人気急上昇中の両生類!カエル以外の両生類も知りたい!

2023.03.25

人気急上昇中の両生類!カエル以外の両生類も知りたい!

SNSなどで、カエルなどの両生類たちをオシャレに飼育している動画を目にしたことはありませんか? カラーや柄が美しかったり、くるっとした目が意外に可愛かったり、両生類は魅力にあふれています! とはいえ、実際に飼育することは可能なのでしょうか? 今回は、両生類の代表ともいえるカエルとカエル以外の両生類のなかで、ペットとしてお迎え可能な種類についてご紹介してきます。

【目次】
1.両生類と爬虫類の違い
 1-1.水辺から離れて生活できるか、できないかの違い
 1-2.両生類はプルプル、爬虫類はカサカサ

2.両生類の生態
 2-1.水の中で卵から孵る
 2-2.生まれたばかりの頃はエラ呼吸
 2-3.成長したら肺呼吸になる

3.両生類代表のカエルはペットとしても大人気
 3-1.おたまじゃくしからカエルの姿に成長していく
 3-2.ペットとして人気のカエルは?

4.カエル以外のペットとして飼える両生類は?
 4-1.イモリ
 4-2.ウーパールーパー

5.両生類を飼うのは大変?
 5-1.水辺と陸地の両方があるレイアウトにする
 5-2.温度管理と湿度管理が重要
 5-3.紫外線ライトは必要ない
 5-4.脱走に注意

6.まとめ


両生類と爬虫類の違い

近頃では、犬や猫、鳥などの昔から馴染みのある生きものだけでなく、カエルやトカゲなどをペットとして飼育されている方が増えています。
カエルやトカゲは、ペットショップなどでは同じエリアで販売されていることもあり、同じ仲間と勘違いしてしまいそうですが、カエルは両生類、トカゲは爬虫類です!
ちなみに、両生類と爬虫類はどのように区別され、どのように見分ければよいかご存じですか?
ここでは、両生類と爬虫類にどのような決定的な違いがあるのか見ていきましょう。

◆水辺から離れて生活できるか、できないかの違い

ズバリ!両生類と爬虫類の決定的な違いは、「水から出て離れて生きることができるかどうか?」です。
両生類は、水の中に卵を産み、幼生(子供の頃)の期間は水中で育ち、成長するとともに陸地に上がりはじめます。
このように、両生類とはその名前の通り、池や川など水辺で生活し、「水」と「陸」両方で生きるものです。
それに対し、爬虫類は、卵を産み、育ち、生活するというすべての過程を陸上で過ごします。
そのため、爬虫類は幼生も成体も「肺呼吸」で生活しますが、両生類は、幼生のときには「エラ呼吸」、成体になると次第に「肺呼吸」もできるようになっていきます。

◆両生類はプルプル、爬虫類はカサカサ

両生類と爬虫類の身体には、生活の場に適した特徴があります。
例えば、ヘビやトカゲ、カメのように、爬虫類の身体はうろこや甲羅に覆われており、乾燥し、カサカサした皮膚をしています。
それに対し、カエル、カエル以外でもイモリなどの両生類は、成体になり陸上の生活を送るようになると、肺呼吸に加え、粘膜に覆われたプルプルの皮膚で呼吸(皮膚呼吸)するようになります。
そのため、両生類にはうろこがなく、プルプルとした皮膚を保つためにも水辺で生活する必要があるのです。


両生類の生態

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ここまで、両生類と爬虫類の違いについてみてきました。
「言われてみれば、結構違うかも?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、さらに両生類の生態について詳しく見ていきたいと思います。

◆水の中で卵から孵る

両生類は、殻がなく、ゼリー状のものに包まれた卵を水の中にたくさん産み付けます。
ちなみに、両生類の代表格「カエル」は、種類によって異なるものの、大体1度に1000個もの卵を産みます。なお、ウシガエルは1度に1万個以上も産むのだそう。
また、カエル以外の両生類「オオサンショウウオ」や「ウーパールーパー」なども、500個前後の卵を産むといわれています。
これらたくさんの卵たちは水の中で孵り、成体になるまで水の中で成長していきます。

◆生まれたばかりの頃はエラ呼吸

生まれたばかりの両生類の幼生は、水の中で生活するためにエラ呼吸をします。
一般的に、両生類は成体になると陸上でも生活するようになるため、次第に肺呼吸へと移行していきます。
しかしながら、両生類のなかには、成体になってもエラ呼吸のままの種類もあります。
例えば、カエルの中では「ヒメツメガエル」、カエル以外では「ウーパールーパー」も一生を水中で過ごす代表的な「エラ呼吸」両生類です。

◆成長したら肺呼吸になる

多くの両生類は、成長すると「水」「陸」の2拠点生活を送ることになるため、エラ呼吸から肺呼吸へと変わっていきます。
とはいえ、他の肺呼吸の生きものに比べ、成体の両生類の肺機能は、あまり優れたものではありません。
そのため、成体の両生類は、「肺呼吸」とともに「皮膚呼吸」を組み合わせて呼吸します。
ちなみに、成体のカエルは、全呼吸の30~50%が皮膚呼吸といわれています。
カエル以外の両生類もみな、成体になると、それぞれの割合で肺呼吸と皮膚呼吸のハイブリッド呼吸を行うようになります。


