モルモットは多頭飼いが向いている?複数飼育のメリットデメリットと注意点

2023.01.14

モルモットは多頭飼いが向いている?複数飼育のメリットデメリットと注意点

丸っこいフォルムに短い手足が可愛いモルモットは、近年ペットとしての人気も高まっています。 しかし日本では、2匹以上の多頭飼いをしているご家庭は少ない印象です。 多頭飼いしても大丈夫なのかと気になっている方は多いのではないでしょうか。 そこで、この記事では、モルモットは多頭飼いできるのかについて徹底解説していきます。 既にモルモットを飼っているモル飼いさんも、検討中の方もぜひ参考にしてくださいね。


モルモットは多頭飼いできる?

モルモット

モルモットは小動物ならではとも言える強い警戒心を持っています。
モル飼いさんのなかには、「多頭飼いには向いていなさそう」という印象をお持ちの方もいることでしょう。
実際のところはどうなのでしょうか。

◆多頭飼いできる

結論からお伝えすると、モルモットは多頭飼いすることができます。
ただし、警戒心が強い動物であることは事実です。
多頭飼いする場合には、モルモット同士の相性を見極める必要があるでしょう。

◆本来群れで行動する動物

多頭飼いできる理由は「モルモットがもともと群れで行動する動物」だからです。
野生のモルモットは集団で暮らすことで外敵から身を守っていました。
そのため実は、モルモットには寂しがり屋の一面もあります。
飼い主さんは仕事やプライベートの用事などで、四六時中モルモットの側にいることはできませんよね。
多頭飼いをすることで、モルモットが寂しい思いをしないで済むでしょう。

◆海外にはモルモットの多頭飼いに関する法律もある?!

実際に、寂しがり屋のモルモットのストレスの原因とならないように、海外では多頭飼いが推奨されています。
動物愛国として知られるスイスではなんと、2008年に単独飼育を禁止する法律も施行されました。
この法律ではモルモットだけでなく、金魚やインコなど自然界では群れで暮らす小動物の単独飼育を禁止としています。
より自然に近い形で動物を飼育するべきという意志が伝わる動物愛国ならではの法律ですよね。

◆多頭飼いをするかどうかは慎重に判断して

とはいえ、モルモット同士の相性が悪い場合、多頭飼いをするとかえってトラブルが発生する可能性もあります。
また、日本ではペット飼育放棄が問題視されており、複数匹のモルモットを最後まで責任をもって飼育できるかという懸念点もあるのが正直なところです。

多頭飼いの場合は全てのモルモットが快適に過ごせるように十分な広さのあるケージを用意するなど、飼い主として果たすべき飼育方法も異なってきます。
たくさんのモルモットと暮らしてみたいという気持ちだけで軽率に多頭飼いすることはおすすめできません。
単独飼育禁止という法律のない日本においては、モルモットが1匹であっても、愛情を持って飼育していれば問題はありませんよ。


モルモットを多頭飼いするメリット・デメリット

モルモットは多頭飼いできる動物であると分かりましたが、実際のところ、多頭飼いをした方がいいのでしょうか。
ここでは、モルモットを多頭飼いするメリット・デメリットとして代表的なものを、それぞれ3つずつご紹介します。
ご家庭の事情もあわせて、多頭飼いすべきかどうか判断してみてくださいね。

◆多頭飼育のメリット

多頭飼いする1番目のメリットは、繰り返しになりますが「モルモットが寂しくない」ということです。
単独飼育の場合はどうしてもモルモットをお留守番させてしまう時間が発生しますよね。
もともと群れで暮らしていたモルモットにとって、コミュニケーションが取れない時間は相当なストレスとなる恐れがあります。
なかには、少食だと思っていたモルモットが多頭飼いをして仲間ができた途端によく食べるようになったという話もあり、モルモットにとって寂しくない環境は生きるエネルギーにも直結する大事な要素と言えそうです。

次に、2番目のメリットは「モルモット同士のふれあいが見られる」ということです。
モルモットは飼い主さんに懐いてくると、お部屋の中を後追いする「部屋んぽ」や、嬉しい時に飛び跳ねて喜ぶ「ポップコーンジャンプ」などの仕草を見せてくれます。
多頭飼いでは、そんなモルモットが一緒に部屋んぽしたり、鼻をヒクヒクしあったりするようなモルモット同士のコミュニケーションを見ることができます。
モルモットの可愛さも倍増すること間違いなしです。

最後に、3番目のメリットとしては「モルモットの健康管理がしやすい」ということが挙げられます。
モルモットも他の動物と同様に、個体によって性格や食欲などが異なっています。
そのため、それぞれを比較して、「この子は元気がない」「この子は食欲がない」とは一概に判断できません。
しかし、比較対象がいることで判断材料が増え、多頭飼いの方がモルモットの健康管理がしやすくなることは確かでしょう。

◆多頭飼育のデメリット

多頭飼いのデメリットの1番目は、まず何よりも「お金がかかる」ということです。
多頭飼いをすると、餌代などのモルモットの飼育グッズにかかる費用が単純に倍になっていきます。
お金をかけずに多頭飼いをするとモルモットにとって快適な飼育環境ではなくなり、何かしら問題が起こる可能性が非常に高いです。
お金に余裕がない場合は、多頭飼いは諦めましょう。

次に、2番目のメリットとしては「お世話の時間が増える」ということです。
動物を飼育するということは、一緒に遊んで楽しい時間ばかりではありません。
新鮮な餌や水を用意したり、こまめにケージ内を掃除したりといったお世話の時間が最も大切です。
モルモットはトイレを覚える習性がなく、いろんなところに排泄をします。
多頭飼いの場合はそれだけ掃除の手間・回数が増えるでしょう。

最後のデメリットは「ケンカが発生する」ということです。
元来群れで暮らすといえども、やはりモルモットは警戒心や縄張り意識の強い動物です。
多頭飼いでは餌の取り合いが起こったり、小競り合いをしたりするような展開になることがあります。
次第に大きなケンカになってモルモットが怪我をしてしまわないように、なるべく目の届くところで遊ばせるといった工夫が求められるでしょう。


2匹以上のモルモットを1つのケージで飼育してもいい?

