1.インコのくちばしの役割
1-1.くちばしは伸びる
1-2.移動手段
1-3.食べ物を砕く
1-4.羽繕い
1-5.愛情表現
2.インコのくちばしが伸びすぎている原因
2-1.日光浴不足
2-2.栄養が取れていない
4.くちばしが伸びすぎてると病気の可能性もある
4-1.肝臓疾患
4-2.疥癬(かいせん)
5.インコのくちばしが伸びないようにするには
5-1.木製の止まり木にする
5-2.かじれるおもちゃ
5-3.シード食は殻付きにする
インコのくちばしの役割
まずは、インコのくちばしの役割についてのお話ですが、鳥類はみんなくちばしを持っています。
一般的な鳥類のくちばしは、前方向に尖っていますが(カラスやスズメ、文鳥など)
セキセイインコ、コザクラインコ、ウロコインコ、オカメインコ、オウムなど、インコやオウムは上くちばしが下方向に曲がりながら尖っています。
くちばしを持っていない鳥さんはいないそうですが、そのくちばしには沢山の重要な役割があるのです。
◆くちばしは伸びる
まずお伝えしておきたいのは、インコのくちばしは伸びるようにできているということです。
インコのくちばしは骨からできています。
そして骨には身体を軽くするために無数の穴が開いていますが、
その周りを丈夫にするために『ケラチン』という物質で覆われています。
人の爪が作られている成分も『ケラチン』と同様なので、爪と同じくインコのくちばしも伸びるんですね!
インコのくちばしが普通よりも伸びすぎている場合は、病気なども考えられます。
大事なインコちゃんの状態をいつもチェックしてあげてくださいね。
◆移動手段
インコが移動するときには、どういった移動方法を使っているでしょうか?
飛ぶ、歩くのどちらかだと思いますが、ケージの中を移動するときに、くちばしを網にひっかけて移動するのを見たことはありませんか?
上くちばしが下くちばしに覆いかぶさるように伸びているので、そのような移動が可能なんですね。
◆食べ物を砕く
くちばしは食べ物を砕いて餌を食べたり、木の実や種子などの皮を取り除いて食べるために使われています。
くちばしが伸びたために削る・爪切りなどを使用して切る・などのトリミングをする方がいらっしゃいますが、くちばしには血管・神経が通っていますのでインコに大変なストレスを与えてしまいます。
むやみにトリミングしてしまうと、種子の殻が剥けなくなったり、ペレットを砕くことが出来なくなったりしますので、ご自身でのトリミングは危険です。
出血してしまうこともあります。
必要であれば、動物病院、できれば鳥専門の獣医さんにお任せするのがベストです。
◆羽繕い
インコはくちばしを上手使い、丁寧に丁寧に羽繕いをします。
羽根の根元に尾視線と呼ばれる場所があり、そこから出る脂を羽根に塗り付けて、水を弾いたり、汚れが付くのを防いでいます。
◆愛情表現
インコはインコ同士で愛情表現をする場合は、毛づくろいをします。
または餌を吐き戻してくちばし同士でペアのメスに与えるという行為もします。
飼い主さんに対しては手や肩に止まった時に、くちばしを使って、はむはむと肌を甘噛みしてくれます。
または頭に止まって髪の毛を毛づくろいのように啄んでくれます。
我が家のセキセイインコは、毎朝顔を近づけると、鼻や口元、目元などを優しく(ちょっと痛いですが…)甘噛みしてくれます。
インコはくちばしを使って、インコに対しても人間に対しても優しく愛情表現をしてくれますよ。
インコのくちばしが伸びすぎている原因
インコのくちばしは日々少しずつ伸びています。
インコは自分が健康であれば、くちばしで止まり木やブランコをかじったり、おもちゃで遊んだり、餌を剥いて食べたり、眠い時にぎょりぎょりとくちばしをこすり合わせたり、くちばしを使っていろいろなことをすることで自分で長さを調節しているのです。
凄いですね。
それではくちばしが伸びてしまう原因を探っていきましょう。
◆日光浴不足
普段愛鳥に日光浴はさせているでしょうか?
インコは日光浴で日差しを全身に浴びると、体内でカルシウムの吸収に大切なビタミンD3を生成します。
日光浴が足りないとビタミンD3が生成できず、インコは身体にカルシウムを吸収することが出来なくなり、丈夫な骨が作られなくなります。
その結果、骨格形成や爪・くちばしの伸びに異常が出てしまうのです。
日光浴の時間は、鳥の種類によって変わってきますが、セキセイインコなどの小型インコは1日10分程度で大丈夫です。
オカメインコなどの中型インコなら1日30分から1時間程度。
大型インコでは2~4時間程度が目安になります。
日光浴をさせる環境としては、
1.直射日光を全体にあてない。(鳥が弱ってしまう。)
2.網戸越しに日に当てる。(ガラス越しの日光浴は殆ど効果なし。外敵防止のため。)
3.日陰になる場所を確保する。(暑いときなど、自ら避難できるため。)
この3点が大事になりますので、愛鳥の様子を見ながら週3~4回で続けてみてください。
曇りの日でも効果がありますよ!