両生類代表のカエルはペットとしても大人気

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両生類というと、真っ先に思い出す方も多いであろう「カエル」。
この両生類の代表ともいえるカエルは、ここ最近ペットとしても大人気です。
あまり「飼われる」というイメージの少ないカエルが、ここにきてペットとして人気になったのにはどのような理由があるのでしょうか?
ここでは、「カエルがペットとして人気の理由」と「ペットとして人気のカエルの種類」の2点について、解説していきましょう。

◆おたまじゃくしからカエルの姿に成長していく

おたまじゃくしというと、「田んぼや池などで捕まえる!」というイメージがありますが、最近では、ペットショップで購入することもできます。
カエルは成長の過程の変化が大きく、おたまじゃくしの頃から育てはじめ、次第にカエルへと変化していく姿を見守るのもとても「おもしろい」のではないでしょうか?
ただし、おたまじゃくしの間は完全に水の中なのに対し、カエルになったら石や砂などを敷くなどして陸地を用意してあげる必要があります。
さらに、比較的育てやすいおたまじゃくしに比べると、カエルの飼育は少々難易度が上がると考えてください。

◆ペットとして人気のカエルは?

カエルがペットとして人気がある理由には、きれいな色や柄をしていたり、意外に可愛らしい顔をしていたりする「見た目」とともに、水槽ひとつで飼育できる「手軽さ」でしょう。
ここでは、ペットショップで購入可能なペットとして人気の「カエル」についてご紹介していきます。

ニホンアマガエル

日本では野生でも見かけることができ、最もポピュラーなカエルともいえる「ニホンアマガエル」は、美しいカラーと小さくて可愛らしい姿が特徴のカエルです。
比較的飼いやすい点も魅力のひとつで、水槽のなかに登り木を入れておくと、喜んで木登りもしてくれます。

イエアメガエル

「イエアメガエル」は大型のカエルで、丈夫で長生きするカエルともいわれています。
欧米では「人慣れするカエル」として人気で、手に乗せてスキンシップを取る「ハンドリング」が可能なカエルです。
地面と樹上で生活するため、水槽のなかには常に登り木を入れておいてあげましょう。

ツノガエル

「ツノガエル」は、ずんぐりむっくりとした体型と鮮やかなカラーが特徴的なカエルです。
普段は、どっしりと構えたままほとんど動くことがないため、小さい水槽でも飼育することができます。
また、必ずしも生餌でなくても食べてくれる点からも、飼育のしやすいカエルといえるでしょう。

ヒメツメガエル

「ヒメツメガエル」は水中で生活するカエルで、穏やかな性格から魚と混泳させることも可能です。
ただし、とても小柄なカエルなため、肉食の熱帯魚との同居は避けましょう。
さらに、熱帯魚などに与える人口餌も餌になるため、特に生餌に躊躇されている場合におすすめです。


カエル以外のペットとして飼える両生類は?

ペットとして魅力的な両生類は、カエルだけではありません。
もちろん、カエル以外でも、ペットとして飼育可能な両生類もいますよ!
ここでは、カエル以外でペットとして人気があり、かつ、飼育可能な両生類をご紹介していきましょう。

◆イモリ

「カエル以外の両生類」といって、真っ先に頭に浮かぶのは、イモリではないしょうか。
突然ですが、その「イモリ」と「ヤモリ」の違いをご存じですか?
それぞれ見た目はとても似ていますが、そもそもイモリは「両生類」、ヤモリは「爬虫類」という大きな違いがあります。
ちなみに、ペットで飼育されるイモリのなかで代表的な種類は「アカハライモリ」です。
アカハライモリは、ペットショップやホームセンターなどで購入することができる比較的ポピュラーな種類で、腹部がとても特徴的な美しい赤色、成体の大きさは10~15cmくらい。しかも、寿命は20年前後と、とても長生きのイモリです。
イモリがペットとして人気な理由は、見た目の美しさだけでなく、魚の飼える水槽があれば飼育できること、飼育がしやすいことだといえるでしょう。

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◆ウーパールーパー

カエル以外の両生類のなかでも、イモリに次いで知名度が高いのが「ウーパールーパー」です。
そんなウーパールーパーは、オオサンショウウオの仲間。
しかも、ウーパールーパーには、両生類としては珍しい「幼生から成体にかけて変態しない」という大きな特徴があります。
また、ウーパールーパーというと「体色は薄いピンク」というイメージではありませんか?
実は、このピンクのウーパールーパーは、アルビノ個体から品種改良されたもので、本来はオオサンショウウオ同様、黒っぽい色味をしています。
このように品種改良が進んだ結果、現在では黒、薄いピンクを含め、5種類以上のカラーバリエーションのウーパールーパーに出会うことができます。
なお、ウーパールーパーの成体の大きさは25cmくらい。寿命は、10年前後。
ウーパールーパーも魚の飼える水槽があれば飼育可能で、人工フードで飼育できることも人気の理由といえるでしょう。

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両生類を飼うのは大変?

