ハムスターがフリーズしたらどうする?!固まる理由、対処法について

2023.07.28

ハムスターがフリーズしたらどうする?!固まる理由、対処法について

ハムスターがさっきまで普通に動いていたのに突然止まって固まり、しばらくすると我に返ってまた動き出す…いわゆる「フリーズ」に遭遇したことはありませんか。ハムスターはなぜ急にフリーズするのでしょう。この時、ハムスターには何が起きているのでしょうか。この記事ではハムスターがフリーズする理由、対処法について説明していきます。

【目次】
1.ハムスターがフリーズ(固まる)する理由
 1-1.フリーズとは
 1-2.フリーズの理由①驚いたため
 1-3.フリーズの理由②外敵から身を守るため
 1-4.フリーズの理由③周りの様子を探っている

2.ハムスターがフリーズする場面
 2-1.大きな音や振動にビックリした
 2-2.明るさが急に変わって驚く
 2-3.いきなり触れられた時
 2-4.初めての食べ物を食べた時
 2-5.嗅ぎなれないニオイがした
 2-6.ケージの中が変わって警戒している

3.ハムスターが固まる体勢
 3-1.二本足で立つ
 3-2.姿勢を低くする
 3-3.片方の前足を上げたまま固まる
 3-4.お腹が見えないほど隠す

4.ハムスターがフリーズしてしまった時の対処法
 4-1.落ち着くまでそっとする
 4-2.居住環境を静かな場所にしてあげる
 4-3.フリーズが長く続く場合は

5.まとめ


ハムスターがフリーズ(固まる)する理由

ハムスターの動きが急に止まって、固まったまましばらく動かなくなる、このような現象は「フリーズ」または「フリージング」と呼ばれています。

食事中でも散歩中でも、時間や場所に関係なく急に始まるので、飼い主さんがびっくりしてしまうことも多いでしょう。フリーズは数分で終わることが多いのですが、15分、30分と長く続くこともあります。ハムスターがいつまでも固まっていると「死んでしまうのではないか」と不安な気持ちになってしまいますよね。

ハムスターはなぜフリーズするのでしょうか。

◆フリーズとは

そもそもフリーズ(freeze)は「凍結する」「停止」という意味を持つ言葉です。日常では、パソコンなどのコンピュータが操作不能になって停止した時に「フリーズした」といった使い方をしますね。

ハムスターが停止して制御不能な状態になる様子は、まさにパソコンが全く動かなくなる感じと似ています。
このフリーズはハムスターに限らず、ほかの動物や私たち人にも起こる現象です。フリーズが起こる理由は諸説がありますが、動物が驚いた瞬間に反射的に起こす驚愕(きょうがく)反応のひとつではないかといわれます。

驚愕反応には、思わず声を上げる、動けなくなる、気を失うなどがあり、ハムスターの場合は、驚いた時や警戒している時、周りの様子を探っている時などに反射的に体の動きが止まってしまうようです。

◆フリーズの理由①驚いたため

ハムスターはとても驚いた時にフリーズします。ハムスターがぼう然と立ちすくんでいる時は、びっくりして硬直していることが多いです。

ハムスターは臆病なため、急に触られたりかすかな音が聴こえたりしただけでも、とても驚いてしまうことがあります。

そして、驚いた瞬間に動かなくなるのは、驚いたショックで思考回路が止まり、体の動きを司る脳が一時的に制御不能になるためだと考えられます。まさにパソコンのフリーズと同じ状況といえるでしょう。
人間やほかの動物も驚いた時に体が硬直しますが、すぐ思考回路が復活するので止まるのは一瞬です。対して、ハムスターは復活に時間がかかるため、フリーズの時間が長くなりやすいようです。

◆フリーズの理由②外敵から身を守るため

ハムスターは捕食される立場にあり、外敵の気配を感じると気付かれないようじっと固まる習性を持っています。

ペットのハムスターは外敵のいない安全な環境で暮らしていますが、危険を察知すると本能的にフリーズが起こります。

◆フリーズの理由③周りの様子を探っている

ハムスターはかなりの近眼で、物はぼんやりとしか見えません。その代わり嗅覚や聴覚が発達していて、においや音で情報をキャッチしています。

ハムスターは警戒している時、においや音で周りの様子を探ろうとします。鼻と耳に全神経を集中させているため、その間は体が動かないのです。


ハムスターがフリーズする場面

ハムスターは刺激や環境の変化にたいへん敏感なため、些細なことでもフリーズしてしまいます。では、どんな時にフリーズが起こりやすいのでしょうか。

◆大きな音や振動にビックリした

ハムスターは、大きな音や振動が苦手です。そのため、大きな足音やドアが思い切り閉まる音、ケージを動かした時のガタッという衝撃などに驚いて、フリーズしてしまうことがあります。

また、ハムスターは人間の耳で感知できない周波数の音が聞き取れるので、人間には何も聞こえていないのに、ハムスターだけが音に反応してフリーズを始めることもあります。

◆明るさが急に変わって驚く

ハムスターは、寝起きなどまぶしそうに目を細めていることが多いように、明るい光が苦手です。そのため、急に部屋の電気をつけたり、スマホのフラッシュを当てたりした時、明るさが変わったことに驚いてフリーズすることがあります。

ハムスターは夜行性のため、暗闇でも活動できるようわずかな光もキャッチできるよう目が発達しています。ハムスターにとって日中の明るい光は刺激が強すぎるので、明るさが変わると驚いてフリーズしてしまうのです。