モルモットには以下の通り推奨されているケージの広さがあります。

  • 1匹:70㎝×90㎝
  • 2匹:最低でも70㎝×90㎝、理想的なのは70㎝×125㎝
  • 3匹:最低でも70㎝×125㎝、理想的なのは70㎝×158㎝
  • 4匹:最低でも70㎝×158㎝、理想的なのは70㎝×193㎝

上記によると、2匹であれば単独飼育の時のケージ1つで飼育することも可能であるといえます。
しかし、理想的な広さではない上に、ケンカや病気、繁殖などによって今後ケージを分ける必要性が出てくることも考えられます。
とはいえ、2つ以上ケージを用意するとなると置き場所の確保も難しくなってきますので、仕切りを取り付けられるケージなどを有効活用してみてはいかがでしょうか。
また、ケージは「モルモット用」としての販売はほとんど無いため、「ウサギ用」を購入すると良いでしょう。


モルモットの相性

モルモットの相性

先述の通り、モルモットを多頭飼いするにはそれぞれの相性を見極めることが重要です。
しかし、「会わせてみないと分からないのでは…」と疑問に思ってしまいますよね。
実は、モルモットの相性は性別によってある程度予想をすることができるんです!

◆オス同士

他の動物と同様に、モルモットもオス同士では縄張り争いや権力争いが起こりやすいでしょう。
意外にも野生のモルモットは一夫多妻制のため、オス同士の序列はとても重要です。
ひどい時には一方のモルモットがケガをしたり、止めようとした飼い主さんの手が傷ついてしまったりする程、激しいケンカになる恐れがあります。
オス同士を多頭飼いする時には、ケージを分けるのが無難でしょう。
また、ケージの外に出して部屋んぽをする時にも、ケンカが起きないように飼い主さんがしっかり見張っておくことが大切です。

◆メス同士

オス同士に比べるとメス同士のモルモットは多頭飼いしやすいと言われています。
それほど大きなケンカも起こりにくく、同じケージでも十分に飼育することができるでしょう。
とはいえ、先にも述べたようにモルモットにも性格の個体差はあります。
一見うまくいっているように見えても、おとなしいモルモットと気の強いモルモットでは、おとなしいモルモットがいつの間にかストレスを溜めている可能性があります。
多頭飼いをする時にはいきなり同じケージに入れることはせず、部屋んぽで少しずつ交流を深めるなど、まずはモルモット同士の相性を確かめることをお勧めします。

◆異性同士

モルモットは非常に繁殖力の高い小動物です。
異性同士で同じケージに入れて多頭飼いしていると、絶対と言って良いほど繁殖します。
モルモットは約2ヶ月という短期間で妊娠期間を終え、1度の出産で2〜6匹ほどの子どもを産みます。
そして、その子どもも生後2ヶ月という短期間で大人になり、繁殖可能になります。
そのため、放っておくとどんどん繁殖してしまうのです。

成長すると警戒心が強くなってしまうので、里親に出せるのは生後1ヶ月くらいまでと言われています。
基本的に、自分で子どもの分まで面倒を見られるという状態にない限りは、モルモットを異性同士で同じケージに入れることはおすすめできません。
繁殖を希望していないのであれば、部屋んぽの時も、時間帯をずらして異性同士のモルモットが接触しないようにするのが賢明でしょう。


モルモットを多頭飼いするとなつきにくくなる?

単独飼育の場合は、時間を共にしているうちにモルモットが飼い主さんを仲間だと認識してなついてくれます。
しかし、多頭飼いでは本物のモルモットの仲間がいるので、飼い主さんを仲間だと認識するまでには少々時間がかかってしまうと考えられます。
飼い主さんとしてはなんだか除け者になってしまったようで寂しく感じることもあるかもしれませんが、モルモット同士がコミュニケーションを取っているところを邪魔したり、無理に引き剥がそうとしたりせず、気長にお世話を続けることが大切です。
次第に、撫でられるのが気持ち良いということや、おやつを運んできてくれることなど、仲間のモルモットにはない飼い主さんの魅力に気づいてなついてくれるはずですよ。


まとめ

いかがでしたか。この記事では、モルモットは多頭飼いできるのかについて徹底解説しました。
モルモットは元々群れで生活していた動物なので多頭飼いをすることはできるものの、モルモット同士の相性を見極める必要があるということがよく分かりましたね。
相性が合えば、モルモット同士の可愛いコミュニケーションが見られて、癒し効果が倍になること間違いなしです。
しかし万が一のことがありますので、基本的に別々で飼育することを想定して、ケージの置き場所を確保しておくと良いでしょう。

きちんとお世話をするという覚悟のある方は、ぜひこの記事を参考にして、モルモットの多頭飼いを始めてみてはいかがでしょうか。



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ゆうな

ゆうな

赤ちゃんの頃から犬、猫、フェレット、ハムスター、インコと一緒に暮らしてきました。 とにかく動物が大好きで、日課は動画の動画を観ることです。 私自身も更に知識を深めながら、動物の為になる記事をご提供します!


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