ジブリ映画「となりのトトロ」とは
まず、みなさんはジブリ映画の名作「となりのトトロ」をご存知でしょうか?
「となりのトトロ」とは、かの有名な「スタジオジブリ」で制作され、1988年に公開されたアニメーション映画です。
「火垂るの墓」と同時公開された本作は宮崎駿監督作品として知られ、スタジオジブリ映画の中でも初期にあたるものです。
映画としては短い86分という上映時間でしたが、国内外で話題を呼び、「スタジオジブリ」の名を世界中に轟かせるきっかけとなりました。
「となりのトトロ」は昭和30年代の埼玉県所沢市に、幼い姉妹が引っ越してくるところから始まります。
大自然に囲まれたお化け屋敷のような家での新生活に期待と不安を募らせる姉妹でしたが、近所の森に住む不思議な生き物との出会いや周囲の人々とのあたたかなふれあいを経て、次第に成長していきます。
ちょっと懐かしくなるような古き良き日本の風景を下敷きに、「はじめてのおつかい」にも似たハラハラの大冒険が待ち受ける本作は、子どもだけでなく大人も魅了される名作です。
「となりのトトロ」のトトロはチンチラ?ミミズク?
ここからは早速、「となりのトトロ」のモデルという説が出ている動物について、ご紹介します。
トトロとどんな共通点があるのか、モチーフとしてどのように取り入れられたのかを考察してみましょう。
◆トトロのモデル①チンチラ
まず、トトロのモデルとして有力とされているのが「チンチラ説」です。
チンチラはひょうたん型の丸っこいフォルムが特徴的な小動物で、グレーの毛色につぶらな瞳、長い髭に短い手足を持っています。
その見た目がとにかくトトロに似ていることから、モデルという説が出回るようになりました。
また見た目だけでなく、すばしっこく動き、ジャンプが大好きといったチンチラの特性は、中トトロと小トトロに反映されたように感じられます。
しかし、引っかかるのが宮崎駿監督が制作当時にチンチラという動物を知っていたのかということです。
トトロの構想は1970年代から行われていたと言われていますが、チンチラが日本に浸透したのは1990年代に入ってからです。
見た目が限りなくトトロに似ているチンチラですが、20年もの差がある事を考えると、モデルである可能性は少ないと言えるのではないでしょうか。
◆トトロのモデル②ミミズク
次に、トトロのモデルとして有力とされているのが「ミミズク説」です。
フクロウの仲間であるミミズクは、羽角と呼ばれる耳のようなものが頭についている猛禽類の動物で、日本の里山に生息し、腹部に特徴的な模様を持っています。
羽角と腹部の模様、そして日本の山に生息しているという共通点から、トトロのモデルとして出回るようになりました。
実は、ミミズクに限らず、猛禽類の多くは腹部の羽毛に特徴的な模様を持つ傾向にあり、幼鳥期は縦しま、成鳥になると横しまになる事が多いとして知られています。
しかし、羽角と腹部の模様のどちらも持っているという点において、トトロのモデルとしてミミズクが有力視されたのです。
また、ミミズクのふっくらとした丸いフォルムがトトロを柔らかくふくよかな体型にしたという説や、ミミズクが森の重鎮という異名を持つことからトトロも森の守り主のような印象で作られたという考察まであります。
なかでも、トトロが吹くオカリナの音色がミミズクの鳴き声に似ているという話まであるから驚きです。
トトロには羽やくちばしがないなど、ミミズクと違うところを挙げればキリがないですが、モデルとはあくまで創作のヒントにするということです。
そう考えると、ミミズク説は特に否定する部分がないように感じられますね。
トトロの本名はミミンズク
実は、トトロには本名があることをご存知でしょうか?
