1.うさぎのふんは2種類
1-1.通常便
1-2.盲腸便
2.食糞について
2-1.盲腸便の特徴
2-2.盲腸便が落ちている?!
3.こんなうさぎのふんには要注意!
3-1.形が丸ではない
3-2.普段よりも通常便が小さい
3-3.毛がいっぱいで繋がっている
3-4.下痢
うさぎのふんは2種類
うさぎのふんには、コロコロとした「通常便」、さらに「盲腸便」と呼ばれるとても柔らかいふんの2種類があります。
◆通常便
通常便は、丸くコロコロとした形状のふんでいわゆる一般的な「うさぎのふん」です。乾いた質感をしていて、固いです。
ふんには健康に纏わるさまざまな情報が含まれていて、おおまかな健康状態を把握することができます。
個体によって「普通」の状態も少々異なることがありますので、まずはペットのうさぎのふんを日頃からよく観察して、その子の普通を理解することが大切です。
ちなみに、うさぎは草食性のため、うさぎのふんそのものに臭いはほとんどありません。
ふん自体もよく見ると、乾燥がぎゅっと固まったような見た目をしています。
◆盲腸便
盲腸便とは盲腸内の細菌が繊維を分解・発酵させて作られた便で、ブドウの房のような形状をしています。粘膜に包まれているか、粘膜がなくても柔らかくウェットな質感をしています。
盲腸便はうさぎにとって貴重な栄養源ですので、基本的に人の目に触れる前に全て食べてしまいます。
盲腸便は通常便とは異なり、独特なきついニオイがします。
人の目に触れる前に食べるとご紹介しましたが、うさぎは『食糞』といって、この盲腸便をたべることで、主食では補えないアミノ酸やビタミンBといった栄養素を盲腸便より吸収しています。
食糞について
そもそも食糞とは名前の通り『ふんを食べること』です。
ワンちゃんにおいての食糞は、母犬としての生理的な行動の他、いたずらや何らかの不満が行動として表れて行う行動になりますが、うさぎにおいての『食糞』は生きるために必要な行動となります。
前述の通り、うさぎが食べているのは盲腸便ですが、うさぎがふんを食べているところなんて見たことがない!という方もいらっしゃるかもしれません。
それもそのはず、実はうさぎはお尻に口を付け、出てきた盲腸便を直接飲み込んでいるのです。
そもそも、なぜ、うさぎは食糞をするのでしょうか?
ここでは、盲腸便を食糞することで、うさぎの身体にどのような影響を与えているのかについて、ご紹介していきます。
◆盲腸便の特徴
盲腸便は、うさぎが食べた牧草などの食物繊維を、盲腸内にいる細菌によって分解し、さらに発酵させさせたものです。
そのため、いわゆる「うさぎのふん」とは異なり、独特なにおいがします。
うさぎが食べる牧草には、食物繊維が多いものの、たんぱく質やビタミン類などの栄養素が不足しがちです。
それに対し、盲腸便には、アミノ酸やビタミンBのほかにも、ビタミンKや脂肪酸、有益な微生物など、食事では補いきれないさまざまな栄養素がとても多く含まれています。
ちなみに、1日にするうさぎのふんの量の50%以上が、この盲腸便です。
うさぎは、それだけの量を食糞し、栄養を補っているということになります。
飼い主さんのなかには、うさぎのふんを食べさせるより、盲腸便以外のサプリメントや食事などで栄養素を補わせたい、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、うさぎの身体には、盲腸便に含まれる栄養素を消化管から吸収する機能があり、万が一、盲腸便を食べられなくなると、うさぎが栄養不足に陥ってしまう可能性があるのです。
なお、老化や病気などで食糞が難しい場合は、うさぎが盲腸便をするタイミングを把握しておき、盲腸便が出たら、すぐに食べさせるなど、飼い主さんの手で食糞させてあげる必要があります。
それくらい、うさぎにとってはこの盲腸便が重要な役割を果たしているのです。
◆盲腸便が落ちている?!
うさぎは肛門に直接口を付け、出てくる盲腸便をほとんど残さず食べてしまうので、うさぎの健康状態が良好であれば、飼い主さんが盲腸便を見る機会はないでしょう。
ですので、盲腸便の食べ残しがあったり、盲腸便が落ちている場合には注意が必要です。
うさぎは、たんぱく質や糖質の多い食事をしていると、盲腸便をあまり食べなくなります。
さらに、乾草以外のものを偏食することにより、うさぎの腸内の細菌のバランスが悪くなり、盲腸便の量や排泄頻度が安定しなくなったり、下痢のような盲腸便になったりするため、盲腸便を残すことがあります。
このような場合は、ペレットを減らしたり、マメ科の牧草はなるべく与えず、チモシーを中心に与えたりするなど、食の改善とともに、腸内環境を整えてあげる必要があります。
また、肥満体のうさぎの場合、肛門に口が届かず、物理的に食糞ができないという場合があります。
当然、肥満はうさぎの健康にとってもよくありません。
さらに、食糞ができない状況を一刻も早く改善しなければ、さらに健康状態を悪くしてしまう恐れがあります。
盲腸便を見たことがなかったとしても、いつものうさぎのふんを知ることで、通常便か盲腸便かを判断できるようになります。
いつものうさぎのふんの状態が分かると、うさぎの健康状態の把握もよりしやすくなります。
日頃から、うさぎの様子はもちろんのこと、うさぎのふんの様子も、よく観察してあげてください。
こんなうさぎのふんには要注意!