◆いきなり触れられた時

急に触った時も、ハムスターが驚いてフリーズしてしまうことがあります。

ハムスターにとって、人の手が急に覆いかぶさってくる、背後から触られる感じは、外敵に捕獲される時の感覚に似ています。ですから、いきなり触れられると恐怖を感じることがあるのです。

◆初めての食べ物を食べた時

ハムスターは、初めて口にした食べ物に反応してフリーズすることもあります。

これは、初めて遭遇した味に驚いて固まった、あるいは、これは何の味なのか神経を集中させて分析していることが考えられます。
人も、本当に美味しい物を食べた時は驚きと感動で言葉が出なくなりますし、不思議な味がした時は箸を止めて「ん?」と首をかしげたりします。ハムスターも同じなのでしょうね。

食べ物が引っかかったなどのトラブルでなければ、フリーズは特に問題はありません。

◆嗅ぎなれないニオイがした

ハムスターは嗅ぎなれないニオイがした時も、ニオイを嗅ぐことに集中するため動かなくなることがあります。

ハムスターはニオイで情報を判断するので、嗅ぎなれないニオイがした時は特に警戒して、何のニオイか危険なものではないか入念に確認しているのです。

◆ケージの中が変わって警戒している

ハムスターにとってケージは大切な縄張りです。そのケージ内の様子が変わると警戒してフリーズすることがあります。

例えば、飼い主さんがケージを掃除した後などは、自分のニオイが消えていたり、エサが片付けてあったりします。飼い主さんはお世話をしただけなのですが、ハムスターにとっては一大事、自分の縄張りが誰かに荒らされたと思ってパニックになることがあるのです。


ハムスターが固まる体勢

ハムスターがフリーズした時は、大きく目を見開いて一点をじっと見つめ、耳とひげをピンと立てて、緊迫した様子で止まります。では、その時にどんな体勢で固まることが多いのでしょうか。

◆二本足で立つ

ハムスターのフリーズで多いのが、二本足で直立したまま固まる体勢です。その間、目は宙のどこかを見つめたままで、何かに意識を集中しているようにも見えます。

この体勢でフリーズしている時は、音やニオイを探ろうとして神経を集中させていことが考えられます。

◆姿勢を低くする

ハムスターは周囲を警戒している時、首をすくめた低い姿勢でフリーズします。

危険を察知した時、外敵に見つからないよう姿勢を低くして気配を消しているのです。

◆片方の前足を上げたまま固まる

ハムスターは、危険を察知した時に片方の前足を上げたまま固まることもあります。この体制をとっている時は、フリーズしながらも、いざという時は逃げようとしていることが考えられます。

◆お腹が見えないほど隠す

ハムスターが伏せてお腹が見えなくなるほど張り付いている時は、かなり警戒していることがうかがえます。

この姿勢ではすぐ逃げられないことから、ハムスターが極度の緊張状態に陥っていることが考えられます。ハムスターがここまで恐怖を感じるようなストレスは与えないようにしたいですね。


ハムスターがフリーズしてしまった時の対処法

ハムスターのフリーズ中は、好物のエサを顔の前でちらつかせても突っついても全く反応しないので、飼い主さんは不安になってしまいますよね。

ハムスターがフリーズをした時、私たちはどんな対処をとれば良いのでしょうか。

◆落ち着くまでそっとする

フリーズしたハムスターは、何をされても動くことはありません。しかし、しばらく経てばフリーズは自然に解除されます。ハムスターが自分で動き出すまでは、そっと見守りましょう。

むしろ、早く元に戻そうと思ってハムスターをつついたり体を動かしたりするのは逆効果です。そもそもハムスターは強いストレスが原因でフリーズしているので、そのような時に刺激を与えるとさらにストレスが強くなり、ハムスターを弱らせることにつながってしまいます。

◆居住環境を静かな場所にしてあげる

個体差もありますが、フリーズはどのハムスターにもみられる自然な現象なので、たまにフリーズする程度ならあまり気にすることはありません。

ただ、ハムスターがしょっちゅうフリーズする場合は、そのハムスターがデリケートなため音やにおいに反応しやすい、または、ハムスターの居住環境がストレスを感じやすい状態になっていることが考えられます。
ハムスターのフリーズが気になる場合は、ケージの周りの環境を確認してみましょう。物音や振動、においなどが気になる場所にケージを置いているのかもしれません。

音や振動などのストレスは、ハムスターが体調を崩す原因になるので、ケージは静かで落ち着ける場所に置くようにしましょう。

◆フリーズが長く続く場合は

ハムスターはフリーズしても、たいていは数分から15分くらいで解除され、我に返ってからは何事もなかったように元気に過ごします。

ただし、ハムスターが動かなくなって1時間以上経っても元に戻らない場合、様子がおかしいと感じる場合は、病気や怪我が引き金でフリーズしてしまった可能性も考えられます。
そのような場合は原因を見つけて対処しなければハムスターが弱ってしまう危険性があるので、獣医師に相談して動物病院を受診するなど、適切な処置を受けることをおすすめします。


まとめ

ハムスターのフリーズについて、理由、対処法を説明いたしました。フリーズは動物には自然にみられる生理反応であり、戦闘能力のないハムスターが外敵から身を守る命がけの防御策でもあります。

ハムスターがたまにフリーズする程度なら、心配し過ぎなくて大丈夫です。
ただ、ハムスターが頻繁にフリーズする場合は、それだけストレスを感じているということになります。思い当たる原因があれば取り除き、ハムスターがリラックスして過ごせる環境を提供してあげましょう。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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