そもそも「トトロ」という名前は、妹のメイが不思議な生き物と出会った時に「ドュオ ドュオ ヴォロー」という野太い声を聞き、「あなた、トトロっていうのね!」なんて認識したことから始まります。
「トトロ」は正式名称ではないのです。
トトロの初期デザイン画に記されている家族構成には大トトロが「ミミンズク」、中トトロが「ズク」、小トトロが「ミン」として名前が載っています。
なんだか音の響きがミミズクとそっくりだと思いませんか?
ミミズクそのものでないにせよ「ミミズクのような〇〇」という何かしらの意図を感じさせる名前ですよね。
トトロのモデルに関してはさまざまな説がありますが、スタジオジブリは今日まで明言していません。
しかし、名前という点においてはトトロのモデルはミミズクであった説が濃厚と考察できるでしょう。
トトロのモデル説①ミミズクとは
ここからは、トトロのモデルとして最有力なミミズクについて、改めて詳しく解説していきます。
ミミズクはフクロウ目フクロウ科に分類される猛禽類で、フクロウとは異なり、頭部に羽角と呼ばれる耳のような羽毛があるのが特徴です。
知性や神秘性を感じさせる外見に魅力される方も多いでしょう。
実際に、ミミズク(またはフクロウ)はギリシャ神話の中で知恵や戦争、学芸や工芸を司る女神として登場するアテナの「聖鳥」とされ、知恵の象徴として知られています。
ミミズクの寿命は飼育環境や健康状態によって個体差がありますが、一般的には体の大きなものほど長生きです。
小型種で10〜15年、中型種で20〜30年、大型種で40年前後と言われており、鳥の中でもかなりの長寿命ですね。
また、ミミズクは基本的に肉食性で、獰猛と言われる猛禽類らしい一面も持っています。
狩りは夜間の森で行われることが多いですが、ミミズクは暗闇でも獲物を正確に捕らえる優秀なハンターです。
それを可能にしているのが、ミミズクの大きな瞳です。
ミミズクの網膜は物体の形状を立体的に感知する「杆状体(かんじょうたい)」がとても発達しており、真っ暗な中でも獲物の大きさや位置を正確に把握できるのです。
代わりに、色彩を感知する「錐状体(すいじょうたい)」の機能は乏しく、モノの色はあまりよく分かっていないと言われています。
トトロのモデル説②チンチラとは
残念ながらトトロのモデルとなった可能性が低そうなチンチラについても、改めて解説します。
チンチラは南米の標高の高い地域にルーツを持つ小動物で、げっ歯目、チンチラ科、チンチラ属に分類されます。
よくモルモットやハムスターと混同されますが、共通しているのは「げっ歯目」ということだけで、細かく分類するとそれぞれ全く違う小動物です。
チンチラは主にオナガチンチラ・タンビ(チビオ)チンチラ・コスチナチンチラの3種類に分けられますが、どれもフワフワと高密度の被毛でまん丸としたフォルムをしており、丸くて大きな耳と小さな手足を持っています。
ネズミとウサギの良いとこ取りをしたような可愛らしさは「妖精」と言われるほどです。
飼育下でのチンチラの平均寿命は10歳前後ですが、中には20歳以上という大記録を持つ子もおり、小動物の中ではかなりの長寿命だと言えます。
また、チンチラは学習能力が高くておとなしいだけでなく、体臭やフンの匂いもほとんどないため、集合住宅でも問題なく飼育できるでしょう。
自分の名前を覚えて寄ってきたり、飼い主さんの生活リズムを把握するようになったりと、チンチラはとにかく賢いので飼育初心者にもおすすめです。
ただし、ストレスや温度変化には弱いため、飼い主さんはチンチラの生活環境を整えたり、運動する時間を設けてあげたりといった工夫が必要です。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、トトロのモデルと言われている「ミミズク」と「チンチラ」について徹底解説しました。
トトロの本名を考えるとミミズク、見た目を考えるとチンチラが有力でした。
みなさんはどちらの動物の方がトトロっぽいと感じたでしょうか?
この記事を参考にして、ぜひ他のジブリ作品のモデルも考察してみてくださいね。
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