1.アフリカウシガエルってどんな生き物?
1-1.分類
1-2.生息地
1-3.寿命と大きさ
1-4.食事
1-5.特徴
3.アフリカウシガエルの飼育方法
3-1.ケージや床材選び
3-2.ケージ内の水について
3-3.温度管理
3-4.餌について
アフリカウシガエルってどんな生き物?
両生類好きにはたまらないポテっとしたフォルムで、何とも愛らしいアフリカウシガエル。
既にアフリカウシガエルを飼育している人たちの間では、アフウシという愛称で呼ばれています。
アフリカウシガエルは、いったいどのようなカエルなのでしょうか?
ここでは、生態や飼育方法について詳しくご紹介していきましょう。
◆分類
アフリカウシガエル(Pyxicephalus adspersus)は、両生綱無尾目アカガエル科アフリカウシガエル属に分類されるカエルです。
このほかに、アカガエル科にはツチガエル属やトノサマガエル属などがいます。
「アカガエル科」は名前の通り、体が赤褐色のカエルが多いことからその名前が付きましたが、実際には緑色や黒色などの体色を持つ種類も多いです。
ちなみに、アフリカウシガエルの身体は緑色をしています。
このアカガエル科に属するカエルの特徴としては、指先に吸盤がないため樹上生活はせず、生息域は水辺から大きく離れることはありません。
また、環境に合わせて体色を変えられる種類もこのアカガエル科にはいません。
◆生息地
アフリカウシガエルは、その名のとおり、主にアフリカ大陸(アンゴラ南部、ケニア、ザンビア、ジンバブエ、タンザニア、ナミビア、ボツアナ、マラウイ、南アフリカ共和国、モザンビークなど)に生息するカエルです。
生息地があまり雨の降らない地域のため、比較的乾燥に強く、水辺以外の場所でも生息することができるという特徴があります。
◆寿命と大きさ
アフリカウシガエルの寿命は、約35年ととても長寿です。
幼体の時期は他のカエルと変わらないくらいのサイズですが、成長がとても早く、成体になると手のひらに収まりきらないほどの大きさになります。
また、アフリカウシガエルは他のカエルとは異なり、オスに比べてメスの方が小柄なのが特徴で、メスはだいたいオスの半分くらいの大きさです。
ちなみに、一般的な大きさは体長14cm~20cmですが、大柄のオスのなかには体長25cn、体重も1.5kgにもなるものもいます。
アフリカウシガエルは世界で3番目に大きいカエルです。
◆食事
アフリカウシガエルはカエルのなかでもとても貪欲な種類で、野生下ではサソリやクモ、昆虫、爬虫類、哺乳類、小鳥など口に入る大きさの生き物を全て捕食対象としています。
ペットとして飼育されるアフリカウシガエルは、コオロギやデュビアなどの活きた昆虫、冷凍ピンクマウス、カエル用の人工飼料などを餌として与えます。これらは、ペットショップなどで購入可能です。
アフリカウシガエル、餌を見つけるととにかくすぐに食べようとする性質があります。
与えたら与えた分だけ食べてしまい、肥満になる恐れも。与える量には十分に注意しましょう。
◆特徴
野生のアフリカウシガエルが生息するアフリカには、乾季という雨の降らない時期があるため、乾燥から身を護るために「休眠」することができる、という性質をもちます。
休眠のときのアフリカウシガエルは皮膚を繭のように固め、土のなかに潜り乾季を過ごします。アフリカウシガエルは、この体勢で、何カ月も過ごすことができるのです。
なお、飼育するアフリカウシガエルも、乾燥した状態を作れば休眠させることも可能ではありますが、自然の状態を再現できない場合そのまま死んでしまうこともあります。
そのため、飼育下においては、休眠させないことをおすすめします。
快適な温度・湿度をしっかりと保ちながら、お世話するようにしてください。
アフリカウシガエルはペットとして飼える?
ウシガエルが「特定外来生物」に指定されているため、アフリカウシガエルもペットとして飼えないのではないかと、不安に思われている方もいらっしゃるでしょう。
同じ「ウシガエル」という名前が入っていますが、アフリカウシガエルはペットとして飼育することが可能です。
ただし、特にオスは成長するととても大きくなること、縄張り意識が強く攻撃的な性格のため噛みつくこともあることなど、アフリカウシガエルの性質をよく理解したうえで、飼育できるかどうかを判断する必要があります。
アフリカウシガエルの飼育方法
アフリカウシガエルをお迎えするには、必要なものを準備したり、適した環境を整えたりする必要があります。
では、アフリカウシガエルを飼育するには何が必要で、どのような環境を作る必要があるのでしょうか。
ここでは、「どのような環境にする必要があるのか?」「餌はどのように与えたらよいのか?」など、アフリカウシガエルの飼育環境と飼育方法についてご紹介していきましょう。
◆ケージや床材選び
アフリカウシガエルは、1年で15cmまで成長し、歳を重ねるごとに体が大きくなっていきます。
それほど活発に動かないので、体の小さいうちは広々としたケージを用意する必要はありません。
ですが、はじめにお伝えしたようにアフリカウシガエルは体がとても大きく成長していきますので、オスを飼育する場合は最終的に60cm(幅)×30cm(奥行)くらいの大きさは必要になるでしょう。
なお、どの大きさであったとしても、逃げ出したりしないようにしっかりと蓋の閉まるものを準備しましょう。
床材については、ウールマット・フロッグソイル(微粉末状の土に活性炭を加えて粒状に固めた半地中性・地表性のカエル用床材)・赤玉土・水苔などの選択肢があります。
それぞれメリット・デメリットがありますので、ご自身の生活スタイルやカエルの状況を踏まえて適切な床材を選びましょう。
