1.ハムスターもしゃっくりをする?どんな感じ?
1-1.そもそも「しゃっくり」とは?
1-2.短い鳴き声をあげる
1-3.「キュッ・・・キュッ・・・」と間をあけて繰り返し鳴く
1-4.一瞬体がビクン!と揺れる
2.すぐに収まれば、基本的には問題なし
2-1.生理現象なので心配し過ぎなくても大丈夫
2-2.しゃっくりが続くと体力を消耗することも
3.こんなしゃっくりは病気の可能性も
3-1.数日続く
3-2.ほかにも気になる症状が併発している
4.ハムスターのしゃっくりを止める方法はない
4-1.人間のしゃっくりを止める方法は様々ある?
4-2.ハムスターのしゃっくりは見守ってあげて
4-3.長引く時は獣医師に相談を
4-4.原因を取り除いてしゃっくりを予防する
ハムスターもしゃっくりをする?どんな感じ?
ハムスターのしゃっくりを見たことがない方は「動物のしゃっくりなんて珍しい」と思われるかもしれません。実はハムスターも人間と同じようにしゃっくりをするのです。
私が現在飼育しているハムスターも、水を飲んだ後に時々しゃっくりをします。初めて見た時には「これは何の発作だろう?」と戸惑ったので、ハムスターを飼育する方はしゃっくりがどのようなものか把握しておくと安心できるかと思います。
◆そもそも「しゃっくり」とは?
そもそも「しゃっくり」とはどんな現象なのでしょうか。
しゃっくりは、ほ乳類の横隔膜(おうかくまく)が収縮した時に「ひっく」という特徴的な音を出す生理現象です。ハムスター、犬や猫もほ乳類なので、人間と同じようにしゃっくりが出ます。
しゃっくりは本人の意思に関係なく起こる運動で、なぜそのような現象が起こるのかははっきりしていません。横隔膜の感覚を司る「迷走神経」が何らかのきっかけで横隔膜を刺激するために起きているのではないか、と考えられています。
横隔膜はほ乳類が肺呼吸をするために必要な器官で、胸部と腹部の境目にあります。私たちほ乳類は、横隔膜が伸びたり縮んだりすることで肺が動かし、息を吸ったり吐いたりしているのです。
しかし、私たちの体が何かの刺激を受けた時には迷走神経が反応して横隔膜を痙攣(けいれん)させることがあります。すると、のどの声帯が一時的に閉じて空気が流れなくなります。その振動によって「ひっく」という音が出ます。これがしゃっくりなのです。
しゃっくりの出るメカニズムはどの動物も基本的に同じなので、ハムスターも人間と同じようなしゃっくりの仕方をします。
ただ、ハムスターは体が小さくて呼吸が早いので、私たちがイメージするリアクションとはまた少し違ったしゃっくりの仕方をします。ハムスターのしゃっくりにはどんな特徴があるのでしょう。
◆短い鳴き声をあげる
人間のしゃっくりは「ひっく!」という裏返ったような音がしますが、ハムスターがしゃっくりをした時には、甲高い音で「キュッ」や「プッ」といった短い鳴き声が聞こえることが多いです。
ハムスターは嬉しい時や怖い時などに鳴くこともありますが、基本的にはほとんど鳴きません。ですから、ハムスターから突然「キュッ」というが聞こえたら、しゃっくりをしていることも考えられます。
◆「キュッ・・・キュッ・・・」と間をあけて繰り返し鳴く
しゃっくりは、横隔膜の痙攣が止まるまで一定の間隔をあけて繰り返し起こります。
ハムスターも、人間と同じようにしゃっくりを繰り返すので、止まるまで「キュッ・・・キュッ・・・」と鳴き声を出し続けることがあります。
また、ハムスターは呼吸が早いため、人間よりも短い間隔で「キュッ」という鳴き声を繰り返します。
◆一瞬体がビクン!と揺れる
しゃっくりが出る時には横隔膜に強い負担がかかるので、体も連動してビクン!と揺れます。これは人間もハムスターも同じです。
もしハムスターが小刻みに「キュッ」と短く鳴きながらビクンと揺れていたら、それはしゃっくりをしている可能性が高いです。
すぐに収まれば、基本的には問題なし
私たちがしゃっくりをする時には、たいてい不快感や疲労感を伴います。ですから、ハムスターがあの小さな体でしゃっくりを始めると体に負担がかからないか心配になってしまいますよね。
ハムスターがしゃっくりをしても健康上の問題はないのでしょうか。
◆生理現象なので心配し過ぎなくても大丈夫
しゃっくりの大半は病的なものではなく、ほ乳類動物には一般的にみられる生理現象です。ですから、ハムスターがしゃっくりをすること自体は特に問題はありません。ハムスターも人間と同じで、しばらくすれば自然に止まることが多いので、すぐに止まるなら心配し過ぎなくても大丈夫です。
しゃっくりが出始めたとしても、何がきっかけで出るようになったのかは分からないことが多いです。ただ、飲食をした直後にしゃっくりが出やすいことから、喉や鼻の奥にある神経が刺激されて横隔膜が痙攣を起こしているのではないか、と考えられています。
たとえば、急いでものを食べた時、冷たいものを食べたり飲んだりした時、食べ過ぎた直後などにしゃっくりが出やすいようです。人間だとアルコールや炭酸飲料を飲んだ刺激で出ることもあります。また、ストレスや冷たい空気が刺激になるともいわれます。
ハムスターの場合は、寝起きにエサを口の中に詰め込んだり、急いでエサを食べたり、水を飲んだりした直後に出やすくなるようですが、このような理由で出るしゃっくりはすぐ収まることが多いので、あまり心配し過ぎずに様子を見守るとよいでしょう。