◆栄養が取れていない
シード(種子)が主食のインコは、ペレットが主食のインコより栄養が偏りやすい傾向があります。
シードが中心のインコには野菜や果物の副食をバランスよく与えるのが大切です。
ビタミンサプリなどを与えるのも良いでしょう。
インコのくちばしが伸びすぎるとどうなるの?
インコのくちばしが伸びてしまう原因をお話してきましたが、それでもくちばしが伸びすぎてしまった場合、折れてしまう場合もあるので削る必要が出てきます。
注意してほしいことは、絶対にくちばしは伸びても切らないこと。
インコのくちばしは、爪と同じようなものと例えられますが、そうではありません。
インコのくちばしには神経が通っており、切られると痛みを感じますし出血する場合もあります。
ほんの少しでも削っただけで、体調を崩す子もいます。
人間からしたら、『数ミリくちばしを削っただけ』だとしても、愛鳥にとっては大きなストレスになってしまうこともあるのです。
まずは主治医に相談し、くちばしを削った時のリスクなどをしっかり理解してから削ってもらいましょう。
くちばしが伸びすぎてると病気の可能性もある
インコのくちばしが伸びすぎているときは、インコちゃん自身が何らかの原因があってお手入れ不可能な状況にあると思われます。
くちばしが伸びすぎている場合、病気が原因の場合がかなり多いので、病気の進行を防ぐためにも早めに病院を受診してださい。
ではインコのくちばしが伸びすぎてしまう病気にはどんなものがあるのでしょうか?
◆肝臓疾患
肝臓では、くちばしの原料となる成分『ケラチン』が作られていますが、肝臓疾患で肝臓がうまく機能していないと、症状がくちばしに現れてしまうのです。
成長のくちばしが部分的に黒かったりするのも肝臓疾患、またはどこかにぶつけたことによる内出血の可能性があります。
◆疥癬(かいせん)
疥癬(かいせん)とは、トリヒゼンダニというダニがインコの体内に寄生する病気のことです。
もしダニがくちばしに寄生してしまうと、くちばしが異常に伸びてしまうので、餌がうまく食べれなかったり、くちばしが歪んでしまうという症状が出てきます。
さらには、ダニが寄生しているため痒みがあり、ケージや止まり木などにこすりつける動作も多くなります。
病院に連れて行かず治療を先延ばしにしていると、インコのくちばしは元に戻らなくなってしまいます。
痒みがあることも、くちばしが伸びて餌をうまく食べられないのも、インコにとっては物凄いストレスです。
気になる症状があるようでしたら、早めの受診をお勧めします。
インコのくちばしが伸びないようにするには
インコのくちばしは日々少しずつ伸びていることはお話ししましたが、インコが自分で調整できないほど伸びることが無いようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
◆木製の止まり木にする
インコはくちばしで木をかじることで自分でくちばしの長さを調整できます。
しかし、止まり木がプラスチック製のものですとそれが出来ません。
インコが自分でくちばしの調整が出来るように、自然木を使用した止まり木に変えてあげましょう。
◆かじれるおもちゃ
おもちゃに関しても同様で、かじれる自然木を使用したおもちゃやブランコに変えてあげてください。
おもちゃをかじりながら楽しむことで、自然とくちばしの長さも調整できます。
◆シード食は殻付きにする
餌にシードをあげている場合(ペレットを食べていておやつにシードを食べている子も同様です)シードは殻付きのものを与えてあげてください。
殻を剥いて食べるという行為がくちばしにとても良い影響を与えています。
インコのくちばしにひびが入ってるのは大丈夫なのか?
インコのくちばしは日々少しずつ伸びていることはお話ししましたが、多くのインコは年に数回、くちばしの先端が2~3ミリ削れます。
ひびのようなものが入るので、分かる方も多いと思います。
それは全く問題ないのですが、くちばしが脆くなったり、柔らかくなったりしてひびが入ってしまっている場合は、病気が考えられますので受診することをお勧めします。
まとめ
インコのくちばしは自然と伸びます。
病気が原因ではなく伸びている場合は、飼い主さんが出来る対応策がたくさんありますので今回の記事を参考にしてください。
しかし伸びすぎに気づいた場合は病気が考えられますので、早めの受診をお勧めします。
バランスの取れた食生活など、飼い主さんの心がけ次第で愛鳥は健やかな毎日を送ることが出来ます。
皆さまが愛鳥との楽しい生活をこれからも送ることが出来ますように(*^-^*)
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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