ここまではうさぎの「通常便」「盲腸便」のベースとなる2種類を中心にお話しをしてきました。
しかし、うさぎと暮らしていると、通常便・盲腸便だけでなく、様々なタイプのふんを見ることがあると思います。
うさぎのふんは、どのような状態になると問題なのでしょうか?
ここでは、注意すべきうさぎのふんの状態について、ご紹介していきます。
◆形が丸ではない
通常便と呼ばれる、一般的なうさぎのふんはコロコロとした丸型をしています。
さらに、主食が牧草のため、うさぎのふんはあまり臭いも感じません。
ところが、胃腸の調子が悪くなっているときなどは、うさぎのふんの形状が、楕円形になることがあります。
たとえば、お腹のなかに飲み込んだ毛が溜まっている場合にも、うさぎのふんが楕円形になる場合があります。
このようなふんの形状が続く場合は、速やかに獣医師の診察を受けましょう。
◆普段よりも通常便が小さい
牧草やペレットをしっかり食べられていないなど、食が細くなっているときなどは、うさぎのふんが小さくなることがあります。
いつものうさぎのふんより、大きさが小さく感じられたときは、まずはしっかりと食べられているかどうか、食事の様子を確認するようにしましょう。
もしも、あまり食べられていないようであれば、速やかな受診をおすすめします。
◆毛がいっぱいで繋がっている
うさぎは、換毛期になると抜け毛が増え、その抜けた毛を飲み込んでしまうことがあります。
さらに、うさぎの胃腸の働きが弱くなっていたりすると、消化されなかった毛とともにうさぎのふんが排泄され、そのうさぎのふんが数珠のように毛でつながった状態になっていることがあります。
このようなときは、チモシーを多く与えるなどして、胃腸の調子を整えてあげるようにしましょう。
なお、万が一、抜けた毛がうさぎの胃のなかに溜まってしまっていると、命に係わることもあります。
日頃から、うさぎやうさぎのふんの様子を観察しながら、食欲や元気がなくなったり、そもそもふんをしなくなったりしていないかを確認するようにしてください。
もしも、ふんをしていないようであれば、早急に受診しましょう。
◆下痢
身体の小さなうさぎにとって、下痢は命に係わる可能性がある症状です。
うさぎのふんが、水状だったり、泥状だったりする、いわゆる「下痢」の場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
なお、受診の際は、下痢の状態のうさぎのふんを病院に持っていくことをおすすめします。
さらに、餌は食べているか、水は飲めているか、いつ頃から調子が悪そうかなど、医師にできるだけの情報を伝えられるようにしておきましょう。
うさぎの腸内環境を整えよう
人間と同様に、うさぎのふんもうさぎの健康のバロメーターです。
通常便も盲腸便も「いつものうさぎのふんと違う」と感じた場合には、そこには何らかの原因があると考えられます。
その多くの場合が、「腸内環境の乱れ」であるといえるでしょう。
腸内環境の改善は、まずは食事から。
うさぎの食生活は、十分な牧草とペレットを中心に、野菜などの副菜を与えるのが通常で、いかにも健康的ですが、問題はその質です。
うさぎに与える牧草は、イネ科のチモシーを中心に、しっかりした量を与えることで、うさぎの腸内環境を整えます。
ちなみに、好んで食べてくれるからといって、マメ科の牧草を中心に与えてしまうと腸内環境を乱す恐れがあるので、注意してください。
また、うさぎ用として、乳酸菌などを含んだサプリメントなども市販されています。
食生活の改善とともに、サプリメントなども取り入れながら、うさぎの腸内環境を整え、良いうさぎのふんが出るようにしてあげてください。
まとめ
今回は、「うさぎのふん」について、ご紹介してきました。
うさぎのふんに2種類あること、うさぎが食糞をすることなど、知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
最近では、人間の世界でも「腸内環境」という言葉をよく耳にします。
そして、健康維持のためには腸内環境を整えることが重要だと、多くの方が理解しているのではないでしょうか。
実は、うさぎも同じです。
特にうさぎのふんには、「不要なものを排泄する」という役割だけでなく、「足りない栄養素を補う」という大切な役割があります。
また、うさぎのふんの異常は、人間よりも大きな影響があり、下痢や便秘という症状自体が命に係わることもあります。
そのため、「いつものうさぎのふん」の状態を知ることは、現在のうさぎの健康状態を判断するバロメーターになります。
日頃から、うさぎ自身のことはもちろん、うさぎのふんも十分に観察して「いつものうさぎのふん」を知るようにしてあげてください。
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