例えばウールマットは掃除がしやすいというメリットがありますが、土に比べると踏ん張りがきかない為、足に負担がかかるというデメリットがあります。
また、ウールですのでアフリカウシガエルが動いたり足で地面を掘ろうとするうちに段々と穴が開き、メンテナンスが間に合っていないと誤飲させてしまう可能性があるので注意が必要です。
土は、ウールマットと反対に足元が安定している他、アフリカウシガエルの本来の生息環境や習性に沿うことが出来るメリットがあります。
アフリカウシガエルは、成長すると穴を掘って自分の安心できる空間(縄張り)を作るようになります。
そのため、掃除はしにくくなりますが、フロッグソイルや赤玉土などの土の床材を全身が埋まるくらいの深さにしてあげると、落ち着ける環境になります。
土のデメリットとしては、ウールマットに比べると掃除が大変なこと、また水槽内に飛び散った際にアフリカウシガエルの観察がしにくくなるというところです。
飼い主さんの大変さは増えるかも知れませんが、アフリカウシガエルの健康を重視するのであれば土がおすすめです。
◆ケージ内の水について
野生のアフリカウシガエルは、水辺で生活する必要はないものの、土のなかに潜って生活することで、土のなかの水分を皮膚から吸収しています。
飼育下のアフリカウシガエルも、皮膚からの水分の吸収が必要となるため、全身が浸るくらいの大きさの水場を作ってあげます。
なお、身体の大きなアフリカウシガエルなので、水場に入るときに倒してしまう可能性もあります。安定感のあるしっかりした水入れを使用するようにしてください。
ほかには、床材をアフリカウシガエルの体高の倍の高さに敷き詰め、その床材の下半分に水を浸しておくという方法もあります。
前述の通り、アフリカウシガエルは元々地面を掘る習性がありますし、地面の土から水分の確保を行う生き物です。
よりリアルな飼育環境にするという面ではこのような飼育環境作りもよいでしょう。
◆温度管理
アフリカウシガエルの飼育には、温度と湿度の管理は欠かせません。
アフリカウシガエルは寒さに弱く、適温は26~28℃です。
さらに、アフリカウシガエルが快適に感じる湿度は60%〜70%ですので、朝晩、霧吹きなどで湿度を上げてあげます。
このように、常に温度や湿度を確認できる必要があるため、ケージ内には温度計と湿度計の設置が必須です。
なお、冬場など気温が下がる時期は、ケージの下にパネル式のヒーターを設置して温めてあげましょう。
パネルヒーターはケースの1/3から1/2程度暖める→消化の手助け
◆餌について
アフリカウシガエルの餌は主にコオロギやレッドローチなどの昆虫、冷凍のピンクマウス、カエル用の人工フードなどで、ペットショップなどで手に入れることが可能です。
また、小魚、エビなどの甲殻類も食べます。
生態の紹介で触れたように、アフリカウシガエルは貪食で大きく成ればマウスやウズラも食べてしまう生き物です。
カエルは人間のように咀嚼をしない為なかなか伝わりづらいかもしれませんが、アフリカウシガエルはそれらの生き物を抑えられるように噛む力がとても強い為、エサを手で直接与えるのは絶対にやめましょう。
どんなに慣れていたとしても、触れたとしても、油断は禁物です。
餌は必ず、ピンセットを使って与えます。
ちなみに、アフリカウシガエルは、与えたら与えただけ食べてしまうため、ごはんの量には注意が必要です。
飼育下のカエルの死因は、消化不良やエサのやりすぎといったごはんに関することが多いようです。
餌やりは、生後半年くらいは2日に1回程度、以降は、週に2回程度、成体になったら週に1回程度くらいを目安に行います。
糞尿の有無や、体の大きさなどを考慮して与えていきましょう。
アフリカウシガエルを飼う時の注意点
アフリカウシガエルはぽてっとした愛嬌を感じさせる見た目とは裏腹に、しっかりと縄張り意識があり、攻撃的な一面も持ち合わせています。
また、餌だと思ったものはすぐに食べようとするため、アフリカウシガエルに手を近づけたりすると噛みつかれる恐れもあります。
アフリカウシガエルの歯は、マウスを丸のまま食べられてしまうほど尖っていて、噛みつく力も強いです。お世話の際は、十分に注意してください。
カエルは熱に弱いため、触るときは手を冷やしたり、手袋をしたりするなどして、人間の体温を直接感じさせない方法を取るのが一般的です。
そして、触った後は、しっかりと手を洗うようにしましょう。
まとめ
今回は、ペットとして人気急上昇中のカエルのなかでも、横綱と呼ばれる大型のカエル「アフリカウシガエル」について、ご紹介してきました。
ぽってりとしたフォルムで、とても愛嬌のある見た目をしているため「ちょっと飼ってみたい!」と思っていた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、「攻撃的な面がある」とか「大きくなる」など、実際にお迎えする前に知っておくべきこと、考えておくべきことがあるということがお分かりいただけたかと思います。
しかも、とっても長生き!最後まできちんとお世話するためにも、受け入れられるかどうか十分に検討してくださいね。
ちなみに、アフリカウシガエルは、ペットショップやホームセンターで見かけることは稀です。
お迎えの際は、爬虫類や両生類を専門に扱うショップなどで探してみてください。
飼い方や注意点なども教えてもらえますよ!
また、両生類を扱える動物病院は、残念ながらあまりありません。
お迎えにあたっては、事前に病院を探しておいたり、購入時にショップなどで確認したりすることをおすすめします。
アフリカウシガエル、とてもかわいいですよね。
1日でも長く一緒にいられるように、よい環境を整えて迎えてあげましょう。
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