◆しゃっくりが続くと体力を消耗することも
ただ、しゃっくりの原因やしゃっくりの続き方はその都度異なり、すぐに収まることもあれば、長く続く場合もあります。
もしハムスターのしゃっくりがなかなか止まらないと、体に大きな負担がかかって体力を消耗することがあるので注意が必要です。
また、そのようなしゃっくりが出る時は、単なる生理現象ではなく病気が原因になっている可能性が考えられます。
こんなしゃっくりは病気の可能性も
ハムスターがずっとしゃっくりをしている、ほかに気になる症状もみられる、という場合は、器質的な疾患が隠れている可能性も考えられます。
◆数日続く
生理現象によるしゃっくりは、特に何もしなくても数分以内に収まることが多いです。
ただし、しゃっくりが1時間から数日間続く場合、日常的にしゃっくりのような発作を繰り返している場合は注意が必要です。
病気が原因で横隔膜が刺激されてしゃっくりが出ている可能性が疑われます。また、ハムスターのしゃっくりは咳やくしゃみと見分けがつきにくいので、病気で咳やくしゃみを連発していることもあります。
◆ほかにも気になる症状が併発している
しゃっくりのような症状がみられる、またはほかの症状を併発している場合は、器質的な疾患が原因になっていることも考えられます。
- アレルギー…くしゃみ、鼻水、皮膚のトラブル
- 呼吸器系の疾患…呼吸が荒くなる、ふらつく
- 消化器の疾患…食欲不振、元気がなくなる、下痢
- 心疾患…呼吸が乱れる、ふらつく、元気がなくなる
咳やくしゃみ、呼吸の乱れがしゃっくりのように見えることも少なくありません。これらの症状がみられる場合は、すぐ動物病院を受診して適切な治療を受けましょう。
ハムスターのしゃっくりを止める方法はない
ハムスターがしゃっくりを始めても、自力で止めることはできないので、飼い主さんは「かわいそうだな」「早く止めてあげたい」という気持ちになるでしょう。
ハムスターがしゃっくりをしたらどう対処すればよいのでしょうか。
◆人間のしゃっくりを止める方法は様々ある?
人間の場合だと、しゃっくりを止める方法には「民間療法」と「薬物療法」があります。
民間療法では「びっくりさせる」「水を飲む」「舌を引っ張る」といった方法がよく知られていますね。これらは“刺激によって誤作動している迷走神経に新たな刺激を与えて、誤作動をリセットしよう”という少々強引な療法です。医学的な根拠がなく、おまじない、迷信のようなものが多くて効き目は定かではありません。
しゃっくりの現実的な対処法は薬物療法となります。神経の興奮を抑える薬、胃腸の動きを促進する薬、漢方薬などでしゃっくりを止めることができます。
人間の場合、しゃっくりが出たらまずは色々な民間療法を試してみて、それでも止まらなくて苦しい場合に病院へ駆け込む、というケースが多いのではないでしょうか。
◆ハムスターのしゃっくりは見守ってあげて
では、ハムスターがしゃっくりをしている時も、人間と同じ対処法をとればよいのでしょうか。
民間療法は科学的根拠がないので、ハムスターにしても意味はありません。むしろ、わざと驚かすようなことは、ハムスターに強いショックを与えるだけなのでNGです。また、飲食がしゃっくりの引き金になることがあるので、しゃっくりが出ている間は食べ物や飲み物も与えないほうがよいようです。
ハムスターがしゃっくりをしていたら、何もせず、自然に収まるのを待って見守ってあげましょう。
◆長引く時は獣医師に相談を
ハムスターのしゃっくりが数時間経っても止まらない場合は、獣医師に相談しましょう。受診すれば、しゃっくりを抑えるためのお薬で治せる可能性があります。
また、しゃっくりが長引く場合は病気が隠れている危険性があるので、速やかに受診して病気を見つけ、適切な治療を受けることが大切です。
ちなみに、しゃっくりについては「○回出ると死ぬ」「○日出ると死ぬ」といった迷信がありますが、人間の場合はしゃっくりが原因で亡くなることはありません。
ただし、ハムスターのしゃっくりが長引く場合は病気が原因で死に至ったり、体力を消耗して衰弱してしまうことがあったりするので、油断は禁物です。
◆原因を取り除いてしゃっくりを予防する
ハムスターがしゃっくり、または咳やくしゃみがよくする場合は、床材やご飯が原因のアレルギーを発症している可能性もあります。
普段からハムスターの体調や飼育環境を注意深く探し、しゃっくりの要因を排除しましょう。
まとめ
しゃっくりは、しゃくり上げるような感じがするのでそのような名前で呼ばれるようになりました。正式には「吃逆」(きつぎゃく)という難しい医学用語を持っている生理現象です。
ハムスターがしゃっくりをすることはそう珍しいことではありません。しゃっくりをしてもすぐに止まることが多いので、慌てずに様子を見守ってあげましょう。
ただ、しゃっくりが長く続く場合、ほかの症状を併発している場合は注意が必要です。ハムスターのしゃっくりが気になる場合はちゅうちょせず獣医師に相談することをおすすめします。
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