多頭飼いすると、他にもさまざまなメリットが得られます。
ここでは、飼い主さんの目線からデグーを多頭飼いするメリットとして代表的なものを2つご紹介します。
◆仲良く遊ぶ姿が見られる
デグーは単体でも非常に愛らしい小動物ですが、野生と同じように複数匹と一緒に暮らす環境を用意することで、これまで見られなかったデグー同士の触れ合いを見ることができます。
追いかけっこのようにケージの中を散歩する「部屋んぽ」や、寒さを凌ぐためにデグー同士が体を寄せ合う「デグ団子」など、デグーの仲の良い姿に魅了される小動物ファンは少なくありません。
加えて、デグー同士で遊び合うことによって運動不足が解消されるため、デグーの多頭飼いは健康増進の効果も期待できますよ。
◆構ってあげられないときでも、楽しく過ごしてもらえる
デグーを多頭飼いするもう一つのメリットは、飼い主さんが忙しくてお世話できないときもデグーが寂しい思いをせずに済むことです。
繰り返しになりますが、もともと群で生活する習慣を持つデグーは基本的に他の誰かと一緒にいることを好みます。
裏を返すと、 飼い主さんがデグーに構ってあげないと、デグーは寂しさからストレスを抱えてしまう可能性があります。
飼い主さんとしても、可愛いデグーの相手をしてあげたい気持ちはあるものの、仕事や家事などで思うように時間が取れないこともあるでしょう。
そんなとき、デグーを多頭飼いしていればデグー同士で戯れあいながらストレス発散してくれます。
忙しい飼い主さんにとって、デグーの多頭飼いはお世話の手間が少なくなり、なおかつデグー同士のストレスも軽減できるといえるでしょう。
デグーを多頭飼いするデメリット
デグーの多頭飼いには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
デメリットを理解しておかないと、デグーに思わぬケガやストレスを与えてしまう可能性があります。
ここでは、デグーを多頭飼いするデメリットとして代表的なものを2つご紹介します。
◆相性が合わないと激しいケンカになる
デグーはその優れた社会性ゆえに「あの個体とは性格が合わない」という高度な理由からケンカをしてしまうケースもあります。
また、デグーにも性格の個体差はあるので、おとなしめな個体と活発な個体を同じケージに入れてしまうと、性格の不一致から一方がストレスを溜めたり、ケンカに発展したりすることもあるでしょう。
デグーを多頭飼いする場合、はじめの数日はデグー同士の様子を注意深く見守ることが大切です。
はじめは相性がよかったデグーでも、さまざまな理由で後から不仲に転じるケースもあります。
デグーを多頭飼いする場合は、デグーがいつケンカをしてもいいように匹数分のケージを用意しておくと安心です。
◆単純に飼育費用とお世話が2倍になる
当然ですが、デグーを多頭飼いすると飼育費用が単純に倍になっていきます。
だからといって必要なアイテムを揃えずに飼育すると、デグーにとって快適な飼育環境ではなくなってしまい、ストレスや体調不良などのトラブルに発展しかねません。
デグーを多頭飼いしたいのであれば、あらかじめ何匹までなら余裕を持って飼育できるのか予算を明確にしておきましょう。
お金に余裕がないにもかかわらず、無理に多頭飼いすることはおすすめできません。
デグーを多頭飼いするときに検討すべきこと
ここからは実際にデグーの多頭飼いを予定している飼い主さんに向けて、飼育を始める前に検討すべきポイントを3つご紹介します。
◆性別の組み合わせ
デグーを多頭飼いする際は、デグーの性別の組み合わせに十分留意しましょう。
一般的にオスのデグーは縄張り意識が強く、オス同士での多頭飼いは向かないと言われています。
また、比較的穏やかなメス同士であっても、社会性があるがゆえに上下関係が築かれます。
争わずに上下関係を築くためには、ある程度体格差のあるデグーを組み合わせて多頭飼いをすると良いでしょう。
さらに、オス×メスの組み合わせは望まない繁殖につながる可能性がある為、注意が必要です。
デグーは繁殖力の強い動物で、交尾すればかなりの確率で妊娠し、妊娠からおよそ3ヶ月で3〜10匹の子どもを産みます。
責任を持って子どもの面倒を見ることができないなら、オス×メスの組み合わせは決しておすすめできません。
繁殖を望まない飼い主さんは絶対に避けてくださいね。
◆先住デグーの年齢
はじめにデグーを単頭飼いしていて、後から新しいデグーを迎えて多頭飼いする場合は、デグー同士の年齢差に注意しましょう。
もしも先住デグーがシニアで、新しいデグーが若い場合、体力のある新しいデグーのマウンティングによって先住デグーの立場が低くなってしまう可能性があります。
先住デグーがシニアの場合、急に環境が変わる多頭飼いはおすすめできるものではありません。
一般的にデグーは生後3ヶ月~6ヶ月程度で大人になるといわれています。
大人デグーは繁殖が可能になるほか、自分よりも幼いデグーのお世話をするようにもなります。
後から新しいデグーをお迎えするなら、先住デグーが丁度大人になったタイミングで子どものデグーをお迎えすると、デグー間の上下関係が安定しやすいでしょう。
◆相性が悪かった場合のこと
万一に備えて、デグーを多頭飼いする時には複数のケージを用意しておくのがおすすめです。
ケージが1つしかないと、デグー同士がケンカをした際に引き離すことができず、更なる関係悪化やひどい怪我につながる恐れがあります。
お部屋のスペースなどの都合でどうしてもケージが1つしか置けない場合は、仕切りを取り付けられるケージに変えるなどの工夫が必要です。
デグーの多頭飼いは慎重に進める
デグーを多頭飼いする際は、飼い始めが最も重要です。
最初からデグーを直接対面させるのは、あまり望ましくありません。
まずは 別々のケージ内にデグーを入れて、ケージ同士を向かい合わせることで「同じような動物がいる」と認識させましょう。
この時、ケージ内のステージやハンモックは同じ高さに設定して、マウンティングしにくくすることも大切です。
デグーがお互いの存在を認識したら、ケージ内の小物を入れ替えて、お互いの匂いに慣れさせます。
ここまでクリアしてやっと、デグーをケージから出して一緒に散歩させることができるでしょう。
だんだんとデグー同士が行動を共にするようになれば、同じケージ内で飼育しても問題ないと考えられます。
しかし、先述の通り、ケージ内で一緒に暮らすようになってから急に不仲になる可能性も捨てきれません。
数ヶ月間はデグーの様子をよく観察して、いつでも別ケージに移せるようにするなど、デグーの多頭飼いは慎重に進めましょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、デグーは多頭飼いできるのかについて徹底解説しました。
デグーは元々集団で暮らす習性を持っているため、多頭飼いが可能な小動物です。
しかしながら、人間と同じくデグーにも個体によって性格や相性が異なるため、本当に多頭飼いできるかどうかはじっくり見極める必要があります。
デグーが安心して暮らせるような環境を整えてあげることが飼い主さんの最優先事項でしょう。
ぜひ、この記事を参考にして、デグーの多頭飼いかを検討してみてくださいね。
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