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誤解を恐れずにいうと、ペットとして、特別に「両生類だから大変」ということはありません。
ここまでご紹介してきたように、カエルはもちろんのこと、カエル以外の両生類も、水槽サイズで飼育することができるうえに、他の種類の生きものよりも安価なものも多く、両生類は「お迎えしやすいペット」といえるでしょう。
むしろ、両生類は身体が丈夫で、寿命も長く、あまり手がかかりません。
とはいえ、お迎えする以上は生態を正しく理解し、その子、その子に合った環境を整えてあげることがとても重要です。
ここでは、カエル以外の両生類も含め、両生類を飼うにあたりどのような準備や心構えが必要なのか、について解説していきます。

◆水辺と陸地の両方があるレイアウトにする

両生類の飼育には、生息地に近い環境を整えてあげることが大切です。
例えば、カエルの飼育水槽では、テラリウムのような水辺と陸地の両方がレイアウトされているちょっとおしゃれな飼育環境を作ることができます。
爬虫類用のケージに流木やコケ、湿気に強い観葉植物などを置き、水場を作る…といった感じです。
もしも、ケージ内に植物を配置する場合は、植物の成長を促すための照明も必要になります。
そもそも、同じ仲間(種類)であったとしても、同じ環境を求めているとは限りません。
カエルにも、カエル以外の両生類にも、大きな水場のいらない子、反対に陸地のいらない子もいるのです。
木登りが好きな種類の場合は登り木を設置してあげたり、水中で過ごすことの多い種類の場合は熱帯魚の飼育環境のような水槽を準備してあげたりと、その子に必要な環境を整えてあげてください。

◆温度管理と湿度管理が重要

カエルだけでなく、カエル以外の両生類についても、飼育するうえで最も重要なのが「湿度」です。
両生類は乾燥が苦手定期的に霧吹きをするなど、ケージ内の湿度を常に十分に保つことが重要です。
さらに、両生類には、本来の生息地に合わせた温度管理も必要になります。
例えば、日本や熱帯地方原産のカエルの場合、冬場はヒーターを設置するなどして、常にケージ内を適温に保たなければなりません。
それに対し、イモリなど有尾類の両生類のなかには、高温が苦手な子もいます。
水中で生きる両生類の場合は、水温が重要になりますが、水温の高い状態は水質の劣化を招くため、水温の管理も必要です。
また、アカハライモリのように寒さに強く、飼育する地域によっては何もしなくていい!という場合もあります。
乾燥に弱いのは共通するところですが、同じ両生類といえども、原産地によって得意な温度帯には違いがあります。
ケージ内には、温度計や湿度計を設置し、常にベストな環境を保つようにしましょう。

◆紫外線ライトは必要ない

両生類には、紫外線がなくても問題はありません。
例えば、水・陸の環境が必要なカエルの場合は、ケージ内に設置したコケや植物のためにタイトを設置する場合がありますが、カエル自体の健康を維持するためのライトは必要ありません。
これは、カエル以外の両生類、水中で生活する両生類にも同様です。
むしろ、ライトをつけることでケージ内の温度が上がりすぎてしまう可能性があるため、もしもライトをつける場合は、温度計や水温計を設置し、温度管理を徹底しましょう。
また、ライトの明るさがストレスになる場合もあります。できるだけ自然な状態で飼育するように心がけてあげてください。

◆脱走に注意

ペットとして飼われている両生類は、カエルもカエル以外の場合も比較的体の小さな種類が多く、脱走すると見つけることが難しくなってしまいます。
そのような点も踏まえ、脱走には十分に注意してください。
そんな両生類のなかで、最も脱走に注意すべきなのが「イモリ」です。
イモリは脱走の名人で、ねばねばとした身体を上手く使って、簡単にケージの壁を乗り越えて脱走してしまいます。
脱走を防止するには、まずはケージの蓋は開いていないか、逃げ出せるような隙間はないか、特にお世話のときのこまめなチェックが必要です。


まとめ

今回は、ペットとして飼える両生類は何か?という点から、代表的なカエル、さらに、両生類のなかでもペットとして多く飼育されているカエル以外の生きものたちについて、ご紹介してきました。
小さな頃からなじみがあり、身近な生きものでもあるカエルでさえも、ペットとして飼育するというイメージはあまりなかったかもしれません。
ご紹介してきたとおり、カエル以外の両生類も含め、それぞれの特性に合わせた環境を整え、十分な量の餌を与えてあげることが、両生類ペットたちへの最大のお世話です。
そのうえ、身体も丈夫で、比較的寿命も長く、じっくりと関係を築いていくこともできます。
しかも、反応や表情も可愛らしさのある両生類たち、いつまで見ていても飽きません。
ペットショップなどで見かけたら、是非、じっくりと観察してみてくださいね!



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こどもの頃から、爬虫類、小動物、ワンコなど、さまざまな動物と共に生活してきました。 今まで出会ってきた動物たちとの経験を活かしながら、新しい情報、役立つ情報をキャッチし、ご紹介していきたいと思います。


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